【モバマス】さめくるしい【ゆかさえ】 (10)
ゆかり「私達の」
紗枝「うちらの」
ゆかさえ「「ゲームですか?」どす?」
さくら「そうだよぉ!」
亜子「ある動画を見てなー、ゆかりちゃんと紗枝ちゃんが主人公のゲーム作って売ったら」
さくら「みんな喜んでくれるんじゃないかなーって思ったんですぅ!」
亜子「おまけに売り上げも……うひひ」
紗枝「……まあお金の話は置いといて。えらい楽しそうなお話やなあ」
紗枝「せやけど、そのげーむは誰が作るか決めてはるん?」
亜子「その点は大丈夫や! プログラムはイズミンや知り合いのエンジニアさんに頼んでOK貰っててな!」
亜子「ちひろさんやプロデューサーにも許可もろて、二人以外の出演メンバーとももう契約済みや!」
亜子「あとは主役のお二人が協力してくれたら企画できるねん。やってくれません?」
ゆかり「私はいいですよ。皆でゲーム作りなんて、すごく楽しそう……!!」
紗枝「んー…うちも反対やないんやけど、げーむの内容によるなあ」
紗枝「そんなことあらへんとは思うけど、あんまりやらしい内容やったら……」
亜子「ないない! タオル巻いてお風呂くらいは入れようって思ってますけど、基本は全年齢対象の学園アドベンチャーゲームで考えてます!」
亜子「『あいくるしい』ってタイトルで恋愛あり謎解きありで楽しいゲームにしよう思てるねん!」
紗枝「ふーむ……せやったら、うちも参加しまひょか~」
紗枝「またすけじゅーる決まったら、伝えておくれやす」
亜子「オッケー、企画じゃシステムを先に完成させてから声入れることになってますんで、その時はよろしくなー!」
さくら「よろしくお願いしますぅ!」
ゆかり「はい、こちらこそよろしくお願いします」
紗枝「げーむ言うんはあんまりやったことないんやけど……楽しゅう出来たらええなあ」
紗枝「……ところで亜子はん、さくらはん。どうしていきなりうちらのゲーム作るなんて……」
ゆかり「さっきは、ある動画がきっかけとは言っていましたが……」
亜子「ああそれ? この動画で、『ゆかさえ』が熱いと聞いたんですけどー……」ポチポチ
亜子「ほらこれ」
ユカーサエッテーイーイナッ♪
ゆかさえ「「わあ……!」」
ゆかり「私達の活躍を、こんなに願ってくれる人がいたなんて……!」
紗枝「なんや照れてまうなあ。ここまで真っすぐ言われてまうんは」
~物陰~
「……」
奏「……ふーん?」
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――――――――――――――――――――
亜子「いやー楽しみやなあ、ゲームが完成すんの!」
さくら「早くやってみたいね!」
亜子「いやいや……デモプレイは主役二人が最初にやるべきやろ。アタシらはその次!」
さくら「はぁーい……」
亜子「…にしても、思い付きやったけどちゃんと面子集められて良かったわ」
亜子「こう言うのは思うように人集まらんで企画倒れするもんやと思ってたからなあ」
さくら「みんなすごいですぅ!」
亜子「ホンマそう思うわあ……」
奏「ねえ、二人とも」
亜子「ん?」
さくら「あっ、奏さん! おはようございますぅ!」
亜子「あら、おはようございます奏さん。どないしたんですか?」
奏「おはよう。さっき紗枝たちに話してたことだけど……」
亜子「ゆかさえ主役のゲームですか? 奏さんに声入れてもらうんはまだ先になりますけど……」
奏「ええ、私がキャラクターとして声を入れるのは先で、まだ脚本の段階と聞いてるわ。そのことなんだけど」
さくら「???」
奏「まずはこれを見て欲しいの」スッ
サーァメッテーイーイナッ♪
亜子「……!」グワワワワワワン
さくら「……!!」ウィンウィンウィンウィンウィン
奏(――洗脳完了)
奏「……ゲームに参加する皆を集めて頂戴」
奏「私の家に招待するわ」
亜子「リョウカイシマシタ」
さくら「マカセテクダサイ」
奏「サーァメって?」
亜子さくら「「イーイナッ!!」」
奏(……ごめんね。ゆかりちゃん、紗枝ちゃん)
奏(だけど、この企画の発端があの動画だって言うのなら……)
奏(私は大人しく引き下がるわけにはいかないのよ)
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~デモプレイ当日~
ゆかり「ついに『あいくるしい』のゲームが完成したそうですね、紗枝さん!」
紗枝「何か月もかかる言うてたけど、えらい早よ進んだなあ。楽しみやわあ」
ゆかり「この部屋ですね。失礼します……」
さくら「あっ! ゆかりさん紗枝さん、おはようございますぅ!」
亜子「ついに完成したで! ほらほら座ってーなお二人さん!」
紗枝「ええんかなあ、うちらが一番最初にやっても」
ゆかり「そうですね。皆で作ったゲームですし、それに私もあんまりゲームの経験がないのですが……」
奏「いいんじゃないかしら? 私達はここで見てるから、2人には初めての感動を見せて欲しいな」
紗枝「そういうもんやろか……せやったら、お言葉に甘えて」
ゆかり「ゲームスタート、ですねっ♪」
『―――――』
テンテンテンテーン
テンテンテンテーン
紗枝「はあー……冒頭でうちらの曲が流れるんはええなあ」
ゆかり「タイトルが出ますね。…あっ。何か書かれてます」
『―――サメ吹雪が舞い散る学園で』
『―――私達は出会った』
紗枝「……はい?」
『―――サメを知らない少女』
『―――サメを伝える少女』
『―――サメを失った少女』
『―――サメを信じている少女』
『―――サメに包まれた少女』
ゆかり「さ、さめ?」
『―――これは、5人の少女達とサメの淡く切ない物語』
『―――童貞を殺す服でサメを殺せ』
『さめくるしい』
ゆかさえ「」
『2Pモード:キャラクターを選択してください』
奏「この画面では私、ゆかり、紗枝、かな子、まゆの5人からキャラクターを選択できるわ」
奏「今はそれぞれ自分のキャラを選択してちょうだい。ゲームの進行に不利になることはないはずよ」
ゆかり「な、なるほど……?」
紗枝「……うち自身を選ぶんはええんやけど」
紗枝「当たり前のようにちぇーんそー構えてるんはなんなん?」
奏「サメと言ったらチェーンソーじゃない」
紗枝「そうなんかー、なんや東京はそないな習慣があったんかー」
ゆかり「あっ見てください紗枝ちゃん! この画面でチェーンソー振り回せるみたいですよ!」ブンブン
紗枝「そっかー、なんでうちら当然のようにチェーンソー振り回してるんやろなー」
ゆかり「服装は『あいくるしい』の時の衣装なんですね!」
紗枝「誰かさんやサメを殺すつもりでこの服着たわけやないんやけどなー」
ゆかり「ワクワクしてきました……ゲームスタートですっ♪」
紗枝「ゆかりはんはいちいち可愛らしいなあ」
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ゆかり「あっ紗枝ちゃん! 校舎の右上からサメが飛んできます! あぶない!」ギュイイイイイイン
紗枝「おおきになあ、ゆかりはん。なんでサメが飛んでくるんやろなあ。うわあ制服がサメの血まみれやわあ」
ゆかり「いいんですか紗枝ちゃん! 彼のことを諦めて!」
ゆかり「今ここに群がるサメ達を切り倒して行かなきゃ、もう彼とは永遠に会えないんですよ!?」ギュリギャギャギャギャギャ
紗枝「あの人はもう食べられてるんちゃうんかなあ……」
ゆかり「お、お風呂シーンなんて入れてたんですね……これくらいならいいんですけど、ゆでだこみたいになってるのは恥ずかしいですね……///」
紗枝「サメの肉片が浮かぶ湯とか、効果が気になるお風呂やわあ」
ゆかり「エサがありません! どうすれば! ……かな子ちゃんを使いましょう!」
紗枝「えっ何それ……ほんまや、『あいてむ』欄に『サメに包まれた少女』って書かれとる」
紗枝「でも待ってそれ使ってしもうたら今ならまだ引き返せるってゆかりはんやめ」
紗枝「かな子はぁぁぁぁぁぁぁん!!」
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奏「どう? 楽しんでいただけたかしら?」
紗枝「しゃーく」
ゆかり「しゃーく!」
奏「良かった。2人とも楽しんでくれたみたいで、企画を練った甲斐があったわ」
奏「これから私達5人で声を吹き込んで、そして主題歌も歌うの。作詞は私が務めさせてもらったわ」
奏「最高の学園サメアドベンチャーゲームにしましょう」
ゆかさえ「「しゃーく!」」
奏「さあ、おいでまゆ。かな子。私達の出番よ」
ザッ
まゆ「うふふ……まゆ、サメを信じてますから。サメを信じていれば、まゆは……」
かな子「サメだから大丈夫だよ」
紗枝(ああ……何てことや)
紗枝(まゆはんに、かな子はんの目。よう見たら、亜子はんにさくらはんの目も)
紗枝(黒目がえらい大きなってるんや)
紗枝(まるでサメの目や)
奏「さあ……歌いましょう? まゆ、かな子。サーァメって?」
かなまゆ「「いーいなっ♪」」
奏「ゆかり。さーぁめって?」
ゆかり「いーいなっ♪」
奏「サーァメってー」
「「「いいいいいいぃぃぃなあああぁぁぁぁぁぁ♪」」」
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サメかき分け歩き続けたこの道が全てだったから
本当の地獄を見つけ出すのが怖かった
だけどあの日あなたと出会い(乾いた)笑顔に触れ頭は溶けて
こんなに自分が(映画に)優しくなれるとは思わなかった
あったかいサメの前で
何も言えはしないけど
さめくるしい映画(ヒト)に会えたから
永遠(の虚無)を確かめるように(タイトル間違いがないかケースの)背中を見つめてみた
急になんかサメの風に流されたような
私の願いなんて単純なものだよ
いつも通りに…
トゥールットゥットゥー
トゥールットゥットゥー
トゥールットゥットゥー
トゥールットゥットゥー
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奏「紗枝。サーァメって?」
紗枝「じーざす♪」
~HAPPY END~
ゆかさえもいいけどサメもね
ちょうど二週間後の11/11にシャークネード5がニコ生で放映されます。超たのしみ。
京都弁は難しいですね
ここまで読んでいただきありがとうございました<(_ _)>
まゆかわいそう
まゆは恋愛成就のためサメの召喚に手をつけます
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