タイムマシンに乗りたくて (2)
高校二年の頃、俺は君に恋をした。
特別可愛い訳じゃない。華があるわけじゃない。
目立つ存在でもないのにそうなったのは、クサい言葉を使うなら運命だと思ってた。当時は本気で。
……まあ、俺も華がないからそう思いたかっただけなのかもしれないけど。
高校生の男子ってバカじゃん? 大体顔がいい子とか、目立つ子とか、ステータスで好きになるやつばっか。
拗らせてたんだろうな、俺はそんなんじゃねぇぞって感じで。
仲良くなりはしたくせに、チキって告白はできずじまい。
女友達に「早く告りなよ! ありなちゃんも待ってるよ!」なんて煽られても、「いや今は部活が忙しいから……」なんて言い訳したのは、本当にチキンだった。
家に遊びに行ったりもしたけどさ、お母さんと仲良くなりすぎちゃってドキドキするっていうより、本当に小学生が友達の家に行ってるみたいな感じになって。
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