結城晴「オレの兄貴はプロデューサー」 (35)
初投稿です。
至らない点があると思いますが、寛大な気持ちでお付き合いください
※このSSはオリジナル設定を多用します
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517878301
1.
晴「プロデューサー! どういうことだよ!」
モバP(以下P)「どうした、晴」
晴「こないだの仕事の際に次の仕事はかっこいい系にするって約束したよな! なんなんだよこのフリフリした服は」
P「かっこいいだろ?」
晴「完全に可愛い服じゃねえか! オレこんなの着ないからな!」
P「でも晴、こないだ一緒にライブ見に行った時、一生懸命やってるアイドルたちはかっこいいって言ってたろ?」
晴「へ? あぁ……まぁ確かに言ったけど」
P「なら、どんな衣装を着てても晴の気持ちの持ちようでかっこよくなるだろ?」
晴「……そう、か?」
P「そうだぞ」
晴「そうか」
P「そうだ。なのに晴ときたら努力する前からギャーギャーギャーギャー……そんなんじゃかっこいいアイドルから程遠いぞ?」
晴「ん……そうだな、それはかっこ悪いな。頑張るよ」
P「ん、頑張れよ。ほら、レッスン行ってこい」
晴「わかった、行ってくるよ」
ガチャ パタン
晴 (あれ? 結局オレはあれを着ることになってるのか?)
晴「なぁプロデューサー!」ガチャ
P「いくらなんでも晴……チョロすぎ……」プルプル
晴「……」
P「お、晴。早くレッスン行けよ? 遅刻すると怒られるぞ?」
晴「こ……」ワナワナ
P「こ?」
晴「このクソ兄貴ーーーー!!」ドゲシッ
P「いっっっつ!!!」
晴「一生寝てろ!」
P「おまっ……脛蹴るとか……」
晴「うっせばーか!」ガチャバタン!
P「うう……レッスン頑張ってこいよ~!」
晴「わかってるよ!」
その夜、家にて
晴「……」プンプン
P「まーだヘソ曲げてんのか」
晴「……」プンスカ
P「あ~もう、しゃーないだろ? もう決まったことなんだし、覆らないんだから」
晴「そっちじゃねーよ……」
P「なにを怒ってるんだ? ほら、にいちゃんちゃんと聞くから、話してみろ」
晴「だって……約束……」
P「あー……はいはい。……わかった。にいちゃんが悪かったよ。ほら、そんなとこで拗ねてないで、こっちおいで」
晴「……」ムスー
トコトコ ポス (晴on膝)
P「はい、いらっしゃい」
晴「兄貴が次はかっこいい衣装着せてやるって言ったんだろ……約束破んなよ……」
P「悪かったよ。にいちゃんまだ経験浅いからあんまり仕事自由にできないんだ」ナデナデ
晴「できない約束すんなよ……」
P「ごめんな、晴。お詫びに好きなだけ撫でてやるから、許せ」ナデナデ
晴「許してやんねぇー」ウト
P「でもにいちゃん、晴にはあの衣装もきっとすごく似合うと思うぞ。そういう衣装を選んだつもりだ」ナデナデ
晴「当たり前だ……ばかあにき……」ウトウト
P「おやすみ、晴」ナデナデ
晴「すぅ……すぅ……」
P「…………」
P「晴は可愛いなぁ……」ナデナデ
※もし晴のお兄さんがプロデューサーやってたらSSです
2.
晴「……」ジー
アイドル「ねぇ、プロデューサー。今日仕事終わりに予定ある? もしよかったらうちの花屋に遊びに来ないかな」
P「んー、今日か。今日はちょっと忙しいんだ」
アイドル「ふーん? そうなんだ、なら仕方ないね」
P「ごめんな」
アイドル「また今度空いたら言ってね」
P「おう」
晴「……」
2時間後
晴「……」ジー
アイドル「Pさぁん、今日はもう用事ありませんよねぇ? よかったら……」
P「ごめんな、今日はちょっと忙しいんだ」
アイドル「……そうですかぁ、なら、仕方ありませんね……」ショボン
P「悪いな。……もう遅いし早く帰れよ」
アイドル「はぁい……」
晴「……」
ガチャ バタン
P「ん、オレもそろそろ帰るか」ノビ-
晴「……随分とモテるんだな」
P「晴、帰ってなかったのか?」
晴「どうでもいいだろ。……なんで断ったんだ?」
P「そりゃ、忙しかったからな」
晴「別にこの後用事なかったんだから、行ってやりゃあよかっただろ」
P「それはなぁ……アイドルとデートなんてすると週刊誌がうるさいしな」
晴「嘘だな」
P「……」
晴「……」
P「相変わらず、変なところだけ鋭いな」
晴「……」
P「……晴を、一人で帰すわけには行かないだろ? もうこんなに遅い時間なんだから」
晴「え……気づいてたのかよ」
P「そりゃあ、な」
晴「じゃあ、オレがいなかったら行ってたのか?」
P「……まぁ、断る理由はないかもな」
晴「……」
P「……」
晴「帰るか」
P「ああ」
テクテク
P「でも、断る理由がないと言っても、事務所のアイドルの大半は妹ぐらいの年齢だからな」
晴「?」
P「妹は、お前一人で十分だよ」ナデ
晴「……ばかあにき」
3.
晴「兄貴、この問題の答え教えてくれ!」
P「こら晴! 事務所ではプロデューサーと呼べ」
ちひろ「うふふ、今日も仲がいいですね」クスクス
P「あ、ちひろさん。おはようございます」
晴「おはよう、ちひろさん」
ちひろ「はい、おはようございます。何を話してたんですか?」
晴「プロデューサーに宿題の答え教えてもらおうと思ってさ」
P「別に教えてやってもいいが晴の為にならんからな。自分でやれ」
晴「ちぇー」
ちひろ「どんな問題ですか? 私がこっそり教えてあげますよ」
P「オレの目の前で言うことではないですがね」
晴「え? んー、いいや。やっぱ自分でやるよ」
ちひろ「そうですか。頑張ってね、晴ちゃん」
晴「ありがと! ちひろさん」
ガチャ バタン
P「なんだったんだ? あいつ」
ちひろ「ふふふ……可愛いですねぇ。プロデューサーさんに甘えに来てたんですよ」
P「いや、それはわかってるんですけど……」
ちひろ「そうですか?……じゃあ、何かおかしいことでも?」
P「いや、ここで宿題やっていけばいいのになぁって」
ちひろ「ああ、いやまぁこの部屋椅子少ないですし、休憩室でやったほうがやりやすいんじゃないですか?」
P「いや、オレの膝があるじゃないですか」
ちひろ「へ?」
P「なんでわざわざ出て行ったのかなぁって。オレの膝に座ってやればよかったのに」
ちひろ「え、でも……それはお仕事の邪魔では?」
P「晴が邪魔になるわけないじゃないですか」
ちひろ「……そうですか」
ちひろ (これはむしろ兄の方が危ないのでは……)
後日
P「なんでだったんだ?」
晴「ちひろさんの前でできるわけないだろ!」
P「でも家じゃいつもオレの膝でやってるじゃん」ナデナデ
晴「うるせー! 外でこんなことしないだろふつー!」
P「いや、普通は家でもしないと思うぞ」
晴「家はいいんだよ!」
P「母さん見てるけど」
晴「母さんも別にいいんだよ!」
P「流石に外はだめだが、事務所のあの部屋の中なら別にちひろさんもそんなに気にしないだろうし、いいんだぞ?」ナデナデ
晴「するわけねーだろ! ちょーしのってんなよ!」
P「おっ、そんなこというか。なら今日はもうやめておやすみだな」バッ
晴「あっ……」
P「……」
晴「……」シュン
P「……ほら、おいで」ナデナデ
晴「……!」
晴「…………ばかあにき」
4.
晴「やっ ていっ くそっ」スカッ スカッ
P「ほいっ ほいほいっと」ヒョイ ヒョイ
晴「だー! くそ、追いつけねぇ」
P「ははは、いくらサッカー選手になるのを諦めてプロデューサーになったといっても、まだまだ小学生には負けられないな」
晴「大人げねーぞ! 兄貴! 体の大きさが全然違うんだから、少しは手加減しろよ!」
P「他のことならいざ知らず、サッカーで手加減はできないな。っていうか、それしたら怒るだろお前」
晴「怒らねーって!」
P「じゃあ、ほれ」ヘロヘロ~
晴「手加減が露骨すぎんだよ! 下手くそか!」
P「じゃあ、ほれ」ヘロヘロ~
晴「手加減が露骨すぎんだよ! 下手くそか!」
P「どうしろってんだよ」
晴「手加減するならするでもっと上手くやれよ!」
P「んー、やってみる」
ガッ ガッ ガッ……
晴「やればできるじゃん! いまのいい感じに接戦になってたぜ!」ハァハァ
P「手加減てのは難しいな」フゥ
晴「……けど、なんかやっぱり手加減されると腹立つな」
P「だから言ったろ?」
晴「あーくそ、クラスの男子相手なら負けないんだけどな……」
P「まぁ流石にこれは体格と練習量の差だな。精進あるのみだ」
晴「だよなー」
P「でも、俺と同じ歳になる頃、晴がまだ同じようにサッカーしてるなら、きっとオレよりずっと強くなれるよ。保証する」
晴「……サンキュ」
P「さて、帰るか。そろそろご飯の時間だろ」
晴「……もすこし、ここに居ないか?」
P「なんでだ? 早く帰ろうぜ」
晴「そう焦るなって、まだ時間はあるしさ……ほら、ベンチあるし、座れよ」グイッ
P「わかったから引っ張んなって」ドスン
ポス
P「外では座らないんじゃなかったのか?」ナデ
晴「誰も見てねーよ。こんなとこ」
P「いい天気だな……」
晴「なぁ、後悔してるか?」
P「……なにをだ?」
晴「サッカーやめたこと」
P「そりゃあなにも思わないところがないって言えば嘘になるが、仕方のないことだったしな」
晴「仕方ない……か」
P「まぁ試合は無理でもこうやって細々と晴と遊ぶくらいなら今のオレにもできるんだし、趣味で楽しむ分には問題ないだろ」
晴「でも……」
P「こーら、小学生がそんなことで頭を悩ますんじゃない。オレがいいってんだから、いいんだよ。それに、プロデューサーの仕事に就いたことには一切後悔してないしな」
晴「……なら、いいんだけど」
P「……ありがとな、晴」
晴「……ん」
P「お礼に今日はいっぱいなでなでしてやろう」
晴「……なぁ」
P「ん?」
晴「またサッカーしような」
P「……おう」
5.
P「……」ソワソワ
アイドル「どしたの、プロデューサー。いつになくそわそわしてさ」
P「いや、すまん。なんでもない」
アイドル「なんでもないわけないよね、その顔。……あっそっか、今日はプロデューサーの愛しの妹ちゃんがライブやってんだっけ。なるほど、気になって仕方ないわけだ」
P「……なんでわかった?」
アイドル「え? いやまぁ、予定表見れば書いてあるしね」
P「……」
アイドル「それに、プロデューサーがそんなに動揺するなんてあの子に関することくらいでしょ」
P「……ふぅ、悪いな。今日はこっちの仕事に集中しなきゃならんのに……」
アイドル「ま、気持ちは分からなくもないけどさ。なんならサボってそっち行く?」
P「いや、あいつがちゃんと仕事してんだ。オレが仕事放り出すわけにはいかんさ」
アイドル「ふーん、ま、いいけどね。それよか、担当アイドルがお仕事なのに蔑ろにされたこの心の痛み、どこへ持って行ってくれようか」
P「悪い悪い、ほら、この飴ちゃんで手を打ってくれ」
アイドル「お、わかってんじゃん」コロ
P「じゃ、やりますか」
アイドル「任せといてよ」
一方その頃
晴「……」ソワソワ
他P「結城、兄貴じゃなくて落ち着かないのは分かるが本番前にそんなに動揺すると本番に響くぞ」
晴「……わかってる」
他P「……なにか欲しいものはあるか」
晴「……大丈夫だ」
他P「……」
晴「……」
他P「はぁ~、本当に手間のかかる兄妹だな……」
ガシッ ワシワシ
晴「!? いきなりなにすんだよ」
他P「兄貴はいつも本番前こうしてんだろ。本物は無理だから代用品で我慢しとけ」ワシワシ
晴「……兄貴はこんなに荒くねぇよっ!」パシ
他P「元気出たか?」
晴「……ん」
晴「悪い、手間かけさせた。行ってくるよ」
他P「おう、行ってこい」
後日
P「どした、今日は随分と甘えん坊さんだな」ナデナデ
晴「いーだろ別に」コテン
P「ライブ、どうだった? 他Pとうまくやれたか?」
晴「他Pは……荒かったな」
P「? 荒い?」
晴「だからオレは、兄貴がいい」
P「……そっか」ナデナデ
晴「んなことより、そっちはどうだったんだよ。オレをほっぽりださなきゃいけないほど大切な仕事だったんだろ?」
P「おう、大成功だったぞ」
晴「そっか……」
P「晴もはやくああいう舞台に立てるようにならないとな」
晴「うん、そうだな」
P「そしたら、ずっと一緒だ」
晴「へ?」
P「……」ニッコリ
晴「……っ!」
晴「この……ばかあにき」
終わりです。
アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作であることを書いておくのを緊張で忘れてました。失礼しました。
指摘や感想などあれば書いてもらえると喜びます。
お付き合いいただきありがとうございました。
HTML化依頼出してきます
なるほど!
兄妹ならお城のようなホテルに行くような事態にはならないな!安心だ!
晴の妹属性を全面に押し出すSS きらいじゃないわ!
控え目に言って最高だった
最高以外の言葉がないな
モバP「オレの妹は結城晴」
モバP「オレの妹は結城晴」 - SSまとめ速報
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続きのお話です
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