【スロスタ】ある朝のできごと (6)
微しおはなです
短いです
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「あれ……まだ五時半か……」
休みの日ってなぜか知らないけど早く起きちゃうことってよくありますよね。
この日の私もそうでした。鳥の鳴き声は聞こえて来ますがそれ以外の物音は聞こえて来ません。
多分志温ちゃんはまだ寝ているのでしょう。
窓を開くと少し冷たい高原の風が部屋に入ってきました。そしてその風は悪戯にも飾ってあった写真立てにも吹き付け……みんなとの思い出の詰まった写真と共に写真立てを棚から落としてしまいました。
パリーン
写真立ての角が地面にぶつかる瞬間。そしてガラスの破片が飛び散る瞬間。さっきまでうるさく鳴いていた鳥の鳴き声が一瞬止まり、まるで時間が止まった世界のようでした。
「えっ……」
こんな時にどうしたらいいんでしたっけ?あまりにも突然で、でも大変なことで。私は動けなくなりました。
そして涙の粒が頬を伝い、ぽとりと床に落ちました。
ーまるでみんなとの思い出が壊れるようで、みんなとの関係が壊れてしまうようで……ー
その後聞こえてきた階段をガタガタと駆け上る音、そしてドアが開いて……
「あれ? はなちゃん!?」
「え゛……?志温ちゃん?」
「ちょっと……はなちゃんどうしたの?大丈夫?」
音に気付いて寝ていたはずの志温ちゃんを起こしてしまったようです。また他人に迷惑を掛けてダメダメですね。そして心配している志温ちゃんに今起こったことを伝えようとしますがなぜか上手く喋れません。言葉が出かかっているのに。
「あ゛の……」
「いいよ、もう大丈夫。偶然落ちちゃったんだよね?」
「う、うん」
「大丈夫。また新しい写真立てを買えば全く問題ないよ。それにほら、いちばん大事な写真は無事だったんだし」
割れたガラスの破片の中から万年さんや志温ちゃんを含め6人で撮った写真を拾い上げ、笑顔で私に手渡してくれる志温ちゃん。
その瞬間私はもうどうしようも出来なくなり志温ちゃんに抱きつきました。
柔らかな胸に包まれて……それはお母さんに抱かれているのとは違うけど何故か安心するような……
「あらあら……よほど心配しちゃったのね」
私が次に気付いた時、私は再び布団の中にいました。
「あれっ?写真は?志温ちゃん?」
「はいはい、ここですよ~」
布団から跳ね起きて振り返るとテーブルの上には新しい写真立てに入った写真、そしてニコニコと私を見つめる志温ちゃん。
「さっきね、はなちゃんが抱きついてきたと思ったらすぐ寝ちゃって……」
えっ。確かに思い返せば……物凄く恥ずかしいことですね。
恥ずかしさやら何やらで真っ赤になった私に志温ちゃんはいたずらっぽくこう言いました。
「今朝のことは二人だけの秘密ねっ」
以上です
はなたまが大好きですがこういうのもありだと思いませんか?
ご覧いただきありがとうございました
補足
写真の設定だとか写真立ての位置とかは創作しました
原作・アニメとは異なると思いますがご了承下さい
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