設定だけ考えてた作品を殴り書き (42)

 設定だけ考えてた作品をダラダラと書いていきます。
 こういう掲示板に作品投稿するのはじめてだからわからないことばかりだから至らない点はごめんなさい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513364977

 ある日、一つの街が放射能を帯びた熱線によって消滅した。多くの人が死に絶えて、遺体も残っていないような状態だろう。俺はその場所に住んでいたことはあるが、舞い戻ったことはない。親しい友人が住んでいたが、今は当たり前のように疎遠で飛んで行くような間柄でもない。生きていたら嬉しいな、そんな感情だけだ。

 最初は一つの国の暴走からはじまった。日本という小さな島国の隣に存在する半島、その北の部分に存在する国。そこは独裁者が共和主義の名の下に国民を統治していた。そして、ICBMだったか? 大陸間なんとかミサイルとやらを開発したりして、隣国を脅かしていた。いや、現在進行系で攻撃している。俺が今のところ住んでいるこの日本は小型だが、もう、十二発も核爆弾を受けている。主要都市は殆ど焦土だ。

 同盟国のアメリカ様がどうにか空爆やらを行っているが、報復核までは至っていない。そして、最悪なことにこの国が開発した核兵器がきな臭い場所に続々と流れている。顕著なのが中東だ。数年前から活発に活動を行っているテロリストにある程度の核兵器が流れており、その数発が敵の野営地、そして、敵対している国に打たれた。ヨーロッパの芸術の国、そこの都市が一つ焦土に化した。一昔前には、核兵器を使用された唯一の国と日本は言われていたが、今となっては至る所で核兵器が使用されている。

「おい、生きてるか?」
「いや、もう死ぬ」

 長崎の軍港で短い休暇を楽しんでいたら、核攻撃とは恐れ入る。最近は迎撃ミサイルの球数が少なくなっているからな、完璧に迎撃出るミサイルは重要度の高い基地か政治を行う場所に集中して、こういういつ攻撃されるかわからない場所には行き届いていない。これで長崎は二発目の核兵器を頂いたわけだ。今となっては平和を訴える団体もどこに消えたのやら、早く戦争を終わらせて安心して暮らしたいと叫ぶ奴らで溢れている。
 ああ、頭が痛い。

 放射能ってのは、こういう風に命を蝕んでいくのか、いい体験だが、これが最後の恐怖体験になる。状況を確認しに来た兵士はガッチガッチの防護服を着込んで状況を確認している。だが、俺はそんな大層な物は着込んでおらず、ただの軍服、爆心地から離れているとは言えど、放射能からは逃れられない。頭はよく回るが、もうそろそろお迎えがやってくる頃合いだろう。

「二十三歳でこの世を去るか、まあ、これも時の流れか」
「……すまない」
「いいんだ、お迎えは遅かれ早かれやってくる。受け入れるだけさ」

 叫ぶ気力もない。ただ、時代が悪かったと悲しむだけだ。

「ねえ、君、おかしいと思ったことはないかい?」
「無いよ、時代が時代だ。受け入れるしか無い」
「それでも、君は抗いたくないのか?」
「抗う、そんなこと考えたこともない。俺はいつだって流されて生きてきた。いや、大多数の人間が必然的に流されている。個人が介入できない部分が大きく動いて、一人という小さな存在は何も出来ない。集まったとしても、何も出来ないことが多い。なんだ、あんた、俺に抗う力を与えてくれるのか。アメリカのヒーローみたいな暴力的でヒーローチックな何かを」
「そんなものは与えられない。だけど、君に頼みたいことは幾つか存在する」
「頼みか、いいぜ、どんな試練だろうと受け入れてみせる。さあ、どんな試練を与えてくれるんだい、神様」

 ――全力疾走で駆け抜けて、変質者と呼べる薄気味悪い小太りの男に飛び蹴りをかます。これが俺に与えられた最初の試練だった。

 この世界は必然的に狂った。この世界の中心が死に絶えたから、中心以外の存在が強い何かを見出した。その結果が世界中で核兵器が使用されるという結末の世紀末。本来、何も出来ない筈のモブである俺が、強い力を持った。そして、まだ、この世界の中心が生きている頃に舞い戻って、この世界の歪みを消し去っている。

「おっさん、こういうの強姦って言うんだぜ? 大の大人が子供に欲情すんじゃねーよ」

 神様が言うには、この世界の歪みは本来発生する筈のない事件と主人公であるべき存在の死、それが深く関与している。頭の悪い俺は深く理解できないが、その主人公に用意されたヒロインとかいう存在を一人一人虱潰しに助けていけばこの世界は安定するとかしないとか。だから、俺は、新しい世界を見るために神様の試練を受け入れるだけさ。

 思い付きでパパパッと書いてきたけど、眠いから寝ます。
 起きて思い立ったら書きますね。

読みにくい
改行とかすれば?

痛い

 改行か、ハーメルンの感覚で書いちゃダメなのか、意識して書いていかないと。

 痛いのかぁ、まあ、設定だけ考えて書いてる作品だからしかたないか。

じゃあ、再開。区切りがいいところでブッツリ俺達の戦いはこれからだにして終わらせますかね。

 青年から少年に遡る経験は誰も味わったことがないだろう。
 時間を遡るなんて、魔法使いくらいしか出来ない芸当だ。
 だが、死んで冥界に行く途中で出会った神様らしき存在が俺のことを引き止めて、そして戦争なんて起こっていない比較的平和な時代に巻き戻した。
 今更だが、俺が小学五年生の時に色々と不可解な事件が多数起こっていた。
 少女強姦事件、少女誘拐殺人事件、親による少女売春、児童による留学生への性的暴行。
 それ以外にも多くの事件が起こっていたのだが、足りない脳みそはそれくらいしか記憶を提供してはくれなかった。

 若返って本当に幼い頃に生活していた自分の部屋に居た時は本当に泣き出しそうだった。いや、本当に泣いていたのかもしれない。
 懐かしい部屋の中をフラフラと見回していたら小学生の子供が纏めるには不可解なファイルが木製の勉強机に置かれていて、中身を確認するとこの世界で起こる事件と発生する場所が正確に記された書類だ。
 神様と思しき存在はこの事件を若返った俺に解決させようという魂胆らしい。
 この書類を放置して短い平穏を謳歌するのも悪くはないが、未来に二度も絶望したくはない。
 内容を強く吟味し、一人一人の情報に目を通した。

 田辺咲子、吉岡千智、アビゲイル・ベイカー、松永ゆい、そして朝倉吉郎。
 一人頭三枚の書類、合計十五枚の書類。四人は女で最後の一人は男。

「吉郎くんを助けてください? 彼を生かせば世界は安定する……」

 朝倉吉郎の書類、その三枚目の最後に書かれた文。

「まあ、この五人をどうにかして助ければいいんだろ、簡単だ」

 ファイルを机に投げて窓の外を眺めた。酷く静かで、酷く懐かしい光景に思える。

 飯、風呂、天鳳、シャドバ、動物タワーバトルしてきます。

再開

 犯人は事件現場に舞い戻ると犯罪心理学で証明されている。
 事件現場、いや、まだ事件は起こっていないが書類に記されていた犯行現場にやってきていた。
 人気の少ない河川敷、水切りなんかをして遊ぶこともあった。だが、道路からも少し離れていて、橋桁は多くの場所から死角になっている。

「ここで強姦殺人が起きるのか……」

 田辺咲子、小学三年生の時に同じクラスになったことはあるが、接点は皆無だった。
 男女平等に明るく社交的な性格で友達も沢山いたわけだが、その日は友人達の予定が詰まっていて一人で帰宅。
 途中で立ち寄ったこの橋桁で水切りをして遊んでいた最中に強姦され、カッターナイフで首や胸を切られ出血多量で死亡。

「三日後に事件が起こるんだよな、静かで誰もいない穏やかな場所なのに……いや、犯人には都合がいい場所なのかね」

 この犯行を防ぐ方法は二三存在してる。
 一に田辺をこの場所に向かわせない。
 二に田辺が襲われている最中に助ける。
 三に田辺を襲う犯人を襲う前に〆る。

「それか何もしないでよく知った結末をもう一度……おっと、これじゃ四つか。まあ、四つ目は論外ということで」

 安全で確実なのは一番目の選択肢だが、生憎、俺は彼女と親しい関係じゃない。
 犯行までの日数で一緒に家に帰る仲になるか? いやいや、俺と彼女の家は正反対の場所にある。書類に住所が書いてあった。

「楽なのは三番目だが、俺は犯人の顔をしらない。犯人を見つけ出す前に事件が起こってしまったらどうしようもない」

 心の傷を残してしまう可能性がある二番目の選択肢が一番楽なのだが、どうしたものか……。

乙です。タイトルはせっかく投稿するんだからもっと考えたほうがいい。もったいないです。タイトルで中身が分からないと、好みと違ったら叩く人も出てくるし。
でもこういう話は好きです。期待してます。当初の想定で書いてほしいです。

 おっと、支援のお言葉ありがたい。じゃあ、俺達の戦いはここからだで失踪するのはやめておこう。
 面白いと思ってくれる人が一人でもいたら書くのが書き手の性ですわ。
 ちな、ハーメルンってところで偶数っていう名前で二次創作書いてたんで、暇な時にどうぞ。

 あら、ID変わってる。まあ、自分1なので心配しないでいいですよ。

 物思いにふけりつつ自宅に帰るとくたびれた表情の親父がソファーで天井を眺めていた。
 小学五年生だから、今年で三十五か、まだまだ若いのに顔は老けきっている。
 俺が三歳の時に母親は男を作って一方的に離婚を申し出て蒸発した。
 普通なら、俺の親権は母親の方に行く筈だったのだが、あの人が作った男が自分と血が繋がっていない子供を育てるつもりは一切ないと言い切って、当時生まれたばかりの妹を連れて行った。妹も本当に血の繋がった妹ではなく、異父の兄妹になるらしい。本当かどうかはわからないが。

「……珍しいな、散歩に出たのか」
「天気がいいからね、まあ、面白いものは見つけられなかったけど」
「小遣いは残ってるのか? 駄菓子や飲み物は買ったのか」
「さあ、今日は財布を覗いてない」

 何も言わないで五千円札一枚を俺に手渡した。
 親父は男手一つで俺のことを育てるのに罪悪感のようなものを抱いている。
 俺のことを愛して育ててくれているのは十二分に伝わるが、どうしても母親の愛を受けられない俺のことを哀れだと思っているし、年齢を重ねるにつれて自分が母親に捨てられたという事実を受け入れられなくなるのではと恐れてもいる。
 実を言えば、案外すんなりと受け入れたんだ。
 小さい頃から割と冷たい性格をしてたから、現実が冷たいってことも理解してた。人間は我儘だってことも知っていた。俺のことを捨てた母親は、母親として生きずに、女として生きた、それだけのこと。
 だけど、親父は男として生きずに、父親として生きた。だからこそ、俺は親父を心の底から尊敬している。

 何もアクションを起こさなかったら、こういうギクシャクとした親子の日常が終わるんだよな。
 俺が動けば、世界は平和になる……らしい。
 今現在はただの小学生、未来はただの自衛官、それでも、選ばれたと思ってやり遂げるしか無いんだよな。
 別に、俺は英雄だのヒーローだのになりたいわけじゃない。
 ただ、普通の人間として……日々を……。

 部屋に戻り押入れや本棚を漁って刃物の切れ味を封じられる何かを探した。
 季節はまだまだ肌寒い五月、長袖だ着れる時期だ。袖に何かを仕込むことが出来る。
 理想は木材なんかを両手に巻きつけることだが、部屋の中に丁度良い木材が無い。巻きつけるガムテープはあるが。
 小遣いを貰ったのだから百円ショップに買いにくのが手っ取り早いか。

「日本って国はなぜだか加害者に甘いからな、報道される時も加害者にだけモザイクかけて、あの世にいる被害者は平気な顔して顔を写す」

 犯人が十九歳の無職だったからな、未成年の加害者には本当に心底甘いのが日本だ。
 顔さえわかれば事前にボコボコに出来るかもしれんが、書類に犯人な顔写真が無い。被害者の顔写真は載っているのだが、加害者の顔写真は無い。

「やっぱ、襲われたタイミングで助太刀するしかないよな」

 出来る限り早く、心の傷が残らないように助ける。これが第一目標だ。

お風呂休憩挟みます。
流石にプロット無しのぶつけ書きは速度がナメクジだけど、淡々と書いていきますよ―イクイク……ヌッ

再開

 数年ぶりにからう? 背負う? ランドセルは若干の恥ずかしさを感じさせた。
 通学路には学校に向かう小学生が会話を弾ませている。
 流石に精神年齢が二十代になりますとランドセルを身につけることは拷問に感じます。

 にしても、俺が死んだ未来ではこの場所は焦土になるんだよな。
 本当は東京を狙ったらしいんだが、着弾点は東京より離れたこの場所に落ちた。
 中学の頃に親父の転勤でこの街を離れて八年後に攻撃されて、それ以来、戻ることはなかった。

「……その未来を変えるためにこの場所に戻ってきたんだろ、なよなよすんな」

 自宅から十数分の場所にある小学校、そこを見上げ、視点を下げて校門を凝視する。
 変わらないと小声で呟いたが、過去に戻ってきているのだ変わるのではなく変わっていない状態に戻ったと表現した方が正しい。
 小学五年生って、どの辺りの勉強してんだろうか、思い出せねぇ……いやいや、余裕か、俺、大学出てんだぞ。

「今日の体育楽しみだね!」
「わたしは……体育苦手だから……」
「そんなこと言ってたら体が弱くなっちゃうよ!」

 廊下ですれ違う、田辺咲子と。
 隣りにいるのは、吉岡千智だ。二人は仲が良かったのか、深く考えてもいなかったからな、他人の仲なんて……。
 だが、そうなると仲がいい二人はタイミングこそ違うが、何かしらの事件に巻き込まれて命を落とす。
 田辺が強姦殺人、吉岡が誘拐殺人……。

「お、よっしー! おっはー!!」
「吉郎くん、おはようございます」
「うん、おはよう。今日も元気いいなぁさっきーは」
「元気だけがわたしの取り柄だからね!」

 確か、朝倉吉郎の死因は自殺。
 そうか、仲がいい女友達が相次いで事件に巻き込まれ死んだことで自らの命を断った……。
 ファイルの人物と一切の関係を築いてこなかったからな、こういう関係性がわかればなんとなくだが、理解できる。

天鳳に誘われたから今日はこの辺で、一ヶ月くらいで第一章の設定は書き終えられると思うから気長にどうぞ。

再開

 そのまま三人に声をかけることもなく自分の教室に移動する。
 よく考えると五年生の頃の教室はこんな感じだったな、なんて薄れた記憶が蘇っていく。
 時刻は真面目でも不真面目でもない奴がゾロゾロと学校に到着する頃、薄れた記憶だが、見知った顔が懐かしさを感じさせる。

「お、「」早いじゃん」

 自分の机で本を読んでいる年相応に幼い少年。
 空いた口が少しの間塞がらなかった。

「ああ、珍しく早起きしたんだ」

 彼は坂本幸太、俺の最初で最後の親友と呼べた存在だ。
 引っ越してから音信不通になって、生きてるのか死んでるのかも確認できなかった。
 生きてるんだよな……いや、生きている時代に戻ってきたんだ、当たり前だ。

「どうしたんだよ、暗い顔して……朝飯食べなかったのか?」
「いや、悪い夢を見たんだよ」
「だから早起きなのか、じゃあ明日は遅刻ギリギリだな」
「ははっ……そうだな」

 なんだろうか、こいつの笑顔を見てると途端に罪悪感が体中を巡る。
 あの未来で俺がこいつに何が出来たってんだ……何も出来るわけがない! それなのに、なんで……心が痛いんだよ……。

 またID変わってる。まあいいか。

「そうだ、あの映画一緒に見に行こうぜ! 新聞屋からタダ券貰ったから。母ちゃんも「」と一緒に見に行きなさいって言ってたし」
「映画か……何日に放映するんだ」
「二日後だぜ!」
「……すまない、その日は予定が入ってんだ」
「えーマジかよ……まあ、人多そうだからな。おまえにあわせるよ」
「すまない」

 ……そうだな、こういう他愛もない会話してたよな。
 やる気出てきた。俺が行動を起こせばこの平穏が続くのなら、やらない選択肢は尚更無くなる。
 一度体験した未来なんて二度も見る必要はない。そうだよな、俺……。

 こんな勉強してたな、なんて、思いながら長くもなければ短くもない授業が流れていく。
 窓から見える校庭では体育の授業が行われていて、音楽室からは高音の歌声が響いている。
 空からミサイルが飛んでくることなんてありえない、安全で、危険が少ない。そんな、そんな一日が流れている。
 この数学の先生、六年生になる頃に他の学校の先生と結婚するんだよな。
 俺の斜め前に座ってる男の子、夏休み明けに盲腸になるんだっけ。
 一番前の席に座ってるメガネかけた女の子、他の子より生理が早くて不思議がられてたな。五年生にもなると、チラホラと他の子にも来て音沙汰なくなったが。

「……なんだろ、懐かしいな」
「おい、「」この問題解いてみろ」
「あ、はい」

 小学生が解く数式は基礎中の基礎だ。中学、高校になる頃にこの辺がちゃんと出来ていなかったら泣きを見ることになる。
 割り算と分数が苦手で数学はあんましだったが、まあ、この辺ならどうにかなる。

「お、正解だ。それに訂正する部分もない。珍しいな、勉強嫌いの「」がすんなり解けるなんて」
「へへっ、まぐれですよ」

 自分の席に戻る最中に幸太に拍手された。こそばゆいものだ。

 時間はあっという間に過ぎて下校の時間だ。
 ランドセルに教科書類を仕舞い込んでいる最中にクラブクラブとクラスメイト達が騒いでいる。
 小学生は部活のことをクラブと言うんだよな、少しだけ違和感がある。

「「」ちょっと今日は爺ちゃんと婆ちゃんの家に行かないといけないから一緒に帰れないわ」
「ああ、わかった」
「じゃあな」
「おう」

 幸太の後ろ姿が見えなくなったと同時に下校を開始する。

「なんで体育ってあんな長い準備運動しないといけないんだろ」
「そら、転んだりしないためだろ」
「わたし絶対に転ばないもん!」

 ファイルの三人が下駄箱で会話を弾ませている。
 それにしても、このくらいの年齢の男女が仲良くしているのは珍しいよな、男の方が一方的に避けるイメージがあるが……。
 三人が靴を履いて学校を出てから靴を取り出す。

「お父さん今日は帰ってくるかな……」

 自分の後ろの靴箱から小さくそう聞こえた。
 顔を確認すると松永ゆいが暗い表情をしながら、溜息を一つ。
 確か、後ろの靴箱は四年生の靴箱だ。よく考えれば、書類にも朝倉より一つ年下だとか書いていたか。
 まて、書類のほぼ全ての年齢記入が朝倉の年齢を基準としていないか? 帰っていった二人は朝倉と同い年と、この松永はひとつ下と……。
 いや、こんなどうでもいいことを深く考える必要もない。考え過ぎだ。

 帰りに100円ショップに立ち寄って購入した薄い板を腕に巻き付けられる大きさに切り取って、カッターナイフの刃で切ってみる。
 傷こそつきはするが、それ以上の何かには至らない。これをランドセルの中に入れて犯行が起こる前にガムテープで両手に巻きつける。

「まあ、凶器がカッターナイフなんだ、このくらいで十分だろう」

 木片をゴミ箱に捨てて、ファイルに手を伸ばす。

 今日はここまで。速度ナメクジだからごめんね。

 あ、タイトル思いついたからこの場で命名。


『I am not a hero ~二番目の未来を~』


 スレ名これにすりゃよかった……。

 再開

 今日も親父の帰りが遅い。財布をポケットの中にねじ込んで近所のラーメン屋に足を運ぶ。
 時刻は午後五時、まだまだ明るい時刻だ。

「もしもし、親父? 外食するからそっちも適当に済ませてきて」

 この時代の小学生が携帯電話を所有しているのは比較的珍しいのだろう。だが、俺の家族関係は色々と複雑だ。
 親父は若くして出世街道を歩いている人間で子供の世話をするには時間が足りなすぎる。偉い人間が定時で帰宅できるわけがない。
 年齢が一桁の頃はまだ俺のことを心配して早い時間に帰ってきてくれたが、二桁からやはり仕事量が増えたのか、まあ、こういう生活が続く。

 家を出て目的地まであと五か六分くらいの場所で駆け足の少女とすれ違う。

「君! もう帰らないといけない時間だよ!!」

 振り返ると田辺が息を切らしながら俺のことを心配そうな瞳で見つめていた。
 苦笑いを見せ、父親と待ち合わせをしているんだと嘘をついてラーメン屋に向かった。
 そうだな、子供は五時の時報が流れたら家に帰るものだよな……。

 だめだ、酒の飲み過ぎで頭が痛い。
 すまんが、明日から本気だすんで。

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