モバマスSS。台本形式
楓さんが野球観戦という名目で酒を飲みまくるお話です
楓さんは初めて書くので口調とか間違ってても生暖かい目で見てやってください
次から投稿していきます
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◆1イニング目
楓(変装中)(ふぅ……今日はこれでお仕事は終わり。あとは事務所に戻るだけ)
楓(夕方前に終わるなんて珍しい……プロデューサーを飲みにでも誘おうかしら)
♪~Take me out to the ball game
♪~Take me out with the crowd
楓(あら、これ事務所のあの娘が出てるCMね。良い出来上がりじゃない)
楓(コマーシャルに出てるなんて困ーしゃる。……うーん、いまいちだわ)
楓(でもこの曲初めて聞いたわ。なんて曲なのかしら……?)
◆2イニング目
楓「ただいま戻りました」ガチャ
P「おかえりなさい楓さん」
楓「プロデューサーこそお仕事お疲れ様です。……あら?何を見てらっしゃるんですか?」
P「あぁ……お恥ずかしい。仕事が一段落着いたので、休憩がてら野球の動画を見てたんですよ」
楓「お仕事中に見るなんて……というツッコミはいつもお忙しいプロデューサーには野暮ですね」
P「そういって頂けると助かります……」
楓「そういえば野球がお好きでしたね。よく見るんですか?」
P「はい!専らテレビ観戦が多いですが、やっぱり実際の球場で観るのが最高ですね!」
楓「そうなんですか」
P「やはり球場でみると躍動感が違いますから。応援を含めた球場自体の雰囲気も味わうこともできますし」
楓「ライブと同じようなものでしょうか……?」
P「そうですね。ライブと同じく一度体験してみたら病み付きになりますよ」
楓「やはりそういうものなのですね」
P「それに加えて球場で飲むお酒は格別ですしね。お酒が飲めるのがライブと違うところです」
楓「……」ピク!
P「チャンスなら勢いそのままに!ピンチなら嫌な雰囲気を吹き飛ばすために!こうググっとビールを呷る!」
楓「……」ピクピク!!
P「そして応援が実り、勝った時に飲むビールは文字通り勝利の美酒ですね!その時の味と言ったらどんな高級店でも味わえませんよ!」
楓「……」ゴクリッ!!
P「……っとすいません、話過ぎましたね……。」
楓「プロデューサー!」グイッ
P「は、はい?!急にどうしたんですか?」
楓「私を野球に連れてってください」
P「…………もしかしてお酒の話をしたから……?」
楓「私を野球に連れてってください!」
P「確かに今日はこれから東京の屋外球場でナイターがありますけど……」
楓「いいじゃないですか、それに連れてってくださいよ」
P「そんな急に言われてもチケットが……あっ……」
楓「どうしたんですか急に画面を隠して?」
P「なんでもないですよ」
楓「なんでもないことないじゃないですか。ちょっと見せてください♪」グイッ
P「ちょっと!!」
楓「……『ビール半額ナイター』?」
P「……」
楓「……」
P「…………」
楓「いきますよプロデューサー」
P「……だから見せたくなかったんだ……」
楓「なにぼさっとしてるんですか、早く支度してください」
P「美人と野球観戦っていう憧れのシチュエーションなのに……。何故だろう、ちっともときめかない……」
◆3イニング目
チケットウリバハコチラデスー
P「まさか当日券が残ってるとは……」
楓「運がよかったですね♪出かける前に茄子ちゃんと握手してきてよかったです♪」
P「おい高垣」
楓「いいじゃないですか、プロデューサーもそのおかげで野球見れるんですから」
P「事務仕事放ってきたんだよなぁ……」
楓「担当アイドルに付き合うのも仕事の内ですよ」
P「まぁ一理ありますが……だからと言ってこんな強引じゃなくても……」
楓「美人と一緒なのに嬉しくありませんか?」
P「自分で言ってたら魅力半減ですよ?」
楓「あら……じゃあ今日はいつもの倍、魅力的な行動をしないといけないですね」ダキッ
P「……楓さんがとても魅力的なことはわかりましたから離れてください……」オシカエシー
楓「いいじゃないですか、ちょっとくらい。プロデューサーも役得でしょうに」クッツキー
P「球場は人が多いから困るんです!!今日はお酒をいくらでも奢りますから離れてください!」グイッ
楓「むぅ……仕方ないですね……」
P(色んな意味で危なかった……主に理性とスキャンダル的な意味で……)
サァ、チクペンクン!サイキン、ヨウチュウイノ、タイホウトイエバー?
ドンッ!!『ブンシュウホウ』
ワハハー!!
P(球場のトークショー会場から球団マスコットの視線を感じるんだが……)
P(気のせいだよな……?気のせいだと信じたい)
◆4イニング目
P「席に一番近い出入口はここみたいですね。行きましょうか」
楓「はい」
P「ここをくぐればグラウンドが見えてきますよ」
楓「いよいよですね」
楓(そこにはまるで小さなトンネルのような通路がありました)
楓(それを抜けると一気に視界が広がり、目の前に飛び込んでくるグラウンドの風景)
楓(練習中の選手の姿と小気味良い球の音、場内を沸かすDJのトーク、そして何よりファン達の活気に満ちた姿)
楓(その全てがこの"野球場"という特別な空間を生み出しているようでした)
楓「凄い……」
P「どうしました?」
楓「いえ、急に切り替わった風景に少し見惚れてしまいまして」
P「それ分かります!通路をくぐって球場内に入ると一気に非日常に引き込まれたように感じるんですよね!」
楓「外と内でこんなに違うんですね!なんだかワクワクしてきました!」
P「じゃあ、早速席の方に行って座りましょうか。その後ツマミでも買ってきます」
楓「はい!」
◆5イニング目
P「ツマミ買ってきましたよー」
楓「わぁ、こんなに沢山!大盛ウインナーにモツ煮、ヘルメットに入った唐揚げまで!」
P「全部球場内で買える飯なんですが結構いけるんですよ。特に大盛ウインナーはここの名物ですね」
楓「お酒が進みそうです♪」
P「あと、カレーやラーメンも内にありますからね。シメもいけますよ」
楓「あらとても素敵♪」
P「ところで……」
楓「はい、なんでしょう?」
P「その周りに何個も転がってる空のカップはなんなんですか?」
楓「なんのことでしょうか?」シレッ
P「見間違えなきゃビールの容器のように見えるんですが……」ジー
楓「……」
P「……」
楓「だってこんなに気持ちいい空間の中にいたら飲むに決まってるでしょう!いえ、飲まなきゃ逆に失礼です!」
P「こやつ開き直りやがった」
楓「……ごめんなさい待ちきれなくて……」シュン
P(まぁ飲みたくなる気持ちも分からなくはない……というか逆の立場なら絶対飲んでる……)
P「いえ、ここで飲むお酒は最高ですからね、そりゃ待ちきれなくなりますよ。つまみが冷めないうちに飲み食いしましょう」
楓「そうですね!ビールは用意しておきましたよ」
P「やたら準備が良い、さては確信h……」
楓「さぁさぁ乾杯しますよプロデューサー!準備はいいですか?いいですよね?!それじゃあ──」
楓・P「「カンパーイ!」
◆6イニング目
ビールイカガッスカー
楓「あ、こっちに一杯ください」
ハーイ、ドウゾー
楓「ありがとうございます、こちら代金です」
アリガトウゴザイマース、マタオネガイシマース
P「一体何杯目ですか……」
楓「ビールが美味しいのがいけないんです。それにしても売り子さん、みんな可愛いですね」
P「ある種の人気商売ですからね」
楓「さっきの娘とかは特に可愛かったですね。アイドルにスカウトしたくなったりしますか?」
P「んー、それはきっとないですね」
楓「どうしてですか?」
P「そりゃあ、担当アイドルがそこらの美人では全く敵わないくらいの美人ですからね」
楓「……」
P「そのアイドルを超えるくらいだったらスカウトしますが……まあそんな人はいないでしょうね」
楓「……プロデューサー、そういうところですよ」
P「本心ですから」
楓「全くもう……でもさっきの売り子さんは胸が大きかったですよね?」
P「……」メソラシー
楓「……そういうところですよ、プロデューサー」
◆7イニング目
プレイボール!
P「いよいよ始まりましたね!勝てるといいですが……」
楓「勝利を祈って、ますはお酒で乾杯しましょう♪」カンパーイ!
カーン!
P「お、見事先制点ですね!」
楓「めでたいですね!早速祝い酒を……」グビグビ
ガツーン!!コレハイッタカー?!
P「折角先制したのにすぐに一発で逆転されちまった……」
楓「これは応援に熱を入れないといけませんね。その前に燃料を補充しないと」ゴクゴク
コツンコツン、ハァー
P「あ、当たりは良くないけど面白いとこに飛んだ!点差を詰めるタイムリーだ!」
楓「ラッキーですね!お酒を飲んでこの幸運へ感謝の気持ちを示さないと」グググッ
ヒュー、ドーン!ヒュー、ドドーン!
P「花火ですよ楓さん!屋外球場ならでの楽しみですね!」
楓「あら、綺麗ですね。花火と言ったらやっぱビールですよね」ゴクリ
オレタチノタタカイハ、コレカラダ!
P「またピンチ……投手変わったばかりなのに……」
楓「ヒヤヒヤしますね。これは体を暖めるためにもお酒が必要ですね」グビー
ストライックアウト!卍
P「何とか抑えた!この点差なら終盤も面白くなるぞ!」
楓「ふぅ……緊張が解けたら喉が渇いてきました……水分を沢山摂らないと」イッキニグイー
グビグビ、グビグビ
楓「♪~」
P「……もしかしなくても、何かにかこつけて飲みたいだけなんじゃないだろうか……この吞兵衛は……?」
◆8イニング目
♪~Take me out to the ball game
♪~Take me out with the crowd
♪~Buy me some peanuts and Cracker Jack
♪~I don't care if I never get back
楓(あら……この曲……)
楓「プロデューサー、この曲ご存知ですか?」
P「この曲ですか?そのまんま『Take me out to the ball game』って曲ですよ。邦題は『私を野球に連れてって』ですね」
楓「私を……野球に連れてって……」
P「アメリカでそれこそ1世紀前くらいに作られた曲です。野球好きな女性のケリーが彼氏のジョーに『野球に連れてって』とお願いする曲なんですよ」
楓(なるほど、あの時CMで流れてたのはそういう曲だったのね)
楓「ふふっ、まるで今日の私みたいですね」
P「言われた時は一瞬この曲のことを思い出しましたよ……」
楓「じゃあ今度からはこの曲でお誘いしようかしら?」
楓「♪~Take me out to the ball game ♪~Take me out with the crowd」
P(これで足元に大量にあるビールの空きカップさえなければ絵になるのになぁ……)
楓「あら?急に黙り込んで……どうしました?」
P「いえ、綺麗な歌声だったので、流れてたやつよりも断然良いなって聞き惚れてました」シレッ
楓「あら、効果覿面ですね!今度からお酒飲みたい時はこうやって誘いますね」
P「元ネタ的にせめて野球を誘う時にしてくださいよ……」
◆9イニング目
楓「いよいよ試合も大詰めですね」
P「そうですね……1本ヒット出ればサヨナラの場面です」
楓(思わずビールを飲む手を止めて見入ってしまう雰囲気)
楓(始まってから三時間余り……。色々あったというのに、この打席で試合の結果が全て決まってしまう)
楓(どちらからも『絶対勝ちたい!』という気迫が伝わってきます……。お互いに意地の張り合い)
楓(…………あぁ、この一瞬こそが野球の醍醐味なんですね)
ピッチャーナゲタ!ウッタ!センターマエダ!
楓「あっ……?!」
P「打ったー!!ランナー回れ回れー!!」
センターバックホーム!クロスプレーダー!ズザー
セーフ!セーフ!サヨナラダー!!
楓「わぁ!」
P「勝った!勝ちましたよ楓さん!!」イェーイ、ハイタッチ!
楓「えぇ、劇的でしたね!思わず魅入ってしまいました」ハイタッチ!
P「息詰まる展開でしたからね。じゃあ勝ったということでやりましょうか」
楓「何をですか?」
P「ほら、事務所で言ったじゃないですか。『勝利の美酒』ですよ」
楓「あ、そうですね!今こそ体験できるときなんですね」
P「じゃあ行きますよ!」
楓「えぇ!」
P・楓「「勝利にカンパーイ!」」
◆延長戦
♪~Take me out to the ball game
♪~Take me out with the crowd
P「……まさかあの後これを歌うオファーが来るとは……」
楓「あら?なにを見てらっしゃるんですか?」
P「楓さんがこの前撮ったCMですよ」
楓「あぁ!野球とビールをテーマに撮ったやつですね!曲まで歌わせてもらって楽しかったです♪」
P「楓さんは歌が上手いから映えますね。しかしこの前、球場行ったばかりのタイミングだったので驚きましたが……」
楓「ビックリしましたよね。でもその時の経験があったからこそ、上手く演出できたと思います」
P「あぁなるほど、そういう考え方もありますね。通りで良い出来だと思いました」
P「しかしホントに美味しそうにビールを飲む仕草をしますね……これは球場でビールを飲みたくなる……」
楓「あ、これホントに飲んでました。お仕事でビール飲めるなんて最高でした♪」
P「おい、高垣」
楓「いいじゃないですか、おかげで上手く撮れたんですから」
P「……まぁ、結果が良ければいいか……」
楓「そういえばプロデューサー。CM撮影が上手くいったご褒美として、またお願い事があるんですが……」
P「また野球場に行きたいんですか?」
楓「いえ、そうではなく」
P「では、なんでしょうか?」
楓「私を居酒屋に連れてってください♪」
P「……」
楓「……」
P「……ケリーの彼氏のジョーの気持ちが分かった気がする……」
楓「私を居酒屋に連れてってください♪」
P「はいはい分かりましたよ、それじゃあ1時間後に行きましょう」
楓「そっからプレイボールですね♪」
楓(私はケリーの気持ちがよくわかりますよ。だって───)
楓(───大好きな人と大好きな事を一緒にやること程、幸せなことはありませんからね♪)
おわり
以上です、ありがとうございました。
ある方からネタを貰って書いたSSでした。
楓さんはいいぞ!野球はいいぞ!お酒はいいぞ!
どれか一つでも気になって頂ければ嬉しいです。
楓さんと球場に行って一緒にビールを飲みながら野球観戦したい人生だった
乙
ヤクの試合はいろんな意味で酒が進みそう
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