遊矢「エンタメデュエル…」零児「決着をつけよう」 (75)

遊矢「エンタメデュエル…」ラストデュエル編
遊矢「エンタメデュエル…」ラストデュエル編 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1501431194/)から二年後くらいの話

・柚子シリーズと遊矢シリーズが分裂(ユーリは除く)している
・次元が一つになっていない
・デュエルはマスタールール3
・作者の勝手な設定
・前回も言ったかもしれないが、今回こそ本当のラスト
久しぶりで覚えてないところも多い思うけど、書いていくぜ!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1519653786

エクシーズ次元

黒咲「バトルだ!アルティメット・ファルコンで、ダイレクトアタック!」

黒咲「ファイナル・グロリアス・ブライト!」

「うわあああぁぁっ!」LP0

「決まったー!」

「期待の新人、黒咲隼!デビュー戦以降、破竹の10連勝!すごい、彼の快進撃を止める者はいつ現れるのか!?」

黒咲!黒咲!黒咲!

黒咲「ふぅ…」

サヤカ「お疲れ様、隼!」

アレン「なんか、隼もすっかりプロデュエリストって感じだな」

黒咲「当然だ、何の為の次元戦争だったと思っている?」

サヤカ「次元戦争…か…」

アレン「ま、今となっては懐かしいぜ」

サヤカ「瑠璃とユートはまだ?」

黒咲「ああ、柊柚子達と一緒にやっている。今度の休みには帰って来るそうだ」

アレン「柚子と瑠璃…それに今はシンクロのユーゴやリンって奴も一緒なんだろ?同じ顔した奴がこうも固まっちゃ、スタンダードも混乱しちまうんじゃねーの?まあ、遊矢はどっかに行っちまったままみたいだけど」


サヤカ「遊矢も今は?」

カイト「結局、父との一戦以来戻ってないようだな」

黒咲「カイト…」

アレン「確か、赤馬零王が次元戦争を起こしたきっかけは遊矢の中に居る…ズァークだったか?あいつがきっかけだったんだろ?流石に顔合わせづらいのかもな」

サヤカ「ちょっとアレン…」

アレン「勘違いすんなって、別に憎んじゃいねぇよ。それに、あいつにはちゃんと感謝もしてる。ハートランドに笑顔が戻ったのも、全てはあいつのおかげだ」

カイト「だが、それだけに借りも多い」

黒咲「わかっている。結局俺はユートを、瑠璃を、誰一人として救い出せはしなかった。俺もひとりのデュエリスト。ならば借りはデュエルで返す!」

アレン(素直に親友と妹を助けてくれてありがとうって言えばいいのによ…)

黒咲「なんだ?」

アレン「なんでもねぇよ」

サヤカ「全く、素直じゃないのはアレンも同じでしょう」

カイト「ふん…」

「ほぅ…ならば君の目的は私と同じという訳だ」

カイト「?」

アレン「誰だ!?」

黒咲「貴様は…」

零児「久しぶりだな、黒咲。それにカイト」

零羅「黒咲…」

サヤカ「え?隼達の知り合い?」

黒咲「ランサーズ、俺達と一緒に次元戦争を戦い抜いた仲間だ」


零児「崩壊した街もすっかり元通り何よりだ」

アレン「あ、ああ…お陰様でな」

黒咲「貴様は武者修行の身だと聞いていたが」

零児「うむ、この二年の間、私は彼と決着をつけるべくデュエリストとしての腕を磨いていた」

零児「来る日も来る日も、私は世界中のデュエリスト達と戦い続けた。滑稽だろう?この私がそんな努力など」

黒咲「ふん…確かに、いつも高みの見物の貴様程努力という二文字が似合わぬデュエリストはいないな」

オッドアイズアークドラゴン出るのかな?

カイト「で、わざわざ何をしに来た?」

零児「ならば単刀直入に言う。黒咲、私と戦え」

サヤカ「え!?」

黒咲「まさか、俺を奴と戦う前のウォーミングアップの材料とでも言うつもりか?」

零児「多少似たようなものかもしれないな」

黒咲「なるほど、随分と舐められたものだ。いいだろう」

アレン「お、おい隼」

黒咲「二年前のあの日、俺は貴様を人質に瑠璃を取り戻すつもりだった。事情を知り手を組んだ今、貴様と戦う事はなかったからな」

零児「言っておくが、今の私は二年前とは比べものにならんぞ?」ガチャ

黒咲「それは俺とて同じ事。貴様が武者修行をしている間、俺が何もしていないと思ったか?」ガチャ

零児「では、お手並み拝見といこうか」

黒咲「いくぞ」

黒咲「デュエル!」
零児「デュエル!」

(ふぅ…やっと着いたな。二年ぶりくらいだったか)

「スタンダード、変わらないな…」

遊矢(柚子達はどうしてるか…少し会いづらいかも…)

「うわああああぁぁっ!!」

「ちょっとユーゴ!ブレーキブレーキ!!」

「ぐっ……!おーい!前の奴!どいてくれぇぇぇーーっ!」

遊矢「っ!?」

がちゃあああぁぁんっ!!

ユーゴ「いてて…」

リン「っ……ったく、没収されたDホイールなんかで走るから!本当馬鹿なんだから!」バシ!

ユーゴ「いだ!わりぃわりぃ、悪かったって!それよりあんた、大丈夫だったか?」

ユーゴ「って……お前…!」

リン「嘘…!?」

遊矢「まあ…なんだ。久しぶりだな。ユーゴにリン」

リン「本当に久しぶりじゃない。元気にしてた?」

遊矢「まぁな。そっちは随分と賑やかそうで」

リン「そんないいもんじゃないわよ。毎日毎日トラブルばっかり。今日だってこの馬鹿が学園に没収されたDホイールを先生達の目を盗んで取り返しに行く途中でばったりとね」

遊矢「学園?」

遊矢(そういえば、二人のその格好…まさか…)

明日香「やっぱり、この騒動はあなた達だったのね」

ユーゴ「げっ、明日香!いだっ」

リン「こら、今は天上院先生でしょ!」

遊矢「天上院先生…?」

ユート「何事かと思って来てみれば…」

瑠璃「久しぶりね、遊矢」

遊矢「ユート…瑠璃…」


数分後

遊矢「驚いたな…スタンダードにアカデミアか」

瑠璃「アカデミアじゃないわ。デュエルアカデミア」

ユート「本来、アカデミアはデュエル戦士の養成を目的としていたな。優秀な成績を収めた選手達は、デュエル戦士として別次元に送還され、武力的侵攻を行っていた」

ユート「デュエルアカデミアもまたデュエリストを養成する施設。だが、ここに来る者たちはデュエルを笑顔で楽しむ為のもの。榊遊勝や、かつてのお前のように」

遊矢「まさか、プロフェッサーが?」

瑠璃「いいえ、プロフェッサーじゃないわ。これは天上院先生と、彼の決意」

遊矢「彼?」

みんな、エドが帰って来たぞ!

かっこいい!

きゃー!エド様ー!こっち向いてー!

遊矢「エド・フェニックス…?」

エド「っ!?」

エド(榊、遊矢…)

ねぇエド、今日もデュエルを見せて!

DーHERO最高だぜ!

エド「すまない、少し待ってくれ」

エド?

エド「しばらく留守にするのは聞いていたが、本当にしばらくだったようだね。榊遊矢」

遊矢「…明日香はともかく、何故あんたが?」

エド「さぁね。僕は自分の決めた道を歩むと決めただけだ」

遊矢「………」

エド「意外そうだね。プロフェッサーに従順としていた僕が、何故デュエルアカデミアを設立したのか」

エド「悪いが、その問いに答える事はできない。だが一つだけ覚えておけ。僕は必ず君を倒す。次はあの時のようにはいかないぞ」

遊矢「そっか…」

エド…

エド「…すまない、もう行こう」

うん!

遊矢「ふ…」

エド「ふん…」

ユート「相変わらずだな、エドも」

遊矢「まさか、エド・フェニックスと一緒に居た子供達もデュエルアカデミアの生徒なのか?」

瑠璃「いえ、あの子達は親元のない…いわゆる孤児院の子供達なの」

ユート「まあ、デュエルアカデミアの生徒じゃないといえば違う気もするな」

遊矢「どういう意味だ?」

瑠璃「彼もデュエルアカデミアの設立者ではあるんだけど、エドはほとんどアカデミアにいない事が多いから」

ユート「親元の知らない子供達の為、奴はあの孤児院の子達に寄付してるからな」

遊矢「あのエド・フェニックスが…?」


遊矢「みんな、それぞれの道を歩みだしたんだな」

ユート「当然だ、お前がこのスタンダードを離れてから何年が過ぎたと思っている?」

遊矢「そうだったな…」

瑠璃「でも、その道を守ってくれたのはあなたよ」

遊矢「そうでもないさ、そもそも…」

ユート「いいから聞け、アカデミア、次元戦争、赤馬零王、そしてズァーク。その全てをお前に背負わせてしまった」

ユート「今でもすまないと思っている。すまなかった。そしてありがとう、瑠璃を救ってくれて」

瑠璃「ごめんなさい。そしてありがとう、遊矢」

遊矢「…ああ」


瑠璃「私達は遊勝塾に戻るけど、あなたはどうするつもり?」

遊矢「ああ、俺は適当にその辺を散歩してから戻るよ。父さん達には宜しく言っておいてくれ」

ユート「あんまり遅くなるなよ。例え偽りの存在であろうと、彼らは遊矢の両親なんだからな」

遊矢「わかってる、それに偽りなんて思ってないさ」

瑠璃「じゃあ、また後でね」

とりあえず今日はここまで。独自の設定追加は大目に見てくれるとありがたいです(平和な日常が書きたかっただけなのに…
もう少し日常編が進んだから遊矢VS零児になるが、黒咲VS零児見たい人って居たりする?書くとテンポ悪くなりそうだから省略しようか悩んでる

遊矢(新しい道か…ユーゴやリンのように変わられない者、エド・フェニックスや明日香のように変わろうとする者。ならば俺は――)

――これで終わる!バトルだ!

――ま、待ってくれ!

遊矢「ん?」

「私はムーンライト・キャット・ダンサーで、ダイレクトアタック!」

「うわああああぁぁっ!」LP0

遊矢「…あっちは相変わらずか」


セレナ「弱い。この程度か、デュエルアカデミアの優等生というのは」

柚子「ちょっとセレナ、いくらなんでもやり過ぎ!大丈夫ですか!?」

「僕のせいじゃない……カードが悪いんだよォォォ!!」ダッ

柚子「ちょっ」

セレナ「尻尾を撒いて逃げたな…大体、先に喧嘩を売ってきたのはあっちだ」

遊矢「どうやら、二人は変わらない方みたいだな」

セレナ「な…!?」

柚子「う……そ……!?」

遊矢「ホッとしたような、拍子抜けしたような。まあ、久しぶりだな、柚子。セレナ」

柚子「遊矢!」

セレナ「…遅いぞ、馬鹿」

おぉ久しぶり

マジか嬉しい

数分後

柚子「そっか。もうユート達とは会ってきたのね」

遊矢「色んな話を聞いたよ。二人もデュエルアカデミアの生徒なんだな」

セレナ「どうにも私は、この青い制服が気に入らないがな」

柚子「贅沢言わないの。そもそもその制服はアカデミアの中でも優秀な証なのよ?」

セレナ「そんな肩書きなど不要。私は結果が得られればそれでいい。他者からの結果と評価は後から付いてくる。そうだろう?遊矢」

遊矢「まあな」

柚子「まったく…」

柚子「それより遊矢、これからどうするの?」

遊矢「他に行く宛もないしな、瑠璃達には適当にぶらついてから遊勝塾に戻るって言ってある」

柚子「そうこなくちゃ。私もお父さんに知らせるわね」

遊矢「いや、余計な気は使わなくて…」

柚子「あ、もしもし。お父さん。遊矢が――」

遊矢「…言うだけ無駄か」

セレナ「…少し変わったか?」

遊矢「そうかな?」

セレナ「どことなく柔らかくなったというべきか。元々あまり表情を変えない遊矢だからか。それに、肩の力が抜けた感じもするな」

遊矢「ちょっと留守の間にここまで環境の変化があったんだ。大目に見てくれ」

セレナ「まさか、新たな次元で平和ボケした訳ではないだろうな?」

セレナ「万が一そうだとしたら、この私が直々に鍛え直してやるぞ」

遊矢「信用されてないな。俺がこの二年間、何もしていなかったと思うか?」

セレナ「ならいいがな、それからもう一つ約束しろ」

遊矢「ん?」

セレナ「これからは、話せ…」

セレナ「もう二度と、一人で背負い込むのはやめてくれ…」

遊矢「わかってるよ…悪かったな…」

遊勝塾

塾長「よーし皆、準備はいいか!?それじゃあ、熱血の~~…!!

「「「「「「かんぱ~~い!!」」」」」」

フトシ「よっしゃあ!ケーキケーキ!」

タツヤ「おぉっ」

アユ「すっごい大きい…」

素良「おっと、この僕を差し置いて独り占めする気?それは頂けないかな!」

セレナ「貴様はいつもキャンディーを食べているだろうが!ここは私が先だ!」

瑠璃「大丈夫よ、人数分あるから。一人ずつ並んで」

フトシ「おっ、流石は瑠璃ねぇちゃん。やっぱり柚子ねぇちゃんとは…」

柚子「」ギロッ

フトシ「柚子ねぇちゃんと同じで優しいなぁ!」

ユーゴ「ったく、どいつもこいつもデザートばっかで困ったもんだぜ」もぐもぐ

リン「あんたも、食べるか喋るかどちらかにする」

ユート「平和だな…」

遊矢「…………」

権現坂「どうした遊矢、浮かぬ顔だな」

遊矢「権現坂…」

権現坂「悩み事か?」

遊矢「いや、なんとも言えない光景だと思ってさ。ユートやユーゴ、柚子や瑠璃達があんな風にはしゃいでる姿なんて」

ユーゴ「なぁ、そろそろ瑠璃とはキスくらいまでは行ったのかよ?」

ユート「ぶっ」

ユーゴ「おわっ、汚ねぇな!いきなり吹き出すな!」

ユート「いきなりはこっちの台詞だ!なんだ、いきなり」

ユーゴ「だってお前ら、アカデミアに襲撃される前は黒咲に隠れて乳繰り合ってたんだろ?」

ユート「だ、誰から聞いた…?」

ユーゴ「あん?おめぇと一体化した時に、遊矢の奴が"瑠璃とユートは必要以上にくっついてた"って」

ユート「っ!」ギロッ

遊矢「ん?悪い、何か間違ったこと言ったか?」

ユート「…とにかく、俺と瑠璃はそんな関係ではない!」

ユーゴ「そこまでやって二年以上も経ってんのにかよ!?なんでぇ、ただのヘタレ野郎じゃねぇか。瑠璃も可哀想になぁ」

ユート「ヘタレだと!?今ヘタレと言ったな、お前などリンにそういう対象にすら見られてないんじゃないのか?」

ユーゴ「んな…!」

ユート「ふ…図星か」

ユーゴ「ま、まぁ俺とリンはただの幼馴染だからな、お前らみたいに兄貴に隠れながらイチャイチャしてるヘタレカップルみてぇな関係じゃねぇし…」


ユート「そうだろうな。お前がいくらその気だろうと、彼女はお前をそういう対象とは見ていないのだから」

ユーゴ「俺が一番気にしてることを…一度ならず二度も言いやがったな!そこに直りやがれこのナス頭!こうなったらデュエルでケリつけてやるぜ!」

ユート「上等だ。ハートランドでの決着をつけてやる」

遊矢「やっぱり、なんとも言えない光景だな」

権現坂「いや、そもそもの原因はお前なんだが」

遊矢「やっぱり何かユートの癇に障るような事を言ったか?」

権現坂「…お前、本当にわざとじゃないんだな?」

遊矢「何が?」

権現坂「もういい…俺の負けだ…」

遊矢「?」

はよデュエルしろや

デュエルパートもいいが、こういうのもよいではないか

「確かに、私自身も驚いているよ」

「二年前の次元戦争…勘違いとはいえ、ユートとユーゴは命の取り合いとも言えるデュエルを繰り広げてきたわけだ。彼ら自身、こんなやり取りをするなど想像もしていなかっただろうな」

ユート「?」

ユーゴ「なんだ?」

柚子「今の声って…」

セレナ「まさか…!」

零児「もし君が舞網チャンピオンシップの勝者として残らなければ、君が赤馬零王に、ユーリに、ズァークに敗れていれば、一体どうなっていたのだろう。彼女達はどうなっていただろう。想像するだけで恐ろしい話だ」

タツヤ「あっ」

アユ「あの人っ」

素良「ふ~ん、今日は懐かしい奴によく会う日だね…」

遊勝「零児君か、君も随分久しぶりだな」

零児「ご無沙汰しています、榊さん。しかしこれは、とんだ場違いを」

遊矢「レオ・コーポレーションの御曹司が何の用だ?打ち上げなら歓迎してもらえると思うぞ」

零児「あいにくだが、今はもう社長の身ではないのでね。場違いなのは十分承知しているが、今日は一人のデュエリストとしてここにきた」

遊矢「デュエリストとして?」

零児「わざわざ話すまでもないだろう?決着をつけようじゃないか」

遊矢「だな」

遊勝「…修造、デュエルフィールドの用意を頼む」

塾長「え?あ、はい!」

遊勝「やれやれ…人気者だな、我が息子は」


数分後

零児「そろそろ頃合いだと思っていた」

遊矢「こうしてあんたと戦うのは舞網チャンピオンシップ以来だったな」

零児「待ち望んでいたよ、ずっと。赤馬零王を、ズァークをも乗り越えた君を私自身が打ち破るこの時を」

遊矢「よく言うな、以前に戦った時、あんただってまだまだ本気じゃなかっただろうに」

零児「確かに油断していた。だが、あの時も言ったはずだ。全力で挑んだとしても、まず私に勝ちはなかったと。良くて引き分けくらいにはなったかもしれんがな」

遊矢「まあ、そういう事にしておこうかな」

零児「二年前の次元戦争、私は君を赤馬零王が率いる恐るべき兵器としてしか見ていなかった。榊遊矢を我々側に連れ込む事さえ出来れば、アカデミアの戦力はかなり落ちるはずだとな…あの時、君は私にとって"駒"同然だった」

零児「その考えは間違ってはいなかったよ。私だけではない、シンクロ、エクシーズ、さらに融合…次々と現れる強敵に君は勝った。勝ち続けた」

零児「だが、私はどうだ?結果、実力不足で赤馬零王の野望を打ち破る事は出来ず、ユーリにズァーク、全てを君に背負わせてしまった」

遊矢「いいんじゃないか?あんたにとって俺は駒なんだろう?」

零児「…あの男を、赤馬零王を倒すべきは私のはずだった。皆の期待を背負い、勝ち続けた君に比べ、私は何も出来なかった。知らぬ間に私は君に嫉妬してのだ」

零児「忘れたとは言わせんよ、今の私にあるのは、君に勝ちたいという渇望」

零児「全てが終わった時、私は君と共に歩もう。競い合うことで、自分も相手も成長させる相手として。次に戦う時は、ライバルだと!」

遊矢「ああ…忘れていないさ」

ユーゴ「おいおい、なんかとんでもない事になってるぜ」

ユート「まさか、初日から遊矢と赤馬零児のデュエルを観戦する事になるとはな」

セレナ「だが、あの目…零児は本気で遊矢を潰す気でいる」

リン「赤馬零児…私なんかは会話したこともないくらいだけど、随分イメージと違うわね」

タツヤ「いや、僕もあんな赤馬零児は初めて見るよ」

アユ「あの人、いつもクールっていうか余裕を崩さないというか」

フトシ「でも今日の赤馬零児、痺れるくらい怖え…」

権現坂「殺気だ…」

瑠璃「え?」

柚子「殺気って、どういうこと?」

素良「わかんない?榊遊矢と出会う以前にも、零児はプロフェッサーに対抗するべく三つの召喚方を従えていた。そんな自分を差し置いてプロフェッサーを倒したのはその一番弟子。そりゃあ彼もショックでしょ」

素良「挙げ句の果てには、駒程度だと思ってた奴が次元戦争を終わらせたんだ。ま、プライドってやつだよ」

ユート「天才故のプライドか…」

権現坂「だが、そのプライドが天才と呼ばれ続けた零児をさらなる高みに運んだのも事実。でなければ…」

遊勝「そうだ…零児君は遊矢を自身と同等、それ以上の実力を持つ相手、互いが互いを高め合う相手だと認めたんだ」

遊勝(もしかしたら、これも一種のエンタメかもしれない。遊矢、零児君。私自身もエンターテイナーとして一段上に行くために、見届けさせてもらうよ。君達のデュエル)

零児「いくぞ、榊遊矢!」

遊矢「来い、赤馬零児!」

遊矢「デュエル!」
零児「デュエル!」

遊矢LP4000

零児LP4000

零児「先行は私だ!永続魔法、《地獄門の契約書》を発動!」

零児「この効果で私は、自分のスタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを受けると引き換えに、1ターンに1度、デッキからDDモンスター1体を手札に加える!」

零児「私は手札に加えた《DDスワラル・スライム》の効果発動! 」

零児「このカードを含む素材モンスターを手札から墓地へ送り、 融合召喚する!」

零児「私はスワラル・スライムと《DDバフォメット》を墓地に送り、融合!」

零児「自在に形を変える神秘の渦よ。異形の神を包み込み、今ひとつとなりて新たな王を生み出さん!」

零児「融合召喚!」

零児「生誕せよ、《DDD烈火王テムジン》!ATK2000」

零児「私はさらに、チューナーモンスター、《DDナイト・ハウリング》を召喚!ATK300」

リン「チューナーモンスター…!?」

零児「このカードが召喚に成功した時、墓地のDDモンスター1体を特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になる」

零児「蘇れ!《DDバフォメット》!ATK0」

零児「私はレベル4のDDバフォメットに、レベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング!」

零児「闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!」

零児「シンクロ召喚!」

零児「生誕せよ、レベル7!《DDD疾風王アレクサンダー》!ATK2500」

ユーゴ「融合に続き、シンクロモンスターまでも召喚しやがった!」

柚子「これってあの時と…!」

零児「この瞬間、烈火王テムジンの効果発動!」

零児「このカード以外のDDモンスターが特殊召喚された時、墓地のDDモンスター1体を特殊召喚する!」

零児「蘇れ、《DDスワラル・スライム》!ATK200」

零児「さらにアレクサンダーは、DDモンスターが召喚・特殊召喚された時、墓地にあるレベル4以下のDDモンスターを特殊召喚する!」

零児「再び舞い戻れ、《DDバフォメット》ATK1400」

零児「DDバフォメットは1ターンに1度、このカード以外のDDモンスターのレベルを1から8まで宣言。選択したモンスターはターン終了時まで宣言したレベルになる。私はレベル4を指定!」

瑠璃「融合、シンクロ…まさか…!」

零児「私はレベル4のDDスワラル・スライムとDDバフォメットでオーバーレイ!」

零児「この世の全てを統べるため、今世界の頂に降臨せよ!」

零児「エクシーズ召喚!」

零児「生誕せよ、ランク4!《DDD怒濤王シーザー》!ATK2400」

零児「私はカードを二枚伏せて、ターンエンド」

ユーゴ「なんて野郎だ…」

リン「先行から、融合、シンクロ、それにエクシーズ召喚まで…」

権現坂「しかし、この流れは…」

遊矢「赤馬零児ともあろう者が、心理作戦のつもりか?」

瑠璃「え?」

遊矢「舞網チャンピオンシップで戦った時と全くと言っていい程同じ1ターン目…もしそれが全力だというのなら、せっかくの二年間をドブに捨てたようなもんだな」

零児「忠告感謝する、だが君を満足させるサプライズはちゃんと用意してあるさ。案ずとも君は自分の進化したデュエルを見せたまえ。私とて二年間もの間待ち続けた相手が目の前に居るんだ、そう簡単には終わらせはしない」

遊矢「あんたを本気にさせるくらい俺が頑張んなきゃって事か。俺のターン!」

遊矢「俺はスケール2の《降竜の魔術師》とスケール8の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!現れろ!」

遊矢「チューナーモンスター、《調弦の魔術師》!ATK0 さらに、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》ATK2500」

遊矢「調弦の魔術師が手札からのペンデュラム召喚に成功した時、デッキから魔術師ペンデュラムモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる!」

遊矢「俺が呼ぶのは、《黒牙の魔術師》!ATK1700」

柚子「三体のモンスター…」

零児「しかし、ここまでは私も知るところ。先程は私に散々な言い方をしてくれたんだ、さぞかし素晴らしい戦術を披露してくれるのだろう?」

遊矢「…ああ、見せてやるさ。俺はレベル4の黒牙の魔術師に、レベル4の調弦の魔術師をチューニング!」

ユーゴ「っ!?」

リン「…?ユーゴ?」

ユーゴ(なんだ、身体が熱い…!?)

遊矢「光の翼持つ眷属よ。その鋭利なる両翼で敵を討て!」

遊矢「シンクロ召喚!」

遊矢「現れろ、《覇王眷竜クリアウィング》!ATK2500」

ユート「な…!」

セレナ「なんだと!?」

瑠璃「覇王眷竜って…まさか…!」

柚子「遊矢とのデュエルで、ズァークが出した…」

零児「ほぅ…」

遊矢「覇王眷竜クリアウィングの効果!シンクロ召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する!」

零児「くっ…!」

柚子「融合、シンクロ、エクシーズモンスターを一瞬で…!」

零児「怒濤王シーザーが墓地へ送られた時、デッキから契約書一枚を手札に加える!」

セレナ「しかし、覇王眷竜クリアウィングとオッドアイズの攻撃値の合計は5000。このバトルが決まれば…」

遊勝「さぁ、どうかな?」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

遊矢「螺旋のストライクバースト!!」

零児「ぐううぅぅぅ!」LP1500

ユーゴ「まともに受けやがった!」

柚子「そんな…それじゃあ…」

遊矢「覇王眷竜クリアウィングで、ダイレクトアタック!」

権現坂「まさか、零児が…!」

零児「永続罠、《戦乙女の契約書》発動!」

零児「スタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを受けると引き換えに、手札のDDまたは契約書一枚を墓地へ送り、 フィールドのカード一枚を破壊する!」

零児「私は《魔神王の契約書》を墓地に送り、覇王眷竜クリアウィングを破壊!」

ユート「そういう事か…シーザーの効果で契約書をサーチしたのは戦乙女の契約書のコストを確保する為のもの。やられたな」

瑠璃「でも、これじゃあ…」

リン「赤馬零児の場には契約書が二枚…」

タツヤ「その契約金は一枚につき1000…赤馬零児のライフは1500だ」

アユ「ってことか、遊矢さんの勝ち?」

フトシ「なんでぇ、負けを1ターン伸ばしただけじゃん」

遊矢「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

遊矢「次のターン、あんたには自らが行った契約書で破産する事になる訳だけど」

零児「ああ…無論、最初からそんなローンなど払う気などない」

零児「罠発動!《契約洗浄(リース・ロンダリング)》!」

零児「私は魔法・罠ゾーンの契約書を全て破壊し、破壊した数だけデッキからカードをドロー。その数×1000ポイントのライフを回復する」

零児「私が引いたカードは二枚。よって2000ポイントのライフを取り戻す」LP3500

ユーゴ「契約書のダメージを踏み倒しただけじゃ終わらず、ライフと手札まで戻しやがった…」

遊矢「相変わらず融資を借りるだけ借りて、契約金は払わない。あんた、社長より詐欺師の才能の方があるかもな」

零児「褒め言葉として受け取っておこう」

零児「私のターン!」

零児「私は墓地の《DDスワラル・スライム》の効果発動!」

零児「このカードを除外し、手札のDDモンスターを特殊召喚する!」

零児「現れ出でよ、全ての王をも統べる超越神!《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》!ATK3000」

零児「さらに魔法カード、《DDDフュージョン》を発動!」

零児「手札・フィールドからDDDによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、 融合モンスター1体を融合召喚する。その際にヘル・アーマゲドンを素材とする場合、DDDフュージョンを素材モンスター1体の代わりにできる!」

遊矢「何?」

零児「融合召喚!」

零児「生誕せよ、《DDD超死偉王パープリッシュ・ヘル・アーマゲドン》!ATK3500」

柚子「ヘル・アーマゲドンが進化した!?」

ユート「攻撃力3500…」

零児「パープリッシュ・ヘル・アーマゲドンのモンスター効果発動!」

零児「1ターンに1度、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を破壊し、元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」

零児「私が破壊するのは、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

遊矢「ちっ…!」LP2750

ユーゴ「やべぇっ」

リン「遊矢のライフは2750…攻撃力3500のダイレクトアタックを受けたら」

遊矢「オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴンのペンデュラム効果!」

遊矢「自分フィールドのオッドアイズが戦闘・効果で破壊された時、手札・デッキ・墓地からオッドアイズモンスター1体を特殊召喚できる!」

遊矢「俺はデッキから、二体目の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚!DEF2000」

零児「モンスターの全滅は免れたか。ここでアークペンデュラム・ドラゴンを倒したところで、どの道ペンデュラム召喚で呼び出されるだけだな」

零児「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

遊矢「融合ペンデュラムモンスター…それがあんたの進化って訳か?」

零児「さぁな。元より舞網チャンピオンシップで君の《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》を見た時から、三つの召喚方とペンデュラムモンスターを統合させるという発想は出来上がってはいた。二年前は結局、赤馬零王に出し抜かれてしまったがな」

遊矢「つまり、シンクロとエクシーズも…」

零児「君の方こそ、まさか覇王眷竜…ズァークの力を我が物にしているとはな。あれほど苦しみ続けられた相手だ、恨みも根深いのかと思っていたが」

遊矢「カードはカードさ、それ以上でも以下でもない。覇王眷竜も覇王黒竜もそれを使う俺達二人が、そいつらを黒く染めたんだ。カードにとっては気の毒な話だけどな」

柚子「俺達…」

零児「ならば一度は闇に堕ちた者の力、この私に見せるがいい」

遊矢「…俺のターン!」

遊矢「今一度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!」

遊矢「甦れ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》ATK2500」

遊矢「そして再び、手札のチューナーモンスター、《調弦の魔術師》!ATK0」

遊矢「調弦の魔術師の効果により、デッキから魔術師ペンデュラムモンスター1体のモンスター効果を無効にして守備表示で特殊召喚!」

遊矢「来い、《紫毒の魔術師》!DEF2100」

アユ「二体目の調弦の魔術師って事は、またシンクロを?」

権現坂「だが、あの二体のモンスターは同じレベル4…」

遊矢「俺はレベル4の紫毒の魔術師と調弦の魔術師でオーバーレイ!」

ユート「っ!?」ドクン!

遊矢「漆黒の闇に住まう反逆の牙よ、その力で我が敵を滅ぼせ!」

遊矢「エクシーズ召喚!」

遊矢「現れろ、ランク4!《覇王眷竜ダークリベリオン》!ATK2500」

瑠璃「ダーク・リベリオン…!」

遊矢「いくぞ!覇王眷竜ダーク・リベリオンで、パープリッシュ・ヘル・アーマゲドンを攻撃!」

フトシ「攻撃力が低いのになんで!?」

遊矢「覇王眷竜ダーク・リベリオンの効果発動!」

遊矢「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、ターン終了時まで、相手モンスターの攻撃力を0にし、 その元々の攻撃力分このカードの攻撃力をアップする!ATK6000」

タツヤ「攻撃力6000!?」

ユート(凄まじい効果だ。俺の《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の性能を遥かに上回っている…これが、ズァークの力)

零児「パープリッシュ・ヘル・アーマゲドンのさらなる効果!相手モンスターの攻撃力をダメージステップ終了時まで元々の数値に戻す!」

遊矢「何?」

零児「よって、覇王眷竜ダーク・リベリオンの攻撃力は2500止まり!」

アユ「攻撃力が戻されちゃった!」

セレナ「だが、パープリッシュ・ヘル・アーマゲドンの攻撃力は0のまま。結果は変わらない」

遊矢「そのままいけ、ダーク・リベリオン!」

零児「ぐうぅぅぅっ!」LP1000

柚子「これで、赤馬零児の場にモンスターはいない…」

リン「次の攻撃が決まれば…」

零児「モンスターゾーンのパープリッシュ・ヘル・アーマゲドンが破壊された事により、このカードをペンデュラムゾーンに移行する」

遊矢「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

零児「罠発動!《ペンデュラム・リボーン》!」

零児「この効果により、エクストラデッキか墓地のペンデュラムモンスター1体を特殊召喚する!」

零児「蘇れ、《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》!ATK3000」

塾長「また蘇った…」

権現坂「二体のオッドアイズではヘル・アーマゲドンの攻撃力には届かない。仕留め損なったか」

遊矢「俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとアークペンデュラム・ドラゴンをオーバーレイ!」

遊矢「現れろ、ランク7!《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》!ATK2800」

遊矢「ターンエンド」


零児「私のターン!」

零児「私は魔法カード、《一時休戦》を発動!」

零児「互いのプレイヤーはデッキからカードを一枚ドロー。同時に、次の相手のターン終了時まで、我々が受ける全てのダメージは0になる!」

零児「魔法カード、《DDDシンクロ》!」

零児「DDDモンスターをシンクロ召喚する際にヘル・アーマゲドンを素材とする時、このカードをレベル2のDDチューナーモンスターとして扱える!」

零児「私はレベル8のヘル・アーマゲドンに、レベル2のDDDシンクロをチューニング!」

零児「シンクロ召喚!」

零児「生誕せよ、《DDD超死偉王ホワイテスト・ヘル・アーマゲドン》!ATK3500」

リン「今度はシンクロ!?」

零児「ホワイテスト・ヘル・アーマゲドンがモンスターゾーンに存在する限り、私のフィールドのモンスターを君は効果の対象にできない。さらに、このカード以外のモンスターが召喚・特殊召喚された時、君は自身のフィールドのペンデュラムモンスター1体を選び、そのモンスター以外の効果は無効となる」

ユート「しかし遊矢には、相手モンスターのバトルを無効にするオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンがいる。その攻撃は届かない。それに、覇王眷竜ダーク・リベリオンの上昇効果は対象にも取らない」

零児「私はターンエンド」

瑠璃「赤馬零児も遊矢も、どっちもすごい…」

権現坂「だがせっかくのシンクロ召喚も、攻撃が通らなければ意味はない」

ユーゴ「ああ、零児の方は遊矢のターンを凌ぐだけで精一杯って感じだな」

セレナ「このまま押し切れるか、遊矢…」

遊矢「俺のターン!」

遊矢「バトルだ!覇王眷竜ダーク・リベリオンで、ホワイテスト・ヘル・アーマゲドンを攻撃!」

遊矢「そのモンスター効果により、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手モンスターの攻撃力を0にし、 その元々の攻撃力分ダーク・リベリオンの攻撃力をアップする!ATK6000」

零児「破壊はされるが、私にダメージはない」

遊矢「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド。ダーク・リベリオンの攻撃力は元に戻り、一時休戦の効果も終了する」

零児「私のターン、ドロー!」

零児「私は魔法カード、《強欲で貪欲な壺》を発動!」

零児「デッキから10枚のカードを裏側表示で除外。これにより、カードを二枚ドローする!」

零児「手札から魔法カード、《DDDエクシーズ》発動!」

零児「エクストラデッキ・墓地のDDDペンデュラムモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、エクシーズ召喚する。その際にヘル・アーマゲドンを素材とする場合、その数を一体分少なくできる」

零児「私はレベル8のヘル・アーマゲドンとDDDエクシーズをオーバーレイ!」

零児「エクシーズ召喚!」

零児「出現せよ、ランク8!《DDD超死偉王ダークネス・ヘル・アーマゲドン》!ATK3500」

遊矢「ダークネス・ヘル・アーマゲドン…」

柚子「これが赤馬零児の最後の切り札…」

零児「ダークネス・ヘル・アーマゲドンの効果発動!」

零児「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、自分フィールドのペンデュラムモンスターの数だけ相手モンスターを破壊する!覇王眷竜ダーク・リベリオンを破壊!」

遊矢「くっ…」

零児「私はカードを一枚伏せ、ターンエンド」

リン「これで終わり?それに、オーバーレイ・ユニットがないダーク・リベリオンを破壊した?」

権現坂「まだ遊矢にはバトルを無効にするオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンがある。いかに零児といえど、うかつには動けぬか」

ユート「仮にアブソリュート・ドラゴンを破壊しても、それはアークペンデュラム・ドラゴンのペンデュラム効果のトリガーとなる。その上、エクシーズ召喚したアブソリュート・ドラゴンが墓地に行けば、エクストラデッキからさらなるオッドアイズモンスターが特殊召喚されるからな」

ユーゴ「ちっ…相変わらず、姑息な野郎だぜ」

遊矢「俺のターン!」

遊矢「そっちが来ないのなら、こっちから行くぞ。永続罠、《ペンデュラム・スイッチ》!」

遊矢「自分のペンデュラムゾーンのカード一体を特殊召喚する!」

遊矢「甦れ、《降竜の魔術師》!ATK2400」

遊矢「俺は手札から、スケール3の《相克の魔術師》とセッティング済みのスケール8の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》でペンデュラムスケールをセッティング!」

セレナ「相克の魔術師!」

ユート「来るか…!」

遊矢「相克の魔術師のペンデュラム効果!選択したエクシーズモンスターと同じ数値のレベルをそのモンスター与える!」

遊矢「俺はランク7のオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンのレベルを7にする!」

遊矢「さらに降竜の魔術師は1ターンに1度、自身の種族をドラゴン族に変更する!」

瑠璃「レベル7のドラゴンが二体!」

零児「…そうこなくてはな」

遊矢「俺はレベル7のオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンと降竜の魔術師をオーバーレイ!」

遊矢「二色の眼の竜よ!深き闇より蘇り、怒りの炎で地上の全てを焼き払え!!」

遊矢「エクシーズ召喚!!」

遊矢「いでよ、ランク7!災い呼ぶ烈火の竜!《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!ATK3000」

権現坂「ついに、現れたか!」

セレナ「オッドアイズ・レイジング・ドラゴン…遊矢の怒りが、復讐心が生み出した悪魔の竜であると同時に、最強の切り札」

遊矢「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果!」

遊矢「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのカード全てを破壊し、 カード一枚につき攻撃力を200ポイントアップする!」

柚子「この効果が決まれば…!」

零児「なるほど、確かに大したモンスターだ。だが――」

零児「私の力は!絶対に勝つという渇望は!君の怒り、復讐心をも無に帰す!!」

零児「罠発動!《蟲惑の落とし穴》!」

零児「このターンに特殊召喚された相手モンスターが効果を発動した時、その効果を無効にし破壊する!」

遊矢「な!?」

リン「嘘でしょ!?」

権現坂「遊矢の最強のモンスターが、こうもあっさりと!」

その程度で驚くとかこいつ等本当にデュエリストなの?

零児「どうした遊矢、君の言う最強のモンスターとはこの程度か?」

遊矢「言ってくれるな…オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴンのペンデュラム効果により、オッドアイズが戦闘・効果で破壊された時、手札・デッキ・墓地からオッドアイズモンスター1体を特殊召喚!」

遊矢「甦れ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!ATK2500」

遊矢「さらに、セッティング済みのスケールで、ペンデュラム召喚!」

遊矢「エクストラデッキから、《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!ATK3000」

権現坂「覇王烈竜が蘇ったか」

瑠璃「でも、もうオーバーレイ・ユニットはないわ。それに、ダークネス・ヘル・アーマゲドンの攻撃力は3500」

遊矢「俺はフィールドの闇属性ペンデュラムモンスター、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとレイジング・ドラゴンをリリースし、融合召喚!」

零児「!?」

遊矢「飢えた牙持つ毒龍よ、その新たな姿を解き放ち、さらなる脅威を持って生まれ変われ!」

遊矢「融合召喚!」

遊矢「現れろ、《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》!ATK2800」

遊矢「スターヴ・ヴェノムの効果発動!」

遊矢「互いのフィールド・墓地のモンスター1体を対象とし、そのモンスターと同じ、 カード名・効果を得る。俺が選ぶのは、《覇王眷竜クリアウィング》!」

遊矢「この時、自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、 その守備力を攻撃力が超えた分だけ貫通ダメージを与える」

遊矢「バトルだ!覇王眷竜スターヴ・ヴェノムで、ダークネス・ヘル・アーマゲドンを攻撃!同時に、コピーした覇王眷竜クリアウィングの効果発動!」

遊矢「バトルする際、相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

フトシ「ってことは、3500のダメージ!?」

アユ「これで遊矢さんの勝ち!」

零児「ダークネス・ヘル・アーマゲドンの効果!自分フィールドのペンデュラムモンスターは効果では破壊されない!」

遊矢「何?」

リン「効果じゃ破壊されないって、それじゃあ!」

零児「遊矢、すでにスターヴ・ヴェノムのバトルを取りやめには出来ん。返り討ちにしろ、ダークネス・ヘル・アーマゲドン!」

遊矢「ぐううぅぅ!」LP2050

塾長「あー!せっかく召喚した融合モンスターが!」

ユート「まずいぞ、遊矢の場にモンスターはいない。ペンデュラム召喚も行なっている」

遊矢「………」

柚子「遊矢…」

遊矢「俺はこれでターンエンド」

ユーゴ「マジかよ!」

瑠璃「そんな…」

セレナ「いや、遊矢にはまだ」

零児「私のターン!」

零児「バトルだ!ダークネス・ヘル・アーマゲドンで、ダイレクトアタック!」

遊矢「永続罠、ペンデュラム・スイッチの効果により、ペンデュラムゾーンのカード一体を特殊召喚する!」

遊矢「甦れ、《相克の魔術師》!DEF500」

零児「そんな手段で攻撃は止められん。そのまま相克の魔術師を攻撃!」

遊矢「ぐっ…!」

遊矢(仕方ない…!)

遊矢「自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合、手札のこのカードを特殊召喚する!」

遊矢「現れろ、《アストログラフ・マジシャン》!ATK2500」

ユート「アストログラフ……マジシャン……?」

ユーゴ「っ!?」ドクン!

遊矢「…その時、破壊されたモンスター1体と同名モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる」

柚子「遊矢?」

セレナ(なんだ、様子がおかしい?一体何が…)

零児「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

遊矢「…俺のターン!」

遊矢「俺は再び、スケール3の《相克の魔術師》とセッティング済みのスケール8の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》でペンデュラムスケールをセッティング!」

遊矢「これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!」

遊矢「ペンデュラム召喚!現れろ!」

遊矢「エクストラデッキから、《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!ATK3000《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!ATK2500」

遊矢「さらに手札から、《白翼の魔術師》!ATK1600」

権現坂「おぉっ、三体同時召喚!」

柚子「これなら…!」

零児「遊矢よ、残念ながら勝負はついたようだな」

遊矢「なんだと?」

零児「見るがいい!カウンター罠発動!《神の宣告》!」

遊矢「な…!?」

リン「神の……宣告……!?」

零児「モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される際、それを無効にし、破壊する!」LP500

遊矢「くっ…!」

権現坂「バカな!」

素良「召喚を無効ってことは…!」

遊勝「ペンデュラムモンスターは破壊された時、墓地ではなくエクストラデッキに戻るが、それはフィールドで破壊されればの話。召喚そのものを無効にする神の宣告では…」

遊矢「…オッドアイズ・レイジング・ドラゴンや覇王眷竜だけならまだしも、ペンデュラム召喚までも避けられるとはな。流石にショックだ」

零児「ほぅ…君ともあろう者が弱音を吐くとは。まさか、負けを認める気になったか?もしそうなら、私は君を買い被っていたという事になるが」

遊矢「………」ググツ

ユーゴ「ったく…おい、遊矢!」

遊矢「?」

ユーゴ「…さっきぶつけちまったからな、Dホイールの修理代で手を打ってやってもいいぜ」

ユート「余計な心配をするな…お前の思う通りにしろ」

遊矢「…ユート、ユーゴ」

遊矢「ああ、悪いな」

遊矢(…ついでに、お前もな)

ユーリ(ありゃりゃ、僕はついで扱いですか。まあ今君に負けられちゃ色々と困るし、今回は協力してあげてもいいかな。どうせ、その身体も力も僕の物になるんだし)

零児「得意のペンデュラム召喚なき今、この状況で君に何が出来る?」

遊矢「答える前に、一つ言わせてくれ。決してあんたを見くびってた訳じゃないんだ」

遊矢「確かに覇王眷竜に負担はなかった。それは所詮、奴にとって眷属に過ぎない。本物は訳が違う。だからこそ、ゆっくりと慣れていくつもりだったんだけどな、気が変わった」

遊矢「俺はあんたに勝つ。勝って、最強を守り抜く!」

柚子「一体何の話を…」

遊矢「速攻魔法、《異次元からの埋葬》を発動!」

遊矢「調弦の魔術師の効果によって除外された《黒牙の魔術師》を墓地に戻す!」

リン「魔術師を墓地に戻す…?」

権現坂「何をするつもりだ?」

遊矢「アストログラフ・マジシャンの効果!」

遊矢「自身を除外し、手札・フィールド・墓地から、 ペンデュラム・エクシーズ・シンクロ・フュージョン。四天の龍を除外して発動する!」

零児「な!?」

柚子「四天の龍って、まさか!」

零児「バカなっ、ユートとユーゴが復活した今、ダーク・リベリオンとクリアウィングは君の手にない。覇王眷竜にその名は――」


遊矢「墓地の《黒牙の魔術師》は、ルール上『エクシーズ・ドラゴン』として扱う」

零児「っ!?」

遊矢「同じように、墓地にある《紫毒の魔術師》は『フュージョン・ドラゴン』に、《白翼の魔術師》は『シンクロ・ドラゴン』となる!」

遊矢「さらに俺の墓地には、あんたが使った神の宣告によって墓地に送られた《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》がいる!」

零児「くっ…!!」

瑠璃「ってことは…!」

リン「あの悪魔を、今度は遊矢が…!!」

遊矢「四天の龍を統べ、第5の次元に君臨する究極龍よ!!今こそ蘇り、この世界に破滅をもたらせ!!」

遊矢「融合召喚!!」

遊矢「出でよ、《覇王龍ズァーク》!!ATK4000」

素良「これが…!!」

柚子「覇王龍…!」

セレナ「ズァーク…!!」

遊勝(…やはり、一種のエンタメかもしれないな)

遊矢「俺は、覇王龍ズァークの効果発動!」

遊矢「特殊召喚に成功した時、相手フィールドのカードを全て破壊する!!」

零児「ダークネス・ヘル・アーマゲドンの効果により、自分フィールドのペンデュラムモンスターはカード効果では破壊されない!」

アユ「凌がれた!」

フトシ「でも、赤馬零児のライフは500。伏せカードもないし、攻撃力4000の覇王龍の攻撃で終わりだぜ?」

セレナ「…最強とは、もっとも強く、誇り高く、全ての頂点に立つ存在。それには、全力を出す相手を叩き潰してこそ成り立つものだ」

タツヤ「え?」

権現坂「…デュエルは互いが倒れるまで死力を尽くす。それが例え勝てぬと決まっていようと、自身のライフが尽きるまでデュエリストは対戦相手と向き合う義務がある。それが零児の答えだ」

柚子「対戦相手と向き合う義務…」

零児「……榊、遊矢……」

遊矢「バトルだ!覇王龍ズァークで、ダークネス・ヘル・アーマゲドンを攻撃!!」

零児「ふ…」LP0

零児(全く、理解を超えた男よ…)

…え?もう終わり?


数分後

遊矢「………」

零児「………」背を向ける

遊矢「零児…」

零児「遊矢、今回は私の負けだ。だが忘れるな」

零児「私はこれからさらに腕を磨き、君に挑戦し続ける。君と私の戦いに終わりなどない」

遊矢「あんたも、随分と変わったんだな」

零児「私だけではない。彼女たちも、黒咲や零羅、数えればキリがない程だ」

ユーゴ「おーい遊矢ー!さっさとDホイール直しに行くぞー!」

リン「もぅ…」

零児「呼んでいるようだな」

遊矢「ああ、またな」

零児「次こそは勝たせてもらうぞ」

遊矢「さあ、どうかな?」

零児「ふ…」

遊矢(ライバルか…こういうのもいいな)

終わり

終わりです。物足りない気もしますが、まあおまけレベルなので許してくれ…もう少し平和な日常編が書きたかったけど、眠気には勝てんので…
とりあえず前からフラグ立てた?零児戦と遊矢柚子シリーズの日常編が書けて良かったぜ。これにて本当の完結なので、今まで見てくれた人、マジでありがとう!

よく書ききったな
楽しませてもらった

久しぶりに最初から最後まで読みました。主人公が遊矢でヒロインがセレナだから二人の絡みが多くて個人的に満足、二人のタッグデュエルや暴走している遊矢を正気に戻す為にセレナ達が奮闘する展開が特に気に入ってます。零児やユート、ユーリの出番も多くて良いIFストーリーでした。
今更なんですがアカデミアでの過去編が見てみたいです。アカデミアでの学園生活、遊矢vsユーリのデュエル内容、シンクロ次元編で言ってた窮屈な館で遊矢とセレナがどんなふうに暮らしてたのかが気になってて…

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18003500
もヨロシク

>>73 俺も二人の過去の話は気になってる、少し前にpixivにこの「エンタメデュエル…」のssがあったな今は消えてるけど
>>1 また書いてくれないかなぁ

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