未央「んんっ！　んー！」

凛「どうしたの未央、風邪？」

美嘉「ヤバ、早く帰って寝た方が良いよ？」

未央「しぶりん、美嘉ねぇ」

凛「この時期だから、花粉症かも」

美嘉「へー、この時期にも花粉って飛んでるんだ」

未央「誕生日プレゼント、おくれ」

凛・美嘉「……」

凛「未央、落ち着いて聞いて」

美嘉「未央はさ、何歳になったんだっけ？」

未央「15歳から、15歳になったよ」

凛「……ならさ、良くない？」

美嘉「……うん……だって……ねぇ？」

未央「良いじゃん！　誕生日なんだから、プレゼント貰ったって良いじゃん！」

凛・美嘉「……」

未央「誕生日はさ、年齢を重ねた事を祝う日じゃないんだよ！」

凛「まあ、生まれた日を祝う日ではあるね」

未央「でしょ！？　だから、プレゼント貰っても良い日なんだよ！」

美嘉「そ、そんなに欲しいの？」

未央「プレゼント貰ったらさ、あー誕生日迎えたわー、感が出るじゃん！」

凛・美嘉「あー」

未央「でしょ！？　歳を取らない分、その位あっても良いと思う！」

凛「……なんてね、ちゃんとプレゼントは用意してるよ」

未央「ふえっ？」

美嘉「アハッ★　未央、チョーびっくりしてる★」

未央「えっ、えっ、本当に……？」

凛「当たり前でしょ。友達の誕生日なんだから」

美嘉「ちゃーんと用意してるから安心しなって★」

未央「二人共……！」

美嘉「それじゃ、まずはアタシからね★」

未央「美嘉ねぇ……ごめんね、美嘉ねぇの事誤解してたよ」

美嘉「良いよ良いよ。ほら、アタシもこの前誕生日だったからさ★」

未央「えへへ、歳を取らなくても、やっぱり誕生日って良いね！」

凛「そうだね。美嘉が歳を取り続けたら、普通のアイドルになっちゃうしね」

美嘉「カリスマ！　カリスマ忘れてるから！」

未央・凛「……？」

美嘉「本気で疑問に思わないでくれない！？」

美嘉「……まあ良いや。アタシからは、コレね★」

ポンッ

未央「？　背中を叩いて……何かしたの？」

美嘉「ふっふっふ★　未央、ちょっとフルネームで自己紹介してみて？」

未央「えっ、何で？」

美嘉「良いから良いから★」


未央「えーっと、本田★未央、15歳で……」


凛「……なんか、黒い星がついてた気が」

美嘉「ピンポーン！　アタシからのプレゼントは『★』だよ★」ﾄﾞﾔｧ

未央「どうだ驚いたか、って顔しないで！？」

美嘉「未央の元気に、アタシのカリスマが加わればチョーイケてると思って★」

未央「ふむふむ、なるほど！」

スタスタ…

美嘉「大事にしてよね？　それ作るのに、三日はかかるんだからさ★」

未央「うおお、凄いじゃん美嘉ねぇ！」

ガラッ

美嘉「……って、窓開けて何してるの？」

未央「余計なモン付けんなー！」

ポイッミ★

美嘉「ああっ！？　カリスマがー！？」

凛「窓から投げ捨てられるカリスマって何なの」

未央「ひどいよ！　美嘉ねぇの事、信じてたのに！」

美嘉「えっ、気に入らなかった？」

未央「どうして気にいると思ったの！？」

美嘉「ミツボシ☆☆★の足しになるかと思って」

未央「ヨツボシ☆☆★★になっちゃうから！」

凛「まあまあ、落ち着きなよ未央」ﾀﾌﾟﾀﾌﾟ

未央「……しぶりん、携帯いじって何してるの？」

凛「LINE、確認してみて」

未央「……わかった」

未央「これは……花の写真？」

凛「そう。12月1日の誕生花、アンスリウムだよ」

未央「その写真が誕生日プレゼント、って事？」

凛「さすがに、いきなり事務所に持ってくるのはどうかと思って」

未央「うん、そっか」

凛「花言葉は、『恋にもだえる心』と『煩悩』だって」

未央「うんうん」

凛「恋にもだえるかはわからないけど、『煩悩』の方はピッタリかな、って」

未央「確かにね、プレゼント欲しがったのは煩悩だね」

未央「でもね、しぶりん、聞いて？」

凛「何？」

未央「あの……なんでグループLINEに貼ったの？」

凛「皆で見るのも、悪くないかなと思って」

未央「でもさ、何も言わずに花の写真だけ貼ったから皆反応してるよ」

美嘉「へー、賑やかで良いグループLINEじゃん★」

未央「というかね、これ混乱してるよ皆」

未央「しまむー、意味わかってないのに『頑張ります』ってうってるし」

凛「卯月、頑張り屋さんだから」

未央「みなみん、『真っ赤でなんだか……な、なんでもないわ』とか言ってるし」

凛「まあ、美波だから」

未央「なんかフォローしよう！？」

凛「未央、その前に何か言う事忘れてない？」

未央「……ありがとうございます」

凛「うん、気にしなくていいよ。だから、フォローは未央がしておいて」

未央「……釈然としないなぁ」

未央「えと……とりあえず、二人とも誕生日プレゼントありがとう」

凛「美嘉のは流れ星になっちゃったけどね」

美嘉「探しに行く？　夜が明ける前に」

未央「ううん、大丈夫！　美嘉ねぇのおめでとうって気持ち、ちゃんと受け取ったよ！」

美嘉「未央……もー、アタシ達トモダチなんだからトーゼンでしょ★」

凛「さりげなく黒い星は受取り拒否してるね」


ガチャッ


卯月「おはようございます★」


未央「しまむー！？」

凛「……卯月、下に居たんだね」

卯月「あっ、美嘉ちゃんも居たんですね★」

美嘉「ヤッホー★」

卯月「フフッ★　美嘉ちゃん、今日もチョーイケてます★」

未央「しまむー！？　影響受けすぎじゃない！？」

凛「普通の子程、染まりやすいって言うもんね」

卯月「あっ、凛ちゃん★　LINEの花、マジカワだったんですケド★」

未央「早く取って！　しまむー、その黒い星取って！」

卯月「エ★ー？　黒い★って、★何言ってん★のー？★」

凛「増えすぎ！　卯月、増えすぎだから！」

美嘉「えっ？　でも、可愛くない？★」

未央「全然可愛くないから！」

凛「ほら卯月、こっち来て！」

グイッ！

卯月「★うわ★ぷっ★！？」

未央「ごめんねしまむー！　私が、ポイ捨てなんてしたから！」

凛「ちゃんとゴミ箱に捨てないからだよ未央！」

美嘉「……！？」

　　・　　・　　・

未央「……これで、全部取れたかな？」

凛「卯月、頑張りますって言って」

卯月「へっ？　ええと……」


卯月「島村卯月、頑張ります♪」


未央「ミッションコンプリート！」

凛「うん、やっぱり卯月はこうでなくちゃね」

卯月「その……ありがとうございます？」

美嘉「……」

未央「しまむーを見てて思ったんだけどさ、変わらないものがあるって良いよね」

凛「うん。誕生日は大事だけど、それ以上に自分らしさは大事だね」

卯月「な、なんだかわからないけど……頑張ります！」

未央「もー！　しまむーったら、いつもそれなんだから！」

凛「ふふっ、でも安心する」

卯月「その……えへへ」


美嘉「ねえ」


未央・凛「あっ」

美嘉「アタシの★、可愛くないって思ってる？」

未央「いや……それは……」

美嘉「ゴミ箱に捨てないと駄目な程かなー？★」

凛「待って……さっきのは……」

美嘉「……」

未央・凛「……」

卯月「そうだ！　未央ちゃん、お誕生日おめでとうございます♪」

未央・凛・美嘉「……」

卯月「……あれ？」


卯月「どうしてお通夜ムードなんですか？」



おわり

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おつ

乙