タイムマシンに乗りたくて (2)
高校二年の頃、俺は君に恋をした。
特別可愛い訳じゃない。華があるわけじゃない。
目立つ存在でもないのにそうなったのは、クサい言葉を使うなら運命だと思ってた。当時は本気で。
……まあ、俺も華がないからそう思いたかっただけなのかもしれないけど。
高校生の男子ってバカじゃん? 大体顔がいい子とか、目立つ子とか、ステータスで好きになるやつばっか。
拗らせてたんだろうな、俺はそんなんじゃねぇぞって感じで。
仲良くなりはしたくせに、チキって告白はできずじまい。
女友達に「早く告りなよ! ありなちゃんも待ってるよ!」なんて煽られても、「いや今は部活が忙しいから……」なんて言い訳したのは、本当にチキンだった。
家に遊びに行ったりもしたけどさ、お母さんと仲良くなりすぎちゃってドキドキするっていうより、本当に小学生が友達の家に行ってるみたいな感じになって。
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いつもそうだった。
チャンスが来ても言い訳を作って、そのまま受験生になって、そして離れ離れになった。
君は地元に近い大学で、俺は遠い大学に。
そうなってから後悔して、もう無理なんだなって言い聞かせてたんだ。無理な状況にしたのは俺のせいなのにね。
一回だけ、大学に入って二人で遊んだっけかな。これを最後の思い出にして切り替えようって。
すげぇ楽しくて、いい一日だったな。これで最後なんだなって、付き合ってた訳でもないのに勝手に頭の中で整理をつけて。
そして、心の中の君とバイバイした。
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