善子「ふーん、梨子先輩って絵とか描くのね」 梨子「へっ!?」 (20)


梨子「あ、よ、善子ちゃん!?」

善子「こんにちは、そんなに驚く事?」

梨子「お、驚くよぉ!だってここ……」

善子「部室だけど?」

梨子「部室……だけど、今日は練習休みのはずだよ!?」

善子「別に休みの日でも部室に来るぐらいいいでしょ。梨子先輩だって来てるんだし……よいしょっと」

梨子「」スス-

善子「……何で遠ざかるのよ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1519660046


梨子「絵、見られると恥ずかしいから……」

善子「そう言われると逆に見たくなるんですけど?」

梨子「い、嫌がってるのを無理矢理見ようとするのはセクハラだよ!///」

善子「そんなに見られたくないのね。ま、それならそれでいいんだけど」

梨子「あれ……いいの?」

善子「逆に見て欲しい?」

梨子「っ!」ブンブン

善子「即答……じゃあ気が向いたら見せて」

梨子「……気が向いたら、いいよ」

善子「ありがと。それじゃ梨子先輩はごゆっくり、私は適当に読書でもしてるから気にしないで」ペラッ

梨子「う、うん……」

――――――


善子「……」ペラッ

梨子「……」カキカキ

善子「……」

梨子「……」チラッ

善子「……なに?」

梨子「ひっ!?」ビクッ

善子「何で梨子先輩が驚いてんのよ……さっきからチラチラこっち見てたでしょ?」

梨子「見て……た?」

善子「しらばっくれるつもり?」

梨子「う、うそうそっ!盗み見るつもりは無かったの!」


善子「じゃあ何で?」

梨子「その、善子ちゃん何だか難しそうな本読んでるなぁ……って思っちゃって」

善子「ああこれ?何か面白いから読んでってずら丸に押し付けられて」

梨子「面白いの?」

善子「全然……っていうか、難し過ぎて内容がさっぱりわかんないわ」

梨子「あはは……やっぱり難しかったんだ」

善子「もうやめよやめ。ったく、明日ずら丸に文句言わなきゃ……」ブツブツ

梨子「喧嘩はしないようにね?」

善子「しないってば。はぁ、暇になっちゃった」


梨子「じゃあもう帰るの?」

善子「そうねぇ……梨子先輩は?」

梨子「私は見ての通りだけど……」

善子「ふぅん、じゃあ私もそれが終わるまでいよっと」

梨子「えぇ!?」

善子「駄目?」

梨子「駄目……じゃないけど」

善子「一人で暇でしょ?折角だからこのヨハネが話し相手になって上げるわ」フフン

梨子「絵は見ちゃダメだからね?」

善子「りょーかい♪」ビシッ

――――――


善子「ねぇ、先輩」

梨子「どうしたの?」カキカキ

善子「結構今更なんだけどさ、絵描くの好きなの?」

梨子「うん、好きだよ」

善子「じゃあ、何で美術部に入らなかったの?」

梨子「最初は入ろうと思ってたんだけど……転校初日から千歌ちゃんの熱烈な勧誘があって……」アハハ…

善子「その熱意に負けた、と」

梨子「流石にあれには負けちゃうかなぁ」


善子「まあ、千歌先輩いわく一目惚れらしいしね」

梨子「前から思ってたんだけど私、そこまで言われる程可愛く無いと――」

善子「いやいや、梨子先輩は可愛いでしょ」

梨子「へっ!?///」カアァ

善子「あ、変な勘違いしないでよ?単純に梨子先輩って見た目凄く可愛いじゃない」

梨子「そ、そんな事は……!」ブンブン

善子「あるって。そこは素直に認めた方がいいと思うわよ」

梨子「そんな事言われてもぉ……無理だって///」


善子「あー、そうやって恥ずかしがるとこも可愛いわね」

梨子「も、もうっ!やめてよ善子ちゃん!///」

善子「はいはい、そんなに恥ずかしがる事かしらね……事実なのに」

梨子「だ、だったら善子ちゃんだって可愛いと私は思うよ!」

善子「そう?美人な梨子先輩のお墨付きなら間違いないわね」クスッ

梨子「い、いい加減にしないと怒るよ!」

善子「冗談よ。梨子先輩ってば怖いんだから、もう」

梨子「私、絵に集中するからね?」

善子「ああ、そういえば絵を描いてたんだったわね。そうね、だったら私もそろそろ帰ろうかしら」


梨子「帰るの?」

善子「そろそろ本気で怒られそうだし」

梨子「そ、そんな事ないよ!私、ホントは怒ってないからね!?」

善子「知ってる」フフッ

梨子「はぁ……もう善子ちゃんってば本当に……」

善子「梨子先輩も遅くならない内に帰った方がいいわよ」

梨子「うん、ありがとね善子ちゃん」

善子「この学校、結構出るみたいだし……何とは言わないけど、じゃあね」スタスタ


ガシッ!


善子「……梨子先輩痛い」

梨子「よ、よよよ善子ちゃん?勝手に帰っちゃ……だ、だだ駄目だよ?」

善子「勝手にって?」

梨子「と、とにかく!こ、これは先輩命令だから!命令?うーん……うんっ、命令!」ビシッ

善子「こういう時だけ先輩である事を利用するのはどうなのよ」

梨子「文句無いよね!?」

善子「いやまあ、いろって言うんなら居るけど……」

梨子「良かったぁ……」ホッ


善子「って言うか、怖いんなら帰ればいいじゃない」

梨子「べ、別に怖いわけじゃないんだよ?でもほら、かわいい後輩を一人で帰すなんて先輩として放っておけないから」

善子「へぇ、かわいい後輩ねぇ……」ジト-

梨子「う……そ、そんな目で見ないでぇ!怖いの!ホントは怖いのぉ!」

善子「素直でよろしい」フフン

梨子「で、善子ちゃん。こ、ここって本当に出るの……?」

善子「なわけないでしょ。そんな話聞いたこともないわよ」

梨子「嘘ついた……」ジト-

善子「スキンシップよスキンシップ。先輩と仲良くなりたい、かわいいかわいい後輩からのスキンシップ」

梨子「こんな悪質な嘘を吐く後輩は可愛くありません!」


善子「ひっどーい。そういう事言うの?」

梨子「酷いのは善子ちゃんの方だからね!?」

善子「まあまあ、そう怒らないで。可愛い顔が台無しよ?」

梨子「かわっ!?///も、もうっ!善子ちゃんはまたそういう事言って~!」カアァ

善子「ふふっ、梨子先輩からかうの楽しい♪」

梨子「こ、今度こそ怒ったから!」ガタッ

善子「冗談?」

梨子「本気だよ?」

善子「とか言って実は――」

梨子「ホントです!善子ちゃんにお灸据えて欲しいってダイヤさんに連絡しておくから」スッ


善子「ちょ、ちょちょっと待って!?何でそこでダイヤさんが出てくるのよ!?」

梨子「だって善子ちゃんは私の事をあんまり先輩だと思ってないみたいだから。どうせ怒っても怖くないって思ってるよね?」

善子「そ、そんな事!……無いわよ?」ニコッ

梨子「もしもし、ダイヤさんですか?すいません、桜内ですけど――」

善子「だぁ~!ストップストップごめんなさい!!」

梨子「……なーんて、嘘だよ♡」

善子「は、はぁっ!?」

梨子「善子ちゃんに仕返し♪」

善子「あーもう……完っ全にやられた……」ガクッ


梨子「どう?先輩を怒らせると怖いんだよ、分かった?」フフン

善子「いや、今のは梨子先輩って言うよりダイヤさんが怖――」

梨子「あ、もしも――」

善子「ごめんなさい!!!」

梨子「ふふっ、よろしい」ナデナデ

善子「くうぅ……なんたる屈辱///」

梨子「さてっ……そろそろ帰ろっか善子ちゃん」クルッ

善子「あれ、絵は?」

梨子「例え嘘でもあんな事言われてここで描き続けられるわけないでしょ!」

善子「あ、あー……ごめん」


梨子「ううん、いいよ。今日は善子ちゃんと色々お話出来て楽しかったし」

善子「梨子先輩……」

梨子「でも、今度はあんまり邪魔しないでね?」

善子「また……来てもいいの?」

梨子「一人だと集中は出来るけど、ちょっぴり寂しいから。善子ちゃんがいてくれると退屈しないかなって……駄目かな?」

善子「……ま、まあ先輩からの命令なら仕方ないわね!そうっ、命令だからね!」

梨子(私、命令なんて一言も言ってないんだけど……)

梨子「うんうん、そうだよね。仕方ないよね」フフッ

善子「なんで笑ってるのよ……」

梨子(だけど、今はこのまま……)

梨子「何でもないよ♪」ニコッ

梨子(善子ちゃんに合わせてあげちゃおうかな♡)

おわり

乙!

乙!

おつ

かわいい

かわいい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom