ある部族で、成人の儀を迎えた若者を前に長老が言った。
「これから勇者の儀を執り行う」
　若者は鋭いまなざしで頷いた。
「よいか、あそこに3つのテントがある。1つ目のテントの中にはひどい巻き爪の鷲がいる。お前はその鷲の爪を切って来るのじゃ」
　若者は黙って聞いていた。
「次のテントにはひどい虫歯のライオンがいる。お前はそのライオンの虫歯を抜いてくるのじゃ」
　若者はごくりと生唾を飲み込んだ。
「そして最後のテントには、ひどい不感症の女がいる。お前はその女と交わって、女を昇天させるのじゃ。よいな？」
　若者は黙って頷くと、盾と短剣を持って鷲のテントに入っていった。

　若者がテントから出てきた。その手には鷲の爪が握られていた。長老は満足そうに頷き、あごをしゃくって若者を次のテントへと促した。
　若者はライオンのテントへ入っていった。

　その若きメスのライオンは苛立っていた。
　ときおり口を開け、時折前脚で頬を撫でる
　どうやら酷い虫歯があるようで、ライオンがどんなに撫でても痛みが収まる気配はない。
　むしろ痛みは日に日に大きくなってくる。
　ライオンは、とてつもなく苛立っていた。
　その時、若者がテントに入ってきた。
　ライオンは若者が入ってきたのに気づくと、低いうなり声を上げながら起き上がり、身構えた。
　ライオンはせめてもの腹いせにこいつを血祭りに上げてやろうと思った。
　ライオンが飛びかかると、まず若者は盾で爪をはじき、踏みとどまった。
　ライオンは後ろに飛び、さらなる猛攻を仕掛けるべくバネを縮ませ、吼えながらまた、飛んだ。しかし若者は盾を投げ捨てると柔道を思わせる動きでライオンをいなし地面に投げた。
　姿勢を立て直そうとライオンが身体をひねった瞬間、若者が後ろからライオンの首を固めた。ライオンは大きく吼えながら転げ回ったが、とうとう若者が地面を捉え、ライオンは完全に動きを抑えられた。

　ライオンはしばらくその拘束をほどこうと暴れようとしたが、首を締められ続け、脳への酸素の供給が少なくなり程なく動く事も出来なくなった。
　意識を手放そうとしているライオンを横目に、若者はズボンを下ろし自らのペニスを露出させた。
　獅子のごとくの大きさ、いや。恐らくそれ以上の存在感を放つ若者のペニスは赤黒く脈打ち、そり立っていた。

　若者は明らかに人間の物とは思えないその先端をライオンの性器に密着させ、ひと思いに奥まで打ち付けた。
　既に滴るほどの先走り汁を分泌していた若者のペニスは一気にライオンの子宮まで到達し、圧迫した。
　ライオンの性器からは血が流れているため、どうやら処女膜だったようだ。
　ライオンは破瓜の痛みからその意識を覚醒させ、吼えながら逃げようともがき、若者の肩に深い傷を刻んだ。
　しかし若者は血が噴き出ているのを気にもせず、ライオンの腰を更に強く掴みもう一度腰を打ち付けた。
　それによりライオンの動きが一瞬止まった隙を突き、若者はリズム良く腰を動かし始めた。
　始めの方はまだ抵抗する気力があったライオンも、徐々に若者に身を任せるようになった。獰猛な吼え声も、今はどこか悦びを感じる喘ぎ声になっている。
　地面に伏せ、鼻息を荒くし、腰を浮かせているライオンは既に虫歯の痛みのことなど忘れていた。
　若者は呻き声を漏らしながらこれでもかとばかりに腰を前後させ、じゅぽじゅぽと激しい水音を立てていた。
　そしてとうとう若者が果てると、ライオンはおよそ人間が出すとは思えないほどの量の精液を注ぎ込まれながら喉を仰け反らせ大きく吼えた。

　若者が子宮に十分に精液を馴染ませ、ペニスを引き抜くと、ライオンはふらついた足取りで立ち上がり、鼻息を荒くしながら若者のペニスに残った精液を棘のついた舌で舐めとった。すると、若者が思い出したように言った。
「たしか、昇天させるんだったな」
　ライオンは若者の言葉が分からなかったが、いやな予感がした。後ずさろうとしたが、若者に捕まり仰向けに押し倒され、ペニスを性器に入れられた。
　ライオンはまんざらでもなさそうな声を上げ、若者を受け入れた。
　先程とは少し変わった快感を受けながら、ライオンは目の前の若者の顔を舐めた。
　若者は顔を舐めるやすりのような舌を舐め返し、さらにはライオンの口腔に舌を侵入させ、歯茎を愛でる。
　若者はライオンと深い口付けを交わしながら、何度も何度も突き刺すように腰を沈めると、再び果て、一度目と変わらない、むしろより濃い精液を注いだ。
　子宮がいっぱいになるほどの精液を注がれ、ライオンは気付けば爪で若者の背に深い傷を負わせていた。
　若者は少し顔をしかめたが、構わずライオンをひっくり返し、腰を打ち付け続けた。
　日が傾き始めて来た頃、若者は未だ濃い精液をライオンの中に注ぎ込んだ。
　既に満杯になっていた子宮は精液を受け入れ切れず、結合部から精液が勢い良く溢れた。
　ライオンは全身を痙攣させながら力無く舌を垂れ下げ、恍惚とした表情のまま気を失っていた。
　若者は息をつくとズボンを上げ、血まみれのままテントを出た。

　若者は血まみれになってテントから出てきた。そして若者は長老に向かって叫んだ。
「残りは虫歯の女だけだ！」

　あるところに獣と交わったことで部族から追放された若者がいた。
　話によれば、その若者はどこか納得が行かないという顔をしながらその獣と共に部族を去ったという。

　あるところに獅子を従える勇者がいた。
　話によれば、その勇者は獰猛な獅子を従え数々の人々をその圧倒的な力と獅子との絆によって救ったという。
　また、ある話ではその獅子はメスで、一本の歯だけが無かったという。
　また、ある話ではその獅子と若者は力を付けるために夜な夜な激しい特訓に勤しんでいる声が聞こえたという。
　また、ある話ではその獅子は常に勇者のそばにいて、勇者が微笑みかければ舐め返すというふうに、勇者に力で支配されているのではなく真に深い絆に結ばれていると言うことが見て分かったという。

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