楓さんがライラちゃんについてノロケる(?)お話です。
楓さんが一人でMCをするラジオ番組を持っている、という設定があります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531499549
「はい今週も始まりました、高垣楓のメープルラジオ」
「お相手は相変わらず私、高垣楓一人でやらせていただきますね」
「では早速オープニングトークから初めていきましょう」
「毎回、最近飲んだ美味しいお酒の紹介コーナーになってるオープニングトークですけど」
「今日はちゃんとアイドルらしい話題ですから、ちゃんと聞いていて下さいね?」
「つい先日のことなんですけど、新しいお友達ができたんです」
「同じ事務所のアイドルで、お名前はライラちゃんっていうんですけど…… みなさんご存知ですか?」
「ドバイ出身で、アラビアンナイトに出てくるお姫様みたいな女の子なんです」
「これまでも事務所で見かけていたんですけど…… 話しかけるきっかけがなくて……」
「私、人見知りしてしまうので自分から声をかけるのは苦手で」
「でもこの前、お仕事とお仕事の間のちょっとした時間に何気なく公園を散歩していたら、たまたまライラちゃんが居たんです」
「ライラちゃん、木陰のベンチに座ってウトウトしていたんですけど……」
「その頭とか膝とかに、たくさん鳩が停まっていたんですよ」
「でもライラちゃんも起きるそぶりもなくて、鳩さんもまるで自分の巣みたいにリラックスしていて……」
「その光景がすごく面白くて、私しばらく眺めてたんです」
「そうしたら、鳩さんの羽がたまたまライラちゃんのお鼻に擦れて、ライラちゃんがクシャミをしちゃって」
「それにびっくりして鳩さんは飛んで行ってしまって、ライラちゃんも目を覚ましたんです」
「ライラちゃん、自分の服に付いてる羽を見つけてさっきまでの状況が分かったみたいで」
「少し照れたみたいに周りをキョロキョロしてたら、私と目が合っちゃって」
「ちょうど話すきっかけになるかなって、私ライラちゃんのお隣に座ったんですよ」
「そうしたらライラちゃんも私の事知ってくれてたみたいで」
「『カエデさん、もしかしてさっきの見てましたですか?』って話しかけてくれたんです」
「でもライラちゃん恥ずかしいのかほっぺが真っ赤で、それは本当に可愛かったんですけど」
「場の雰囲気を落ち着かせようとして私言ったんです」
「『うーん……もう、これが本当の羽毛ぶとんですね』って、ライラちゃんには通じなかったんですけど……」
「それから次のお仕事の時間までライラちゃんとおしゃべりしてたんです」
「それが本当に楽しくて、今度一緒にアイスを食べに行く約束もしちゃって……」
「……あ、そろそろオープニングトークも終わりの時間ですか?」
「それではこの辺りで一曲、ライラちゃんで『お願い!シンデレラ』」
「……ライラちゃんの歌、可愛かったですね♪」
「では次は何を話しましょうか…… 私としてはまだまだライラちゃんのお話、したいんですけど……」
「あら、ディレクターさんからもOKでました。ふふっ」
「なんだかSNSとかでも好評みたいで私も嬉しいです♪」
「では、オープニングトークの続きから話しましょうか」
「ライラちゃんダジャレは理解できなかったみたいですが、私が何かした事は分かったみたいで……」
「少し首を傾げてキョトンとした瞳で私の目をじっと見つめてくるんですよ」
「ライラちゃんのあの綺麗な目で見つめられるとドキッとしてしまいまして」
「つい、何か話題をと思って『ライラちゃんって本当に綺麗な目をしていますね』って聞いてみたんですよ」
「そしたらライラちゃん、少し照れたみたいで目線を外してくれたので少しホッとしました」
「でも、しばらくしたらまた、じーっと私の目を見つめてくるんです」
「それから、何か分かったような顔をして言うんです」
「『カエデさんも、お綺麗なお目目でございますねー。右目と左目で瞳の色が違うのもミステリアスでかっこいいでございます』」
「実は私、左右で瞳の色が少し違うんです。言われても人によってはわからない位の差なんですけどね」
「なので初対面に近い相手に目の事を指摘されるのなんて久しぶりで」
「ほんとにびっくりしちゃったんです、ライラちゃんはよく人の事をみているんですね」
「それに、あんなに綺麗な目をした子に、こんなに真っ直ぐ"あなたも目が綺麗だ"なんて言われちゃいました」
「さすがに私も恥ずかしくなって、また話題を変えました」
「ライラちゃんはよく公園に来るんですか?って聞いてみたんです」
「そうしたらなんと、ライラちゃんほとんど毎日公園に足を運んでるみたいなんです」
「曰く、知らない人とおしゃべりすることが趣味らしくて公園にたくさんお友達がいるそうなんですよ」
「鳩さんとも、公園に通っている間に仲良くなったみたいで……」
「やっぱりこの子にはなにか人を惹きつけるものがあるんだな、と思いました」
「それに、知らない人とも気兼ねなく話せるというのは楽しそうですね」
「私も今度勇気をだして誰かに話しかけてみたいですね……」
「ライラちゃんは本当におしゃべりが好きみたいで、公園でどんな人と出会ったか楽しそうに教えてくれました」
「そのお相手は老若男女関係なくて、中には同じ事務所のアイドルと知らずに仲良くなって事務所で合ってびっくり、なんて事もあったみたいです」
「私もいつかこんな風に、誰かとライラちゃんのおしゃべりの中に登場するのでしょうか?」
「そう思うと胸が熱くなって、もっともっとライラちゃんとおしゃべりしたいと思うようになりました」
「私の隣でコロコロと表情を変えながらおしゃべりする彼女は本当に幸せそうで」
「それに相槌を打っている私も、その幸せを分けてもらっているみたいでした」
「お話しているうちに、ライラちゃんのことをもっと知りたくなって色々質問もしました」
「ライラちゃんはアイスも大好きみたいで、アイスについても同じぐらい楽しそうにお話してくれました」
「アイスを愛するライラちゃん…… ふふ♪」
「なので、ライラちゃんに教えてあげたんです。この前ロケでいった美味しいアイス屋さんのこと」
「スマホで撮影した写真を見せながら、どんな味だったか説明してあげた時は、その日一番の食いつきでした」
「そのときに私閃いたんです、実際に食べさせてあげたらきっと、もっといい表情が見られる……」
「なのでライラちゃんと約束したんです、今度一緒に食べに行きましょうって」
「でもライラちゃん『ライラさんにはお返しできるものがございませんです……』なんて無理に作った笑顔で言うんです」
「ライラちゃん、まだ子供なんだし甘えてくれた方が嬉しいんですけど…… 彼女なりの譲れないところなんですよね?」
「だから私一つだけ条件を付けました」
「『なら、これからも私とお喋りしてくれませんか? ライラちゃんとのお喋りはとても楽しいので』」
「はじめはライラちゃん、目をぱちくりさせていたんです」
「でも私が本心で言っている事を察したみたいで……」
「『ライラさんもカエデさんとのお喋り、とても楽しいですねー』って柔らかく笑ったんです」
~♪
「あら? もうエンディングのお時間ですか? 楽しいお話をしていると短く感じますね」
「ではリスナーの皆さん、今週もお付き合いいただきありがとうございました」
「ご意見感想などは番組ホームページまでお願いします」
「ライラちゃんとのデートもSNSに写真を投稿するのでチェックしてくださいね」
「では次回も、この時間でお待ちしています。お相手は高垣楓でした、おやすみなさい」
-ライラさんの家-
メイド「……急にお嬢様からラジオを出して、と言われてどういう事かと思いましたけど」
メイド「この方が夕飯の時に、ライラ様が仰っていた楓さんですか」
メイド「こんなにもライラ様を思っていて下さる方がいて、私も嬉しいです」
ライラ「ら、ら、ライラさんはもう寝ますですよ、おやすみなさいです」
メイド「……お嬢様、顔真っ赤でしたね」
短いですが以上です。
ライラさんはいいぞ
乙
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