デレフェスきらりが欲しくて書きました。
初めてSSを書くので至らない点があると思いますが、何卒よろしくお願いします。
※話の都合上、時間軸のズレがあります。
※次元に統一性がありません。ゲームにアニメとごっちゃごちゃです。
本当はきらり主観で書きたかったのですが、地の文の書き方次第では言葉遣いが変になりそうだったので、悠貴視点となっています。(それでも書き手が書き手なので、結局言葉遣いは変です)
きらりといえばあんきらを書こうと思いましたが、ゆうきらりの可能性を広めたいんです。
広めたいんです!!
「やーい乙倉のデカブツ!」
クラスメイトの男子から発せられる揶揄の声を下らないと捉えられれば、どれほど苦しくないのだろう。だが、幼い私ができたことは、精々涙を堪え、下唇を噛んで漏れる嗚咽を抑え込もうとすることだけだった。
「ゆーきって名前も男っぽいよな!」
「服もズボンばっかだし!」
別のクラスメイトからも、私を蔑む声が聞こえる。私は、自身が可愛いと思う服を着ているだけなのに。これでも、私服には妥協をした方だ。日頃からズボンを履くことが多かった私には、「乙倉悠貴の私服=ズボン」のイメージができてしまったらしく、スカートに足を通せば、それだけでからかわれたことすらあったのだ。その日から、私はスカートを履くことが億劫になってしまった。
「ゆーきの男女!」
1番言われ、1番心に刺さる言葉を、躊躇うことなく、なんなら笑い混じりで彼らは言っている。彼らへの苛立ちは無いわけではない。だが、それよりも、言い返すこともできない自分自身にこびりついた弱さの方に嫌悪が向くばかりだったーーー。
いつの日か、明日が来るのが怖くなった私は夜眠ることができなくたっていた。あのように言われたのは小学生までの話だと言うのに。中学生に入って数ヶ月。制服のスカートに足を通す度、彼らの声が頭の中に響いてならない。男子会話している姿を見ているだけで、私の陰口(主にスカート姿)が叩かれているような気がしてしまう。
そこで、私は陸上部に入った。元々運動としてジョギングをしていたこともあり、走ることは好きだった。走っている時は全てを置き去りにできる気がしたのだ。それから、走ることで体力を燃焼できた日は、決まって寝付けるようになった。その事実が、走ると言う行為の中にある孤独感と、その感覚に潜む快感の虜となってしまった。
それでも、部活が休みの時や、走り足りない時は、心の奥にすっかり住み着いてしまった、何かモヤモヤとする黒雲が、私の気分に陰を落とし、上手く寝付けずにいた。そう言う夜に私はパパとママが寝静まった深夜に一人、携帯のラジオアプリでラジオを聴くことで、時の流れを誤魔化そうとしたのである。幸い、バックナンバーとして放送済みの番組も聞けるため、深夜といえど番組に困ることは無かった。
『それじゃあ、そろそろお茶会にゲストを呼んでみよっか!☆』
お気に入りのラジオ番組から売れっ子アイドルの城ヶ崎美嘉ちゃんの声がする。方向性は違えど、同じモデル時代の時から、彼女のことは知っていた。アイドルになるために移籍したと聞いた時は驚いたが、やはり、カリスマと呼ばれるだけあってか、彼女はアイドルという世界でも、その戦線で引けを取ることを知らなかった。
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なぜだ…なぜ書き込めない
今更ながら見辛くてすみません
次の投稿から気をつけます
(そう言えば…まゆちゃんもアイドル…だったよね)
私は知り合いである佐久間まゆちゃんの存在が頭に浮かんだ。彼女とはモデルの仕事で関わることがあり、読者モデルとは言え、その意識の高さと女の子らしさに、憧れを持っていた。そんな彼女も確か、美嘉ちゃんと同じ事務所に移籍していた。
(この間のライブでも、同じステージで歌ってたなぁ)
2人が着ていた、ドレスのような可愛いらしい衣装。女の子として扱われ、堂々と女の子として立っている。私は透明な嫉妬にため息をつく。
『今回は~。ーーこの3人ですっ!どぉうぞ!』
『マジアワ~!城ヶ崎莉嘉で~す!……』
『マジアワで~す!赤城みりあです!......』
元気のいい少女の声が立て続けに聞こえてくる。最近はジュニアアイドルと言う路線が少ない中、こうやってラジオ番組に出ているのは少し珍しい気がした。だが、
『うっきゃぁ!マジアワワ!諸星きらりで~す!』
その2人に続いてきた子の高く大きい声に、私は思わず目を見開いた。テンションの高い子がゲストに来ることは度々あることだ。しかし、それでも、その女性の声と言い喋り方は(失礼ながら)常軌を逸している気がしてならない。
『3人合わせて~。ーー凸レーションで~すっ!よろしくお願いしまーすっ!』
そんな彼女を前にしても、声に異変が無いところを見るに、それが彼女の素なのだろう。そのことにも、ある意味驚く。
『はーい!ってことで、今回はシンデレラプロジェクトから、凸凹だけどチームワークはバッチリ!凸レーションの3人を迎えて、進めていきたいと思いまーす☆』
シンデレラプロジェクト……。デコレーション……。聞き慣れない単語に、私は携帯でその単語を入れるのだった。
凸レーションと言うユニットのページを見て、私は1人の女の子に目が行った。
(この人……背大きいなぁ)
他にも特徴は沢山ある。だが、私が第1に感じたことは、その女性の背丈だったのである。左右に幼い子供(自分と比べると大して変わらない)がいるのも合間見合って、その身長は一層大きく見えるのだった。
彼女の名前はラジオで紹介してた通り「諸星きらり」と言うらしい。ラジオを聴きながら、携帯で彼女の名前で検索をかけるのだった。私は彼女が持つその身体に驚いた。それは、並みの男性を優に超えた身長を持っていることはもちろん、それでも彼女は実に女性らしい……と言うより、女の子らしいことだ。ウェーブのかかった髪の毛には、いくつもの小物のアクセサリーが付いている。そして、海外のモデル顔負けのプロポーション。少し(最初に聞いた時は驚いたが)独特な喋り方も、ゴムボールを握りしめた時のような、妙とも思える馴染み具合を有していたのだ。彼女も美嘉ちゃんと同じ事務所らしく、私は諸星きらりちゃんの存在に、何度も思考を捕らえられた。私は暗い部屋の中に、一筋の星の光のようなものを見つけた気がしてならなかった。
次の日の夕方、いつものように疲れた身体で帰り着くと、携帯の連絡先からある人を探し、メールを送った。もしかしたら。と考えるその心は、確かに弾んでいた。
1部はここでおしまいとなります
一応続きます
続きはまとめて出来次第あげます
おっつ。文字数多すぎたり改行しすぎたりするとそうなるよ
掲示板だと文字が詰まりすぎると読み辛いから適度に改行してレスごとに文章を小分けしよう
おっつおっつ
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送信者:まゆちゃん
件名:Re:Re:Re:お願いがあります
本文:プロデューサーさんなら今週の木曜日の夕方なら空いてるそうです。
受付でアイドル部門、〇〇部署のプロデューサーさんとお話の予定があると言えば、場所の案内があると思いますよ。
お話、上手くいくと良いですね。
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メールにもあった通り、木曜日は直ぐに来てしまった。
事務所、と言うには豪勢なお城のような建物を前に、私は思わず息を呑んだ。もう一度、まゆちゃんから送られてきた事務所の住所と写真を確認し、違いがないことを知らしめられる。入る以外の選択肢は無い。だが、答えが決まっているからこそ、悩むものがあるのだ。悩むって、何に。私は入り口の端っこで、ため息をついた。心が弾んでいたあの深夜の心持ちが嘘のようだ。
ジュニアモデルをしていた経験もあるため、容姿には空箱同様のではあるが、自身がある。体力やスタイルは陸上部で衰えてないはずだ。
「あの……どうかしましたか?」
流石に門の前で逡巡しつつ歩いていたのを不審がられたのか、後ろから低い男の声がした。
「あ、いえ……ここに用事が……」
振り向いた私はまたもや息を呑んだ。目の前には自分よりふた回りは大きいスーツの男。目つきは鋭く、ドラマや映画で出てくる極の道の住人のようにしか見えなかったのである。
できることなら、私は逃げ出したかった。足には自信がある。いくらガタイが大きいからと言っても、人通りの多い道までは近いので、追いつかれても助けは呼べる。逃げる手段も構想も頭の中では完璧だ。しかし、今まで味わって来た苦痛や怖さとは異質な恐怖。まだ空には太陽があるというのに、闇のような冷たさが、体を動かすことを拒んでしまい、動くことを許さなかった。 狼狽える私の姿を横目に、男はポケットから携帯を取り出し、誰かに電話をかけ始めた。
「もしもし、武内です。あの、〇〇さん。恐らくですが、お話ししていた彼女がいらしたようです」
彼の口から放たれたのは、まゆちゃんのメールで言ってたプロデューサーさんの名前だった。
と言うことは、この人も事務所の社員なのだろうか。そう思うと、不審がった自分がとても恥ずかしく思えてならない。だが、同時にこの事務所を信じていいのかと言う不信感が募る訳で。有名な事務所だけあって信頼はしているが、正直な話、不安だ。そう、不安。心の中でもう一度その言葉を唱えた。そうすることで、私は先程悩まされていた正体の尾を掴んだ気がして、少しだけ安堵に浸れたのである
「……はい、わかりました。そちらに向かいます。……はい、ではまた後で。」
武内さんは電話を切ると、こちらに顔を向けた。
「あの、〇〇さんがお待ちしているので、宜しければ、一緒に向かいましょうか」
武内さんは静かにそう言った。きっと、多分、この人は悪い人ではないのだろう。少なくとも、極の道の人ではない。私は「よ、よろしくおねがいしますっ」と硬くなった声を上げると、彼は
「わかりました。付いて来てください」
とだけ言い、事務所の方へ歩き出した。彼に付いていくことに夢中にで、いつの間にか門を潜っていた。やっと一歩を踏み出せた気がする。そう思った時には、既に私の前にまゆちゃんと彼女のプロデューサーが居たのであった。
期間を考えて、急ピッチで進めているので、説明口調を多用していますが、どうかお許し下さい
>>12
ありがとうございます。多少改善してみましたが、大丈夫でしょうか……
既に使い慣れてなさ露呈してますが、なんとか走り切ろうと思います
>>18
おっつし。やや長くは感じたけど個人の好みの範囲に収まってると思うよ
>>17
須賀敦子先生のエッセイ読むとこういう文体の参考になるよ
>>19
ありがとうございます!
>>20
ありがとうございます!やはり上げて良かったです。
是非参考にさせて頂きます
まだ続きます。お付き合いしていただけたら光栄です
「君がまゆの言ってた、乙倉悠貴ちゃんだよね?」
「はい。お、乙倉悠貴、13歳の中1ですっ!」
先程のような威圧感がまゆちゃんのプロデューサーさんからは感じられない。だが、それでも緊張感は抜けることがなく、どうしても声が上擦ったように聞こえてしまう。
「まゆから聞いたけど、乙倉ちゃんはジュニアアイドルやってるんだよね」
「えっとっ、モデル経験は少ししだけっ…あっ、でもそれはただ背が高いからでっ。」
「アイドルとしてデビューしてからも、モデルの仕事もやりたいならうちの部署に迎えるけど…」
思ったよりも話の進行は早かった。難しい話は極力避けているのだろう。だが、初対面と言うこともあってか、プロデューサーさんの口調からは、暗い部屋を手探りで進むような慎重さも感じられた。
「えっと……その、あの、じゃあおねがいします」
テーブルを挟んで会話をしているこの間合いが、より私と彼を離して見せた。
「わかった。じゃあ移籍の手続きとかもあるかもしれないから、帰ったらこの資料、親御さんに渡してね」
大人らしい話をするプロデューサーさんと違い、私の口から出てくる言葉は我ながら辿々しかった。
これでいいのだろうか。ポツリと誰かが呟いた。1度だって、1人で立ち向かうことがなかった自分がそう言って来た気がしたのだ。この事務所に来るまでだって、プロデューサーさんの所に行くのだって、1人でできやしなかった。逃避するように陸上部に入り、逃げ逃れては闇夜に紛れようとラジオを聴き漁り、抗っても、立ち向かったことがあっただろうか。「デカブツ」「男女」と揶揄され、言い返せたことがあるだろうか。
「プっ、プロデューサーさん!」
プロデューサーの瞳の真ん中に、今一度私が映り込む。震える声を、身体を、両手で拳を握ることで抑え込んだ。
言わなくては。思いを。憧れで終わらせるのではない。憧れに近づくんだ。近づける好機は、今しかない。一歩でいいから。
「あの、こんな私でもっ、可愛いアイドルになれますかっ?憧れなんですっ」
何も言おうとしない自分のことを、心のどこかで、私は優しすぎるのではないかと思うことがあった。しかし、それが間違いであることに気付いたのは、私の思いを吐露してからだった。
「……なれるさ。君なら」
プロデューサーさんは微笑みながらそう言ってくれた。この世で初めて、と言うには誇張が過ぎるかもしれないが、たった一言でこの人を信じたいと思ったのは確かだった。
「ありがとうございますっ!わたし、頑張りますっ!」
「ああ、よろしく」
差し出された右手を私は両手で握った。私は、あの夜に見た一筋の光の中に今いるのだと実感した。彼の掌が、そう言ってくれた気がした。
「ところで、憧れって言ってたけど、誰のこと?うちの事務所のアイドルか?」
「はいっ。そうです」
そう言うと、彼は考える素振りを見せた。
「んーっと、モデル経験あるし、楓さんとかか?」
「いえ、違いますっ」
私は1度息を吸った。この名前を挙げることに、勇気や覚悟はなかったが、改めて憧れと言うにはどこか羞恥に見舞われるのである。だが、尻込む意思はそこになかった。
「諸星きらりちゃんですっ。シンデレラプロジェクトの、凸レーションのっ!」
一応これで終わりますが、まだきらりとの絡みはここで書きますので、よろしくおねがいします。
少しでも乙倉ちゃんと、ゆうきらりが増えんこと祈ります
おつ……?
R要素はいるのこれ
>>22
「ユルスナールの靴」って本は女学生時代のエピソード満載でいいぞ
須賀敦子の文体いいよな
>>30
わかる
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