心「ついに戻ってきたあああぁぁ!!」
梨沙「うわびっくりした! なによ急に」
心「正月太りで微妙に増えてた体重が元に戻ったの!」
梨沙「正月って……もう4月も終わりよ? ていうか、そもそも太ってるようには見えなかったけど……」
心「………」
心「梨沙ちゃん、ひとつ大事なことを教えたげる♪」
梨沙「なに?」
心「オトナのオンナは……グラム単位の体重の変化を見逃さないんだぞ☆」
梨沙「マジ?」
心「マジ。本気と書いてマジ」
梨沙「そうなんだ。だったらアタシも体重に敏感にならないとね!」
心「ま、梨沙ちゃんは細いからもっと食べたほうがいいと思うけどね♪」
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ガチャリ
飛鳥「おはよう」
梨沙「23グラム増えてる!」
飛鳥「わ、びっくりした。突然なんだ」
心「あてずっぽうに答えるのはなしだぞ~」
梨沙「あ、あてずっぽうじゃないし! 乙女の勘だし!」
心「それをあてずっぽうって言うのよん♪」
梨沙「ぐぬ」
飛鳥「よく理解らないけど、今日もふたりは元気そうだね」
心「はぁとは無事にフェーズ1にたどり着いたからねぇ」
飛鳥「フェーズ1?」
梨沙「ダイエット成功したんだって」
飛鳥「へぇ。じゃあ、フェーズ2は?」
心「トップアイドル☆」
梨沙「一気に飛びすぎでしょ! フェーズ2で終わってない?」
心「いやいや、フェーズ2の先もちゃーんとあるよ?」
飛鳥「あるんだ」
心「ね、プロデューサー?」
P「はい?」←デスクで作業中
心「ねっ! ねっ! フェーズ2の先もはぁととプロデューサーの道は続いていくもんね♪」
P「は、はぁ……心さんがあるって言うなら、あるんじゃないですか?」
心「よし言質とった」ボソリ
P「今怖いこと言いませんでした!?」
梨沙「アタシにとってのフェーズ3は総理大臣かしら」
飛鳥「キミもキミで段階飛びすぎだと思うよ」
心「まあ、なにはともあれ! はぁとも日々進化してるってこと♪」
心「この前の撮影で、また一段と色気出せるようになった気がするし! うふん♪」
梨沙「この前のって、あの魔法使いの?」
飛鳥「秘匿された洋館に住む魔法使い……写真を見せてもらったけど、ファンシーな雰囲気の中に妖艶さを感じたよ」
心「迷い込んだアナタのハートを即ゲッチュ……どう? なかなか決まってるっしょ☆ オトナならではのせくすぃー☆」
梨沙「むむ。アタシだって前にやった怪盗役でファンのハートをわしづかみしたんだから」
梨沙「出会った瞬間アナタはもう盗まれているわ! このアタシに……ハートをね♪」キュピーン
心「おー、やるじゃん♪」
梨沙「でしょ♪」
心「はぁとも梨沙ちゃんも、殺し文句をうまく使っていかないとね♪」
心「てことで、あとは……」チラ
梨沙「あとは……」チラ
飛鳥「なぜボクを見る」
梨沙「だって、ここまで来たらねぇ?」
心「飛鳥ちゃんのオトコを撃ち抜く殺し文句、聞いてみたーい♪」
飛鳥「いきなり言われてもな……」
心「ほらほら、実験台のプロデューサー連れてきたから」
P「ちょっと、俺まだやることが……」ズルズル
梨沙「飛鳥の演技の幅を広げるチャンスよ?」
P「あぁ、なるほど」
飛鳥「おい、簡単にほだされるな」
心「はい、飛鳥ちゃんどーぞ☆」
飛鳥「……仕方ないな」
飛鳥「………」
飛鳥「き、キミのハートを狙い撃ち……だぞ?」
飛鳥「……待て、今のはナシだ。やり直しを要求する」
梨沙「言う側が照れてどうするのよ」
心「勇気出していこーぜ☆」
P「結構きゅんときたな……」
梨沙「って、意外と効果ある?」
心「プロデューサー、こういうのが好みなんだ……メモっとこ」
飛鳥「狩らせてもらおう、キミの心臓を!」
梨沙「殺し文句っていうか普通に息の根止めそうなセリフね」
翌日
飛鳥「………っ、このっ!」
梨沙「あっ、あぶなっ! セーフセーフ……あぁぁぁ! セーフ!」
心「おっ、梨沙ちゃんレースゲームすると自分の身体も傾くタイプだな~?」
梨沙「勝手に動いちゃうのよっ!」グワングワン
飛鳥「よし、抜いた!」
梨沙「あーっ、あと少しでゴールなのに!」
飛鳥「フッ、今回はボクの勝ち……なっ!?」
心「あ、バナナで滑った」
飛鳥「誰だこんなところにバナナを置いたのは!」
梨沙「アンタ一周前に置いてなかった?」
飛鳥「ボクか……!」
梨沙「その隙にゴール!! アタシの勝ちね!」
飛鳥「くっ……コンピューターにも抜かれて5位か」
心「楽しそうだね♪」
梨沙「最近飛鳥がレースゲームにハマってるらしいから、アタシも付き合ってたの」
飛鳥「なんとか勝率は5割以上をキープしているけれど……なかなか難しいな」
梨沙「そのうち勝率も逆転しちゃうかも~?」
心「飛鳥ちゃん、レースゲーム苦手な感じ?」
飛鳥「あえて正直に言うが、うまくはない」
梨沙「あえなくても正直に言いなさいよ」
心「そっかそっか♪ じゃ、はぁとが一肌脱いてあげる!」
飛鳥「え?」
心「完成☆ アスカ・シン二人羽織☆」
梨沙「飛鳥の後ろからハートさんが手を伸ばしてサポートする感じね」
飛鳥「逆にやりづらいだろう、これ」
心「まーまー、やってみなくちゃわからないって♪」
飛鳥「まあ、一度くらいならいいけど」
梨沙「じゃあスタートするわよ」ポチ
心「はぁとにおまかせ♪ 本物の車の免許だって持ってるんだから♪」
飛鳥「それは頼もしいことだね」
心「感情がこもってないぞー、14歳」カチカチ
飛鳥「………」
心「見よ、この華麗なドリフトを☆」
梨沙「わ、攻めるわね」
飛鳥「………」
ボインボイン
飛鳥(背中から弾力の圧迫を感じて集中できない……)
飛鳥(この人、スリーサイズを公表していないけれど……やはり大物だ)
心「ん、どしたの飛鳥ちゃん?」
飛鳥「その……当たってる」
心「? トゲゾー?」
飛鳥「ゲームのほうじゃなくて」
心「……あぁ! いいじゃんこのくらい、減るもんじゃないし♪」
飛鳥「そ、そういうものなのか……?」
心「あててんのよ☆してもいいくらいだし」
飛鳥「む……か、寛容だな。心さんは」
心「だって女の子同士でしょ?」
飛鳥「いや女の『子』ではないだろう」
心「なんでそこだけ冷静にツッコむかな~かわいくないぞ14歳!」
梨沙「どうでもいいけど、漫才やってる間に芝生に突っ込みそうになってるわよ」
心「いいのいいのいつも運転してる時こんなもんだし♪」
梨沙「え、そうなの!? 危なくない!?」
心「プロデューサーははぁとの運転する車乗ったことあるよね? 感想どうぞ☆」
P「できれば一生助手席に縛り付けておきたいと思いました」
心「それって愛の告白? いやん☆」
P「頭スウィーティーですか」
飛鳥「ちょっと心さん、逆走してる! スティックから手を離してくれ!」
梨沙「なーにやってるんだか……って、ああ!? 誰よこんなとこにバナナ置いたの!」
梨沙「アタシだ!!」
飛鳥「自己解決が早いね、梨沙」
その後
梨沙「うーーーん!! 疲れた! でも楽しかった!」
心「かなり白熱したね~♪ こんなにゲームしたの久し振り♪」
飛鳥「楽しんでもらえたのならよかった、のかな」
心「飛鳥ちゃん、なんだかんだで最後の方はうまくなってたんじゃない?」
飛鳥「誰かさんの密着指導のおかげかもしれないね。ただ、上達具合で言えば梨沙の方が上かな」
梨沙「アタシ?」
飛鳥「あぁ。ボクはある程度このゲームに慣れていたけれど、キミは違うだろう」
梨沙「ま、やるからには勝ったほうが面白いしね。だから全力でやったわ!」
飛鳥「ふふっ。そうやって、なんにでも一生懸命になれるのはキミのいいところだ」
飛鳥「たとえるなら、そう。宝石のように純粋で、光煌めく心の持ち主だ、キミは」
梨沙「ほ、宝石……」
心「あれ? 梨沙ちゃん照れてる?」
梨沙「て、照れてないし!」
飛鳥「フッ、可愛いな」
梨沙「あ〜〜もう!!」
翌日
梨沙「それでアタシは思ったのよ。『飛鳥は意識してない時の方が殺し文句にキレがある』ってね」
ありす「わかります。私も以前、『ありす』という名前について1分以上褒めちぎられたことがありますし」
梨沙「うわすごっ。やっぱり天然タラシね、飛鳥は」
ありす「タラシですね」
晴「タラシだな」
梨沙ありす「アンタ(あなた)は人のこと言えないでしょう!」
晴「え、なんで?」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
飛鳥にタラシされたい気持ちはあります
シリーズ前作
モバP「的場さんは思春期」
などもよろしくお願いします
乙
飛鳥なら狙撃銃で狙い撃ちできるだろうが
心さんなら散弾銃、ネネなら対戦車ライフル、梨沙なら対艦ミサイルを使いそう
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