【モバマスSS】奪え!なおかれん! (29)
コメディです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1540656095
~事務所~
奈緒「えっと……次のスケジュールは……」
ガチャ
加蓮「あっ! いたいた!」
奈緒「ああ、加蓮……って、なんだその格好……? 魔女……か……?」
加蓮「ふふっ。もうすぐあのイベントだからね」
奈緒「あのイベント……? あっ、なるほどな」
加蓮「そう……トリック・オア・デリート!」
奈緒「そのノリで消されるくらいなら甘んじてイタズラを受け入れるよあたしは」
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読まなくても平気な前前前々作と前前々作と前々作と前作
【モバマスSS】駄弁れ!なおかれん!
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【モバマスSS】祝え!なおかれん!
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【モバマスSS】見舞え!なおかれん!
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【モバマスSS】誇れ!なおかれん!
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加蓮「奈緒は何の仮装してるの? 眉毛の擬人化?」
奈緒「してねぇよ」
加蓮「これ以上クオリティが上がるの!?」
奈緒「今後するつもりもねぇよ」
加蓮「冗談は眉毛だけにしてよ」
奈緒「もしかしてあたしを眉毛だけで認識してないか?」
加蓮「『導入の適当な会話(2段落程度)』って書いてある部分はこのくらいにして……」
奈緒「メモを読み上げるんじゃない」
加蓮「じゃ、計画を立てよっか?」
奈緒「……計画?」
加蓮「そ。ちゃんと練ってから挑まないと返り討ちになっちゃうからね」
奈緒「いやいや、ハロウィンだろ? 適当に仮装してお菓子持って、会った小さい子にあげればいいだけだろ」
加蓮「次”適当に”って言ったら五体満足で帰れると思わない方がいいよ」
奈緒「どこに地雷があった?」
加蓮「あ……もしかして奈緒、知らないの?」
奈緒「え? 知らないって……何が?」
加蓮「何って……『事務所内対抗! チキチキ! 平成最後のお菓子大量獲得選手権~無差別級大決戦~!!!』のことだけど」
奈緒「あんまり所属してる事務所にこういうこと言いたくないんだけどさ、ここバカしかいないんだな」
加蓮「ルールは簡単!」
奈緒「とか言ってめちゃくちゃ厚いルールブックとか出てくるんだろ?」
加蓮「最後まで生きて立ってた人の勝ち!」
奈緒「そういう方向のシンプルさは求めてなかった」
加蓮「武器の使用に制限もなし!」
奈緒「およそ平成の世で聞きたいルールではないな」
加蓮「核兵器の使用は制限することがこの前の会議で決まったけどね」
奈緒「国家レベルで禁じてくれてるから心配いらねえよ」
加蓮「ここまでで質問とかある?」
奈緒「質問しかないけど、もう最後まで聞こうと思う」
加蓮「潔いね。いい捕虜になれるよ」
奈緒「別に潔さのパラメータは敵軍に捕まるために育むものじゃないからな?」
加蓮「このゲームはね、最後に持ってたお菓子の総重量が大きい人が優勝になるんだけど」
奈緒「さっきの殺伐とした説明、まるっきりウソだったんだな」
加蓮「お菓子は参加者が自由に用意するんだよ。それをみんなで取り合うの」
奈緒「そんなの……大量に持ってきて逃げ回ればいいだけなんじゃないか?」
加蓮「ううん、そんなことしたらみんなから狙われちゃうでしょ? 骨も残らないよ」
奈緒「スラム街レベルの治安だな」
加蓮「その駆け引きが面白いんだって。たくさん持ってきたら狙われやすいし、動きにくいし」
奈緒「じゃあ、お菓子は持ってこないで、まずはたくさん持ってきた人を狙うのが定石なのか?」
加蓮「いや、小さい子から取るのが一番早いよ」
奈緒「加蓮の小学校には道徳の授業がなかったのか?」
最近、アメリカの核拡散条約の撤退であまり冗談じゃなくなってるネタだなぁ
加蓮「冗談。自分より年下からはお菓子を取れないシステムなんだよ。それならどんどん年少組にお菓子が集まるでしょ?」
奈緒「まあ、それはいいアイデアだと思うけど……」
加蓮「そのルールの盲点を突いて去年優勝したのが菜々ちゃん」
奈緒「やめてやれよ」
加蓮「年齢の定義に失敗した場合、暫定的に0歳として登録されるの。つまり誰からもお菓子を奪われない無敵状態に意図せずなっちゃって」
奈緒「やめてやれよ」
加蓮「どう? 面白そうでしょ?」
奈緒「いや、まったく」
加蓮「まあ私も、優勝賞品が福沢諭吉の肖像詰め合わせだって知るまではそんな感じだったかな」
奈緒「現金をそこまでいやらしく言い換えられるアイドルを初めて見たよ」
加蓮「まあここまでの会話は全部ウソなんだけど」
奈緒「さすがに去年もこんなクソみたいなイベントやってたら覚えてるわ」
加蓮「というわけで、なーおっ」
奈緒「え? 何だよその手」
加蓮「トリックオアトリート♪」
奈緒「は?」
加蓮「いやいや、は? じゃなくって」
奈緒「だってハロウィンはまだだろ?」
加蓮「予行練習♪」
奈緒「そんなこと言っても……」
加蓮「えー? お菓子持ってないの?」
奈緒「いきなり言われても持ってないって……」
加蓮「そんなこと言って、隠してるんじゃないの? この辺とかっ」ズボッ モフモフモフモフ
奈緒「勝手に人の髪に手を突っ込むな」
加蓮「あ、釘バット出てきた」ズモモモモモモ
奈緒「世紀末の四次元ポケットか」
加蓮「いや、世紀末の四次元ポケットではないよ」
奈緒「……掘り返すなよ。あたしもちょっと言葉選びミスったなって思ったとこなんだから」
加蓮「反省が早いね。いい謝罪会見が開けるよ」
奈緒「さっきからマイナス方面へ才能を活かしすぎじゃないか?」
加蓮「とりあえずこの釘バットはメルカリで処分しておくから」
奈緒「一儲けしてんじゃねえよ」
加蓮「それにしてもハロウィンってさ? ここ数年で急に大きなイベントとして認知されはじめたって感じしない?」
奈緒「ああ、確かにな」
加蓮「私が小さいときは全然イベントって感じしなかった記憶があるんだけど……」
奈緒「まあ、企業の戦略とかもあるんじゃないのか? 秋はイベントが少ない季節だし」
加蓮「奈緒の誕生日があるのに?」
奈緒「荷が重いわ」
加蓮「まあどうせ私が小さい頃は入院ばっかりでイベントとかほとんどあってないようなものだったけど、奈緒はどうだった?」
奈緒「話の振り方がさ、重いんだよ」
加蓮「健康な幼少期を過ごしてた奈緒はどうだった?」
奈緒「なんでプレッシャーを増すんだ?」
加蓮「今なら”寂しく病室でハロウィンを迎えてた北条少女の前に現れて遊んでくれた女の子”が奈緒だったってことにするルートが作れるけど?」
奈緒「”けど?”じゃない」
加蓮「そうだよね、その眉毛を忘れるわけないよね」
奈緒「確実にあたしを眉毛だけで認識してるな?」
加蓮「……なんか、ハロウィンではしゃぐの、世間に乗せられてる感あってイヤだね」
奈緒「アイドルがそれ言っちゃおしまいだろ……」
加蓮「というわけで今年は、逆ハロウィンを提唱します!」
奈緒「はあ?」
加蓮「ほら、聞いたことあるでしょ? 逆ハロウィン」
奈緒「2秒前にお前が提唱したのに?」
加蓮「気になるでしょ? 気になるよね?」
奈緒「もちろん一寸の興味もないけど押し切られて説明を受ける未来は見える」
加蓮「しょうがないなあ」
奈緒「しょうがないのは加蓮のアタマだろ」
加蓮「じゃあまず、ハロウィンのセリフといったら?」
奈緒「そりゃ……トリックオア」
加蓮「日本語で」
奈緒「先に指定してくれよ……”お菓子くれなきゃイタズラするぞ”」
加蓮「でも今回は逆ハロウィンだから、逆になるの」
奈緒「逆?」
加蓮「”お菓子をもらってくれないならイタズラしてください”」
奈緒「馬鹿じゃねえの?」
加蓮「罵倒が直球だね」
奈緒「オブラートに包む余裕もなく口から出ちゃったんだよ」
加蓮「もちろん、普段なら小さい子が大人に言うんだけど、これは逆ハロウィンだからね、大人が子供に言うんだよ」
奈緒「事案だ事案」
加蓮「他にも、普通のハロウィンだとカボチャを使った飾りが多く使われるよね?」
奈緒「普通はな」
加蓮「逆ハロウィンだとダイコンになるよ」
奈緒「カボチャの対偶にダイコンを置く価値観は病院では治らないやつだったんだな」
加蓮「あと、魔女のコスプレをしてる人はバレーボール選手になるよ」
奈緒「それ東洋の魔女じゃねえか」
??「あ゛あ゛ぁ~! 懐かしいですねぇ~!」
加蓮「ごめん、このシリーズ、私と奈緒しか登場しちゃダメなんだ」ズルズル
??「えぇ!?」ズルズル
奈緒「やめてやれよ」
奈緒「今、明らかに菜々が」
加蓮「ところで奈緒はどんなコスプレするの?」
奈緒「逸らし方が露骨なんだよな」
加蓮「ええ!? 常務のコスプレを!?」
奈緒「荷が重いわ」
加蓮「じゃ、この辺でいいかな?」
奈緒「ん? 帰るのか?」
加蓮「ううん?」
奈緒「?」
加蓮「……」
奈緒「何して……」
加蓮「そしてハロウィン当日」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……あれ?」
奈緒「どうした? 病院行くか?」
加蓮「酷い言われよう」
加蓮「これで当日にワープできるはずだったんだけど……」
奈緒「は?」
加蓮「説明書説明書……あっ、私が言っちゃダメなんだね」
奈緒「は?」
加蓮「両脇に波線を添えて置いておく……」
奈緒「さっきから何言って」
加蓮「こうかな?」
~そしてハロウィン当日~
加蓮「あ、成功したみたい」
奈緒「やっぱり頭がおかしくなったんじゃ……」
加蓮「ほらスマホ、31日」スッ
奈緒「これ本当に何なんだ???」
加蓮「ほらほら、当日だよ? はしゃいではしゃいで!」
奈緒「夢オチかな。そろそろあたしは起きるから」
加蓮「現実に目を向けなきゃ」
奈緒「こっちのセリフ……」
ピピピピピピ
奈緒「あ、メールだ」
加蓮「私も来てる。事務所からの業務連絡だね」
『件名:今年の”事務所内対抗! チキチキ! 平成最後のお菓子大量獲得選手権~無差別級大決戦~!!!”について』
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……」
奈緒「……」
加蓮「……ダイコン買ってくるね」
奈緒「いらねえよ」
おわり
ありがとうございました
直近の過去作
橘ありす「オータムジャンボフレデリカ?」
風野灯織「ピーちゃんの色でプロデューサーの状況がわかる……?」
藤居朋「智絵里ちゃんがペットの犬をほたるちゃんって呼んでいる」
などもよろしくお願いします
乙
後、バグでSS速報Rにスレが立ってるので処理をお願いします
スレを立てるとき専ブラなら起きないはずです
>>26
HTML化依頼をいたしました。
教えてくださり、誠にありがとうございます。
乙
作者の中で大根の存在って……何?
ちなみにジャックオランタンは本来カブだから大根はニアミスだぞ(豆知識)
このSSまとめへのコメント
乙。奈緒が四次元モフモフ使って優勝しそう。