陰毛、陰毛、ああ陰毛よ。あなたはどうして陰毛なの。
大切な場所に生えているのに、どうして「陰」の字が付くの。

陰毛、陰毛、ああ陰毛よ。あなたはどうして陰毛なの。
一番活躍している毛なのに、どうして陰に追いやられてしまったの。

陰毛、陰毛、ああ陰毛よ。あなたはどうして陰毛なの。
人間が一番感謝しなきゃいけない毛なのに、どうして蔑ろにされているの。


陰毛を陽のあたる場所へ。
私はそう決心した。

ありす「というわけで陰毛を陽のあたる場所へ移そうと思います」

杏「へえ。面白い」

ありす「陽のあたる場所、そう、陽の下へ陰毛を解放するのです」

杏「そうだねえ」

ありす「パンツを脱いでズボンも脱いで、そうして1日を過ごすのです」

杏「アバンギャルドだ」

ありす「私にはギャランドゥもありますよ」

杏「ワイルドだ」

ありす「ギャランドゥは何故ギャランドゥなのか定説がないそうですよ」

杏「へえ。杏には生えてないなぁ……」

ありす「そういうわけで、陰毛を陽の下へ連れて行ってあげます」

杏「杏も行こう」

ありす「レッツ！」

杏「下半身だけすっぽんぽん！！」

～～～～～～～
3月らしい乾いた冷たい風が股間を駆け抜ける。
溶け残った雪が気温の低さを物語る。
陰毛が風にそよぐ感覚が新鮮で気持ちいい。
古代の人は陰毛を風になびかせてセックスアピールにしたのだとか。
現代に蘇らせるべき素晴らしい慣習だと思います。

余談ですが、哺乳類の中では人間が一番陰毛が長いそうです。
人間でよかった。

ありす「陰毛の門出です」

杏「杏達が一番最初に陽の下へ陰毛を連れてきたって感じかな」

ありす「服の無い時代には既に行われてたでしょう」

杏「じゃあ、有史以来初めてって事で」

ありす「歴史に名を刻みましょう。陰毛が世界を変える」

ビルから一歩足を踏み出すと、新世界だった。

通行人「ギャー！！！下半身丸出しだ！！！」

通行人「通報よ通報！！」

ありす「風以外が騒がしいですね」

杏「わかる」

ありす「邪魔ですが無視していきましょう」

杏「オウケイ」

あたりを一通り闊歩したところで。

ありす「寂しいですね」

杏「ありすの股間は賑やかだけどね」

ありす「人員が欲しいところです」

杏「わかるなあ」

ありす「奈緒さん呼びましょうか」

杏「毛の人脈といえば奈緒ちゃん。奈緒ちゃんを呼べば全て解決しそうな予感がする」

ありす「デウス・エクス・マキノ」

杏「ノ」

一方その頃事務所では

マキノ「へっくしゅ！」

泉「どうしたの、マキノ」

マキノ「なんでもないわ。強いて言うなら、みんなの下半身が危機、ってところかしら」

泉「なにそれ」

マキノ「気にしないで」

泉「どうでもいいけど、なんで下半身だけ何もつけていないのか聞いても？」

マキノ「貴女が言う？」

泉「なんでもないわ」

～～～～～～～～～～
奈緒「呼ばれた気がした」

杏「さすが奈緒ちゃん。すぐ来てくれたし、何よりすでに下半身が全裸だ」

奈緒「陰毛の門出だからな。来ないわけにはいかないだろ」

ありす「さすがです奈緒さん」

奈緒「さ、行こうか」

杏「行こう」

スクランブル交差点の真ん中で背中を向けて鼎立する私たちはさながらトリニティフィールド。
通行人がささっと退いたり、好奇心に負けて写真を撮ったりしています。

通行人「うわっ痴女だ……」

通行人「あれアイドルじゃね！？嘘だぁ……何かの間違いだ……」

通行人「オカズにしよ」

通行人「下半身半裸のアイドルを見て流石の俺も大勃起！」

通行人「シコるか！」

通行人「久々に！」

通行人「な！」

通行人「イミフｗｗｗうはｗｗｗお毛毛ｗｗｗｗ」

人の流れは次第に増え、周りは大変なことになっていました。

杏生えてたんだっけ？

奈緒さんが声を張り上げる。

奈緒「聞こえるかー！みんなー！！」

通行人「「おー！」」

奈緒「今あたしたちはー！陰毛の解放運動を行なっているー！！」

通行人「「なにそれー！？」」

奈緒「見ての通りー！！陰毛を日の下に解放する運動だーッ！！」

通行人「「すっごーい！！」」

奈緒「反対する者はいるかーッ！」

通行人「「いなーい！！」」

奈緒「ならばヨシ！！」

たちまちスクランブル交差点は熱狂と陰毛の渦に飲み込まれました。
せっせとズボン、スカート、パンツを脱ぐ通行人たち。
薄い陰毛、濃い陰毛、脚の毛と繋がった陰毛。無毛。みんな違って、みんないい。
金子みすゞが生きていたら、涙を流して喜んだであろう光景です。
陰毛たちは走り出しました。車道の自動車たちは路肩に寄せられ、この驀進を見守っています。

奈緒「これがあたしたちの陰毛だーーーーーーッッッ！！！！！」

人間達「「「「うおーーーーッッッ！！！！」」」」


あっ警察だ。


～～～～～～～

そしてその場にいた全員がまるごとパクられた。
ありす含む年少組は補導された。
週刊誌が広辞苑並みの分厚さになった。
事務所は大爆発した。
巻き添えでモバPとちひろさんも大爆発した。
今日も飴がうまい。
そういう1日だってあると思うんだ。

正真正銘無職になった杏は、そう思うな。陰毛万歳。

了

3月も半ばになりました。木の芽時ですから、いろんなものが生えてきますね。陰毛も生えればいいのにって思います。
わいだんをこれからもよろしくお願いします。

ご卒業のみなさん、おめでとうございます。
ご進級を果たされた皆さん、おめでとうございます。
ぶーんぶーん。ばおんばおん。ぎゃんぎゃんぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっぎゃぎゃ。
お米パラパラ。そうめんツルツル。わーいわーい。卒業と進級の喜びを言葉にしてみました。
全ての皆さんに幸あれ。留年した人にも幸あれ。ちなみに私は一回留年しました。今年は卒業できました。

参考楽曲
手紙 ～拝啓 十五の君へ～/アンジェラ・アキ
http://youtu.be/erGCAu_hFqM

ありがとう/SMAP
http://youtu.be/auwsVGtgCpg

ありがとうのうた/V6
http://youtu.be/3XumF__WWlo

旅立ちの日に/坂本浩美
http://youtu.be/h3I1FiBDdw0

>>7
杏ちゃんには陰毛が生えていますが、ギャランドゥは生えていないという意味でした。
混乱させて申し訳ないです。

>>11
になちゃんに劣等感抱いてた気がしたけど、見直したら「最近生えたばっかり」って言ってたわすまん

いろいろ続きも期待してます

ーーーキャラ設定的なものーーー

･清滝八幡二冠　(旧:比企谷八幡)　　20歳(1話時点)

今作の主人公。相変わらず年下に甘いが、今作の八幡はシスコンでは無いし、女の子にも男の子にも(比較的)平等に接する優しいお兄さん。但し眼が腐っているのでちいさい子にはよく怖がられる模様。
尚、最近は眼鏡をかけることによって眼の腐りが誤魔化せることに気付いた。7歳の頃に清滝一門へ弟子入り。原作主人公(九頭竜八一)や妹弟子の空銀子との初邂逅は11歳の時。この時点で既に眼が腐りはじめていた。
この世界線では小町は双子の妹だが、両親からは小町のオマケ扱いされ、小町からは都合のいい道具扱いされていた。
小町が家出したのを連れ帰ったところ、両親に理不尽に叱られ、躾という名目で暴力を振るわれるようになる。
思わず家を飛び出し、公園で一人で将棋を指している所を偶然将棋のイベントの帰りに通りがかった清滝鋼介が拾った。
優しくされて、今までの事を話す。
それを聞いた清滝は激昂して両親に話を付けようとするが、八幡が清滝を苦心の末に説得、中学校を卒業するまでは家庭内の問題に不干渉でいることを約束させた。
その代わりとして自身の弟子になること、中学を卒業後養子縁組し、大阪へ来ることを約束した。
それ以来、長期休暇を使って清滝家に将棋を習いに行っていた。
その時は家事を手伝ったりしていたが、入門してから暫くは清滝一門主催のイベントの運営をやったりもした。実は苦労人ポジ(知ってた)。
周囲の環境と生来の気質の関係で周りより精神の成熟が早く、同年代の子供と馴染めなかったため、学校でもいじめられるようになる。
そして更に眼が腐る。中学は同じ小学校の子供が通わない総武中を選択。ここで俺ガイル原作イベント。
但し修学旅行の出来事以来、奉仕部とは決裂。それからはひっそりと息を潜め、最終的に数学と理科以外は学年1位を維持したまま卒業する。高校へは行かず、そのままプロ棋士入りする。

>>12
お待たせしており申し訳ありません。それとありがとうございます。励みます。

こちらにも質問を置いておきます。

Q.桜の木に陰毛が生えたら、どこに生えているのが嬉しいですか？

「花の代わりに生えている」「幹にきのこみたく群生して生えている」「根っこに恥じらうように生えている」
などなど、様々な意見を募集します。

陰毛の門出とかいうパワーワード。
発想が狂気のそれ。（褒め言葉）

>>15
樹皮の割れ目にビッシリ