アニ「あんたは世界を敵に回したとして、世界から恨まれたとして」(195)

アニ「例えそうなったとしても、約束していた親のところに帰れるの?」

猫「?」

アニ「……そうだね、あんたに真面目に聞いた私が馬鹿だったよ」

猫「にゃ」

予防線のための注意書き

進撃SS
オチ決めてるけどどうもってくか全然考えてない
ので
長くはしたくないがいつ終わるかわからない

幸せオチではない 当然の如くキャラ崩壊とかありえる 誤字脱字脳内補完してください

ので
そういうの嫌な人や読んで合わない人はそっ閉じして原作最新刊か別マガでも読んで一番くじでも引いてください

時間も時間だから少しだけ投下して寝る

 849年
 夕食後の食堂

ミーナ「へ、兵站行進だけはもうしたくない、結局パン一個食べただけで食欲がなくなっちゃった……」

コニー「立体機動だけなら気楽なのにどうして余計な訓練ばっかなんだろうな」

ジャン「それで済むなら兵団なんか要らねえだろうが」

アニ「……」

ミーナ「あ、アニ。お疲れ! さっき倒れたとき起こしてくれてありがとうね」

アニ「別に。倒れられたままだと行進の邪魔だったからね」

ミーナ「素直じゃないなぁ」

アニ「いつだって私は素直なつもりだけど?」

ライナー(そんな風にはとても見えん)

ガチャ

エレン「あれ、みんなは外見に行ってないのか?」

コニー「エレンにミカサじゃん。どうしたんだよ」

ジャン「なんで外を見に行ったかどうかなんて聞くんだよ?」

ミカサ「エレン、主語が抜けていては伝わるものも伝わらない」

エレン「あぁ、そうか。実は兵舎の中に猫が入り込んだんだってさ」

ミーナ「猫!? ほんと!? か、可愛いの!?」

エレン「うぉ、落ち着けよミーナ。今それで外がちょっとした騒ぎになってるんだ」

ミカサ「男子宿舎の床下に潜り込んでしまって、怯えて出てこない」

ライナー「こんなところになんで猫が」

ミーナ「見に行く! 行こうよアニ!」

アニ「私はいい。もう部屋で寝るから」

ミーナ「いいから行くの! たまには人付き合いもしないと孤独死しちゃうよ! ほら!」

アニ「……わかった、行くよ。だから手は離して」

なんだこいつ

そっとじ

男子宿舎前

ザワザワ

ミーナ「ほんとだ。すごい人だかりが出来てる」

アニ「……」

サシャ「怖くないですよ~出てきてくださ~い」

ミーナ「うつ伏せになって声かけてるの?」

サシャ「あ、ミーナにアニ。そうですよ、優しく声をかければ出てきてくれるかなぁと」

ユミル「全然出てこねえじゃねえか」

トーマス「参ったね。教官はダズとサムエルが呼びに行ったけど」

ベルトルト「どこから迷い込んだんだろう。塀で囲われてるし入り込める隙間もないと思うんだけど」

マルコ「そもそもここら辺は結構僻地なのに。どこかの家の迷い猫かな」

アルミン「それでも近くの街からは半日ぐらいかかるから、飼い猫というより野良猫じゃないかと思うんだけど」

ミーナ「下にいるの?」

マルコ「いるよ。少し暗いけど、目を凝らせば見えるから」

……やっぱり>>2の書き方はよくなかったですね
慣れてないのに無理にタメ口とか悪ノリ使うべきじゃないですね すみません

敬語で書くとどうしても長くなるし肩肘張るので今度はあまり使いたくなかったんですが
慣れないタメ口でマイナスになるぐらいならやはり敬語でやっていくことにします

という事で今更手遅れですが一応注意書き書き直しておきます >>2に関しては本当アホだったので無視してください

※進撃SS
 展開はまったく考えていません
 長くはしないようにします

 明るいオチではないです 合わない人はそっ閉じしてください

まぁ、>>2で既に相当嫌われたと思いますので、細々やってきます

では続けます

……えぇ、自分で読んでもこんなんキモイと思います めげずに書きます

ミーナ「どれどれ……。あ、ホントだ。奥の方で目が光ってる」

マルコ「そんなに大きくないから子猫だと思うんだけど」

フランツ「親とはぐれたのかな」

ミーナ「おいでー。怖くないよー」

アニ「……やっぱり私は寝るよ」

ミーナ「えー? 興味ないの? どんな子か見たくないの?」

アニ「興味ないし、見たくもないね。それよりは今日見る夢の方が興味あるし、見たいから」

ミーナ「そう言わずに、ほら。屈んで見てみなよ」グイ

アニ「ちょっ」ガクッ

猫「……」

アニ「……」

ミーナ「ほら、ね?」

アニ「……いや、何が?」

猫「……」ピクッ

アニ「?」

ミーナ「あれ、顔上げたね」

アニ「音に反応したんじゃないの。ミーナ、思いっきり私引き倒したし」

ミーナ「そう? アニの顔を見てるみたいだけど」

猫「……」

アニ「……私にはわからないね。というか興味がない」スクッ

ミーナ「アニ……。本当に素直じゃない!」

アニ「さっきも言ったけど、私は相当素直な方だよ
    じゃ、私は行くから」

猫「にゃ」

アニ「!?」

ミーナ「え?!」

アルミン「あれ、あんなに怖がって出てこなかったのに」

マルコ「へぇ。アニに擦り寄ってるね」

猫「にゃー」スリスリ

アニ「な、なんで私に……」

ミーナ「すごい懐いてる。アニ、動物慣らすの得意なんだね」

アニ「いや、こんな風に動物に懐かれるのは初めてだけど」

マルコ「なんでだろうね。アニの匂いでも好きなのかな」

アニ「匂いって……」

アルミン「あぁ、でも猫って人を見る目が結構あるって聞くかな
      僕も動物のことはあまり詳しくないけど、話だけは聞いたことあるよ」

アニ「……」

猫「?」

アニ「そんなに賢そうな顔には見えないんだけど」

ミーナ「そんな言い方酷いよ! こんなに可愛いのに!」

アニ「思ったままを言ったまでなんだけど……」

ハンナ「アニが気に入ったの?」

猫「にゃ」

フランツ「返事するんだ……。やっぱり結構賢いんじゃない?」

とりあえずここまで
今日朝早いから流石に寝ます

sage更新かな…… 大人しく細々と更新してきます

うぅ、すごい>>2消したい…… なんであんな書き方したかなぁ 恥ずかしいし失礼極まりない
面白いと思って打ってるとこがまたタチ悪い……
書いてしまったのは消せないので立てたからには続けてきます

では

大丈夫気にすんな
乙乙

いや>>2云々だけじゃなくて全体的に臭うぞ
作者がクッソキモいからそっ閉じなんてよくあること

何か必要以上に凹んでるみたいなんで擁護してやるか。

>>5(ID:i8KsfV/Q)は多分だけど誤爆
↓近い時間にageられてたスレ。



1 :いか:2013/08/10(土) 03:38:04 ID:l76B2Xf6


17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/10(土) 04:12:13 ID:i8KsfV/Q
無駄にスレ立てるな
責任もってここでやれ

>>5の書き込んだ時間的にも可能性大

で、>>6>>5に向けて。
違うかもしれんが、俺は(今のところ)読んでるぞ。

気にするな
だいたいアニで幸せオチなんて違和感しか無ぇーから

話自体は面白くなりそうなのに、なんかもったいないな
>>1は無駄に腰の低い態度と長い弁明を改めた方がいいと思う

>>16
ウワァ

>>15
誤爆じゃないけどね
擁護するのは自由だけど的外れな解釈で他人を引き合いに出さないでくれ

すみません ちゃんと読んでくれてる人には申し訳ないです 気をつけます
擁護までしてもらってますし…… こんなんでも読んでもらえれば幸いです

今後は更新する時と止める時以外は顔を出さないようにしてきます

少し書きます

夏だからな、変なの湧いてるからよ。気にすんな。普通に期待してるぜ。
おまいら、批判はいいが、誹謗・中傷・全否定はNGだよ。SSなんてなんだってアリだよ。気に入らないなら書き込まずにそっと閉じてくれよ。そうすりゃ、私もハッピーあなたもハッピー主もハッピーみんなハッピーだ、わかるだろ?

キース「猫が出たそうだな」

アルミン「キース教官!」

キース「見せてみろ」

猫「!?」ビクッ

ミーナ「アニに隠れちゃった……」

キース「ふむ。貴様の猫、というわけではなさそうだが、なぜ貴様に懐く、アニ・レオンハート訓練兵」

アニ「私にもわかりません」

キース「……とにかく兵団内には置いておけん。外へつまみ出しておけ」

ミーナ「お、お言葉ですが教官! この付近はここ以外人の集落というものが存在しません!
     半ば荒野と言ってもよい僻地です! そのような場所に子猫だけ放り出しては生きていけるとは」

キース「ではどうする? 貴様が面倒を見るか? ここの貴重な食料は人間以外にやるためにあるわけではない
     訓練兵団は慈善でやっているわけではない。兵士を育てる国の機関だ
     馬と違いここで育てる価値は全くない生き物だ。場を弁えろ」

ミーナ「で、ですが」

サシャ「で、では私たちの食料を少しずつこの子に分けるというのではいかがでしょうか?」

マルコ「え、あのサシャが食べ物を……」

キース「……誰が世話をする? 世話のために貴重な訓練の時間を浪費させるわけにもいかん」

ミーナ「わ、私が」

キース「なるほど。では貴様の訓練の時間を短くしろということだな」

ミーナ「ち、違います! 空いた時間に世話をすれば問題ないのではないですか! 訓練以外の時間を割けば十分に……」

キース「休養時間はけして長くはない。それ以外の時間は食事時間、就寝時間だ。暇な時間などは本来存在しない

     今現在も本来は明日に備え寝ていなければならぬ時間だ
     それすらも貴様たちは勘違いしているというのか?」

ミーナ「……で、ですが」

クリスタ「でしたら私たち全員で世話をします」

ミーナ「クリスタ……」

アルミン「……僕もクリスタに賛同します。全員で分担すれば、わずかな休養時間でも訓練への支障は出ないかと思われます」

マルコ「僕もです」

ハンナ「失礼ながら私も賛同します」

ワタシモデス オレモサンドウシマス

キース「……なぜ貴様らはそこまで育てることにこだわる? 兵士としての覚悟はもう捨てたのか

     命を扱うということを甘く見すぎてはいないか
     時には大事なものを捨てるべき選択をするのが兵士なのだぞ」

クリスタ「それもその通りです
     ですが、大事なものを守る選択をすべきなのが、本来の兵士だと思うからです。間違っているでしょうか」

キース「……いいだろう。そこまで言うのであれば特別に許可を出そう

     だがどのような結果になっても、必ず悔いは残るぞ。それが命を預かるということだ
     覚悟しておけ」

ハッ

キース「その猫を置く居場所も、糞尿の始末も、餌も、しつけも全てお前たちに任せる

     だが訓練に支障が出る、または我々教官が世話をする羽目になったとしたら
     その時点で先程までの言葉は全て偽りだったと心得ておけ
     貴様たちが今捧げた心臓も偽りということだ。その時点で猫は処分する。それで構わんな?」

ミーナ「はっ。大丈夫です」

キース「では解散。今現在より休養時間、就寝時間はお前たちで好きに分けろ

     猫の世話をするのも自由だ。他の教官も私も咎めん
     だが何度でも忠告しておく。訓練に支障は出すな。いいな」スタスタ

ハイッ

アルミン「はぁ、緊張した」

クリスタ「よかったねミーナ」

ミーナ「みんな、ありがとう。付き合わせちゃってごめんね」

マルコ「これだけ可愛いんだもの。外に放り出すのは僕らも嫌だからね」

>>19
戻ってきててクソワロタwww
誤爆じゃないなら余計に頭可笑しいヤツじゃねぇかww
そっとじしとけよw

ユミル「しかしあんな啖呵をよく教官に切れたな、クリスタ」

クリスタ「本当の気持ちだよ。この子を死なせちゃうのは可哀想だもの」

アルミン「この世界にせっかく生まれて、僕たちなら助けられるかもしれないのに
      それを黙って見過ごすのはやっぱり可哀想だもの」

アニ「……」

猫「にゃぁ」

ハンナ「ほら、もう怖い人はいないからね。よしよし」

ベルトルト「やっぱりアニの足元から離れないね」

フランツ「そうと決まればここにいないみんなにも知らせとかないとね」

マルコ「そうだね。無理に全員に付き合わせるわけにもいかないから、他にも手伝ってくれる人を探しに行こう」

アニ「私はやらないよ」

ミーナ「え?」

アニ「私はやらない」

アルミン「で、でもアニに一番懐いてるし」

アニ「何度も言わせないでほしいけど、やらない。そんな面倒なことはお断りだね」スタスタ

ミーナ「あ、ど、どこ行くの?」

アニ「寝るの。明日も面倒な訓練があるんだから、寝れるときに寝るのは当然じゃない?」

猫「なぉ」スリスリ

アニ「ついてこないで」

猫「?」

アニ「……ついてこないで」

猫「!」ビクッ

アニ「……」スタスタ

ユミル「……いやぁ、おっかねえ顔してたな。相変わらず冷たい女だ」

サシャ「すごい怒ってましたね。びっくりしました」

ミーナ「アニ……」

女子用寝所

ガチャ

アニ「……」ボスッ

アニ(……――

    ……命を扱う、か
    そうか。あの言葉が引っかかってるんだ)
    こんな私が、命を? そんなの滑稽だ)
    ……冗談じゃない
    協力してみんなで育てるなんて、それこそ滑稽じゃないか
    そんな気持ち微塵もないってのに、仲良く手を取り合ってなんて
    それこそバカな兵士の仕事だね
    ……そう、バカのやることだ。私には関係ない
    関係ないに決まってる)

アニ「……」

アニ「……ならなんで私はこんなに苛立ってるんだろうね」

一旦ここまで

>>19=>>5 あ、あぁ何かスマン。まさか戻ってくる(そしてわざわざレスする)とは思わなんだ。

>>1


ssに批判は付き物だから気にすんな

予防線は貼らない方がいい

なんかこのスレくせえな

>>2自体よりも>>8の方が臭い

そう思うなら放っといてやれよ

>>1がどんだけキモくても別に中身がよけりゃいいわ

クソみてーな安価スレよか数倍マシ
頑張れよ

もう>>2>>8も自分の中ではなかったことにします どう思われても気にしないようにします

大人しくsageで話だけ書きます 今後はそうしてきますので
それでも読んでくださる方だけお付き合いください

では更新してきます

翌日 朝 食堂

ワイワイ ガヤガヤ

サシャ「それにしても弱りましたね」

ミーナ「うーん、どうしよう」

クリスタ「このことは昨日の時点で気づいてなかったね」

ユミル「大見得切っちまった以上、どうにかしなきゃいけねえんだけどな」

マルコ「こればっかりはね」

エレン「うーん」

アニ「……?」チラ

ハンナ「みんな頭抱えて、どうかしたの?」

アルミン「うん、昨日みんなで飼うことに決めた猫の餌のことでちょっと」

コニー「飼う? 家畜にでもするのか?」

マルコ「コニー、昨日宿舎で話したじゃないか。もう忘れちゃったの?」

ジャン「仲間内で餌やりや糞尿の始末、しつけを当番制でやるって話に落ち着いたじゃねえか
     まぁ飼って何かの得になるわけでもねえし、やるって言った奴だけだけで、だけどな」

コニー「あ、あの話か。昨日寝ぼけて聞いてたからすっかり忘れてた」

アルミン「コニーらしいけどね」

猫「なぉ」

エレン「うぉ!? ここにいたのか」

フランツ「それで何を悩んでるの?」

サシャ「猫ちゃんのご飯のことです。今私たちのご飯を分けようと思ったんですけど、よく考えたら分けれるものがないんです」

ミカサ「なるほど。犬は雑食だけど猫は肉食と聞いたことがある
     私たちの食事は基本的に保存パンと干し芋のスープ。お世辞にも豪華ではないし、猫には合わない」

ハンナ「それで悩んでたんだ」

ユミル「かろうじて水はやったけどな。当然栄養なんてねえし、このままだと一週間ぐらいで餓死するのは確実だな」

ミーナ「が、餓死……。こんな可愛い子が……、餓死」フラフラ

クリスタ「ミ、ミーナしっかり!」

ユミル「ミーナにゃ悪いがそうなるのが目に見えてる。まだ子猫だし、親の乳でもなきゃ生かすのは無理だ」

>>39 訂正
ジャン「~~やるって言った奴だけだけで」→ジャン「~~やるって言った奴だけで」

サシャ「そんな残酷なこと言わないでくださいよ!」

アルミン「でもユミルの言うことは最もだよ
      肉は貴重だから、毎回食事に出てくるわけでもないし、それ以外の食事で分けられそうなものは皆無と言ってもいい」

エレン「うーん。なんとかなんねえのかな」

アニ「……」ガタッ

猫「にゃ!」タッ

ミーナ「あ、アニ、来てたんだ。おはよ」

クリスタ「やっぱりアニに気づくとアニのとこに行くね。よっぽどアニが好きなのかな」

サシャ「私たちもちゃんと撫でたりして可愛がってるのに……。ちょっと嫉妬します」

アニ「……」

猫「?」

ユミル「少しくらい撫でてやったらどうだ?」

ミカサ「それだけ懐いているのに、撫でてあげないのは可哀想だと思うけど」

アニ「嫌だね。悪いけど私は可愛がる気も育てる気もないから」

アニ「それに私は食料をあげる気もないから」

ユミル「本当につまんねえ女だな。怠惰の感情だけで出来てんじゃねえか」

アニ「そう思うならそうなんだろうね」

ミカサ「……構っても仕方ないから放っておくべき。猫だけはこっちに来てもらうけど」ダキッ

猫「にゃ?」

ミカサ「……暖かくてふわふわしてて気持ちいい」

サシャ「え! そ、そういえばまだ抱っこしてませんでした! わ、私にも!」

猫「!?」ビクッ

クリスタ「サシャ落ち着いて。猫ちゃん驚いてるから」

ライナー「全く、相変わらずお前の寝相は酷いもんだな、ベルトルト。ついでに言えば寝起きも悪い」

ベルトルト「ごめんごめん。あれ、みんなして何騒いでるの?」

ハンナ「おはよう二人とも。猫ちゃんと遊んでるの」

ライナー「ほぅ、そいつがマルコが言ってた猫か。見せてくれ」

ミカサ「はい」サッ

猫「?」

ライナー「意外と小さいな。まだ子供なのか?」ナデナデ

猫「」グルグル

ライナー「ん? なんだ。喉が震えてるぞ」

エレン「え? な、なんか病気か!?」

アルミン「いや、違うと思う。それって震える原理はよくわかってはいないんだけど

      猫が落ち着いてたり、親の傍にいたり、要は安心してる時とかに震わすんだ
      だからライナーに撫でられて嬉しいんじゃないかな」

ライナー「そうなのか。俺に撫でられたのがそんなに嬉しいのか?」

猫「にゃ」グルグル

サシャ「え、私が撫でたときは全然震わせてくれませんでした……」

アルミン「あぁ、そういえばさっき撫でてたね。多分撫で方が強かったからじゃないかな」

ユミル「お前頭がしがしやってたからな」

サシャ「え!? あれダメなんですか!? 昔から近所の子供によくやってたんですけど」

マルコ「なんで近所の子の頭がしがし撫でてたの……」

サシャ「弓矢の練習とかでうまく的に当てた子とか、私が作ったご飯美味しいって言ってくれた子とかに褒める感じで」

アルミン「子供とかにはそれぐらいやっても無邪気に笑うと思うけど

      猫にはやっぱり強すぎるんじゃないかな
      ライナーみたいにゆっくり撫でてあげる方がいいと思う
      あとは喉や頭頂部、耳の裏なんかを軽く掻いてあげるのも嬉しいはず」

エレン「アルミン結構詳しいな」

アルミン「おじいちゃんに話だけは聞いてたからね」

マルコ「おじいちゃんに?」

アルミン「昔、僕が生まれるよりも前だけど、おじいちゃんにずっと懐いてた野良猫がいたんだって

      おじいちゃんはその野良猫を結構可愛がってたらしいけど、流石に僕が生まれる前には病気で死んじゃってたから
      その可愛がってた頃の話をよく聞かされたんだ。猫が好きなものとか、苦手なこととか、病気のこととかね」

ミカサ「初めて聞いた」

アルミン「そういえば二人にも話したことなかったっけ。結局その話も野良猫相手には警戒されてあまり通用しなかったし、今まで話す必要もなかったからね」

ミーナ「ね、ねえミカサ。私にもやらせて!」

ミカサ「はい」サッ

ミーナ「え、っと、ゆっくり撫でて、頭とか喉を軽く掻いてあげる……」

猫「」グルグル

ミーナ「ほ、ほんとだ! 喉震えてる!」

アルミン「おじいちゃんはそれを喉を鳴らすって言ってたかなぁ

      猫は自分の舌で毛づくろいする綺麗好きだけど、頭と喉、それから耳の裏、首の真後ろなんかは舌が届かないんだ
      それでその辺は結構痒かったり、むずむずしてるんだって。だからそういうところを掻かれると気持ちいいんだよ」

ミカサ「なるほど」ナデナデ

猫「にゃ~」グルグル

エレン「お、俺にも触らせてくれ! そんなに毛むくじゃらなの触ったことねえ!」

クリスタ「私も抱いてみたい!」

ミカサ「はい」

クリスタ「うわぁ、抱いてみると結構体重あるんだってわかるね」

ユミル「く、クリスタに抱っこされる……羨ましい」

ライナー「(全くだ)」

猫「にゃっ!」ジタバタ バッ

クリスタ「え、きゃっ」

サシャ「あれ、逃げられちゃいましたね。ミカサの時は大人しく抱かれてたのに」

アルミン「抱き方にも結構注意がいるからね。猫によっては抱かれるのが嫌なのもいるんだって。この猫は大丈夫みたいだけど

      抱かれ方にも好みがあるんだよ。ミカサみたいに上半身だけを抱くのと、クリスタみたいに足まで抱えちゃうのと、後はお腹だけ持ったりとかかな
      この子は上半身だけ抱かれる方が好きみたいだね」

猫「」ペロペロ

ジャン「確かにアルミンの言うとおり毛を舐めてるな」

コニー「それにしても猫なんてこんなにまじまじと見たことねえからなぁ」

アルミン「僕もこれだけじっくり見たのは初めてだけど、おじいちゃんの言ってたことは結構合ってるたんだなぁ」

エレン「でも野良猫には通用しなかったんだろ?」

アルミン「さっきも言ったけど警戒されてたからね。普通野良猫は警戒心が強くて人に懐かないから、おじいちゃんの話を試すのも無理だった」

ミカサ「? けどアルミンのおじいさんには野良猫なのに懐いていた。なぜ?」

アルミン「猫って言っても全部同じ思考をしてるわけじゃないからね。野良猫でも人に懐くのはいるし、飼い猫でも人に全然慣れないのもいる

      馬もそうでしょ? 馬や乗る人によって警戒したり相性がよかったりする。人間と何も変わらない、きちんと個性のある生き物だ
      猫もそういう生き物だってことだよ」

ハンナ「私も抱いてみよ!」ダキッ

猫「?」

ミーナ「やっぱり目がクリクリで可愛いね」

アニ「……」モグモグ

ユミル「見向きもしねえな……」

アニ「……」モグモグ

ベルトルト「……」

ライナー「俺にももう一度撫でさせてくれ」

コニー「俺も俺も!」

ジャン「触り心地はどんなもんなんだ?」

猫「にゃー」

ワタシモサワリタイ オレモミセテクレ カーワーイーイー イヤサレル



アニ「……くだらない」ボソッ

ミカサ「それより猫の食事が問題」

サシャ「あっ、そうでした。どうしましょう……」

アルミン「うーん。川が近場にあれば川魚でも釣ってこれるけど、あいにくここには井戸しかないし……」

アニ「……そんなに」

ミーナ「え?」

アニ「そんなに大事なら、あんたらの人生の肉でも先取りすれば?」

クリスタ「え、どういう意味?」

アニ「そんなにその猫を生かせたいなら、あんたらが犠牲になればいいでしょって話
    いつまでも悩まれると騒がしくて敵わない。これぐらいすぐ思いつかない方がおかしいね」モグモグ

ユミル「あぁ? なんだその言い方」

アニ「……」モグモグ

ユミル「ちっ。ほんとに退屈な奴だな」

ミカサ「大いに同意する」

アニ「私に構っても仕方ないんじゃなかったっけ?」

ユミル・ミカサ「……」

ミーナ「あ、そうだよ! 私たちの分のお肉を先に貰えばいいんじゃない?」

フランツ「肉を?」

ミーナ「うん。残り一年、私たちの食事からお肉を抜くの。その代わり、この子の分を一年分貰えばいいんじゃないかなって」

アルミン「あぁ、なるほどね。僕たちの分の肉を、今後は猫だけに出すってことか
      うん、それなら充分すぎるほどの餌になるんじゃないかな」

ミーナ「あ、もちろん全員分じゃないけど。あげてもいいよって人の分だけ」

エレン「いいんじゃないか? 肉が食えないのは少しもったいないけど、どうせほとんど食ってないし」

ミカサ「私も同意する。あげても構わない」

ジャン「どうせほとんど食えない肉なら、いっそ食えない方が気が散らなくて済むか」

オレモイイゾ ワタシモアゲル ソモソモニクキライナンダヨナ マジカヨ

サシャ「お肉か猫ちゃん……。うううううううううううううん」

ユミル「猫に自分のご飯をあげるって真っ先に教官に言い出したお前が、今更悩んでんじゃねえよ」

サシャ「うぅ、あ、あげます! もちろんです!」

コニー「えっと、つまり? どういうことだ? 食事から肉抜き?」

ライナー「そういうことだ。要するに俺たちの一年分の肉を、明日から猫の食事として出すわけだ。俺もやっても構わん」

ベルトルト「え、いいのライナー」

ライナー「兵士として仲間で命を救うのは当然だろう」

ベルトルト「そ、そう。じゃあ僕も分けるよ」チラ

アニ「……」

ユミル「あぁ、お前の分はハナから聞いてねえよ。一人で美味しいお肉様でも食ってな」

アニ「別にあんたに言われなくてもそうするつもりだけど?」

クリスタ「や、やめてよ二人とも。ユミルもそんな喧嘩腰になったらダメだよ。分けたい人だけって言ってるのに、分けない人を邪険にするのはよくないよ」

ユミル「……あぁ、わかってるよ」

アニ「……ごちそうさま」ガタッ

猫「!」タッ

アニ「……またか。まとわりつかないで構ってくれるあいつらのとこに行きなって」

猫「?」

ミカサ「納得いかない。なぜアニに懐くの?」

アルミン「アニと少し似てるからかな」

アニ「は? 似てる?」

アルミン「猫は元々一匹で生きる生き物だから。犬は群れるけど、猫は違う。基本的には親以外とは馴れ合わない

      成猫になったら親も死んでしまう。だからそうなると子作り以外では一匹で生きていくのがほとんどだ
      死ぬときも、一匹で死にたがる生き物でもある。人に見られず、誰も気に咎めない場所で、ゆっくり静かに眠るように死にたがるんだ
      だから死期を悟ると、飼い猫でもいなくなることもあるんだって。それぐらい孤独な考えを持ってる
      きっとそういうところがアニに似てるんだと思う。あ、つまり一人で生きてる、ってところだけど」

アニ「……ますますこいつに構う気が失せたよ。あっち行きな」

猫「にゃ」

アニ「……あっちに、行って」

猫「!!」ビクッ

アニ「……」スタスタ

ミーナ「あ、アニ!」

クリスタ「すごい冷たい声……。どうしてあんなに嫌がるんだろう」

ユミル「……ちっ。こっちまで気分悪くなってくる」

ベルトルト「……はぁ」

昼 兵舎 整備室

カチャカチャ カチッ

マルコ「どうだろう。これで合ってるかな?」

アルミン「うん、多分大丈夫だと思う。マルコのはガスが出にくいんだっけ?」

マルコ「そうなんだ。ちゃんと整備してるんだけどおかしいなぁ」カチッ シュー

ジャン「どれだ、俺にも見せてみろ」

マルコ「いいよ。ほら、出力と勢いが合ってないでしょ?」シュー

ジャン「……圧力が安定して機能してねえんじゃねえか。ファンは見たか?」

マルコ「うん、開けようか?」カパッ

ジャン「……」カチャカチャ

アルミン「見た目には異常はないと思うんだけど、なんでだろう」

ジャン「……多分だがこの羽の部分が一部欠けてんな。奥まって見えねえけど、触りゃわかる」

アルミン「え? ……あ、本当だ。裏側が削れてる。これじゃガス圧がうまく伝わらないはずだよ」

マルコ「本当かい? すごいねジャン。全然気付かなかったよ」

猫「にゃ!」

マルコ「うわ!?」

アルミン「ど、どこから入ってきたの!? ダメだよ、今は技工術の最中で……」

教官「ん? 何を騒いでいる?」

ジャン「やべえ! 支障を出すなって釘刺されてるのにバレるとまずいぞ!」

カチッ ブシュー

サシャ「ひゃ、ひゃあああ!! が、ガスが!!」

ユミル「っのバカ!! 早く操作装置切れってんだ!!」

教官「またお前かサシャ・ブラウス訓練兵! あれほど慎重に整備しろと言っているというのに!」

サシャ「す、すみませんごめんなさいすみません!」

教官「いいから操作装置を離せ! 止めるに止められんだろうが!」

ミーナ「みんな、今のうちにその子を隠して!」

マルコ「うん、ほら、この棚の中に入って!」ガッ

猫「にゃっ!?」ガタガタ

アルミン「マルコ、無理やり入れちゃダメだ! 少しだけ隙間をあけて、自分から入るように仕向けて!」

マルコ「わ、わかった」カタッ

猫「……」フンフン スッ

アルミン「よし、一旦閉めておこう。後で隙を見て外に出さないと」パタン

教官「いつまで握り締めてるんだ! 離せと言ってるだろう!!」

サシャ「う、腕が痺れて動かせません!!」シューシュー

教官「貴様よほど私たちを馬鹿にしたいようだな!」

サシャ「い、いえ! そんなつもりは微塵も!!」

教官「いい度胸だ、ガスを止めたら倒れるまで走ってこい!」

サシャ「え!?」ピタッ

教官「……貴様……腕が痺れているのではなかったのか」

サシャ「あ」

夕方 兵舎 食堂

ジャン「昼はアルミンとサシャのおかげでなんとかなったが、サシャのやつまだ走らされてるな……」

ミーナ「ごめんねサシャ」

ユミル「まぁ普段から食い過ぎだからな。今日ぐらい飯抜きでもいいだろ」

猫「なぁーぉ」

クリスタ「はいはい、ご飯ね。お水とお肉だよー」

猫「」ムシャムシャ

エレン「それにしても肉の件、教官の許可が出てなによりだったぜ。言ってみるもんだな」

ミカサ「それも当然。実は教官たちの中にも猫好きはいる」

コニー「え、そうなのか?」

ユミル「ペット愛好家ってのは脳みそまでペット重視みてえだからな。キース教官はハナから口を出す気もなかったみてえだし」

クリスタ「よかったねぇ。みんなに好かれてて」

ユミル「ま、一部にゃ嫌われてるけどな」

アニ「……」モグモグ

ハンナ「ね、ねぇアニ。本当にそんなままでいいの?」

アニ「何が?」

ミーナ「ほら、少しはその、可愛がってみたりとか、撫でてみたいとか、そういう気持ちも少しはあるんじゃない?」

アニ「冗談じゃない。撫でたいとも思わないし欲求もない」

サシャ「ほ、本当に冷たいですね……」

ミカサ「何度も言うけれど放っておけばいい。そこまで興味がないのならわざわざ触らせる義理もない」

猫「にゃ」スリスリ

アニ「……」

ジャン「そいつは触らせたいみたいだけどな」

ライナー「アニ、少しぐらいはいいんじゃないか」

アニ「……はぁ。兵士ごっこの次は飼い主ごっこってわけ?」

クリスタ「ご、ごっこじゃないよ!」

アニ「何が違うの? 本気で愛でてるの? 本気であんたらが好かれてると思ってるの? ならなぜこいつはそっちに行かないんだい?
    大方そうされるのは鬱陶しい、餌だけよこせって言ってるだけかもしれないじゃないか」

ユミル「……あ?」

>>56訂正
サシャ「ほ、本当に冷たいですね……」→フランツ「ほ、本当に冷たいね」

アニ「一匹で生きて死んでいくってのもお笑い種だね。現にこいつは餌をねだることしかできない。育てる誰かがいないと生きていけない」

アルミン「そ、それは当然だよ。だって親がいないんだ。大人になるまでは誰かが面倒を見るのは当然じゃないか」

アニ「呆れた思考だね。私らは違う」

ベルトルト「……」

アニ「私らは一般的に見れば子供の年齢だ。けど志願して兵士になって、大人と同等の扱いをされる

    食事も整備も水汲みも戦闘訓練も、基本的には全部自分たちでする
    それでもこいつと一緒なの?
    餌を与えてくれるやつには全然応えず、何もしてない私にばかり擦り寄ってくるこいつと
    自分のことは自分でやって、誰にも頼らない私が一緒だって言うの?
    こんな恩知らずのバカに構う方も構う方だと私は思うけどね
    だから飼い主ごっこって言ったのさ。自己満足のくだらないごっこ遊びをするつもりは私はないから」

ユミル「上等じゃねえか。それ以上言ってみろ。そんななめた口二度と聞けねえようにするからよ」

アニ「言いたいことは全部言ったから安心していいよ。食べ終えたから私は宿舎に行くし」
    こいつは付いてきたら容赦なく蹴り飛ばすから、お人好しな誰かが止めないとね」

ミカサ「……」ダキッ

猫「にゃ?」

アニ「……」スタスタ

エレン「あ、おいアニ……って行っちまった。何であんな苛立ってんだあいつ」

ジャン「この猫のことになるとやけに喋るようだしな。よほど嫌ってるみてえだ」

サシャ「し、死ぬ……死んでしまいます……」

コニー「うぉ! す、すげえ顔色だぞ」

サシャ「あ、パンが並んでますね! いただきます!」ムシャムシャ

ライナー「全く、猫と同レベルだな、お前は……」

サシャ「あ、そういえばアニ、どうかしたんですか? すぐそこですれ違いましたけど、凄く不機嫌そうでした」

ユミル「……不機嫌なのはこっちの方だよ。くそっ。クリスタをバカにしてたみたいですげえ腹が立つ」

クリスタ「べ、別に私は気にしてないから」

ミーナ「どうしてあんなに酷いこというんだろう。アニだって、きっと本当はあんなこと思ってないはずなのに」

ハンナ「え、そ、そうかな?」

ミーナ「そうだよ。猫のこと言ってる時、すごく寂しそうな顔してたもの」

エレン「……それはそれとして、格闘術の時とか結構普通に話してくるやつなんだけどな
     猫のことになるとあんな切れるのが不思議でしょうがねえよ」チラ

猫「にゃ?」

ミカサ「……可愛い。なぜアニに懐くの? あんなに言われて嫌じゃないの?」ギュウ

猫「?」キョトン

夜 宿舎外

ガチャッ

アニ「……(寝付けない。私にしちゃ珍しいこともあるもんだね)」

猫「なぉ」

アニ「!?」

猫「?」

アニ「……なんでこんなとこにいるのさ」

猫「にゃ」スリスリ グルグル

アニ「……あぁ、そうか。夜間は放し飼いなんだっけ。餌場に寝床も作ってもらってるんだろ? そっちに行きな」

猫「なぉ」ゴロン

アニ「……あんたのこと、嫌いだってわからないの?」

猫「……」グルグル

アニ「……喉を鳴らす、ねぇ。どっちかって言うと鼻息じゃないの?」

猫「なぉ」グルグル

アニ「どうしてそんなに私に懐くのさ」

猫「?」

アニ「……私は、あんたに好かれるようないい人間じゃないんだよ
    ……そう、好かれるような人間じゃないんだ」

猫「にゃー」ゴロゴロ

アニ「……なんで? なんで私に付きまとうの?

    あんなに酷く、冷たい態度を取ってるってのに
    他の連中の方がよほど良い人じゃない
    私みたいなくだらないやつに付きまとっても意味ないんだよ
    良い人の中で良い子に振舞えばいいじゃない」

猫「……」

アニ「……どうして」

ユミル「一人で猫に向かって何ぶつぶつ言ってんだ」

アニ「!?」

ミーナ「ご、ごめんね。覗くつもりはなかったんだけど」

ユミル「本当にその通りだよ。お前みたいなくだらないやつにどうして懐くんだ?」

猫「にゃ」

アニ「……」

ミーナ「ねぇ、アニ。アルミンが言ってたよね?

     猫は人を見る目があるんだって
     私はあのこと、本当だと思う
     この子、きっとアニを見てるんだよ
     私たちの誰も見えてない、本当のアニを見てるの」

アニ「……」

ユミル「あんな腹立つことまで言われてるってのに、よくまぁ手を出さなかったよあたしも

     けどな、こいつの顔、ちゃんと見てるか?
     訓練兵の中にいる連中の、誰よりも正面からお前を見てるぞ
     お前が少し気を許してるエレンや、ミーナよりも、もっとだ。もっと、しっかりとお前を見てる
     それすらもわかんないほど、お前の脳みそはお花畑なのか?」

アニ「……」

ミーナ「アニ、どうしてそんなに嫌うの? この子は別に、媚を売ってたり、私たちへの当てつけでアニに擦り寄ってるわけじゃない

     本当に、アニのことが好きで懐いてるんだよ
     アニがいないとこでは、ちゃんと私たちにも懐いてる
     なのに、アニが来るとすぐにそっちに行っちゃうの
     ご飯をくれたり、あやしてくれる人を差し置いて、アニの方に行っちゃう
     少し悔しいけど、でもそれって、私たちよりもアニのことがわかるから
     アニが本当は、誰よりも優しい人なんだって、わかるから、そういうところが好きだからアニの方に行くんだと思う」

アニ「……」

アニ「私は、そんな優しさなんて持ってない」

ユミル「だったらなんでそんな辛そうな顔してやがんだ!」ガッ

アニ「!」

猫「! にゃぉ!!」フーッ

ユミル「本当に本性隠せてると思ってんのか? 周りの連中がバカに見えて、くだらないと思って、つまらない人間だと言い放つ
     そんなつまんねえ、冷たい人間なんだって、あたしらに思わせられてると思ってんのか!?」

アニ「……」

ユミル「あぁそうさ。あたしはお前のことはつまんねえ冷たい女だと思ってるよ

     けどな、ミーナは違う。お前のことをいつも心配して、お前の表情をしっかり見てる
     それはあたしがクリスタに思うのと同じことだ
     二年も一緒に生活してんだ。だからミーナのその感情が嘘じゃねえのはわかるつもりだ
     じゃあアニに対するあたしが思う気持ちと、ミーナが思う気持ちの違いはなんだ? なんでそんな違いが出てくる?
     それはなアニ、お前が思ってるほど、お前の本性が隠せてねえからだ!

猫「シャー!」

ユミル「……お前の足元であたしを威嚇するこいつは、それがよくわかってるみてえじゃねえか?」

アニ「……」

ミーナ「アニ……」

アニ「離して」

ユミル「……」パッ

アニ「何度でも言うけど、あんたらがどう思おうが自由だ
    けど私は、こいつに構うのは嫌だ」

ユミル「……こんだけ言っても無駄だってことか?」

アニ「悪いけど無駄だったね」

ミーナ「アニ、しっかり見てあげて。この子はアニのことをちゃんと」

アニ「うるさい」

ミーナ「っ」

アニ「……私に、構わないで」スタスタ

ガチャッ バタン

ユミル「……」

ミーナ「ごめんね、ユミル。私がもっとしっかり言えてれば」

ユミル「そんな気にすんな。あたしが好きでやってることだからな」

ミーナ「アニ、あんなに辛そうなのに。どうしてなんだろうね……」ナデ

猫「にゃ」

数日後 朝 女子宿舎

アニ「……」

クリスタ「凄い熱。今日は寝てないとダメだよ、アニ」

サシャ「教官には伝えておきますから。こんな状態で雪中訓練とかは無謀です」

アニ「あぁ、そうだね。正々堂々とサボらせてもらうよ」ケホッ

ミーナ「あの、それでね、アニ。すごく、その、頼みづらいんだけど、お願いがあるんだ」

アニ「……」

ミーナ「私たちが訓練で出てる間、ここに猫を置いておくから、見ていてほしいの」

アニ「嫌」

サシャ「そこをなんとか! 一日だけです! ご飯もトイレも寝床も私たちでこっちに移しておきますから」

アニ「嫌だ」

ハンナ「お願い。教官には頼めないし、私たちは一日帰れないし」

ミーナ「今日に限って雪中行進なんだもの……、いつもなら立体機動の訓練で午前中には終わるのに、今日は一日かけてだからどうしようもなくて」

サシャ「それにあの子は基本的に放っておいても、ご飯とかトイレは自分でやりますし」

アニ「……」

ユミル「いいじゃねえか。いいとこ見せてやれよ、自称冷たい人」

アニ「自称はしてないんだけど」ゲホッ

ミカサ「私は賛同できない。あの子なら一匹でも平気なのだから、男子宿舎に入れておいたほうがいい」

ハンナ「だってあっちの宿舎、物が多いらしいから、何かあったらって思うと……」

サシャ「こっちならアニがずっといますからね」

ミーナ「お願い、何もしなくていいの。傍にいて、見てるだけでいいから」

アニ「……嫌だって言ってもどうせここに連れてくる気でしょ?」

サシャ「あ、はい」

クリスタ「サシャ!」

サシャ「! ち、違います! はいとは言い難いって言おうとしたんです!」

アニ「……本当に何もしないよ? 何があっても何もしない」

ミーナ「大丈夫。あ、それと吐き出しちゃうこともあるけど、気にしないでね。お腹に溜まった毛を出してるだけだから」

アニ「は? ちょっと、それも処理しろって言うの?」

ミカサ「そんなことしなくてもいい。帰ってきた私たちでやる。アニは何もしないでほしい」

アニ「……あ、そう」

アニ「わかった。けど本当に何もしないからね」

ミーナ「あ、ありがとう! じゃあ教官にも伝えておくね!」

ユミル「やればできるじゃねえか」

アニ「……選択肢なんてないに等しいじゃないか」

ミカサ「……きっと今日の雪中訓練は猛吹雪になるだろう」

アニ「皮肉にしちゃ弱いね。誰かが遭難する、ぐらいは言ってもいいんじゃないかい」

ミカサ「その通り。きっと猛吹雪のせいで誰か遭難して死ぬことになるだろう」

アニ「その誰かがあんたじゃなければと祈っとくよ」

ミカサ「……」

サシャ「ほ、ほら、アニは寝ててください! 教官に伝えてちゃんと医者も呼びますから」

アニ「言われなくても寝てるよ。ただの風邪なんだ、慌てるほどじゃないさ」ケホケホッ

ハンナ「あ、もうこんな時間だよ。みんな行こう」

ミーナ「本当にありがとう、アニ。身体、気をつけてね」

アニ「……」

眠いのでここまで

ではまた

あぁ、そういえばアニメ組の人にはネタバレ注意って書くの忘れてました

今さらですみませんがお願いします

>>1は酷いもんだが中身はそんな悪くないんじゃないか

すまんあげてた
携帯で書き込むもんじゃないな

続けます

昼 女子用寝所

アニ「……」ペラ

猫「」カリカリ

アニ「……悪いけど外には出せないよ。そこまで行くほど元気じゃないから」

猫「にゃ」カリカリ

アニ「……はぁ」パタン

アニ「頼むから大人しくしててくれない? 本も読めないじゃないか」

猫「」カリカリ

アニ「外に行きたいの? それならそれで楽でいいんだけど」

猫「にゃぁ」カリカリ

アニ「何度も言うけど、私がドアまで行くのが面倒なの」

猫「」カリ フイ

アニ「……やっと諦めた? なら大人しく寝床で寝てて」

アニ(やっぱり引き受けるんじゃなかった。そもそも夜は放し飼いなんだから、わざわざここに連れてくる必要もないんだし
    なんだかいいように騙された気がするね)

猫「」トスッ

アニ「!」

猫「」グルグル

アニ「なんで寝床じゃなくて私の膝の上に……」

猫「」グルグル スヤ

アニ「……なんで私になの?
    何もしてないってのに、どうしてなのさ」

猫「」スヤスヤ

アニ「……間抜けな顔だね。こんな世界でよくぐっすり寝れるもんだ

    ……いや、それは私も同じか
    そういうところは、確かに似てるのかもしれない」クス

猫「」スヤスヤ

アニ「……」ソッ

アニ「……」ナデ

猫「」ピクッ グルグル

アニ「……本当に毛むくじゃらなんだ
    温かい。……鼓動もちゃんと聞こえる。ちゃんと生きてるんだね」ナデナデ

猫「」グルグル

アニ「……本当に間抜けな顔だよ」

猫「」グルグル

アニ「……」パサッ

アニ「……」ペラッ

猫「」スヤスヤ

アニ「……」ペラッ

猫「」スヤスヤ

アニ「……ふぁ」

翌日 早朝 女子用寝所

ミーナ「た、ただいま! アニ、大丈夫だった?」

ユミル「本当にまた吹雪になるとはな。それでまた死にかけた野郎もいたし」

クリスタ「ダズの時みたいにみんなとはぐれないで、すぐ見つかったからよかったけどね」

サシャ「そ、それより猫ちゃんは!?」

ミーナ「サシャ、シーッ!」

サシャ「え?」

クリスタ「あっ」

アニ「……」スヤ
猫「」スヤスヤ

ユミル「……はっ、仲良くやってたみてえじゃねえか。よく寝てるな」

ミカサ「……」

昼 食堂

エレン「じゃあアニはまだ猫と寝てるのか?」

ミーナ「うん。熱はまだあったからね」

ハンナ「起こしちゃっても悪いかなと思って。教官には伝えてあるから」

ライナー「そうか。なら心配いらんだろうな」

ベルトルト「……」

マルコ「あれだけ嫌がってたのに、追い払わなかったんだね」

ジャン「蹴り殺されやしねえかとヒヤヒヤしてたんだがな」

ミーナ「だからアニはそんな子じゃないってば」

アルミン「猫が一番最初に心を許してるからね。動物って残酷な人間には本能的に近づかないはずだから
      とはいえ子猫みたいな子供の場合は一概にそうとも言えないんだけど」

コニー「そういうもんなのか?」

アルミン「小さい子はまだ警戒心が育ってないんだ。だから逆に親を求めて近寄ってくることが多い

      悲しいことだけど、その警戒心の緩さを逆手に利用して、拾って虐待するような人もいる
      挙句には殺してしまったりする人もいるんだ」

ミカサ「酷い」

アルミン「ペットの問題は結構あるんだ。興味本位で買って、飽きたら捨てる。糞尿の被害は出るし、去勢や避妊もしてないから繁殖もしてしまう」

コニー「きょせいやひにん?」

ユミル「オスの玉取っちまうんだよ。メスは腹にある子を作る器官を排除するんだ」

ジャン「マジかよ」

アルミン「兵団に苦情が来たりもして、捕獲しては人のいないところへ放したりもしてるんだ

      幸い壁内の開拓されてない土地はまだ広いからね
      けど最近は捕獲して処分する方針も出てるみたいだけど」

エレン「処分って……殺すってことか?」

アルミン「うん。食料を漁ったり、さっきも言った糞尿被害、繁殖、外に出しても一気に出せるわけじゃないから数が減らない
      それに見つけて捕獲するのも必ず成功するわけじゃない。だから餌に毒を混ぜて、死んだのを処分していく方が楽だって主張する人もいる」

フランツ「へぇ。あまり意識して猫や犬を見たことはなかったけど、そんな問題もあったんだね」

アルミン「具体的な対策が出てないから、どうしようもないんだ
      だからせめて、ここで見つけたあの子ぐらいは助けたいよね」

ミーナ「そう、だね」

夜 食堂

ガチャッ

アニ「……」

ミーナ「アニ! もう起きて平気なの?」

アニ「おかげさまでゆっくり寝れたからね」

猫「にゃお」

ミーナ「あ、猫ちゃんも一緒に来たの? お腹すいたでしょ。ちゃんとご飯あるよ~」

猫「にゃ!」タッ

アニ「私が起きたら勝手に付いてきたんだよ」

ミーナ「よく寝れた?」

アニ「……あぁ、よく寝れたよ」

ミーナ「ふふ、それはよかった」

アニ「……どうせ昨日のこともあんたの言い出したことなんでしょ?」

ミーナ「さぁ、それはどうでしょう?」

アニ「やれやれ」

ユミル「眠り姫は起きるのもゆっくりだな。毛むくじゃらの王子にキスでもされてようやく起きたのか?」

アニ「……そう思うならそうなんじゃないの?」

ユミル「はっ。図星みてえだな。そう思っとくことにするよ」

クリスタ「もう、どうしてユミルはそう喧嘩腰なの?」

ユミル「喧嘩? そんなつもりはねえよ、なぁアニ?」

アニ「……」フン

クリスタ「?」

サシャ「何かあったんですか? やけに親しげですけど」

ユミル「別に。少し素直に成長したのが見れたんだ。それで気分いいだけさ」

アニ「……」

ミカサ「……」

エレン「お、おいミカサ、なんて顔してんだ」

ミカサ「別に。なんでもない」

一旦ここまで 飯食います

数日後 夕方 食堂前

ライナー「ようやくあちこちでトイレをしなくなったな」

アルミン「本当は一度すれば結構すぐ覚えるんだけど、やりやすい場所を覚えちゃうとトイレよりそっちでしちゃうことが多いからね
      それにしても覚えが悪かったのは不思議だけど」

ライナー「ほぅ」

ベルトルト「ライナー。いつまで猫にかまってるんだい?」

ライナー「ベルトルトか。それも仕方ないだろう。今日の午後はアルミンと俺が当番だからな」

ベルトルト「どうして君までそんなに夢中になってるのさ。君らしくないよ」

ライナー「む? そうか?」

アルミン「え、でもベルトルトも賛同してくれてるじゃないか」

ベルトルト「ライナーがやるって言ったからね。僕がやらないってわけにはいかない」

アルミン「あ、あぁ、そうなんだ」

ベルトルト「でもライナー、君にしてはおかしいよ。仕事だからってそこまで構う必要はないじゃないか」

ライナー「まぁそれもそうなんだが。こいつと遊ぶのも面白いからな」

ベルトルト「君は僕たちの目標を忘れたわけじゃないだろ? どうしてそんなにのんきにしてられるんだ
       いつまでもその猫に構って、他のみんなと仲良くやって、それでいいのか?」

ライナー「……いいじゃないかベルトルト。毎日そこまで肩肘はっていては息苦しくなるだけだぞ

      それにこうして他の仲間とひとつの仕事をやり遂げるのも、兵士としては当然だろう
      とはいえこいつを育てたところで評価が上がるわけでもないんだがな」

アルミン「それはそうだけど、生き物を飼うってそういうことじゃないよね
      母性愛とか父性愛、かな。自分へのメリットとかを考えて育てるわけではないと思う」

ライナー「……確かにそうだな。メリットもないかと考えてはいたが、こうしてこいつに構うときは損得を考えてないか
      命を育てる。……今までに経験したことがないが、悪くないな」フッ

猫「にゃ?」

ベルトルト「っ……もういい。好きにすればいい」

ライナー「? どうしたベルトルト。何をそんなに苛立ってるんだ」

ベルトルト「もういいって言ってるだろ!」

猫「!」ビクッ

ベルトルト「もういい。勝手にすればいい。僕だってライナーがやるって言ってるから手伝うけど
       それ以上のことをその子にするつもりは、ないから」スタスタ

アルミン「……ベルトルトがあんなに大きい声出したの初めて聞いたよ」

ライナー「あ、あぁ。そうだな……」

同日 夕方 図書室

アニ「続きは……確か三巻だったね」ゴソゴソ

ガチャ

ベルトルト「……」

アニ「……珍しいね。あんたが一人でこんなとこに来るなんて」

ベルトルト「ここに人があまり来ないのは知ってるし、仮にいたとしても調べ物をしに来るアルミンか、そうやって時々読んでる本の続きを持ってくアニぐらいだ
       アルミンは食堂にいたし、一人になれるかと思って来たんだけど、まさに君がいる時に来ちゃったみたいだね」

アニ「……それで? 一人みたいだね。いつもくっついて意見を仰ぐお友達は一緒じゃないみたいだけど?」

ベルトルト「あぁ、そうだね。一人だよ」ガタッ

アニ「……」

ベルトルト「アニ。君はどう? まだ、故郷に帰りたいって気持ちは変わらないかい」

アニ「……変わらないよ」

ベルトルト「本当にそうかい? 君までアレに感化されてるんじゃないかと少し心配してるんだけど」

アニ「アレ? ……あぁ、あの猫のことか。安心しなよ。いつも通り全然構っちゃいないさ」

ベルトルト「本当に、そうだと言える?」

アニ「……」

ベルトルト「ライナーはすっかり変わったよ。いや、猫が来るもっと前から兆候はあったんだ

       時々本当に、自分が兵士だと思い込んでることがある。僕たちは兵士じゃないと何度言っても、理解できていないことがあった
       そんな時あの猫が来た。もう本気で兵士だと思い込んでる。現実を直視したくないばかりに戦士であることを認めようとしなくなってしまった
       僕が言っても聞きやしない。それどころか、命を育てることに喜びすら感じてる!
       そんなのは、絶対にダメだ。僕たちにそんな権利はない。
       命の重みを知ってしまったら、もし戦士に戻れたとき、決断ができなくなってしまう。力を行使することに躊躇いを覚えてしまう!
       僕たちは、人類に仇なす存在で、命をなんとも思ってないと、思い込まないといけないんだ!
       そう、言い聞かせないと、ダメだ。兵士ではなく戦士なんだと思わないと、人類に敵対することはできない」

アニ「……」

ベルトルト「……僕だって、僕だって人を殺したくなんかないんだ。犠牲にしたくないんだ。でも、ダメなんだ。そうしなければ、故郷に帰れない

       だから、自分に言い聞かせるんだ。自分は人間じゃない。悪魔だ。化物だ。人の命をなんとも思わない悪魔なんだって思わないといけない
       そうしないと、僕は、戦えないから」

アニ「それで?」

ベルトルト「……」

アニ「その話を私に聞かせて、どうされたいの?
    慰められたいの? 同意されたいの? それとも一緒に、あの猫を殺しましょう、とでも言ってほしいの?」

ベルトルト「違う! 僕は、僕はただライナーに、戦士であってもらいたいだけだ」

アニ「なら躊躇ってどうするの? 悪魔らしく、猫を殺しなよ。別に止めないさ」

ベルトルト「……」

アニ「今更罪悪感でも浮かんできたかい? 今更猫の一匹も殺せないって? ベルトルト、あんたは自分が思ってるほど戦士になれてないよ、自覚するべきだね」

ベルトルト「……君はどうなんだ、アニ。君もライナーと同じなんじゃないか?」

アニ「同じ? 私があいつと?」

ベルトルト「僕だってわかる。君も、あの猫に情が移り始めてることぐらいね」

アニ「……」

ベルトルト「君は、自分以外の人間に憧れ、尊敬しているだろ?

       そしてそんな憧れ、尊敬する人間になりたいと思ってる
       エレンみたいに、真正面から正論を言える人間に
       ミーナやクリスタみたいに、誰にでも優しく明るく振る舞える人間に
       ジャンやアルミンみたいに、本音を言える人間に
       コニーやサシャみたいに、素直でバカみたいな人間に
       ミカサやユミルみたいに、心の底から人を守れるような人間に
       そしてそれとは逆に、ズルくてつまらなくて、流されるがまま生きていく人間にも憧れてるんだ
       そんな感情豊かな人間になりたいんだろ?
       けれど表には決して出さない。そうすることができない。だから歪んだまま、複雑な感情を常に抱えてる
       そう思うこともまた、自分の憧れる人間に近いんじゃないかとも、思っているんだろ?
       そうすることでみんなと同じ人間なんだと、そうやって悩む振りをして思い込みたいんじゃないか。ライナーが兵士であると、思い込みたいように」

アニ「……そう、人間だよ。人間に決まってる。どれだけ酷いことをしてて、どれだけあくどいことをしてて、どれだけクズだとしても

    私は人間だと思われたいに決まってるし、人間でありたいと思ってるさ。決して好かれることのない、人間でいたい
    例え世界が敵で、恨まれても、一人の人間で、親のところに帰りたい凡庸な人間なんだよ」

ベルトルト「…………。アニ、やっぱり君も充分、壊れてるよ。ライナーと一緒だ」

アニ「……そう思うなら、そう思っていればいいよ」

今日はここまで

おつおつ

翌日 昼 食堂前

サシャ「ほぅら猫ちゃん、お肉ですよー! 私のお肉ですよ!」

猫「にゃ」ムシャムシャ

ミカサ「今日も元気で何より。このまま順調に育ってほしい」

サシャ「そうじゃなければ私のお肉をあげる意味がないですからね!」

ミカサ「サシャの、ではない。みんなの」

サシャ「う……。はい……、ごめんなさい」

アニ「……」

サシャ「あ、アニじゃないですか」

ミカサ「……」

猫「にゃ!」タッ

アニ「……」

猫「」スリスリ グルグル

ミカサ「……やはり理解できない。どうしてアニに懐くの?」

アニ「私の方が知りたいよ」

サシャ「あ、その、えっと。な、何か用ですか?」

アニ「別に。毎日律儀に世話をして、よく飽きて放り投げないもんだって思っただけさ」

ミカサ「それは飽きて捨てる心のない飼い主と、私たちが同じなんだということ?」

アニ「あんたらが喜んで飼うって言ってた時からずっとそうだと思ってたけどね
    一時の気晴らしにしか見えなかったからさ。そうじゃなかったなら実に良識がある良い人間で何よりだ」

ミカサ「……喧嘩を売りに来たの?」

アニ「そんなつもりはないけど? でも面白いもんだ、猛獣もペットを飼うんだね」

ミカサ「……」スッ

サシャ「ミ、ミカサ、落ち着いてください! アニもそんな喧嘩腰にならないでくださいよ!」

ミカサ「ユミルやミーナは騙されているようだ。やはりあなたに猫が懐くのはおかしい

     何か餌に仕込んでいるのでは? それか快楽物質でも与えて、自分に懐くようにしている?
     警戒心の薄い子猫を、快楽で殺す人間と同じようなことを考えているの?」

猫「?」

アニ「……そうだね、私は“良い”人間ではないから。まぁ猛獣のあんたも、“餌”を育ててるだけかもしれないけど」

ミカサ「……やはり貴女に猫は近づけない方がよさそうだ」

サシャ「い、いい加減にしてください!!」

アニ・ミカサ「!」

サシャ「なんでそんなに顔を合わせる度に喧嘩になるんですか! 二人とも、対人格闘の訓練で戦ったときから変ですよ!

     前はそんなに喧嘩腰になることはなかったじゃないですか。アニが猫ちゃんを殺すとか、ミカサが猫ちゃんを食べるとか、いくらなんでも酷すぎます!
     どうして、どうしてそんなに、お互いを信用できないんですか。仲間じゃないですか。どうして、仲良くできないんですか」

ミカサ「……ごめんなさい、サシャ。少し、そう、少しアニに嫉妬しているだけ。それが表に出てしまった」

アニ「……そうだね、悪かったよ。……昨日の苛立ちを他人にぶつけたかっただけかな」

サシャ「うっ、っく、うぅ……」

猫「」スッ

クリスタ「? あれ、三人ともそんなところでどうし……。サ、サシャ!? どうしたの? 大丈夫?」

サシャ「うぅ……あぁあああん」

猫「にゃ」ペロペロ

コニー「なんだ?」

エレン「何かあったのか」

アニ「……」

ミカサ「……ただ私たちがつまらないことで喧嘩をしただけ。それでサシャを泣かせてしまった」

ジャン「それで猫に慰められてるのか、そういうとこはサシャらしいが」

サシャ「うぅ……、ヒック」

クリスタ「ほら、涙拭いて」フキフキ

エレン「また喧嘩かよ。何でそんなに仲悪いんだ?」

ジャン「さぁな。大体オレとお前も似たようなもんじゃねえか」

エレン「あぁ、そういやそうだな。それじゃ仕方ねえか」

コニー「そこで納得すんのかよ」

アニ「悪かったね。今後は気を付けるし、猫にも近寄らないよ」スタスタ

クリスタ「あ……」

ミカサ「私も気を付けよう。サシャやエレンがそこまで言うのなら、もうアニとあまり険悪にならないようにしたい」

クリスタ「……」

クリスタ「……待って、アニ。ミカサも」

アニ「……?」

ミカサ「?」

クリスタ「違うでしょ。二人とも、何を勘違いしてるの」

コニー「ク、クリスタ?」

クリスタ「今後は気を付ける? もう険悪にならないように? ふざけないで。その約束がどれだけ酷いことか本当にわかってるの?」

アニ「……それのどこが酷いことなの?」

ミカサ「だから今後はアニと喧嘩はしないようにすると」

クリスタ「“今後”じゃないでしょ!! サシャは“今”泣いてるんだよ!? どんな理由でアニやミカサが喧嘩したかとか、そんなのどうでもいい! どうせつまんない理由でしょ? 聞かなくてもわかるよ
      大事なのはそこじゃない。サシャが『今の二人』に泣いてるのに、『今後は気を付ける』!? それがどれだけ失礼なことか、酷いことか、本当にわかってるのかって聞いてるんだよ!?

エレン「お、おいクリスタ。落ち着け」

クリスタ「落ち着いてるよ!

      アニ、あなたがすべきことは本当に『今後はみんなから離れて、猫に近づかない』ことなの?
      ミカサ、あなたがすべきことは本当に『今後はアニと険悪にならないよう気を付ける』ことなの?
      サシャがそんなつまらないことをしてほしいために泣くと思ってるの!? そんなわけない!!
      サシャは、アニとミカサに『今仲直りしてほしい』と思って泣いてるんじゃないの!?
      それすらもはき違えて、『わかりました、今後は喧嘩しないようお互い気を付けます』? 冗談にしても悪趣味だよ!
      お互いの顔色伺って、喧嘩しないで、この場でサシャだけに謝って、もう会話もしないつもり? くだらない、本当にくだらないよ!」

猫「にゃぁ……」スッ

クリスタ「二人の喧嘩はこの子が原因でしょ?

      どうして素直になれないの? 二人とも、この子のこと可愛いと思ってるでしょ? そのことにお互い気づいてるでしょ?
      アニは態度に出せないだけ。どんな理由か知らないけど、私たちにそんな情けない姿を今更見せるのは嫌っていう子供じみた自尊心でしょ?
      ミカサは態度に出してるのに、自分に懐いてくれないし、何もしてないアニにばっかり行くのが嫌っていう大人気ない嫉妬心でしょ?
      そんなつまんないもんのために、サシャを泣かせてどういうつもりなの!? その挙句二人でサシャに謝ってこの場を収める?
      バカにするのもいい加減にして!!!」

ジャン「クリスタ、落ち着け。声がでかい、教官が来るぞ」

アニ「……」

ミカサ「……」

クリスタ「来たっていいよ! この二人がどれだけバカなことをしたのか、どれだけサシャに酷いことをしたか、思い知らせないとダメ!!」

サシャ「ご、ごめんなさい、クリスタ。私が悪いんです。こんなことで泣いちゃった私が」ズズ

クリスタ「……サシャはこの状況でも自分が悪いって言ってるんだよ?

      だから二人がサシャに謝って、はいこれで終わりって済ませるの? そんなつまらなくてくだらない人と今日まで訓練してきたの? 一緒に強くなってきたの?
      そんな人と、仲良くなろうと、私たちは頑張ってきたの? そうなの?」

アニ「……」

ミカサ「……」

クリスタ「二人が謝る相手は、本当にサシャだけなの?」グス

コニー「……あ、あー。うん。クリスタ、落ち着けよ、な? 流石にこの二人もわかっただろうから」

ジャン「そうだな。普段全く怒らないクリスタがこれだけ切れてんだ。ミカサもアニもわかるだろ?」

エレン「ほら、アニ、ミカサ」

アニ「……悪かったよ、ミカサ。苛々してて、誰かに当たりたかっただけだ」

ミカサ「もういい。私も悪かった。何もしていないのに懐かれるアニに嫉妬して、つい喧嘩腰になってしまった。ごめんなさい」

サシャ「二人とも……」

クリスタ「……うん、よし! サシャももう許してあげるよね!」

サシャ「はい! もちろんです」

キース「なんの騒ぎだ?」

ジャン「!?」

エレン「あ、いや、これはその……」

アニ「私が原因でこの場で喧嘩になったせいです。他のみんなはその騒ぎに集まっただけです」

ジャン「おいおい、アニが自分からそんなこと言うのか……」

キース「ほぅ。いつも冷静で騒ぎも起こさず目立たない貴様がか。成績だけしか求めていないと思っていたがな」

アニ「……」

キース「喧嘩というのは一人ではできん。相手は誰だ?」

ミカサ「私です」

キース「なるほど。成績一位だけでは不満だったようだな? 訓練では暴れ足りないか」

クリスタ「教官、私もです」

サシャ「え!?」

クリスタ「私のせいで騒ぎが大きくなりました。同じく罰を受けます」

キース「……。実に珍しい組み合わせだ。貴様は喧嘩とは無縁と思っていたがな
     いいだろう。貴様たちには深夜まで兵舎周りの掃除を行ってもらう。塵一つ残すな」

アニ・ミカサ・クリスタ「はっ」

サシャ「そ、それなら私も」

ミカサ「サシャは関係ありません」

クリスタ「騒ぎを見て集まった一人に過ぎません」

アニ「……間違いありません」

キース「……本当か? サシャ・ブラウス訓練兵」

サシャ「え、あ、その……」

コニー「サシャは確かにこの騒ぎを聞きつけて来ただけで無関係です!」

サシャ「コ、コニー、それは」

エレン「サシャ、やめとけ」ボソボソ

ジャン「せっかく三人が庇ってるんだ。大人しくしとけ」ボソボソ

サシャ「う、は、はい。無関係、です」

キース「……いいだろう。三人はすぐに行動をしろ。それ以外は速やかに昼食を済ませろ。いいな」

全員「はっ」

猫「にゃ!」

キース「……それとこの猫もきちんと世話しておけ。訓練の邪魔にならんようにだ」

ここまで
一時間もクリスタに悩みすぎた 寝ます

凄い下がってるな…… けどめげない!

息抜きもしたんで寝るまで少し続けます

同日 夕方 食堂

ユミル「クリスタが?」

コニー「おぉ、すごかったぞ。あんなに大きな声出すとは思ってなかった」

ユミル(あたしが食事当番で奥にいた間にそんなことが……)

ミーナ「それで今は?」

ジャン「まだ三人で掃除してるんじゃねえか」

エレン「さっき女子用寝所の方に向かってたから、本当に一日かけてずっと掃除だろうな」

アルミン「そうだったんだ。三人とも黙って掃除しててあんまり会話してなかったけど、大丈夫かな」

マルコ「うーん。その辺はやっぱり触れちゃいけないんじゃないかな。三人の問題だと思うし」

サシャ「あぁ、やっぱり私があんな風になっちゃったから……、年上として情けない限りです……」

エレン「サシャが気にすることじゃねえよ。流石にミカサもアニも反省すべきだろ」

ライナー「そうだな。あの二人は最近確かに猫のせいでギクシャクしてたし、クリスタに怒られたからには少しは懲りただろう
      これで少しは関係が戻ればいいんだがな」

ベルトルト「……」

ミーナ「で、猫ちゃんは?」

サシャ「掃除してる三人と一緒です」

コニー「ずっと後をついてたな。相変わらずアニ寄りだったけどよ」

ミーナ「そう……」

ユミル「どれ、飯も終わってるしちょっと様子を見に行くか。今日の訓練は終わったしな」

アルミン「あれ? 今日は確か臨時で兵法講義があったんじゃなかった? 確か午前の復習を兼ねて夕食後にって話だったと思うけど」

ユミル「あ……。しょうがねえな。あいたたた! あたしは腹痛が痛くなってきたから部屋で休む! 教官にうまく言っといてくれ!」

ハンナ「え、えぇ!?」

フランツ「それ意味一緒じゃないか」

ユミル「どうでもいいだろ! よし、ミーナ、付き添いで来てくれ!」

ミーナ「え、えぇ!?」

ユミル「医務室寄ってから部屋で休むから、ミーナもそんな感じで適当にやっといてくれ! じゃ!」ダッ

ミーナ「ちょ、ちょっと待って! 引っ張らないでえええぇぇぇぇェェェェ」ズルズル

ライナー「……訓練に影響を出したら猫を処分するって話を忘れたのかアイツは」

サシャ「さ、流石にそれはないと思いたいですけど……」

同日 夕方 女子用寝所前

ユミル「どれ、あの三人は……」

ミーナ「あ、いたよ。ほら、あそこ」

ユミル「よし、こっそり隠れて様子を伺おう」

ミーナ「う、うん」


アニ「……」サッサッ

ミカサ「……」ガタガタ

クリスタ「……」フキフキ

猫「なぉ」フンフン ウロウロ


ユミル「ビックリするほど会話がないな……」ボソボソ

ミーナ「うん」ボソ

ユミル「流石に心配になってきたな……。大丈夫かあいつら」

ミーナ「しーっ」

アニ「ゴミ、捨ててくるよ」

ミカサ「うん」

クリスタ「ありがとう、アニ」

猫「にゃ」


ユミル「相変わらずアニにべったりだな」ボソボソ

ミーナ「うーん、本当になんでアニに懐くのかなぁ」ボソボソ

ユミル「よし、行くぞ」

ミーナ「え?」

ガタッ

ミカサ「? ユミルにミーナ。なぜここに?」

クリスタ「え?」

ユミル「いや、無言で掃除してるって三人の様子を見に、な」

ミーナ「ご、ごめんね」

短いですが眠いのでここまで
続きは思いつき次第 落ちそうになったら流石に一度だけあげます では

乙乙
楽しみだよ

下がってきたので一度保守上げ

間違えて途中で書き込んでしまった ID違うけど>>1です

明日から少し長めの休みなので出来ればその間に終わらせようと思います
三分の一から二分の一くらいは多分書けてるので、そんなに長くはなりません 多分……
この状況でも読んでくれてる方には感謝です。待たせてしまってすみません

続きは明日の深夜ぐらいにでも
今日は本編の更新はないです 重ね重ねすみません
ではまた

この状態から、ある意味凄いな
完結したら読みに来るわ

きにすんな、自分のペースでいいんだよ!

俺は読むことしかできないんだしwww

乙!楽しみにしてる

時間ができたので少し更新します     ……の前にいくつか会話での細かい部分を細かく訂正
自分の保存用の訂正メモしておきたいので 内容に変化はありませんし多いのでスルーしてください

>>4 ×コニー「エレンにミカサじゃん。どうしたんだよ」→〇コニー「エレンにミカサじゃん」 ×ジャン「なんで外を見に行ったかどうかなんて聞くんだよ?」→〇ジャン「外? なんかあったのかよ」
>>7 ×トーマス「参ったね。教官はダズとサムエルが呼びに行ったけど」→〇トーマス「参ったね。教官には?」 マルコ「ダズとサムエルが報告に行ったよ」
>>26 ×アルミン「それを黙って見過ごすのはやっぱり可哀想だもの」→〇アルミン「黙って見過ごすのは可哀想だ」 ×フランツ「ここにいないみんなにも知らせに行かないとね」→〇フランツ「ここにいないみんなにも知らせようか」
>>39 ×アルミン「コニーらしいけどね」→〇アルミン「コニーらしいね」
>>44 ×アルミン「結局その~~今まで話す必要もなかったからね」→〇アルミン「まぁ結局その~~今まで話す機会も、必要もなかったから」
>>46 ×アルミン「さっきも言ったけど警戒されてたからね」→〇アルミン「さっきも言ったけど警戒されてたから」 ×アルミン「馬もそうでしょ? 馬や乗る人によって警戒したり相性がよかったりする」→〇アルミン「馬もそうでしょ? 人によって相性がよかったり、警戒されたりするじゃないか」
>>48 ×ユミル「ちっ。ほんとに退屈な奴だな」→〇ユミル「ちっ。ほんとにつまんねえ奴だな」
>>56 ×アニ「撫でたいとも思わないし欲求もない」→〇「撫でたいとも思わないし可愛がってみたいとも思わない」
>>58 ×アニ「呆れた思考だね。私らは違う」→〇アニ「呆れた思考だね。私らも同じだと思ってるの?」
>>59 ×エレン「……それはそれとして、格闘術の時とか」→〇エレン「(削除)格闘術の時とか」
>>67 ×アニ「……選択肢なんてないに等しいじゃないか」→〇アニ「……どうせ選択肢なんてないんでしょ」
>>78 ×アルミン「繁殖、外に出しても一気に出せるわけじゃないから数が減らない」→アルミン「繁殖、夜鳴きとかもあるからね。外に放すって言っても一気に出せるわけじゃないから数が減らない」
>>82 ×アルミン「え、でも」→〇アルミン「でも」
>>83 ×アルミン「生き物を飼うってそういうことじゃないよね」→〇「生き物を飼うってそういうことじゃないよ」 ×アルミン「……ベルトルトがあんなに大きい声出したの初めて聞いたよ」→〇アルミン「……ベルトルトがあんなに怒るなんて、どうしたんだろう?」

以上

驚異のアルミン率……

こっちは若干内容に関わる部分の訂正 と言っても本当に若干

>>63 ×ユミル「それはあたしがクリスタに思うのと同じことだ」→〇ユミル「ミーナのその気持ちは、あたしがクリスタに思うのと同じことだ」

>>86 追加 ベルトルト「ジャンやアルミンみたいに」「コニーやサシャみたいに」の間→ベルトルト「マルコみたいに冷静に周りや人を見れる人間に」

以上

では続けます

あ、ともう一個

>>101 ×フランツ「それ意味一緒じゃないか」→×フランツ「腹痛が痛いって、意味一緒じゃないか……」
     ×ユミル「ミーナもそんな感じで適当にやっといてくれ!」→〇ユミル「ミーナもそんな感じで教官に適当に言っといてくれ!」

以上

すみません、 では少し続けます

ミカサ「見ても何も面白いことはない、のに、なぜ?」

ユミル「クリスタも心配だしな。手伝えることがありゃ手伝うぜ」

ミーナ「うん、そうだね」

クリスタ「い、いいよいいよ! 大丈夫! 私たちが受けた罰なんだから、ユミルやミーナにやらせるわけにはいかないよ」

アニ「……? なんで二人がここにいるんだい?」スタスタ

クリスタ「あ、お帰りアニ」

ユミル「なぁに、猫を巡って熾烈な争いをした二人に、それを諌めたってクリスタの様子を見たくなってな
     その上会話がないんだろ? ならついでに少し場を和らげてやって、更にそのついでに手伝ってやろうと思っただけさ」

アニ「……」

猫「にゃ?」

ミーナ「あ、猫ちゃん。気まずかったでしょー。もう大丈夫だよ、ユミルが来たからねー」

ユミル「おい、それどういう意味だ。あたしが空気読めないバカみたいじゃねえか。コニーと一緒にすんな」

ミカサ「……」クス

クリスタ「あはは」

アニ「……やれやれ」

ユミル「で? クリスタにこっぴどく叱られたらしいじゃねえか。少しは懲りたか?」

ミカサ「……えぇ。流石にサシャにもクリスタにも、アニにも、酷いことをしてしまった」サッサッ

アニ「あれで懲りないほど腐ってるつもりはないさ」ガシャ

ミーナ「けど猫ちゃんのおかげで喧嘩しちゃったけど、猫ちゃんのおかげで今までギクシャクしてたのも少し落ち着いたね」

クリスタ「そう、だね。最近二人とも結構険悪だったから」

ミーナ「ふふ。前より少し距離が近くなったんじゃない? ちりとりをアニが持って、ミカサがホウキで掃いてゴミを集めてるなんて、見たことないもの」

アニ「あっ、いや、その……」

ミカサ「ま、まとめたゴミをアニが持って行ってくれるから、掃き掃除を私がやっているだけ」

アニ「そ、そうだね。効率を優先してるだけだよ」

ユミル「照れんな照れんな。お前らがそれでいいならそれでいいんだからさ。あたしらが勝手にそう思うだけだから」

クリスタ「そうそう。実は掃除しろって言われてからずっとこんな感じだよ。私もいるのに、結構二人で分担して仕事してるんだよ? お互い黙ってるのに、きちんと意思疎通が出来てるみたいだった」

ミカサ「……」サッサッ

アニ「……」ガシャガシャ

猫「にゃ」

クリスタ「あ、そういえばミーナ。思ってたことがあるんだ」

ミーナ「? なに?」

クリスタ「猫ちゃん、まだ名前つけてないよね?」

ミーナ「あ、そういえば! すっかり忘れちゃってた」

ユミル「猫ちゃんってみんな呼んでんだし、猫ちゃんでいいんじゃねえのか」

クリスタ「ダメだよ。名前って結構大事だよ? そうでしょユミル」

ユミル「いや、まぁ、それはそうだけどよ」

ミーナ「どうしようかなぁ。そういえばこの子男の子だっけ?」

クリスタ「前にアルミンが見たとき男だって言ってたから、そうだと思う」

ユミル「……アニ、お前が決めたらどうだ?」

アニ「は?」

ミーナ「あ、それいいかも。アニに一番懐いてるし」

アニ「だから私は」

ユミル「今更隠してどうすんだ。周りはもうとっくに気づいてるよ」

アニ「……けど、ミカサは反対すんじゃないの?」

ミカサ「しない。アニなら、いい名前を付けられると思う」

アニ「……態度変わりすぎじゃない?」

ミカサ「前は貴女を理解していなかったから、嫌悪していた。けれど、お互いに謝った時は本音、だったと思う
     だからそのアニを、信じたいだけ」

アニ「……」

ミーナ「ほら、ミカサもこう言ってるんだし」

クリスタ「どう? 何かいい名前、ある?」

アニ「……。じゃあ、レオでいいんじゃないか」

ユミル「レオ?」

アニ「長い名前は呼びにくいし、いい名前も思いつかない。だから私の苗字を取っただけ」

ミーナ「レオンハートのレオ! いいね!」

アニ「いいと思う! レオちゃん、あなたの名前だよ?」

猫「にゃぉ!」グルグル

ミカサ「気に入ったみたい」

ユミル「呼びやすいしいいんじゃねえか。なぁ、レオ」

レオ「なぉ」

>>117訂正
アニ「いいと思う!」→クリスタ「いいと思う!」

アニ明るすぎ

アニ「……」

ミーナ「ほら、アニも呼んであげなよ。名付け親なんだから」

アニ「いや、私はいいよ。恥ずかしいし」

ユミル「だから照れんなって。猫好きなのはバレバレだからよ」

アニ「……れ、レオ」

レオ「にゃ!」スリスリ

ミカサ「ふふ、嬉しそう。やはりアニが好きなのは変わらないらしい。少し悔しいけど、負けないように私も名前をたくさん呼ぼう
     おいで、レオ」

レオ「にゃ」

クリスタ「お利口だね。ちゃんと名前を呼ばれるとそっちに行くんだ」

ユミル「確かに結構賢いんだろうな。いいことじゃねえか」

レオ「」ップシッ

ミーナ「あはは、喜びすぎてくしゃみしちゃってる。可愛いねぇ」

レオ「なぉ」

数日後 夕方 兵舎前

エレン「おっ、レオ、今日も元気そうだな」

レオ「にゃー」

アルミン「うん、そうだね。……?」

レオ「? にゃ」タッ

アニ「……」

アルミン「あっ」

エレン「ははっ。やっぱりアニが好きなんだな」

アニ「おはよう、レオ」ナデ

レオ「」グルグル

エレン「やっと素直に撫でれるようになったじゃん」

アニ「そうだね、か弱い乙女だもの。素直に行動した方がいいだろ?」

エレン「だからどこがか弱いんだっての。なぁ、アルミン」

アルミン「……」

エレン「アルミン?」

アルミン「えっ、あ、うん。そうだね。僕がアニと格闘術なんてやったら本当に気絶しちゃうよ」

アニ「加減してあげようか?」

アルミン「ははは、そ、それでも遠慮しとこうかな」

エレン「そういえば最近は寝床より食堂前の茂みが好きみたいだな。結構あそこで昼寝してるのを見るぞ」

アルミン「お気に入りの場所を見つけるとそこで落ち着くことが多いからね。茂みなら人目もあまりないし」

アニ「食堂前なら結構みんな見るんじゃない?」

アルミン「いや、普通に食堂に行く時は死角になるから気づかない人も結構多いよ
      僕らが食堂から出るときはまた見えない位置にまた移動してるから」

エレン「そうなのか」

アルミン「エレンは食堂行く前に共同トイレに行ったりするから。それで気づくんじゃないかな」

エレン「あぁ、そういえばそうだ」

アニ「意外と堪能してるってわけだね、レオも」

レオ「なぁー」

アニ「……?」

エレン「レオって名前もすっかり定着したし、もうアニの猫って言ってもよさそうなぐらいだよな」

アニ「……そうだね。今度からは私の分の肉もあげるよ」

アルミン「え、本当?」

アニ「あぁ。世話もする。今からでも教えてくれるかい、アルミン?」

アルミン「も、もちろん。アニが自分からそんな風に言うとは思わなかったけど」

エレン「雪でも降るんじゃねえか?」

アニ「……技の練習、まだし足りないみたいだね? 明日の格闘術ではたっぷり手伝ってあげようか?」

エレン「え、遠慮させてくれ。明日はライナーと組むから」

アルミン「あはは。寝床とトイレの場所はわかる?」

アニ「わかる。処理はいつも誰かがしてるんだってのも少し見てたから。やり方はまだわからないけど」

アルミン「じゃあ教えてあげるよ。トイレのとこに行こうか」

アニ「……」

レオ「」ブルッ

エレン「? うぉ! レオ、どうした。ここトイレじゃねえぞ!」

アルミン「え」

エレン「あぁ……、まぁいいか。しちゃえしちゃえ。掃除してやるから」

レオ「」ブルブル ブルッ

レオ「」サッサッ

アニ「すっきりしたみたいだね」

エレン「そうだな。やっぱりまだトイレ覚えてねえのかな」

アルミン「……」

アニ「? どうしたのさ、アルミン」

アルミン「あ、いや、なんでもないよ。気のせいだと思うし

      仕方ないけど、せっかくだしここで覚えようか。と言っても砂はレオが自分でかけるからほとんどすることないけど
      そのままだと臭いが酷いからね。僕らでもう少し砂を足すんだ。と言っても普通の砂じゃなくてペット用の砂だけど」

アニ「そんなのがあるの?」

アルミン「ペット愛好家が好んで使うんだ。臭いを抑えてくれる特殊な砂。ペット用のお店で買えるんだけど、内地から特別に取り寄せてもらってる」

エレン「その砂をトイレに置いてるんだけどな。今日はこっちまで少し持ってきてまかないとダメだ。とりあえず俺が取ってくるよ」タッ

アルミン「ありがとうエレン、お願い」

アニ「そんな風にしてたんだね」

アルミン「ちなみに毛玉を吐いた時は乾いた要らない布で拭き取ってそのままゴミとして捨ててる
      で、トイレの場合、その特殊な砂はおしっことかフンを砂で覆うから、それだけを拾って袋にまとめて捨てるって感じだね」

アニ「拾う、って素手で?」

アルミン「いやいや、流石にそれはないよ。それ専用の道具があるんだ。おしっことかで固まった砂だけ拾って、固まってない砂だけ振るいにかける
      ほら、調理で時々篩(ふるい)を使うでしょ? あれの猫トイレ用って思ってくれればいいよ」

アニ「あぁ、なるほどね」

アルミン「いつもそんな感じだよ。トイレの外でしちゃった時は、砂をかけて放置しちゃうことが多いんだけどね」

アニ「それで大丈夫なのかい」

アルミン「乾いちゃうし、後で回収しようにも風で散っちゃうから放置するしかなくて。教官も臭わない限りそんなに気にしてないみたいだから
      あ、もちろんフンの時は回収するよ?」

エレン「ほら、持ってきたぞ」ガサッ

アニ「これがその砂?」

アルミン「そう。これを少し振って、後は置いとく。本当はマナー的に回収するべきなんだけど
      さっきも言ったよね。猫好きの教官も仕方ないって思ってくれてるみたいだから、その優しさに甘えてるんだ」

アニ「へぇ、あの教官たちがね」

アルミン「実は教官の中にはこっそり餌をあげてる人もいるんだ。キース教官も時々撫でてるんだよ」

アニ「そうなの?」

エレン「夜中に教官が数人猫撫でてたりすんだよ。その中にキース教官もいたんだ」

アルミン「男子宿舎から結構見えるんだけど、気づいてるんだか気づいてないんだか……」

アニ「そう。それは結構面白い話だね」

アルミン「トイレも覚えることはそんなにないよ。餌やりは、わかるよね?」

アニ「あぁ、ありがとう。じゃあとりあえず今日は宿舎に戻るよ。じゃあね」スタスタ

エレン「おぅ、また明日な」

レオ「にゃー」テッテッ

ツイテキテモシュクシャニハイレナイヨ?
ナー

エレン「やっぱりアニについてくな、レオは」

アルミン「それにしてもアニもすっかり変わったね。まだ猫が来てから一ヶ月も経ってないのに」

エレン「そうか? 元々あんな感じだったと思うけどな」

アルミン「……そこまで鈍感なのもある意味羨ましいね」

エレン「ど、鈍感? 俺が?」

アルミン「……」

エレン「? どうしたんだよアルミン。さっきから少しぼーっとしてねえか」

アルミン「ううん、なんでもないよ。大丈夫。まさかね……」

エレン「??」

ここまで

続きは深夜に起きれてれば 無理なら明日

これで多分折り返しが終わったという感じです 200行くぐらいで終わりたい 300は行きません……多分
書き溜めもなく勢いで書いてるので、また細かく訂正するかもしれませんが、内容は変わりませんのでお付き合いくだされば

レスありがとうございます 楽しみに読んでもらえてるのは本当にありがたいです
自業自得のこの状態でも立てたからには終わらせます 前回も長々と書いたけど終わらせることはできたので

ではまた

書き終えたら報われるさ
乙乙

>>120訂正
×アニ「おはよう、レオ」→〇アニ「ようやく起きたの? おはよう、レオ」

昨日アニメ見すぎて寝落ちしてた…… 
続けます

翌日 昼 食堂前

レオ「」スゥスゥ

サシャ「レオちゃん、最近はよく寝てますねー」

クリスタ「そうだねー。外も大分寒くなってきてるし、そろそろ中で寝かせてあげた方がいいかな」

ハンナ「……あ、ライナー、ジャン。おかえり……ってそんなに息荒げてどうしたの?」

フランツ「教官と買い出しに行ってたんだっけ。そんなに大荷物だったの?」

ライナー「い、いや。はぁ、それよりアルミンはどこにいるか知ってるか?」

クリスタ「中にいるけど? どうかしたの」

ジャン「か、買い出しの帰りに猫の死骸を見つけた、んだ」

サシャ「えぇ!?」

ライナー「訓練所の近くだ。距離にして……大体200mぐらいか」

ジャン「茂みの中で横たわってた。それで、教官に頼んで回収してきたんだ、が……くそっ、走ってきて息が……げほっ」

ライナー「模様がな、レオに似てるんだ」

ハンナ「! そ、それって」

ジャン「レオの、親かもしれない」

 兵舎前

エレン「ど、どうだアルミン。わかりそうか?」

アルミン「……いや、流石に本当の親かどうかはわからない。でも、レオの様子を見れば明らかだね」

レオ「なぁ~」スリスリ

ミーナ「死骸に擦り寄ってる……ね」

アルミン「模様も似てる。雌で、十年くらいは育ってる子だ。死んじゃってから二、三週間くらいかな……
      最近は気温も低かったから、そこまで腐敗もしてない。どこら辺にいたのかわかる?」

ライナー「ここからすぐのところだ。トロスト区に向かう道の、雑木林になってる辺りだな」

アルミン「あそこか。それなら可能性は充分だ。多分、レオの母親だと思う
      レオは、親が死んでしまって、それで一人でここまで来たんだと思う」

レオ「なぉ」スリスリ

エレン「……そうか。お前も、母さんが死んでたのか」

ミカサ「……」

アルミン「……兵舎から漂う匂いにつられたんだと思う。嗅覚も優れてるから、食料を求めて、って感じかな
      レオはまだ二ヶ月くらいだ。母親と離れられる歳じゃない。けど本能的に母親の死を悟って、わずかな匂いを頼りにここまで来たんだろう」

ユミル「生後二ヶ月でこんなとこまで一人で来れるもんなのか?」

アルミン「猫は一歳で立派な成猫だ。レオぐらいの年から狩りや社会性を親から教わって覚える

      もし母親が死んだときレオが生後一、二週間くらいだったら、そこで一緒に死んでたはずだよ。だから運がよかったんだ
      ……いや、運だけじゃないよね。レオの生きる意思が、死ぬはずだった運命に勝ったんだ。きっとそうだよ」

アニ「……」

エレン「……レオ、もう近寄らない方がいい。お母さんは、もう助けられないんだ」

レオ「なぁ?」

エレン「……そうだよな。納得できねえよな。理不尽だよな、本当に理不尽だよ。」

ミカサ「エレン」

エレン「あ、わ、わりぃ。レオには俺らがいる、もんな」

ジャン「……」

ライナー「そうだな、こいつには俺たちがついてる。心配はいらないさ」

ベルトルト「……」

アルミン「この子は邪魔にならないとこに埋めてあげよう。教官には僕が伝えてくる」

エレン「あぁ、そうだな。じゃあオレはシャベルを」

ジャン「いや、シャベルはオレが取ってきてやる」

エレン「え?」

マルコ「ジャン、僕も行くよ。エレンは、レオと一緒にいてあげた方がいいと思う」

エレン「……あぁ、そうか。ありがとな」

ジャン「けっ。そんな辛気臭い顔でいられるとこっちまで辛気臭くなるからな。少しでも顔を見たくねえだけだ」

エレン「んだと!」

ミカサ「落ち着いてエレン。ありがとう、ジャン、マルコ」

ジャン「……ほら、行くぞマルコ」

マルコ「あ、うん」

サシャ「素直じゃないですねぇ」

コニー「あぁ、バレバレだよなぁ」

アニ「……」

ミーナ「アニ、大丈夫?」

アニ「平気だよ」

レオ「」ックシッ

クリスタ「あぁ、ほら、レオちゃんもこっちおいで。お母さんに鼻水とかつけちゃダメだよ」ダキッ

レオ「にゃー」

アルミン「大分痩せてるけど、栄養不足かな。この辺は食料も乏しいし、むしろこの年まで持ったほうか」

ユミル「早いとこ埋めてやらねえとな。いつまでもこのままじゃ、寒いだろ」

クリスタ「うん、そうだね。寒いのは嫌だろうから」

アルミン「……」

エレン「ほら、母さんにお別れしとけ」

レオ「なー」

ミカサ「ふふ。返事をするしやっぱり賢い子。わかってるの?」

レオ「にゃ」

 数日後 夕方 兵舎裏

ミーナ「レオ、今日もよく寝てるね」

レオ「」スヤスヤ

サシャ「最近はお母さんのお墓の横がお気に入りですね!」

ミーナ「日中は日陰になるから、ここより日向にいた方がいいと思うんだけど」

サシャ「あ、ミーナ。そろそろ食事の時間です。戻りましょう」スクッ

ミーナ「そうだね。じゃあまたね、レオ」スタスタ

キョウハパントスープノヒデス! マイニチソウジャナイ

レオ「」スヤスヤ







レオ「」ケホッ

 翌日 朝 食堂前

クリスタ「おはよー」

ハンナ「おはようクリスタ。レオちゃんにご飯あげに行こ」

クリスタ「うん」

―――――

 兵舎前

クリスタ「あれ? いつもならもうここに来てるのに」

ハンナ「おかしいなぁ。まだ寝てるのかな?」

クリスタ「うーん。少し探してみようか」

ハンナ「そうだね」

 十分後 男子宿舎

ドンドンドン ドンドン

ライナー「ん、んん。なんだ」

エレン「ふぁ……朝からなんだ」

アルミン! オキテ! オネガイ!!

アルミン「うぅん、うん?」

マルコ「今開けるよ。ちょっと待って」ガチャ

クリスタ「ア、アルミン! 起きて! 早く来て!!」

アルミン「ク、クリスタ? どうしたの?」

クリスタ「いいから早く! レオちゃんが、レオが!!」

アルミン「! わ、わかった。すぐ行く」ダッ

 兵舎裏

ハンナ「ア、アルミン! こっち!」

アルミン「どうしたの?」

ハンナ「朝ご飯をあげにきたら、見当たらなくて、それで探して見つけたら」

レオ「」ハッハッハッ

クリスタ「ずっと荒い呼吸のままで、全然起きなくて」

アルミン「見せて」

レオ「」ハッハッ

アルミン「……。しまった、もしかしたら……」

ハンナ「だ、大丈夫なの?」

アルミン「急いで教官に頼まなくちゃ。どこでもいい、一番早く来れる医者を呼んできてもらう」

クリスタ「えっ」

アルミン「くそっ、どうしてもっと早くこうしなかったんだ……。見つけた時点で無理やり呼んでおくべきだった、くそっ!!」

ハンナ「ア、アルミン?」

アルミン「ごめん、説明は後だ。教官に頼んで早馬を出してもらう
      二人はみんなを起こしてきて。ただしレオの負担にならないよう、騒いだり触ったりはしないこと」

 一時間後 兵舎裏

ザワザワ

ユミル「それでアルミンは?」

クリスタ「まだ戻ってきてない」

ジャン「今マルコが様子を見に行ってくれてる。戻ってきたら話を聞こう」

アニ「……レオ」

レオ「」ハッハッ

ミーナ「しっかりして。大丈夫だから」

マルコ「みんな、アルミンを連れてきた」

アルミン「ごめん、教官を説得するのに時間が……」

サシャ「そ、それよりレオちゃん、どうしたんですか?」

アルミン「……僕のミスだ」

エレン「アルミン?」

アルミン「僕のミスなんだだ。見つけた時点で無理を承知で医者を呼んでおくべきだった。目も開いていたし、餌も自分で食べれるからしばらくは大丈夫だと思い込んでた」

ミカサ「落ち着いてアルミン。レオは一体どうしたの?」

>>139訂正
×一時間後→二十分後

×レオ「」ハッハッ→〇レオ「にゃぁ……」

症状だからきちんとしとかないといけないのにノリで書いてた 結構大事な部分の訂正

クリスタ「さっきよりは落ち着いてきたけど、一体どうしたの? レオちゃんは大丈夫なの?
      口から泡も出してるぐらいだったし、おしっこも漏らしてるし、さ、触っちゃダメなの?」

アルミン「ごめん、さっきは慌ててたから触らないでって言ってしまった。今は落ち着いてるから大丈夫
      誰か毛布を持ってこれるかな? それとレオの口元や身体を拭いてあげないと」

サシャ「あ、じゃあ私毛布取ってきます」

ミカサ「拭くなら私の服を」

エレン「お前が脱ぐわけにいかねえだろ。俺の服使ってくれ」バッ

クリスタ「あ、ありがとうエレン」

ジャン「それで、こいつに一体何があったんだ?」

アルミン「……恐らくだけど、何らかの感染症だと思う」

ライナー「感染……病気なのか?」

アルミン「ここ最近くしゃみが多かった。それに寝てることも多いし、トイレ以外で漏らすこともあった

      泌尿器系にも異常が出てる。それにさっきの呼吸の荒らさは、多分痙攣を起こしてたんだ
      多分だけど、一つの感染症の症状じゃない。複合的に感染してるはずだ」

ミーナ「そんな……」

アルミン「もっと早い段階で気づくべきだった。予兆はあったんだ。けど、話で聞いた知識しかないし、気のせいだと、思い込んでた。思いたかったんだ
      僕がもっと早く、医者に診せるべきだって言ってれば……」

エレン「アルミンのせいじゃねえよ」

ミカサ「け、けど医者が来てくれれば大丈夫なんでしょう?」

アルミン「……」

コニー「お、おい、アルミン。黙るなよ。大丈夫なんだよな?」

アルミン「……痙攣は、普通の健康な猫や、軽度な症状の猫は起こさない」

サシャ「え」

アルミン「呼吸が荒く、口から泡まで出すなんて普通はない。多分、体内にあったウイルスが、時間をかけて成長して、今発症しだしたんだ
      成猫なら、免疫力でなんとかなったはずだ。けど、レオは、ない。ないんだ。二ヶ月ほどじゃ抵抗力もない。僕らにできることはない」

ユミル「おいおい、冗談だろ? なぁ」

アルミン「冗談ならよかったよ。もっと早く医者に診せておかなかった……僕の責任だ」

ライナー「違うだろ、アルミン。俺たちの責任だ。お前一人の責じゃない」

>>142訂正
×サシャ「え」→ハンナ「え?」

アルミン「元々少し風邪気味だったんだと思う。そこに来てウイルスまで発症してしまった

      言いたくないことだけど、言っておかないとよけいに辛くなると思うからはっきりと言っておくよ
      医者が来ても、多分レオは助からない。持って数日だ」

ミーナ「そん……な……」

アニ「……」

エレン「そんな。この間俺らがいるからって、大丈夫だって、レオの母親の前で、決めたばっかじゃねえか」

ミカサ「エレン……」

サシャ「も、毛布取ってきました。……? ど、どうかしたんですか?」

クリスタ「そんな、そんな。嘘だよ。だって、昨日、また明日ねって、言ったのに」

ユミル「クリスタ、それ以上考えるな」

クリスタ「嘘だよ、嘘。だって、元気だったのに。どうして」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

ジャン「そうか、もう俺たちじゃどうにもできねえんだな」

マルコ「そう……みたいだね」

 同日 夕方 兵舎裏

医者「……」

アルミン「どう、ですか」

医者「……私は助けられる子には、いつも飼い主に『もう少し一緒に頑張ろうか』と伝えるようにしてるんだよ」

アニ「……」

医者「だけど、この子には『頑張れ』とは言えない。ゆっくりさせてやるのが、この子には一番いい」

エレン「そんな……どうにか、どうにかできないんですか!」

医者「免疫力が弱いというのは、強い薬にも弱いということなんだ。この子に薬をあげれば逆効果だ」

ミーナ「……うっ、うぅっ」

医者「むしろよく持った。親が死んで二週間は一人だったはずだ。最後に君たちに会えて、この子も幸せだっただろう。それから、君」

アルミン「は、はい」

医者「早く私に伝えていれば、と悔いているようだ。けどそんなことはない。見つけたのは二週間ほど前だと言っていたね?」

アルミン「はい」

医者「恐らくだが、その時に診ていても同じ診断をしていた。内在しているウイルスは、もう手も施せない状態だったはずだ
    だから君が悔やむ必要はない。可哀想だがこの子の寿命だったんだ」

アルミン「……はい」

 同日 深夜 兵舎裏

アニ「……」

レオ「」スゥスゥ

ミーナ「アニ、寝れないの?」

アニ「……まぁ、ね」

ミーナ「隣、いい?」

アニ「好きにしな」

ミーナ「よいしょ、っと」

アニ「……」ナデ

ミーナ「……」

レオ「んなぁ」グルグル

ミーナ「……もう助けられないんだね」

アニ「……そうだね」

ミーナ「最初にレオを見つけた時、やっぱりアニを見てたんじゃない?」

アニ「どうだろうね。たまたま目が合っただけじゃないか」

ミーナ「でもずっとアニに付いてたよね」

アニ「あぁ、そうだね」

ミーナ「それが原因でみんなとギクシャクしちゃったよね」

アニ「そうだね」

ミーナ「ユミルと言い争って、一人で面倒みてくれたね」

アニ「そうだね」

ミーナ「それからちょっとずつ素直になって、ミカサと喧嘩しちゃったよね」

アニ「そうだね」

ミーナ「でもクリスタのおかげで仲直りして、もっと素直になれたし、みんなと仲良くなれたんじゃない?」

アニ「……そうだね」

ミーナ「レオはさ、きっとアニのために、ここまで来てくれたんだよ」

アニ「そう、かな」

ミーナ「そうだよ」

アニ「……そう、か」

レオ「」ピクッ

レオ「にゃぁ」

ミーナ「ほら、レオもそうだって言ってる」

アニ「どうだか」

ミーナ「もう、素直になったんじゃないの?」

アニ「だから最初から私は素直だよ」

ミーナ「……ふふ」

アニ「……」フン

 二日後 朝 食堂

キース「……ということで、これより全訓練兵は、昨日トロスト区近隣で発生した降雨被害の影響により、航路に溜まってしまった泥の撤去作業に向かう
     数日はここに戻ってこられないのでそのつもりでいろ」

ザワザワ 

サシャ「あ、あの、その、レオちゃん、あ、いえ、猫の世話は誰が……」

キース「今述べただろう。全訓練兵の参加は義務だ。猫の世話に人員は割けん」

アニ「……」

ミーナ「あ、あんまりです! 今日にも息を引き取るかもしれないんですよ!? 誰もいないのに、放っておけと言うんですか!」

キース「……猫は本来一匹での死を選ぶ。誰かがいる方が、無理に生き長らえようとしてしまう。それこそお前たちの本意ではないのではないか?」

クリスタ「それは、そう、ですが」

キース「ならば放っておけ。その方が猫の負担にはならん」

エレン「で、ですがそれでは納得できません!」

キース「……」

ミーナ「命を育てるということは、悔いが残ることと、教官は仰っていました
     でしたらきちんと、最後まで看て、悔いを残したいです」

キース「……」

キース「……私は猫を飼うと貴様らが決めた時、訓練に支障が出るようなら処分する、と言ったな。

     しかし、そうだな、今回の遠征は訓練ではなく、人員不足による上部からの命令だったはずだ
     それならば、一人ぐらい風邪で出てこられない人物がいても、何もおかしくはないし、訓練には支障も出ない。そうだな? ミーナ・カロライナ訓練兵」

ミーナ「!」

キース「出発は朝食後だ。それまでに、誰かが風邪をひかなければいいのだがな」

ミーナ「あ、ありがとうございます!」

バッ

キース「敬礼などいらん。私はただ懸念しただけだ。では、追って詳細を伝える。朝食後に着替えて、食堂に再度集合しろ
     具合の悪い者はその際に名乗り出ろ。ただし、一人であることを願う」

とりあえずここまで ではまた

ラストまで書ききってしまいたい…… 再開します

 同日 女子用寝所

ユミル「で?」

ハンナ「え?」

ユミル「え? じゃねえよ。誰が残るんだって話だ」

ミカサ「その話なら決まっている」

クリスタ「うん、そうだね。誰かなんて決まってる」

ミーナ「アニに、残ってもらおうと思う」

アニ「……」

サシャ「あ、男子は頭数に入ってないんですね……」

アニ「……アルミンの方がいいんじゃないか? ここまで世話のこととか、餌のこととか。考えたのはアルミンだろ?」

ミーナ「ううん。最初にレオが起き上がるきっかけを作ったのはアニだよ。ご飯のことも、思いついたのはアニでしょ?
     レオがついていったのも、一番好きなのも、きっとアニだと思う。だから、アニに残ってほしい」

アニ「……」

サシャ「そうですね。アニがいてくれれば、きっとレオちゃんも頑張れるんじゃないですか?」

アニ「……!」

ユミル「そうだな。アニに看てもらってれば、私らが帰ってくるまで大丈夫だろ」

アニ「……」

ミーナ「アニ?」

アニ「悪いね、やっぱり私は残らない。ミーナ、あんたが残るべきだ」

ミーナ「え?」

クリスタ「で、でもアニ。それじゃあみんなは納得できないよ。アニの方が」

アニ「冗談じゃない。誰が好き好んで残るのさ

    そこまで感情移入はしてない。面倒みるのは手伝うって言ったけど、死にかけの猫の世話だったとはね
    そんなのはゴメンだよ」スタスタ

ミカサ「……それはどういう意味?」

アニ「言ったとおりの意味だけど」

ユミル「おいおい、あんだけ騒ぎ起こしたりしたのに、まだそんなこと言ってんのか?」

アニ「前から言ってるじゃないか。元々あんな猫に付き合うつもりはなかった
    まぁ、今までのはちょっとした気まぐれってやつだよ」

サシャ「そ、それはいくらなんでも酷くないですか!」

アニ「そういうことだから、私は残らない。ミーナでもダメなら、もっと物好きな誰かが残れば? じゃ、先に行くから」ガチャ

クリスタ「あ、ちょ、ちょっとアニ!」

バタン

ミカサ「……」

ユミル「……素直じゃねえよ、ほんと」

ハンナ「え?」

ミーナ「……わかった、私が残る」

サシャ「いいんですか? やっぱりアニに頼んだ方が」

ミーナ「ううん。大丈夫。ちゃんと看ててあげるから。ね?」

サシャ「ミーナがそう言うなら、止めませんけど……」

 兵舎裏

ザッザッ

レオ「」ピクッ

ザッ

レオ「なぉ」ヨロ

アニ「……いいから寝てなって」

レオ「ナー」

アニ「……声、あんまり出せてないね」ナデ

レオ「」グル

アニ「……もう身体も起こせないじゃないか。情けないね」

レオ「?」グルグル

アニ「……間抜けな顔だよ、ホント」

レオ「」グルグル

レオ「」グル バクバク

アニ(呼吸も早いし、喉もうまく鳴らせてない、か)

レオ「……」グルル グル

アニ「……悪いけど、私は行くよ」

レオ「?」

アニ「あんたのことはミーナが看てくれる。別にいいだろ?」

レオ「ナ」

アニ「……」

レオ「……」グルル

アニ「……悪いね」

レオ「なぁー」

アニ「……そろそろ行かないとね」スクッ

レオ「……」モゾ

アニ「起きれないんだろ? 無理しなくていいよ
   ……じゃあね」

レオ「にゃー」

 昼前 食堂

ガヤガヤ ザワザワ

アニ「……」

アルミン「じゃあ、よろしくねミーナ」

ミーナ「大丈夫。ちゃんと看てるから」

エレン「数日で帰ってこれるし、大丈夫だろ」

ライナー「そうだな。なにせ俺たちが育てた猫なんだ。死に目には必ず立ち会えるだろ」

ユミル「死ぬって決め付けてんじゃねえよ。まだどうなるかわかんねえだろ?」

コニー「けどよー、医者が言ってたんだろ?」

ジャン「そういうこと一々言わなくていいから黙ってろバカ」

クリスタ「そうだよ! マイナスに考えちゃダメだよコニー! 奇跡でもなんでも起こってきっと助かるよ!」

コニー「お、おぅ、そうだよな。わりぃ」

キース「揃ったようだな。

     男子訓練兵は主に河口に溜まった泥の除去、並びに荷車へ泥を運んでもらう
     女子訓練兵は除去した泥を指定の処分場まで荷車にて運んでもらうのが主な仕事だ
     機材、運搬などの説明は現地で行う。以上だ。質問がなければ出立する。
     日頃の訓練の成果を見せるいい機会だ。決して手は抜くな」

>>158訂正
キースのセリフの×河口→〇航路

サシャ「それじゃあ後はお願いしますね、ミーナ」

ミーナ「うん。ちゃんと看てるから心配しないで。きっとレオなら大丈夫だから」

マルコ「そうだね。ミーナがいてくれれば安心だよ」

エレン「よし、みんな行こうぜ。さくっと終わらせて帰ってこよう」

ベルトルト「……」

ライナー「行くぞ、ベルトルト」

ベルトルト「……うん」

アニ「……」

ミーナ「あ、アニ」

アニ「……なに?」

ミーナ「あ、その、えっと……ううん、やっぱりなんでもない。行ってらっしゃい」

アニ「……そう。じゃあね」

ミーナ「うん!」

 翌日 夕方 トロスト区 航路付近

エレン「はぁ、はぁ。げほっ。くそっ。これ結構しんどいな」

ライナー「航路のというよりは航路から溢れ出た泥の除去、だな。流石に川の中には入らないだろうとは思ってたが」

コニー「うぉおお! 鋼貨みっけた! っしゃあ!」

ジャン「なんだと! くそっ、まだあるかもしれねえじゃねえか。探すぞマルコ!」

マルコ「ほら、真面目に作業しないとまた怒鳴られるよ」

教官「私語は慎め訓練兵! この区画の次は南区画だ。急げ!」

フランツ「もうこんな時間なのに、まだやるのか……。本当に数日かかりそうだね」

ベルトルト「……」

アルミン「レオ、大丈夫かな……」

エレン「大丈夫だろ。心配すんなって」

 トロスト区 ゴミ処理場

ガラガラ ドザァ

ユミル「っと。ふぅ。これで何往復目だ、ったく」

クリスタ「じゅ、十往復から数えてない……」

サシャ「だ、大丈夫ですかクリスタ! お水飲んでください! 今汲んできますから!」ダッ

ハンナ「人手不足だって言ってたけど、本当にそうなんだね。私たち以外の訓練兵もいるみたい」

アニ「……」

ミカサ「レオは大丈夫だろうか」

ユミル「ここで心配して治るなら、私もいくらでも心配してやるぞ、ミカサ」

ミカサ「……確かに、ミーナもついているのだから、余計な心配は無用かもしれない」

ユミル「だろ?」

アニ「……」

ユミル「眠り姫も流石に心配か? あ、昨日は眠れてないか。じゃあ眠り姫って呼ぶのも躊躇っちまうなぁ」

アニ「……うるさいよ」

サシャ「クリスタ! お水ですよ!」

クリスタ「あ、ありがとうサシャ。サシャはいつも通りだね」

サシャ「そうですか? 私もこう見えてレオちゃんのこと心配ではあるんですけど……」

ユミル「いや、それは無理あるだろ。昨日の夕飯で肉が出てて大喜びでがっついてた奴にそんなこと言われても……」

サシャ「ご飯は別です!」

ミカサ「……実にサシャらしくていい。私はそういうのは嫌いじゃない」

サシャ「えへへ」

ミカサ「褒めてはいない」

サシャ「え!?」

ユミル「ほら、そろそろ戻るぞ。別な班も来たし、ここにいちゃ邪魔だ
     あんまり遅いと駐屯兵団の精鋭部隊だかなんだかが偉そうに文句つけてくるしな」

クリスタ「そうだね、早く戻ろう」

サシャ「またこれを押して戻るわけですね……」

ハンナ「泥はないから軽いし、人数もいるもの。交代しながら早く戻ろう」

アニ「……」

 同日 深夜 トロスト区 女子用宿屋

アニ「……」

ユミル「……」グォー

クリスタ「……」スヤ

アニ「……」ムクッ

アニ「……」スクッ スタスタ ガチャ

バタン

ユミル「……」

クリスタ「……」スヤスヤ

アニ「……」

ユミル「今度は一人言言ってるわけじゃねえんだな」

アニ「……何の用?」

ユミル「別に? 散歩したくなっただけだよ」

アニ「……」

ユミル「頑張らせたくなかったんだろ」

アニ「……何の話かさっぱりだね」

ユミル「もう何度目になるかわかんねえけど、言わせてもらうわ。素直じゃねえな」

アニ「素直なつもりなんだけど」

ユミル「はいはい」

アニ「……」

ユミル「……訓練所、あっちの方だったな」

アニ「……」

ユミル「泣きたきゃ泣いてもいいんだぞ?」

アニ「誰が」

ユミル「ま、言わなくても泣かなくてもわかるけどな。ミーナもそうだったみたいだしよ」

アニ「……」

ユミル「なんで引き受けなかった」

アニ「?」

ユミル「頑張らせたくないんだ、ってのはわかる。けどそれ以上に情は移ってただろ?
     あれだけ無感情で無表情だったあんたが、あんな顔で撫でてたんだ。誤魔化すのは無理だぞ」

アニ「……」

ユミル「……」

アニ「……信じたくなったのさ」

ユミル「……」

アニ「笑えるじゃないか。こんな私がだよ。信じたくなった。自分とレオを

    エレンが言ってただろ。大丈夫だって。そう思ってるんだよ
    いや、良い人じゃない私が、自分を誤魔化すために、大丈夫だと思い込んでるだけかもしれないね
    命を育てるだなんてバカらしく思ってたんだから
    ……けどなぜだか信じたくなった。帰っても、まだ生きてるんじゃないかって
    いや、絶対生きてるんだって。自分が帰るまで、最期は絶対に看取れるって思ってる
    世界を敵に回したわけでも、恨まれたわけでもないあの子が、そんなわけない、ってさ
    世界はそこまで、残酷じゃないんじゃないか、って」

ユミル「……」

アニ「……はっ。バカバカしい。何言ってんだろうね私は。あんたとも、レオを見つけるまでほとんど話したことないってのに」

ユミル「……そうだな。私たちは表向き仲がいいし、仲間だと思ってる

     けど本音は滅多に出さないし、必要以上のことは話さねえし聞かねえからな。まぁ、例外も何人かいるけどよ
     だから、まぁ、そんなんで本当の仲間って言えるのか、時々疑問に思うこともある」

アニ「……」

ユミル「お前は必要以上に人と関わろうとしない奴だと思ってた。だから私も必要以上に関わろうとしなかった
     でも今日は思わず感情が出ちまったなぁ、アニ」

アニ「……」

ユミル「……それでいいじゃねえか。ずっと抱え込んでたら、こんな世の中生きてけねえんだから」

アニ「……」

ユミル「いつか、気兼ねなく誰とでも本音で話し合えるといいな。こんな月明かりの中、私みたいな変人に聞かせるだけじゃなくてよ」

アニ「……」

ユミル「じゃ、先に戻るわ。明日も早いんだから、お前も早く戻って寝とけよ。じゃあな」スタスタ

アニ「…………」






アニ「悪いけど、そんなのはどうやったって無理なんだよ……」





 二日後 正午 訓練兵団兵舎

エレン「あー、疲れた。普段の訓練の倍は疲れた」

サシャ「ご飯だけはいつもより豪華でしたけど」

アルミン「あ、あれ、ミーナだ」

クリスタ「ミーナ、ただい……あれ、レオちゃん? どうして、大人しく抱かれ……て……」

ミーナ「……」

ミカサ「……ミーナ?」

ジャン「おい、お前、それ……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

マルコ「ね、寝てるだけ、だよ、ね?」

ミーナ「……」

ミーナ「あ、アハハ。驚かせようと思って、連れてきちゃった

     さっきまでね、よく寝てたの。それでご飯も持ってってあげて、顔あげたの
     私の顔見て、にゃーって、鳴いたの
     それでね、私が撫でたらね、すっごい安心した顔したんだよ
     みんなが帰ってくるって報告が来てね、それでゆっくり眠っちゃってね
     それからね、ずっと眠ってるの、お寝坊さんだよね、レオちゃん、ね?」

コニー「ミーナ、それって……」

ユミル「もういい、ミーナ」

ミーナ「さっき、まで、起きて、た、のに、けど、なんで、どうして

     ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ、なさ
    あ、あぁあ、ああああああ、うあぁあああぁぁああ!! ああぁあああああ! ああああああああ!!!」

ユミル「ミーナ、落ち着け! 大丈夫だ、みんないるから」ガシッ

ミーナ「いやだ、いやだよぅ、なんで、なんで、どうしてええぇぇぇええぇえ
     ああぁぁああ、うあぁああああああああ!!! ああぁああああ!!!」

ミカサ「大丈夫。ゆっくり呼吸して、ミーナ。大丈夫だから! みんないるから!」

ミーナ「いやだ、どうして私だけ、私だけなの! みんなが、もう少しでみんなが帰ってきたのに!

     どうして、どうしてなの、なんで、なんでなの、幸せだったのに、みんなが生きてほしいって思ってたのに
     なんで、どうし」ゲホッ

サシャ「落ち着いてください! ゆっくりでいいですから、深呼吸して!」

ミーナ「アニ、ごめんね、ごめん、ごめんなさい

     私が、なんで、他にも、もっと、レオのこと、思ってる人、いっぱいいたのに
     なんで、どうして、もう少しだったのに
     どうして、どうしてなの、なんで」

アニ「……」

ユミル「落ち着けミーナ! もういい! 喋るな! それ以上はお前が壊れる!」

エレン「嘘だろ……。大丈夫だって、絶対帰るまで、元気にしてると……」

クリスタ「うぅ、うっ、ああぁあん」

アルミン「……僕が、僕のせいで……」

ライナー「そうか、逝ったか。そうか……」

ベルトルト「……」

ジャン「……くそっ。気分悪ぃ」

マルコ「ジャン……」

ハンナ「だって、元気だったのに。出かけるときも、声かけたのに……」

フランツ「ハンナ、大丈夫だよ。僕がいるから」

ミーナ「うっ、ううぅ、うあぁああ」

ミカサ「大丈夫。泣きたいだけ泣いた方がいい。喋らないで泣くといい。ゆっくりでいい、立ち直るのはゆっくりでいいから」

サシャ「そ、そうですよ、泣きたいときは、泣いたほうがいいんですよ!」

ユミル「お前も顔拭いとけ」

キース「……」

コニー「ちくしょう、なんだよ、あんなにみんなで一生懸命育てたってのに、そりゃねえだろ」

アニ「……寝かせるべきなんじゃないの?」

ベルトルト「えっ、アニ……?」

アニ「誰のせいだとか、看取れなかったとか、あんたらそういうので騒いでどうすんのさ
    こんなに騒いでたら、レオも眠れないだろ。お母さんのところで、寝かせてあげた方がいいんじゃないか、って言ってるんだけど」

ミーナ「アニ……ごめん、ごめんなさい……」

アニ「謝らなくていいよ。……よろしいですか? キース教官」

キース「……元々今日は作業後の始末があるので訓練の予定はない。猫の世話に空き時間をどう使うか、それは貴様らに一任したはずだ
     どう使おうと、貴様らの自由だ、とな。好きにしろ」

アニ「だってさ。ほら、行くよ」

ミーナ「う、うん」

 兵舎裏

ジャン「ほら、持ってきてやったぞ」

マルコ「はは、こんな短い間に二度もシャベル取りに行くことになるなんてね。考えてもいなかったよ……」

アルミン「ありがとう、二人とも」

コニー「そういや、火葬じゃなくていいのか? 母ちゃんの時も思ってたんだけど、病気だって言うならその、伝染したりするんじゃねえか?」

アルミン「大丈夫だよ。病気だって言っても、人間に感染るものじゃないから。それにレオぐらいの大きさだと、燃やしちゃうと骨まで燃えちゃうかもしれない
      それなら、ここで一緒に寝かせてあげた方が、みんなも見に来れるし、きっとレオも嬉しい」

サシャ「うっ、うっ」

ユミル「ほら、しゃんとしろ、サシャ。もう充分泣いただろ?」

サシャ「だ、だって、うぅ」

クリスタ「ダメだよサシャ、我慢しよう。ずっと泣いてたら、この先もっと辛いことがあった時、耐えられなくなっちゃう」

ユミル「クリスタ、無理すんな。まだ目が潤んでるぞ」

ライナー「……兵士だったら、いついかなる状況でもきちんと意識を持ってなきゃ生き延びられんぞ。なぁ、ベルトルト」

ベルトルト「……そう、だね」

エレン「母さんの隣、でいいよな」

ミカサ「うん。お母さんの隣が、一番」

ザッ ザッ

ミーナ「……」

アニ「……」

アルミン「みんな、レオにお別れしておこう。順番に撫でてあげよう」

オウ ジャアワタシカラ ウゥ ナンデダロウナ 
ザワザワ ザワザワ

フランツ「落ち着いて、ちゃんとみんな撫でれるから」

サシャ「わ、私お肉も一緒に埋めてあげたいです! ご飯ないとお腹空いちゃうと思うので!」

ハンナ「あ、じゃあ私も一緒に行くよ、サシャ」

ミーナ「……」

アニ「……」

ザワザワ

ミーナ「……」

アニ「……」

ミーナ「……最期ね、眠ってるみたいだったよ」

アニ「……そう」

ミーナ「全然苦しくなさそうで、本当に、ちょっと休むねって感じだった」

アニ「……そう」

ミーナ「アニ、ありがとう」

アニ「……なんでお礼なんて言うの?」

ミーナ「アニがもしレオちゃんを看てたら、きっとレオちゃん、頑張って頑張って、無理して生きようとしちゃったと思う」

アニ「……」

ミーナ「アルミン、言ってたよね。最期は一人で死にたい生き物だって。きっとそうだったと思う

     お昼にはみんなが帰ってくる、って言う連絡が早馬で来て、教官から聞いて
     それからね、ゆっくり横になって、ずっと動かなかった
     多分、みんなに会う前に、ゆっくりと、眠りたかったんだと思う
     私ぐらいなら、まぁいてもいいかな、って感じだったんだよ」

アニ「……そう」

ミーナ「あんなにちっちゃいのに、やっぱり結構賢い子だったんだよ

     さっきはあんなに取り乱しちゃったけど、うん、やっぱりそうだったんだと思う
     みんなに囲まれたら、眠れないものね。そこにアニがいたら、余計に眠れないと思う」

アニ「……そうかも、しれないね」

ミーナ「きっとそうだよ。アニがいたら、頑張っちゃって、張り切っちゃって、元気だよって言いたいから
     弱いところを見せないで、無理しちゃって、余計に辛い思いをさせちゃってたと思う」

アニ「……」

ミーナ「だからね、ありがとうっていうのは、レオちゃんからアニに。私に任せてくれて、ありがとうって、言ってると思うから」

アニ「……そう」

ミーナ「……ねぇ、アニ」

アニ「……ん?」

ミーナ「……レオちゃん、幸せだったよね?」

アニ「……」

アニ「そこまでは……わからない」

ミーナ「……だよね」









 ―――
 ――
 ―






















アニ「……?」

アニ「……」ムクッ

アニ「……?」

アニ「……」キョロ

アニ「……どこだい、ここ」

アニ「……? 私は、確か、えっと、エレンと……」

アニ「……いや、レオを埋めて、ミーナがまた泣いて」

アニ「……? 違う。確か、悔いが残るって、全員で思い知って」

アニ「……そうだ、仲間が死んで、それで」

アニ「……? で、ここは、どこなんだっけ」

レオ「にゃ」

アニ「!?」

アニ「なんで、どうしてここにあんたが?」

レオ「なぁー」

アニ「だって……死んだ、はずじゃ」

レオ「?」

アニ「……」ナデ

レオ「にゃぉ」グルグル

アニ「……この毛ざわり、懐かしいね」

アニ「……? 懐かしい? でもさっきまで、抱きかかえて、埋めて」

レオ「」スリスル

アニ「……まぁいいか」

レオ「にゃ?」

アニ「……話し相手も、あんたしかいなさそうだね。あんたが死んでからの話でも聞きたい?」

レオ「にゃー」

アニ「……そうだね。まぁ、暇は潰せそうだね

    あんたが死んで、女子はみんな泣き出すし、男子は無理して強がって
    教官も何人か、お墓に花を添えたりしてたね
    エレンは母親と一緒に眠らせられたのが満足そうだった
    ミカサはそんなエレンを見て、少し悲しそうにしてたね
    アルミンもエレンやミカサと一緒に墓を見てた。ずっと、自分のせいだって思い込んで辛そうだったね
    ジャンは素直に悲しんでなかったけど、結局マルコにベッドで泣いてたってバラされて慌ててた
    ライナーが意外と心苦しそうだった。ベルトルトも同じ。けど二人の心情は全然違ったんじゃないかな
    コニーはいつも通り明るく振舞ってたよ、けどやっぱりどこか辛そうだった
    サシャはあれから肉が出るたび、ちょこっとずつ千切ってあんたの墓に添えてた
    クリスタはサシャが置いた肉を、腐る前に持ってって捨てて、代わりに花を添えた
    ユミルはそんなクリスタと一緒にいた。クリスタが肉や花を捨ててる時、こっそり屈んでじっと墓を見てた
    フランツとハンナも、二人揃って時々墓に花を添えてたね
    他のみんなも、そんな感じ。時々見に行ったり、思い出話をしたりしてた
    あぁ、あとミーナは、毎日空き時間に欠かさず墓のとこに行って、毎日話しかけてたよ。ミーナの話、聞いてた?」

レオ「にゃ!」

アニ「そう……。……何?」

レオ「にゃー」

アニ「……私の話も聞きたいっての?」

レオ「にゃぁ」

アニ「……私は……」

レオ「?」

アニ「……ずっと、見てるだけだった。朝も、昼も、夜も。あんたの墓を、ずっと見るだけだったよ」

レオ「なぉ」

アニ「……それもお見通しみたいだね。……けどね、仕方ないんだよ

    戦士にもなれず、兵士にもなれず。中途半端なまま、中途半端に、何もできなくて
    ただ、仲間を裏切って、自分の手も汚して、でも何もできなくて、それで……
    ……それで、どうしたんだったかな」

レオ「にゃー」

アニ「……まぁいいか」

レオ「にゃ」

アニ「……なぁ、レオ。あんたは自分が世界を敵に回して、恨まれて、世界に殺されたと思ってる?」

レオ「?」

アニ「私は、そうなんじゃないか、って思ってた

    何もできないし、何もしないから、そうなってるんだと思った
    でも、結局私もそうだった。何もできなかったし、何もしなかった。ただ、流れに任せて、それで……ここに来た」

アニ「……レオ」

レオ「にゃ」

アニ「もしそうだったらどう思うか、教えてくれる?」

レオ「にゃ?」



アニ「あんたは世界を敵に回したとして、世界から恨まれたとして」

アニ「例えそうなったとしても、約束していた親のところに帰れるの?」

レオ「?」

アニ「……そうだね、あんたに真面目に聞いた私が馬鹿だったよ」

レオ「にゃ」



アニ「私は、無理かもしれない」

レオ「?」

アニ「……世界を敵に回して、恨まれて、そんな状況になって、思ったのさ
    あぁ、私は帰れないんだ、って」

レオ「にゃ」ガリッ

アニ「いたっ!」

レオ「にゃお」ガリガリッ

アニ「いた、痛いよ、やめな」

レオ「にゃ」

アニ「……でも、あんたも帰れなかっただろ?

    こんな、生きてるんでも、死んでるんでもない、中途半端な場所で
    ……そう、寝てるのか、起きてるのかも曖昧で
    外の音なんて何も聞こえなくて
    さっきまで、エレンと殴り合いの喧嘩をしてたのが嘘みたいで
    ミカサに憎悪されて、アルミンを裏切ったのも嘘みたいで
    そんな風に、さっきまでが夢だとしか思えないこんな場所にいるんだから」

レオ「……」

レオ「」スリ

アニ「……?」

レオ「」グルグル

アニ「……あんたの顔見てると、本当にいろんなことがどうでもよくなってくるね」

レオ「」グルグル

アニ「まぁ、いいか。ここは居心地もいいしね
    私も、少し寝ようかな」

レオ「」ピクッ

アニ「……こんどは何?」

レオ「にゃー」

アニ「?」

猫「なー」

アニ「えっ」

レオ「にゃぁ!」タッ

アニ「あっ……」

レオ「」グルグル

猫「なーぉ」

レオ「にゃー」

アニ「あんた…………」

レオ「!」クル

レオ「にゃ!」

アニ「……あ、そう、そうなんだね
    あんたは、帰れてたんだね」

レオ「にゃー」

アニ「だから、一緒にするなって、怒ってたんだね」

レオ「にゃ」

アニ「だから、私も、帰れるって、言ってくれてるんだね」

レオ「にゃー」

猫「なぉ」スッ

レオ「! にゃ」

アニ「……行くんだね?」

レオ「にゃー」

アニ「……待っててくれてありがとう。けど、私はまだそっちには行けない
    行くわけには、いかない」

レオ「なぉ」

アニ「そうだね、当たり前だ
    ……世界が敵でも、恨まれても、あんたには関係ないし、私にも関係ない、でしょ?」

レオ「にゃ!」

アニ「ふふ」

猫「なぁー」

アニ「ほら、呼ばれてるよ」

レオ「……」

アニ「じゃあね」

レオ「」タッ

アニ「!」

レオ「」スリスリ

アニ「……」ナデナデ

レオ「にゃー」グルグル

アニ「……あぁ、ありがとう。……元気でね」

レオ「にゃ」スッ タッ

アニ「……本当に、ありがとう」

猫「なぉ」

レオ「にゃ」

アニ「……」




アニ「……」

アニ「……静かなもんだね

    まぁ、生きてもいないし、死んでもいないし。ずっと夢を見てるようなもんか

    ……そうだね、帰らなきゃ、いけないよね、お父さん

    きっと帰るよ。世界が敵でも、世界に恨まれても、きっと

    そうじゃなきゃ、猫にまで負けたことになるからさ

    猫に励まされて、猫に負けてたんじゃ、あの子に、レオに笑われるから


    ……けど、もう少し待っててくれるかな

    ちょっと、色々あって疲れててさ。眠いんだ

    ここは居心地がいいし、少しぐらい眠っててもいいでしょ?



    ……だってさ――













    レオは、いっつも寝てたくせに、会えてるんだから」











 850年 水晶体



 終

ということで終わり

見てくださった方、レスくださった方、ありがとうございました
こんなsageまくりの状況でも読んでいただき本当にありがとうございます

ちなみに前回は『キース「第101回訓練兵団水着美女コンテスト」』を書かせてもらいました

ぶっちゃけめちゃくちゃ長いです ので、わざわざ読まなくてもいいです ぶっちゃけ長すぎて自分でも読み返す気力ないし…
でもお暇な方は読んでくださるとありがたいです

後もうふたつほど進撃でやりたいのがあるので、また書きます
ただそんな考えてないので、いつになるやら…… 早めにはしたいです

ではまた

あ、一応終わったので一度だけあげます 400番台だし、終わったってことで

あともう、>>2>>8はホント、なかったことにしてください 今後は気を付けます

では失礼しました またどこかで


水着も見てたがすごく良かったよ

お疲れ様、凄い良い話だった

良かった

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