[注意]
脇キャラで親戚など出てきます/菜々さん→Pの扱いがぞんざい/基本P視点
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P「あ、もしもし、母さん? 何か用だった? 留守電めっちゃ入ってたけど…」
Pの母「あー、良かったー。あんた都合ついたら今すぐ帰って来なさい。あ、やっぱ都合悪くても帰って来なさい」
P「いや、都合悪かったら無理だろ。まあ、ちょうど担当アイドルの何人かは遅めの正月休み取って貰ってるし、行けんこともないかなあ、そういや何の用なんだっけ」
Pの母「それがねー、聞いてビックリ、あんたにお見合いの話が来てるのよー。ほんとビックリ」
P「そんな何度も言わんくていいから……と言うか、お見合い? 興味ないんだけどな…」
Pの母「それが、この前彼女居ないって姉さんの前で口滑らしちゃったの。そしたら、すっごく乗り気で色々当たってくれちゃって!」
P「うわあ……」
Pの母「顔を立てると思って、会うだけ会ってみなさい。別に断ってもいいんだから」
P「うーん、まあ会うだけなら」
Pの母「良かったー。あ、もう日取りも決まってるから、よろしくねー」プツン、ツーツーツー
P(えーと、菜々とみくはしばらく休みだし、他のアイドルもレッスン中心だしな。急ぎの仕事もないし、二、三件手配済ませたら大丈夫か。うーん、あんまり気乗りしねえなあ……)
ピロリン
母のメール『場所と時間送りますね。あ、後これも言っとかなきゃ、母さん孫の顔が早く見たいわあ~、よろしく! じゃ!』
P「気乗りしねえなあ……」
[お見合い当日 レストラン]
Pの伯母「第一印象が大事だから、気をつけなさいね。都内勤めのお嬢さんっていってたから。あと、Pさんは東京の商社に勤めてるって相手方には伝えてるから」
P「ちょ、俺、アイドルのプロデューサーって知ってるでしょ!?」
Pの伯母「だって、ちょっと胡散臭いじゃない? 悪い仕事じゃないけど、まあその辺は追々話していけばいいじゃない」
P「帰りたくなってきたぞ……あ」
楚々とした美人「お待たせしました。本日はよろしくお願い致しします」ペコ
P(うわー…めっちゃ美人だ。ちょっとうつ向いてて見辛いけど、アイドル並みだな…)
Pの伯母「ほら、お二人とも席について、あまり緊張せずにねー」
P「あ、じゃあ」
楚々とした美人「…はい。改めて今日はよろしくお願いしま…ああああああ!!!」
P(何でこっちを指さして…? )
P「あ、ええええっ!? 菜々!?」
Pの伯母「あら、知り合いでした? すっごい偶然、と言うか運命? あ、ちょっと電話が。失礼しますね…もしもしー」ハーイオセワニナッテマスー
P「何で菜々がお見合いの相手なんだ」(小声)
菜々「こっちのセリフですよ! Pさん、というか気づくの遅くないですかっ!?」(小声)
P「いや、いつもと全然イメージ違うし……」
P(いつも可愛い系の格好してるから、マジで気づかんかった……中身は変わらんけど)
菜々「……いい意味で受け取っておきますね。うん」
P「にしても世間は狭いなあ~。まあ、せっかくだし、うまい飯食べて、当たり障りなく終わらせようか。あー、何か一気に気が楽になったわ」
菜々「何ネクタイ緩めてるんですかっ! いくら知り合いでも、砕けすぎですよっ……あ」
P「うん? どうした」
菜々「こほん。プロデューサーさんはナナの担当ですよね?」
P「何だ、急に真面目な顔で? そうだけど…」
菜々「アイドルのプロデューサーは、担当アイドルの活躍の為に全力で協力するものですよね?」
P「おう。ぴったりの仕事や演出をいつも考えてるぞー」(何か嫌な予感が…)
菜々「あー、安心しましたー。じゃあ協力して、このお見合い成功させましょうね!」
P「は、いやちょっと待て! 何でそうなる!?」
菜々「ちょっとちょっと、声大きいですって……いや、ナナもプロデューサーさんと結婚したい訳じゃないですよ?」
P「何故か、告白もしてないのにフラレた」
菜々「ただ、お母さんもおばさんも、すっごく本気で……アイドル辞めて結婚しなさい、って物凄い圧力なんですよぉ……。ちょっと帰省したらあれよあれよという間に、お見合い会場に…」
P「周りだけやたら盛り上ってるなあ……このお見合い」
菜々「しかも、プロデューサーさんを皮切りに後5件……オフめいいっぱいお見合いマラソン、完全にナナを結婚させる気満々ですー」
P「うわキツ」
菜々「せっかく売れ始めたのに、ナナまだ普通の女の子に戻りだぐないでずよお~」
P「わ、分かった分かった。泣きつくな、鼻水付くから。ほれハンカチ」
菜々「ズズッ、あ、ちょっと落ち着きました」
P「今躊躇なく、鼻かんだな?」
菜々「なので、プロデューサーさんといい感じになったフリで、残りのお見合いをすっぽかしちゃおうっていう、完璧な計画ですっ。あ、ハンカチは洗って今度持ってきますね」
P「お、すまんな。にしても、完璧、かなあ…」
菜々「頃合いを見計らって、破局でちゃんちゃんって感じで! ちゃーんと、お互いの親族に信用されるように振る舞って、お似合いっぽく演技してくださいねっ」
P「ま、まあ俺も次のお見合いとか回避できるし都合良い、か?」
菜々「ですですっ、あ!」
Pの伯母「お待たせしました、ごめんなさいね。電話で案内してたから」
菜々の叔母「あー、良かったお待たせー。ちょっと迷って遅れましたー」
P・菜々(余計なの1人増えたあーー)
P(で、お見合いが始まった訳だが)
Pの伯母「Pの伯母です」
菜々の叔母「安部菜々の叔母ですー」
P「Pです。アイド…じゃなくて、〇〇をする会社で働いています」
P(まあ、アイドルの道に引きずり込んだ人間が相手ってのは、確かに心証悪いかもな…適当にぼかしとくか)
菜々「えーと、東京でOLとかをしてますー」
P(菜々……めっちゃ目が泳いでるぞ……)
Pの伯母「そう言えば、二人は知り合いなんですよね?」
P(あー、早速来たな。口裏合わせる時間なかったし、上手いこと誤魔化せればいいんだが……)
P「えーと、それはですねー……」
菜々「実は、私のプロ…」
P「あー! そういえば! 安部さんっ」
菜々「は、はいいっ!」
P「お久しぶりですっ。高校以来だから、すぐには分からなかったです! 」
P(菜々、頼むから目配せで…気づけよ~)
菜々「?」
菜々(プロデューサーさん、さっきから、目をシパシパしてますね、目にゴミでも入ったんでしょうか??)
P「ほら、高校、高校、クラス一緒だった(という設定にするんだ! 菜々!)」
菜々「?……………………………………あー、あー、あー! そういうことですね! オモイダシマシタヨ」
P「いやー、偶然ですねー」
菜々「偶然デスネー」
P(仕方ないとはいえ、新たな設定を生やしてしまった……ウサミン星人の気持ちになるですよー)
菜々の叔母「へー、そうだったんですかー、こっちまで通ってたんですねえ」
P(ヤバい、早くも突っ込まれそうだ。うーん、何を話せば…アイドル関係ない、当たり障りないネタは…)
P「安部さんは、好きな食べ物なんですか?」(思い付かん!)
菜々「えーと、オムライスとか……」
P「へー、お料理とかもされるんですか?」
菜々「はいっ! しますよー、得意料理は『びーふすとろがのふ』ですっ」
P(そこは見栄張らなくてもいいだろ……言えてないぞー)
菜々「Pさんは好きなお料理あるんですか? 作って欲しい料理とか」
P「えーと、月並みですけど、肉じゃが…ですかね」
菜々「へー、肉じゃがも得意ですよー。機会あったら作ってあげたいですっ」
P「おおっ、嬉しいですね。ぜひお願いします」
菜々「まあ、機会あれば、ですけどー」
P(若干素に戻るなよ!)
菜々の叔母「Pさん、菜々さん」
P・菜々「?」
Pの伯母「仲良く話せてるみたいだし、私達向こうに行くわ」
菜々の叔母「あとは若いお二人でー、きゃー! このセリフ言ってみたかったんですよー」
Pの伯母「私達のことは気にせず話してね」
P(と、言いつつすぐ近くのテーブルに陣取ろうとしてる訳ですが、これまだ続けるのか……)
P「はい。安部さんはとても話し易くて……」営業スマイル
菜々「Pさんもデスヨー」ぎこちない笑顔
P「………」
菜々「………」
P(いかん、間が持たん。アイドル関係は迂闊に出せんしなあ……にしても、こういう化粧して衣装揃えて、黙ってるとマジで雰囲気変わるな……次はこういう方向性もアリか……)
菜々「あのー、Pさん?」
P「あー、えーと」
P(取り敢えず設定補強しつつ誉めとくか)
P「久しぶりに、会いましたが美人ですね。同い年とは思えないです」
ゲシッ
P「痛っ!?」
P(ヒールで蹴ったな、割りと正直に言ったのに! 年齢の話したからか!?)
菜々「こほんっ。えーと、Pさんはお休みの日は何をされてるんですか?」
P「あー、それが仕事人間で……趣味らしいのは旅行くらいですかね」(スカウト兼下見だけどな)
P「安部さんは?」
菜々「えーと、休みの日はお友達と過ごす事が多いですかねー」
P「へー、いいですねえ、どんな事されるんですか?」
菜々「えっと………あー、待ち合わせしてフレンチのお店に行ってみたり……」
P(ちょっと意外だな)
菜々「とっても楽しいんですよ。そう、次の日がとってもツラくなるくらいに……」
菜々「あと何故か私が後始末する羽目になったりもしますけど」ゲンナリ
P(あ、これ居酒屋での宵乙女飲み会のことかあ……)
菜々「あとは友達を家に呼んでスイーツ食べながらお花やお菓子の話をしたり映画観たり……教えて貰うことも多くて大好きな時間なんです~」
P(こっちは虹色ドリーマーアニメ鑑賞会、と……)
P「……楽しそうでいいですね」
菜々「そうですね、今はお仕事もプライベートもすっごく充実してますっ!」
[お見合い終了]
P(ちょっと怪しいながらも、それなりに会話は出来たか……ボロも出てない、んじゃないかな)
Pの伯母「お話も盛り上がっていたみたいだし良かったわあ」
菜々の叔母「私達は色々とやることとか話すこととかあるから……」
菜々「あのー、もしかして次の……」
菜々の叔母「あー大丈夫よ。何かお似合いだし、運命の再会だし、もう結婚を前提にお付き合いしちゃいましょ」
P「いや、それは気が早……」
ガツッ
P「ハイソウデスネー」
Pの伯母「私もちょっと早いとは思ったけど、もう他のお見合いは無しにしたんですって」
菜々「!」ぐっ
P(ガッツポーズしてるし……)
菜々の叔母「菜々さんはタクシー、Pさんは電車かしら? エスコートお願いねPさん」
[レストラン外]
P「お疲れさん。いやー乗りきったわ」
菜々「お疲れさまでしたー。ほんとに」
P「ま、後はなるようになれだな、こっから乗るのか?」
菜々「すぐですし、駅まで歩いてタクシー拾います」
P「それでもいいか」
菜々「ちょっとですしねー」
P「あ、確定じゃないから休み明けに、って思ってたんだけど、1本仕事決まりそう」
菜々「ホントですかっ!」
P「おー、調整中だけど、4月からのアニメ情報番組」
菜々「わあっ、う、嬉しいですっ」
P(何かフツーに仕事の話をしてしまったなあ…まあ、こう言う色気ない話題の方が性にあってるか)
菜々「勉強しなきゃですねー、あーまた比奈ちゃん奈緒ちゃんとアニメ鑑賞会したいですねっ。今、奈緒ちゃんはライブと遠征の準備で忙しそうですけど」
P「正念場だからなー、大丈夫だろうけど、会うときには少し様子とか聞いてみてくれると……」
菜々「流石に、過保護じゃないですか? 担当アイドル信じましょうよー」
P「それもそうだなー、みんな頼りになるしオジサンちょっと寂しい」
菜々「そういう、こっちにもダメージくる発言はノウッ」
P「すまんすまん」
菜々「ふふっ、変かもしれないですけど、オフ明けるの楽しみです」
P「ちょっと、な」
菜々「ちょっと、ですねっ」
P「お、駅」
菜々「駅、着いちゃいましたねー」
P「…」
菜々「…」
P「……あー、また事務所で」頬ポリポリ
菜々「……っ、はいっ、また事務所でっ」ニコッ
P「ただいまー」
Pの母「おかえり、アンタ何やらかしたの」
P「? 何が?」
Pの母「姉さんからお見合い大成功のメールが来た後、すぐ、やっぱりナシって電話が」
P(相手方にそれぞれプロデューサーとアイドルだってバレたかな、早いなー)
Pの母「あーあ、あーあ、孫の顔見たかったなー」
P「まあ、この仕事してると無理かもなー」
Pの母「アイドルの子とかいい子いないの?」
P「それやったら嫁は貰えても、仕事の方なくなるから」
Pの母「惜しかったなー。うちの息子貰ってくれるいい人だったぽいのになー」
P「謝るからもう勘弁して……」
ピロリン
P(菜々の方からもメールか。ちょっと揉めたけど何とかなったみたいだな。あー、ホント疲れた……)
P「しばらく、お見合いは勘弁だなあ……」
[オフ開け事務所]
菜々「お仕事お疲れ様ですPさんっ」
P「おー、お疲れ。あれから特に問題なしか?」
菜々「はい、何とか。親とアイドルの話するいい切っ掛けにもなりましたし。あと、これ言ってた肉じゃがです」
P「おおおっ、すごい! 肉じゃがだ! ホントに作ってきてくれたのか」
菜々「冗談でも、作るって言いましたし……その、ですね」
P「おおっ、美味いっ! めっちゃ美味い感動だ!」
菜々「……安上がりでいいですねー。手抜き料理の代表格ですよー、肉じゃが」
P「ほっこりした顔で、男の夢を壊すなよ……うん、味はすげー好みだけど」
菜々「ごはん無いのでちょっと薄味で♪ こんな片手間で良ければ、また作ってきますよー。1人分も2人分も変わらないですし」
P「流石、プロダクションのオカン!」
菜々「前言撤回ですよっ、ぷんぷんっ」
P「スマン、つい反射で。まあ悪いし、気の向いた時にまたよろしくな。ごちそうさん」
菜々「お粗末さまですー。あ、給湯室で洗っちゃいますから、そのままくださいね」
P「いや、そのぐらいは流石にやるぞ」
菜々「じゃあ、お願いしちゃいますね。あ、一緒に行ってお茶でも淹れましょうかねえ」
ジャーー……(洗い物中)
菜々「何だかんだでお見合い騒動も一件落着。しばらくは悩まされずに済みそうです」
P「そうか、ちょっと大変なオフだったが、これで普段通りだな……」
菜々「何とかアイドルも続けられそうです……ふう」
P (でも、ちょっと惜しかったもなあ…)
菜々(でも、ちょっと惜しかったかもしれませんね…)
おわり
ありがとうございました。html化依頼出してきます!
乙
こういうのいいね
乙 面白かったです 3~4年後くらいには結婚してそう
おつおつ
>>13
あべなな氏じゅういっさいか
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