モバP「ただいまー・・・」
卯月「お帰りなさい、貴方。お疲れ様です」
モバP「ああ、すまんな。毎晩遅くまで。会議が長引いてな・・・」
卯月「うふふ、この時期はどうしてもそうなっちゃいますよね・・・、大丈夫です。
私も元アイドルですし、理解ってますから・・・。 お食事はどうします??」
モバP「いや、済ませてきた。・・・・・・葉月はもう寝てるのか??」
卯月「ええ、さっきまでは起きてたんですけど、うつらうつらし始めましたので、寝る様に言いました」
モバP「そうか・・・。もうお前が横に付いてなくてもグズらないようになったんだな・・・」
卯月「うふふ、何時の事を言ってるんですか・・・。もうあの子も来年には中学生なんですよ??」
モバP「そうか・・・大きくなったよなぁ・・・。もうこの歳になると月日が飛ぶ様に過ぎていくからな・・・」
モバP「気付いたらアッというまにお嫁に行っちゃうんだろうなぁ・・・」
卯月「うふふ・・・何ですか、もうオジさんみたいに・・・」
モバP「はは・・・・もう充分オジさんだよ」
卯月「うふふ・・・・・」
モバP「あはは・・・・・」
卯月「・・・・」
モバP「・・・・」
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モバP「なぁ」
卯月「あの」
モバP「な、なんだ・・・??」
卯月「あ、貴方の方からどうぞ・・・」
モバP「あ、ああ・・・、あのな・・・、変な事言うんだが・・・」
卯月「はい・・・」
モバP「娘の葉月の顔・・・、どう見ても凛にソックリじゃないか・・・・・??」
卯月「貴方もそう思いました!?!?」
モバP「だよなっ!?どう見ても凛だよな!?!?」
卯月「はい!!凛ちゃんです!!」
モバP「オカシイよな・・・、何で俺とお前の子供なのに、凛にソックリなんだ・・・??」
卯月「凛ちゃん・・・私と貴方が結婚するって事務所で発表した時、ショックで失踪してそのまま行方不明・・・、
そのままアイドル引退って事になっちゃったんですよね・・・??」
モバP「ああ・・・」
卯月「凛ちゃんが男の人なら私の不倫を疑ってくれても良いんですけど・・・、凛ちゃん女の子ですしね・・・」
モバP「ああ・・・、2030年代の今でも卵子から精子を作る技術は実用化できてないしな・・・。
別にお前の不貞を疑ってる訳じゃないんだが・・・」
卯月「正直・・・、赤ちゃんの頃から私達のどっちにも似てないな、とは思ってたんです・・・。
ツリ目で美人系の顔だし・・・」
モバP「そうだったのか・・・」
卯月「でも、認めたくなくて、私がアイドルの頃の髪型させたり、ピンクの可愛い系の服を着せたりして・・・」
モバP「それで俺は気付かなかったのかもな・・・」
卯月「最近あの子、ピンクとか嫌がる様になって、青系の服とか欲しがるんですよね・・・・・・」
モバP「マジでか・・・、一体どういう事なんだ・・・??」
卯月「・・・何時頃、アレ??おかしいぞって思う様になりました・・・??」
モバP「10歳くらいの頃かな・・・」
卯月「遅いですよ・・・、もうその頃は完全にちっちゃい凛ちゃんだったじゃないですか・・・。
私、三歳くらいから気づいてましたよ・・・、凛ちゃんそっくりじゃない??って・・・」
モバP「それならそうと言ってくれよ・・・」
卯月「言ったところでおかしな話になるじゃないですか・・・、
お腹痛めて産んだ子が、どうみても凛ちゃんなんです、って」
モバP「だよな・・・」
卯月「周りも何も言わないし、私が変なのかな・・・って・・・」
モバP「すまん・・・」
卯月「いえ・・・」
卯月「・・・・・」
モバP「・・・・・」
卯月「何がどうしてあの子が凛ちゃんそっくりになっちゃったんでしょうかね・・・??」
モバP「仮説として、リアルな方とファンタジーな方があるが・・・どっちが聞きたい・・・??」
卯月「二つも有るんですか??・・・リアルな方はなんか怖いのでファンタジーな方から・・・」
モバP「ずばり何かの邪教の呪いの儀式で卯月の胎内の胎児に乗り移ったとか」
卯月「ひぃ」
モバP「寝取られた恨みはらさでおくべきか・・・、
そう言って満月の晩魔法陣の真ん中でナイフを喉を突き立てて死んだ凛は、魂だけになり卯月の胎内へ・・・・」
卯月「あーあーあー!!!やめてやめてやめt」
モバP「どうしよう・・・、ある日葉月が、
『ねぇ、パパ。今度はママじゃなくて私を選んでね・・・??』って二ヤリと微笑んだら・・・」
卯月「やーめてーくーだーさーいー」
卯月「本気でやめてくださいよ・・・、私たち異世界転移とかしてるんですから、
そういうオカルト、ワンチャンあるんですから・・・」
モバP「えっ、お前ら異世界行ったの??」
卯月「はい・・・最初は映画の撮影かと思ったんですが、後から考えてみるとどう考えても・・・」
モバP「マジか・・・。エグいモンスターとか居た??」
卯月「はい・・・、飛龍とかと戦わされましたから・・・」
モバP「異世界マジパネーション・・・・・・」
卯月「それはともかく、ファンタジーな方も十分怖かったんですが、リアルな方はどんなんですか??」
モバP「うむ、事務所を飛び出した凛は家にも帰らず夜の道を彷徨い歩く」
卯月「ふむふむ」
モバP「あのルックスだから声を掛けてくる男は山程いる訳だ」
卯月「凛ちゃんならそうでしょうねぇ・・・」
モバP「ヤケになった凛はその内、声を掛けてきた行き摩りの男に身体を任せてしまう」
卯月「ええ・・・・・・」
モバP「寂しさを埋める様に行き摩りの男たちと肌を重ねる凛」
卯月「あわわ・・・」
モバP「そんな荒れた日々を送る中、凛は気づいてしまう。
誰が父親とも知れない命が、自分の体内に宿っていると・・・」
卯月「うわ・・・悲惨・・・・・・」
モバP「途方に暮れて街をフラフラ歩く凛、そんな時に彼女は見てしまう。
街頭テレビに映った、結婚して芸能界を引退する卯月に関する報道を・・・」
卯月「事務所での発表から記者会見まで・・・、大体の時系列の計算は合いますね・・・」
モバP「急な引退から卯月の妊娠を確信した凛はひっそりとオレ達に接近、動向を監視し、
通ってる産婦人科を突き止める・・・。
そして入院した卯月が産気づいて分娩室に移動したのを見計らい、自分はトイレとかで気合いで出産し・・・」
卯月 「ゴクリ・・・」
モバP「復讐と、せめて愛した俺の子供だけでも手に入れようと、
隙を見て子供を取り替えてそのまま夜の街へと消えた・・・」
卯月「いやぁああああッ!!辻褄が合うううううッッツ!!!!」
卯月「どうするんですか!それ!!
オカルトなんかより現実味も実行性もあるじゃないですか!!てか、多分そうですよ!!」
卯月「な、なら、私の子供は何処に行ったんですか!!!!???」
モバP「・・・・多分、凛が育ててる・・・と、思う・・・。俺と卯月の子供だから、虐待とかはしてないと思うが・・・」
卯月「わからないですよ・・・、そんな事するくらい凛ちゃん追い込まれてたんですから・・・、
私憎さのあまり子供に何してるか・・・・・・」ウッウッ
モバP「いや・・・、まだコレが事実かどうかは分からないから・・・。落ち着けって・・・、なっ??」
卯月「ううう・・・、私の子供・・・。葉月も可哀想・・・」ポロポロ
モバP「如何したモンだろうなぁ・・・。警察に届けるにしても、時効とかどうなんだ・・・??」
モバP「葉月の問題もあるし・・・。
親がどうあれ、葉月も長年一緒に暮らしてきたオレ達の可愛い娘だ・・・。頭が痛い・・・」
ピリリリイリリ
モバP「ん・・・スマホの着信音・・・?? 何だこんな時間に・・・」
モバP「メール??なんだ?非通知・・・??」
テレビの12chを見て
モバP「テレビ・・・・・??どういう事だ・・・??12ch・・・?」ピッ
司会者「さて、アイドル発掘オーデション最後の挑戦者は・・・、渋谷卯月さんですっ!!曲は・・・S(mile)ING!」ジャーン!!
モバP「!!!!!!!」ガタッ
卯月「!!!!!!!」ガタッ
『憧れてた場所を~~♪』
卯月「貴方・・・、この子・・・・」プルプル
モバP「ああ・・・名前といい、この顔この声、間違いなく・・・」ゴクリ
モバP「それじゃあ、このメールは・・・」
ピーンポーン
モバP「!!!!」
卯月「!!!!」
ピーンポーン
卯月「あ、貴方・・・」ガタガタ
モバP「だ、大丈夫だ・・・、俺が・・、俺がついてるから・・・」
ピーンポーン
ピーンポーン
【終】
スレタイ見てあなただと分かったよ
よい短編の見本だわさ
おつおつ
卯月いじめの人?
ホラーやん
ホラーやん!
犯罪係数オーバー500
ゾワッときた
ちゃんみおがドッキリ大成功の看板持って突撃する未来が見える
実際こういうことあり得るから怖いよね
病院は難しいけど退院直後とかだったらいくらでもすり替え出来るし
親子5人で暮らそう
海外では普通にある話だな
行方不明の凛はショックというがどっちの意味でなのか
Pが卯月と結婚するからなのか卯月がPに取れたからなのか…
最近の凛は卯月への好感度の方がPへのより高そうだしな…
ファンタジーの方で
なんで今までDNA鑑定しなかったのか
>>18
娘に卯月と名付けているし両方なんじゃないだろうか
普通ならあり得ないんだから、鑑定なんか必要ないだろう
海外では普通に赤ん坊誘拐され大人になってから発見とか取り替えとかよくある
この締め方はいいねえ
ネタ自体は単純だけど見せ方が上手い
乙です
面白かった
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