鞠莉「でもあれ実際のところ…ちょっとおかしくない?」
曜「…何が?」
鞠莉「いやだってさ、この言葉で善子はどんな場面を想像する?」
善子「どんな場面って……うーんと…桜の木の下でお花見…みたいな?」
鞠莉「そうよね!普通はそういう想像をするわね」
曜「それがどうしたの…?鞠莉ちゃん」
鞠莉「でもそこには…致命的な矛盾が存在するのよ…」
善子「…………?」
鞠莉「桜の木の下で団子片手に花見してる時点で花も団子も手にしてるのよ!!」
善子「…………うん、まあ……そうね」
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鞠莉「思ったより今日冷たくない…?」
善子「しょうもないこと言うからよ」
鞠莉「はい…すみません…」
曜「…………」
善子「あれ、曜?どうしたの?」
曜「いやー!でもやっぱり私もおかしいと思う!だって花と団子一緒に手にしてるもん!」
鞠莉「やめて……やめて……その優しさは私に効く」
善子「いや!もうこれ絶対おかしいと思う!!」
鞠莉「やめて!!」
曜「でも要するに…花の下にいるのに目にも止めずに団子食べてる、って事じゃないの?」
鞠莉「なるほどね……善子、そういうことです」
善子「うん、今聞いてた」
曜「とどのつまり…色気か食い気かって話だね」
鞠莉「そうね……うん、そうね……」
善子「滑った途端空気になろうとするのやめて」
鞠莉「折角だしアレしましょうよ、アレ」
曜「アレ?」
鞠莉「もー!……Aqoursのメンバーを団子派か花派か分けるやつよ~!」
善子「私の『アレ』の中にそんなものは無い」
鞠莉「善子は確定で団子派ね、頭団子だし」
善子「突き抜けるように失礼だなぁ…この人は…」
鞠莉「そこの団子に花ぶっ刺して花見みたいなところあるわよね」
曜「ないよ」
鞠莉「曜は?自分はどっちだと思う…?」
曜「うーん……やっぱり団子かなぁ」
善子「なんでそこは自己申告が認められてるの?」
鞠莉「うーん…私も……花は好きだけどやっぱりスイーツかしらね…?」
曜「団子しかいない」
鞠莉「ほら、私たち華のJKだし、ね?…………JKよね…?」
善子「なんでそこ自信無くなるのよ」
曜「他の人…まずルビィちゃんはどうだろ……?」
鞠莉「そうね…まず想像してみて……?」
曜「想像…?」
鞠莉「そう……妄想して……桜の木の下にいるルビィを想像して……」
善子「やばい…なんか変な人来た…」
鞠莉「桜の木の下、団子片手に穏やかな微笑みを浮かべるルビィ……ブロンドヘアーの先輩の腕に抱かれながら団子を齧る…」
善子「そいつ誰なのよ」
鞠莉「『ルビィ団子もいいけど…先輩も味見したいんだよね……』甘く囁く翡翠の目の少女は……」
善子「おい」
善子「ええと……花丸は……」
曜「花丸ちゃんはどうなんだろ…本をよく読むし割と風流なところあると思うけど…」
鞠莉「想像してごらん……」
善子「変な想像マンが来ちゃった……」
鞠莉「満開の桜が咲き誇る庭の隅……麗らかな空気が流れる縁側に座り本を読む花丸。暖かな春の陽射しに心が軽やかになる、美しく薄紅に散りゆく桜を眺めながら団子を齧る。よって団子派」
善子「まって、団子判定強くない?」
つまらなさそう
曜「花派の判定厳しくない!?」
善子「いやだってもう……手に団子持ってるのにガン無視して桜を凝視してるレベルじゃないと無理じゃない…?…もうだいぶヤバイやつよ……」
曜「もうちょい緩めよ?せめて団子齧りながら花眺めてたらもうセーフとかさ」
鞠莉「いやここの判定は厳しくいくべきだと思うの」
善子「あなたは今どういう立場なのよ…」
鞠莉「変な想像マンよ」
曜「自分で名乗るんだ……」
鞠莉「まあ果南はまず間違いなく団子派、ダイヤも何やかんやで甘味が好きだから団子ね」
曜「まあ…それはそうだね…」
鞠莉「ちかっちは……うーん…一回想像するか……」
善子「一仕事するか…みたいなのやめて」
鞠莉「桜の舞う季節はいつだってちょっぴり切ない。夕陽の差し込む教室で私、高海千歌はブロンドの髪の先輩を待っていた」
曜「だからその人誰なの」
鞠莉「急ぎ足でやって来た先輩は申し訳なさそうに目を伏せながら『ごめんね遅くなって……あ、団子食べる?ちょっと他の子が食べちゃってるけど…』」
善子「さっきルビィが食べてたやつじゃない、それ」
善子「二股じゃん!!!」
鞠莉「つい……ついね?」
善子「つい、じゃないわよ…全く…」
曜「えーと……後一人は…梨子ちゃんがどっちかだね」
鞠莉「名前からして桜の雰囲気あるけど……多分甘いものは好きよね、後ここまで来て1人ハブるのは悲しいから団子派で」
善子「ほらもう……完全に私情入れちゃってるじゃない…」
鞠莉「ということで……はい!Aqoursは全員団子派です!」
善子「あ……うん、はい」
曜「善子ちゃん……これでよかったんだよ…これで」
鞠莉「今回は割れなかったけど…色々な事柄でそれぞれがどっち派か調べてプロフィールに公表するのとか…面白いかもしれないわね」
善子「割れなかったっていうか……そもそも割る気無かったけど」
曜「でもそういうのは面白いかも!ご飯派、パン派みたいな!」
鞠莉「そうそう!……後、ほらよくあるじゃない……きのこかたけのこか!みたいなの」
曜「あー…あるある!全員に聞いていったら面白そう!」
善子「まあ……それはいいかもしれないわね…」
曜「でもよくあるよねー……きのこたけのこ戦争なんて言ったりしてさ!」
鞠莉「あー……まあ大丈夫大丈夫!そんな事で私たち喧嘩になんてならないわよ」
善子「そうよね!大体そんなのたけのこだけになるに決まってるじゃない!」
鞠莉「ん?」
曜「ん?」
おわり
来いよきのこ派、武器なんて捨ててかかってこい
たけのこは分けて食べられないからくそ
勝者(チョコ)と敗者(茎)に分かれ散り散りになるきのこの凄惨な光景たるや
勝利も敗北もまとめて絡み合い決して離れないたけのここそ厳しい社会に揉まれ荒み切った現代人の心に必要とされる一粒の心の清涼剤なのさ
胃に入れば一緒ズラ
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