【月刊少女野崎くん】姉のアイドル~家に訪問編~ (24)

野崎くんSS
アニメ未登場のキャラが出てくるのでアニメ派の人は注意

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僕の名前は佐倉十和、中学2年生です。

僕には高校生の姉がいます。

その姉は……





佐倉「そしたら野崎くんがねー……」



佐倉「野崎くんはいつも……」







佐倉「あ! そういえば野崎くんが……」











モデルの野崎さんが大好きです。

十和「……姉ちゃん」

佐倉「ん? 何?」

十和「うるさい」

佐倉「えっ!? どうしたの急に!?」

十和「いやだって、僕と話す時いつも野崎さんの話ばかりじゃん」

佐倉「だって野崎くんの事が大好きなんだもん!!」

十和「……そうかもしれないけどさ」

十和(明日はテニスの試合だ……)

十和(姉ちゃんが野崎くん野崎くんうるさいから試合中も野崎さんの事を思い出してしまいそうだ。 そうならないようにしよう)

十和(それに明日の対戦校は第一中学……テニスの強豪校だ)

十和(絶対に負けないぞ!!)

当日

「みんないるかー?」

「はーい」

十和(ここが第一中学……初めて来た)

「第一中ーー!! ファイッオー! ファイッオー!!」

十和「ん?」

「ファイッオー! ファイッオー!!」

十和(あれは……柔道部か)

十和(朝からランニングなんてまるで野球部みたいだなぁ)

真由「……」

小林「おいマー君!! めんどくさがって止まるんじゃねえ!!」

十和(……なんだあの柔道部員)

十和(ここが第一中のテニスコートか)

十和(近くには柔道部の部室がある)

バターン!!

十和(畳に叩きつけられる音だ)

「ウオオオオオオオオオ!!!」

十和(どうやら練習が盛り上がってるみたいだ)

「素晴らしい絵をありがとうございます主将!!」

十和(美術部なのか!!?)

「佐倉!! ボール行ったぞ!!」

十和「! は、はい!!」

十和(柔道部の音に気をとられてる場合じゃない!!)

「おい野崎!! もっとエロいの描け!!!」

十和「野崎!!?」

ガン!!

十和「いっ!!?」

「おい!! ど真ん中だぞ!! 何やってんだ!!」

十和「す、すいません……」

十和(なんとか試合には勝った……次は先輩の応援だ)

バターーン!!

十和(柔道部はちゃんと練習してるようだ)

十和(きっとさっきのは誰かがサボって絵を描いてたんだな)

十和(ちゃんと練習を……)チラッ

真由「このようにして寝技を……」

「うおおおおおおおおおお!!!」

十和「全員!!?」

十和(まさか全員サボってるとは……なんて部活だ)

バターン!!

「そういや第一中の柔道部ってすげーよな」

十和「?」

「寝技だけしかしないらしいぞ」

十和「えっ」

「しかもそれが恐れられて不戦勝もしばしばあるらしい」

十和「どういうことなんだ……?」

十和(そういえばさっき部活で『野崎』って聞こえてきたな)

十和(あの主将の人、顔がどことなく野崎さんに似てるような……)

十和「……」

十和(まさか、ね)

帰り道

「お疲れ様ー」

「じゃあな佐倉ー」

十和「うん、じゃあね」

十和「さて、もう日が暮れそうだしさっさと……」

十和「……ん?」

真由「……」ぐったり

十和「主将が倒れてる!!?」

十和「あ、あの!! 大丈夫ですか!!? どこか怪我したんですか!!?」

真由「……」

十和「……?」

真由「帰るのがめんどくさい」

十和「!!?」

十和(そ、そんなばかな!!)

十和(帰るのがめんどくさいってだけで……道端に倒れる人がいるか!!!?)

真由「……」

十和(ど、どうしよう……ほって置くわけにもいかないし……)

十和「……あの!!」

真由「……?」

十和「家……どこですか?」

十和「僕……おんぶします!! だから……」

十和「ふんっ!! ……はぁ……はぁ……」

真由「……」

十和(思ってたより重いな……!! 筋肉が原因なんだろうけど)

十和「えっと……この曲がり角、右ですか? 左ですか?」

真由「……」

十和「……? どうしたんですか?」

十和(もしかして……具合が悪くなったのか?)

十和(……いや違う!!)

十和「……喋るのがめんどくさいんですか?」

真由「……」コクリ

十和(やっぱり!! どんだけめんどくさがりなんだこの人!!)

真由「……ここの◯号室」

十和「ふう……やっと着いた」

十和「このマンションに住んでるんですか?」

真由「ここは兄さんの家……今日は兄さんに用があったから」

十和「は、はぁ……」










ピンポーン

十和「……」

ガチャッ

野崎「はい」

十和「!!!!!?」

十和「の、ののののの野崎さん!!?」

野崎「ん? 君はこの間の……」

真由「……」

十和(まさか……ただ苗字が一緒なだけだと思ってたら……)

十和(本当にあの野崎さんの弟さんだったなんて……)

野崎「これは一体……どういう状況なんだ?」

真由「……」

野崎「成る程、真由がめんどくさがって動かない所を君がおんぶしてここまで連れてきてくれたわけか、ありがとう」

十和「喋ってないのにそこまで分かるんですか!?」

野崎「そうだ、よかったらお茶でもしていかないか?」

十和「! い、いえ。 僕もそろそろ帰らないといけないので……」

十和(……待てよ)

十和(ここで野崎さんの部屋の写真とかを撮れば姉ちゃんも喜ぶかもしれない)

十和(いつも野崎くん野崎くんうるさいけど……なんだかんだいって助けられてる所もあるしな)

十和(姉ちゃんのお陰で美術のテストも良かったし)

十和「すいません!! やっぱり……お邪魔します!!」

野崎「ああ、分かった」

十和「お邪魔します!!」

十和(モデルさんの家……恐らく沢山の服が……)

十和「……」

十和(なんでこんなに少女漫画がびっしりと!!?)

野崎「そういえば真由、お前はこの御子柴の美少女フィギュアを取りにきたんだろ?」

真由「……」コクリ

十和「美少女フィギュア!!?」

十和(どういうことだ……!? 少女漫画に美少女フィギュア……)

十和(……いや!! 他人の趣味をとやかく言う筋合いはないけれども!!)

十和(というかモデルの要素がどこにもない!!)

野崎「どうぞ、お茶です」

十和「あ、ありがとうございます……」

野崎「そうだ、いきなりで申し訳ないが」

十和「?」

野崎「実は今度、雑誌の特集で仕事場……俺の部屋を公開する事になってるんだ」

十和(自分の家で撮影をすることもあるのか……)

野崎「だから部屋を撮影したりするのは控えて欲しい……SNSとかで拡散されたら特集の意味がなくなってしまうからな」

野崎「いいだろうか?」

十和「は、はい!!」

十和(そうだよな、部屋まで撮るのはちょっとやりすぎだよな)

十和「……あれ、そういえば弟さんは?」

野崎「俺の部屋で寝てる」

真由「zzz……」

十和「い、いつの間に……」

帰り道

十和(姉ちゃん、野崎さんがフィギュアとか少女漫画持ってるって知ったらどうなるかな……)

十和(待てよ、そもそも野崎さんはみんなにそれを言ってるのか?)

十和(あまり言えないような趣味のような気もするけど……)








十和「ただいまー」

佐倉「おかえり十和!! それより聞いて!! 野崎くんが……」

十和(またか……)

十和「ねぇ姉ちゃん」

佐倉「何?」

十和「野崎さんの趣味って知ってる?」

佐倉「野崎くんの趣味?」

佐倉(確か……)













野崎『己の無趣味さに悲しみを感じる』













佐倉「無趣味って言ってたよ」

十和(やっぱり隠してる!!)

十和「……姉ちゃん、今度の雑誌での特集……覚悟しといた方がいいよ」

佐倉「へ? どういうこと?」

十和「僕もう疲れたから……おやすみ」

佐倉「あっ! ちょっと!! 十和!!」















『夢野先生の仕事場電撃訪問!!!』

佐倉(野崎くんの部屋が公開されてる……)

佐倉(でも私、いつも野崎くん家に行ってるから全然驚かないなぁ)

十和「姉ちゃん……特集、どうだった?」

佐倉「……いや、別に驚かなかったよ?」

十和「許容範囲!?」

終わり

おつおつ

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