ガヴリール「七夕?」 (9)
ヴィーネ「ガヴ見て!! 笹が飾ってある!!」
ガヴ「ああ、そういえば今日は七夕だったな」
7月7日、私達はショッピングモールに買い物に来ている
今日は人間界では七夕というらしく、ショッピングモールの広場には立派な笹が飾られていた……
ヴィーネ「あ、短冊もある……『ご自由にお書きください』だって!!」
七夕の日にはこの短冊に願いを書いて笹に飾る風習があるらしい
そんなイベントにこの悪魔が反応しないわけがない
ヴィーネ「ガヴ、私達も何か書いていきましょうよ!!」
ガヴ(……ほらね)
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………
ヴィーネ「ガヴ? 願いごと書けた?」
ガヴ「いやまだ……ヴィーネは?」
ヴィーネ「私は……」
『このままみんな一緒にいれますように ヴィーネ』
……到底悪魔が書いた願いには見えない、これを見た人間もただの良い子の願いだと思うだろう
ガヴ「じゃあ私は……」
『金くれ ガヴリール』
ヴィーネ「ロマンも何もない!?」
ガヴ「私の願いなんだからいいだろ別に」
ヴィーネ「せっかくのこんなロマンチックなイベントなのに……」
ガヴ「願いごと飾るだけじゃないの?」
ヴィーネ「七夕はね、織姫と彦星が会える日なのよ?」
ああそういえば去年もそんなことを聞いた気がする
ヴィーネ「一年に一度だけ二人が会えるなんて……悲しくてロマンチックでしょ?」
ガヴ「でも確か二人が引き裂かれた理由ってイチャイチャして仕事サボりまくったからって聞いたんだけど」
ヴィーネ「……それは置いといて」
どうやらロマンためには現実から目を背けることも必要らしい
ヴィーネ「ガヴが織姫と彦星みたいに大切な人と一年に一度しか会えないとしたらどう思う? ずっと会いたくて堪らなくなるでしょ?」
ガヴ「さあ? 考えたこともない」
ヴィーネ「ええ……もう少し考えてみてよ」
ガヴ「私がそんな事考えるように見えるか?」
ヴィーネ「……見えない」
ガヴ「だろ?」
ガヴ「それに……織姫と彦星は仕事を怠けたから離れ離れにされたんでしょ?」
ガヴ「私はもう怠けものだし……ヴィーネが仕事を怠けるとは思えないしな」
ヴィーネ「ガヴ……ふふっ」
ガヴ「何笑ってんの?」
ヴィーネ「いや……ガヴの大切な人って私なんだなーと思って……」
ヴィーネ「私と会えなくなったらなんて言ってないのに」ニヤニヤ
ガヴ「……あっ!?」
ガヴ「なし!! 今のなし!!」
ヴィーネ「もう聞いちゃった♪」
そう言うと彼女は悪戯な笑顔を浮かべた
くそう……珍しく悪魔らしくしやがって……
ヴィーネ「……ねえガヴ」
ガヴ「……今度はなんだよ」
ヴィーネ「私たち……このままずっと一緒にいれるかな?」
先ほどまでのニヤついた顔から一転、ヴィーネは憂いを含んだ顔をしている
ヴィーネ「いつか織姫と彦星みたいに、離れ離れになっちゃう時が来るのかな」
ガヴ「……さあ?」
ヴィーネ「ガヴさっきからそればっかじゃない」
ガヴ「だって分からないものはしょうがないだろ」
ヴィーネ「もう……」
ガヴ「まあただ……」
私は短冊をもう一枚手に取り、願い事を書いていく
ガヴ「一緒にいれるように努力ぐらいはするさ」
『このままみんなと一緒にいれますように ガヴリール』
END
乙
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