*某映画のパロディ……というか、設定の一部を少しだけ借りて創ったお話です。
*映画は未視聴でも全く問題ありません。
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8月25日、夜―――。
シャフト
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《LINEグループ:Aqours》
ヨーソロー:そういえば
✝堕天使ヨハネ✝:なに
ヨーソロー:明日花火大会だ
マリー☆:!!!
果南:いいね
果南:明日の夜、暇な人!
るびぃ:(。`・ω・。)ノ
✝堕天使ヨハネ✝:ノ
国木田花丸:まるもいけます
ヨーソロー:1年生は全員参加!優秀だね!!
マリー☆:私もオーケーよ!
ヨーソロー:あ、私ダメなんだった
ヨーソロー:ごめん
果南:なんだとお
ヨーソロー:明日は久しぶりにパパが帰ってくるから…
ヨーソロー:ごめんね
国木田花丸:しょうがないずら
果南:ダイヤは?
ダイヤ:ルビィが行くなら行きます
マリー☆:ブレないわねえ
るびぃ:あとは千歌ちゃんと梨子ちゃんかな?
チカ:ごめん、明日は旅館の手伝いが…
るびぃ:そっかぁ
チカ:しまねえに聞いてみたけど、やっぱりダメだって
梨子:ごめんなさい、私も用事で…
果南:じゃあ2年生組は全滅かぁ
ヨーソロー:申し訳ない
チカ:面目ない
果南:急だったし、しょうがないね
果南:来られる人は、また明日の練習後に詳しく話そっか
ヨーソロー:それでは
チカ:解散!!
✝堕天使ヨハネ✝:なんで来ない人が解散宣言出してるのよ……
―――――――――――――――――――――――――――
志満「千歌ちゃーん、ちょっといい?」
グループラインでの会話もひと段落したところで、1階から志満姉の声がした。
千歌「はーい」
私は返事をしながら、どたどたと階段を降りていく。
志満「明日の段取りの確認をさせてね。……ごめんね、部活帰りで疲れてるところ」
千歌「毎年のことだから大丈夫だよ」
美渡「どーせ暇なんだから手伝えよー」
志満「もう美渡ちゃん、そういうこと言わないの」
美渡姉の無神経な言い方に、思わずムッとしてしまう。
千歌「そうだよ!一応花火大会誘われたの断ってるんだからね!!」
志満「そうだったの……。ごめんね」
私が反論すると、志満姉が申し訳なさそうに目を伏せた。
志満姉に謝ってほしくて言ったわけじゃないのに……。
美渡姉はと言えば、そんな私の非難の目線を感じたのか、そっぽを向いて知らんぷりしている。美渡姉め……。
千歌「別に、大丈夫だよ。……まぁ、ちょっとは残念だけど」
夏の間が手伝いで忙しいのは毎年のことだ。
手帳にも前もって書いてある予定だし、心の準備だってできている。
『大丈夫』というのも強がりでも何でもなく、本当にそう思ってのこと。
確かに『ちょっとは残念』というのも本当だけど……。
美渡「そういえば……今日の夕方頃、お隣さん珍しく騒がしかったみたいだけど、何かあったのかな?」
千歌「隣って、梨子ちゃんち?」
美渡「んー。なんだろう、親子喧嘩とか?」
志満「こらこら、そんなわけないでしょ」
千歌「梨子ちゃんが親子喧嘩……ちょっとイメージできないけどなぁ。あ、ライン来てる」
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梨子:千歌ちゃん、やっぱり明日の花火大会来られたりしない?
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梨子ちゃんからのメッセージは、さっきのAqoursのグループラインではなく、個人ラインを通してのものだった。
どうして、わざわざ……?
それに、明日は梨子ちゃんも来られないって言ってたのに……。
ともかく私は、断りの返事を入れた。
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チカ:ごめんね。この時期はどうしても人手が足りなくなっちゃうから……
梨子:そっか。いきなりごめんね?
チカ:ううん、梨子ちゃんは明日行けそうなの?
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と、ここで私たちの会話は途切れてしまった。
一晩待ってみても、結局、梨子ちゃんからの返事は来ないままだった―――。
8月26日、昼―――。
果南「はい、一旦休憩ね。10分したら再開するよー」
善子「ぐぅ……今日も疲れた……」
花丸「明らかにその黒い衣装のせいずら」
ルビィ「夏は日射しがあるから大変だよねー」
ダイヤ「ちゃんと水分補給しておくのですよ」
よしまるびぃ「「「はーい」」」
千歌「梨子ちゃーん!……あれ、それは?」
梨子「ああ、これ?」
そう言って梨子ちゃんが差し出したのは、とても美しい小さな球だった。
梨子「『もしも玉』って言うんだって。『もしも~だったら』って言いながらこれを投げると、その通りになるのよ」
千歌「なにそれ……。確かに綺麗だけど、梨子ちゃんが冗談言うなんて、珍しいね」
梨子「そう?」
千歌「そうだよぉ。……あ、そうそう。昨日はごめんね。もしかして、梨子ちゃんも花火大会行けるようになったの?」
梨子「……うん、そんなところかな」
梨子ちゃんは、少し躊躇いがちにそう言った。
何かあったのかな……?
千歌「そっか、楽しんできてね。……あれ、梨子ちゃん、目の周りちょっと赤い?」
よく見ると、梨子ちゃんは少しだけ目を腫らしているようだった。
梨子「ごめん、お手洗いに行ってくる!」ダッ
それを聞いた梨子ちゃんはなんだか焦った様子で目を押さえ、そのまま走って行ってしまった。
梨子ちゃん、昨日から様子がおかしいみたいだけど……何かあったのかなぁ?
曜「……梨子ちゃん、どうしたの?」
千歌「トイレだって。……あ、梨子ちゃんも花火大会行けるらしいよ」
曜「そうなんだ!よかったね。……これで不参加組は私と千歌ちゃんだけかぁー」
千歌「曜ちゃんは久しぶりに帰ってくるお父さんに会うんでしょ?私はただのお手伝いだもん、全然違うよぉ」
曜「旅館の娘は大変だねぇ」
千歌「うーん。まぁ、たまにだから、別にいいんだけどね……」
8月26日、夜―――。
練習が終わったら大急ぎで帰ってきて、部屋の掃除にお夕食の準備。もう大忙しだよぉ……。
志満「千歌ちゃん、これよろしくね」
千歌「はぁい!」
今頃、みんなは花火見てる頃だよね……。
いいなぁ、ちょっと羨ましい。
美渡「千歌、車のキー落としたお客さんがいるっていうんだけど……」
千歌「えぇ!?もしかして、探してこいって……?」
美渡「おっ、珍しく察しがいいじゃん。それなりの年齢のおばあちゃんでさ、歩き回るのもつらいんだって。たぶん家の前だと思うから、頼んだよ!」
千歌「もー、わかったよぉ!」
美渡姉め。まったく、人遣いが荒いんだから……。
千歌「えっと、車の鍵、車の鍵……」
玄関先を探していると、浜辺で何かがキラリと光ったように見えた。
千歌「なんだろ……?」
後で真面目に探すから……ちょっとくらい、いいよね。
私は光の正体を確かめるべく、砂浜へと走った。
千歌「これって……」ヒョイ
探し物はすぐに見つかった。お昼に梨子ちゃんが言ってた『もしも玉』だ。
でも、どうしてこんなところに……?
千歌「!」
そんなことを考えていると、遠くで何か大きな音がしたのが聞こえた。
打ち上げ花火の音だった。
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梨子「『もしも玉』って言うんだって。『もしも~だったら』って言いながらこれを投げると、その通りになるのよ」
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梨子ちゃんにしては珍しい冗談。別に、本気で信じるわけじゃないけどさ……。
花火大会を楽しんでいるであろうみんなの顔を思い浮かべながら、私はぎゅっと『もしも玉』を握りしめた。
千歌「もしも、今日旅館の手伝いをしなくてもよかったら!!!」ブンッ
『 i f 』
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美渡『たぶん家の前だと思うから、頼んだよ!』
な、何これ……?
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ダイヤ『ちゃんと水分補給しておくのですよ』
これって、さっきの……。
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千歌『そうだよ!一応花火大会誘われたの断ってるんだからね!!』
ダメ、意識が―――。
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8月25日、夜―――。
志満「千歌ちゃーん、ちょっといい?」
一瞬気を失ったような感覚のあと、私は志満姉の声で我に返った。
千歌「……え?え??」
志満「どうしたの?大丈夫?」
千歌「えっと、あの……」
志満「明日の団体さんね、体調が優れなくてキャンセルだって。直前で悪いけど、お手伝いもナシで大丈夫だから」
千歌「明日手伝わなくていいって……」
志満「明日、花火大会があるでしょう。もしよかったら、お友達と行ってらっしゃい」
美渡「千歌、よかったじゃん」
千歌「えええっ……!??」
なんで?なんで?どういうこと!?
あのとき私が言ったとおり、本当に手伝いをしなくてよくなってる!?
それに、時間も巻き戻って……。
千歌「あっ、そうだ!ライン!」
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梨子:千歌ちゃん、やっぱり明日の花火大会来られたりしない?
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やっぱり、昨日と同じ……!
私は震える指で返事のメッセージを打ち込んでいく。
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チカ:ねぇ梨子ちゃん教えて。『もしも玉』って何なの?わたし、あれを使って未来から
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……と、そこまで入力したところで止めた。
あのときの梨子ちゃん、本気で『もしも玉』のことを信じていたようには見えなかったし、ラインで『もしも玉』のことを聞いても面倒なことになりかねない。
これはいったん消して……とりあえず、返事だけ。
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チカ:ついさっき明日のお客さんがキャンセルになって、行けるようになったよ!
チカ:梨子ちゃんも行けるの?
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明日はまた練習なんだから、『もしも玉』のことは直接聞いてみればいい。
そう考えていると、梨子ちゃんから返事がきた。
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梨子:ねえ千歌ちゃん、花火大会、私と2人だけで行かない?
チカ:どうして?みんなで行こうよ
梨子:どうしても2人がいいの
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梨子ちゃん?急にどうして……。
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梨子:お願い
チカ:わかった
チカ:明日でいいから、理由を教えてね
梨子:うん。ありがとう
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梨子ちゃんは、こういうことを意味もなく言う子じゃない。でも、どうして……?
『もしも玉』のことだろうか。それとも別の……?
明日、梨子ちゃんに聞くことがまた1つ増えた。
8月26日、昼―――。
果南「じゃあ柔軟からね。ペア作って」
曜「千歌ちゃんやろ」
千歌「うんっ。……あれ、今日ルビィちゃんは?」
曜「お稽古事だって。大変だよねー」
千歌「お稽古?」
曜「そうそう。いっぱいやってるでしょ、ルビィちゃん」
曜ちゃんは事もなげにそう言ったが、ルビィちゃんがお稽古事をやっているなんて聞いたことがない。
ましてや、それを理由にAqoursの練習を休んだことなんて……。
千歌「え……そうだったっけ?」
曜「千歌ちゃん、寝ぼけてる?ルビィちゃん、それで忙しいのにAqoursの練習と両立しようと頑張ってるんじゃん」
納得は出来なかったけれど、曜ちゃんが少し心配そうな顔でこちらを見てくるので、私は適当な顔をして頷くしかなかった。
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――――――――――――――
―――――
果南「はい、一旦休憩ね。10分したら再開するよー」
千歌「梨子ちゃん」
梨子「千歌ちゃん。昨日はありがと」
千歌「うん……どういたしまして?あのね梨子ちゃん、聞きたいことが……」
Aqoursの練習の休憩時間。
梨子ちゃんを質問攻めにしようと意気込んでいた私だったが、彼女が『それ』を握っているのを見て言いたいことが吹っ飛んでしまった。
千歌「あ……!!」
梨子「ああ、これ?『もしも玉』って言うんだって。『もしも~だったら』って言いながらこれを投げると、その通りになるのよ」
千歌「その話、本当!?」
私は真っすぐに問い返す。梨子ちゃんの真意を確かめなくちゃいけない。
梨子「え?」
千歌「本当にそうなの!?」
焦っている私が可笑しく見えたのか、梨子ちゃんは小さく笑ってこう言った。
梨子「……まさか。そんなわけないでしょ。ちょっと、お手洗いに行ってくるね」
千歌「え……。梨子ちゃん、ちょっと!」
私の呼びかけも空しく、梨子ちゃんはスタスタと屋上から出て行ってしまった。
結局、ちゃんと聞けなかったなぁ……。
曜「……梨子ちゃん、どうしたの?」
千歌「トイレだって。……あれ、今日の善子ちゃん、いつもの黒い衣装じゃないんだね」
曜「黒い衣装……?うーん、今日の千歌ちゃんは不思議ちゃんだね」
8月26日、夜―――。
練習後、Aqoursの皆には見つからないようにこっそり待ち合わせして、梨子ちゃんと合流した。
結局、梨子ちゃんに聞きたかったことは、未だに何一つ聞けていない。
千歌「そろそろだね。打ち上げ花火」
梨子「うん、もうすぐかな」
千歌「ねえ梨子ちゃん、どうして今日―――」
私がそう言いかけたとき、ちょうど打ち上げ花火の音が私の話を遮った。
梨子「綺麗……」
千歌「本当だね……」
言いたかったことも忘れて、思わず一瞬、花火の方に見とれてしまう。
そして、梨子ちゃんは急にこう切り出した。
梨子「……引っ越すの」
千歌「へ?」
梨子「私ね、夏休みが終わったら、関西に引っ越すの」
千歌「えっ……?」
唐突な言葉。
徐々に理解が追いつくとともに、全身の血の気が引いていくような感覚に襲われる。
梨子「お父さんの仕事の都合でね、どうしても引っ越さなくちゃいけないの。単身赴任も考えたって言ってたけど、ここのところお母さんがずっと体調悪くって。だから、急だけど、家族3人で引越しだって」
ラブライブSSって何かをパクらないと書けない人間が多いのか
千歌「ち……ちょっと待ってよ。なにそれ?本当に……?」
それと同時に、頭にかーっと血がのぼっていく感覚もする。
打ち上げ花火の音なんてとっくに聞こえなくなっていた。
梨子「だから、本当なの。私、もう内浦には1週間も居られない」
千歌「どうしてそんな大事なこと、もっと早く……!!」
梨子「私も、昨日聞いたばっかりなの。転勤の話自体は1週間前くらいからあったらしいんだけど、私に余計な心配かけないようにって、お父さんとお母さんの2人で決めたんだって」
千歌「梨子ちゃんはそれでいいの!?せっかくこうやって友達になれたのに……。それに、Aqoursのことも!」
私は人目も憚らず、思わず声を荒らげた。
梨子「いいわけないじゃない!!」
千歌「っ!」
梨子「私だって、ずっとここに居たいに決まってる。でも昨日、家族で話し合って、もう本当に仕方ないんだなって思って。それで……」
梨子ちゃんが言いよどむ。
梨子「せめて、千歌ちゃんに一番に話しておきたかった。誰よりも最初に、千歌ちゃんに」
千歌「……っ!!」
唐突に今日の花火大会に誘ってきた梨子ちゃん。
目を赤く腫らしていた梨子ちゃん。
様子がおかしいのは、そういうことだったんだね……。
私は、もう何も言えなくなってしまった。
千歌「……ねぇ梨子ちゃん、『もしも玉』持ってる?」
梨子「え……?も、持ってるけど。千歌ちゃん、まさか本気で信じて」
そっか、やっぱり梨子ちゃんは本気で信じてるわけじゃなかったんだね。
千歌「信じてくれなくてもいい。私ね、『もしも玉』を使って、今日をもう一度やり直してるんだよ」
千歌「本当なら、旅館のお客さんのキャンセルなんて入らなかった。私は今日、梨子ちゃんに誘われたのを断って、お手伝いをしてるはずだったんだ」
梨子「!」
千歌「もしかしたら、梨子ちゃんの引越しも無かったことにできるかも。だから……お願い、試すだけでいいから」
梨子「……わかった。千歌ちゃんのこと、信じるね」
千歌「別に信じてくれなくてもいいよ。私が梨子ちゃんだったら信じないだろうし」
梨子「ううん、信じるよ。千歌ちゃんの言うことだもん」
そう言って、梨子ちゃんは私に『もしも玉』を渡してくれた。
千歌「えへへ、ありがと。……それじゃ」ギュッ
私は『もしも玉』を強く握りしめ、思い切り投げた。
千歌「もしも、梨子ちゃんの引越しの話がなくなったら!!!」ブンッ
『 i f 』
―――――――――――――――――――――――――――
梨子『せめて、千歌ちゃんに一番に話しておきたかった』
また、この感覚……!
―――――――――――――――――――――――――――
曜『今日の千歌ちゃんは不思議ちゃんだね』
成功、かな?これで、梨子ちゃんは……。
―――――――――――――――――――――――――――
志満『もしよかったら、お友達と行ってらっしゃい』
また、意識が遠くなる―――。
―――――――――――――――――――――――――――
8月25日、夜―――。
志満「千歌ちゃーん、ちょっといい?」
また志満姉の声で意識を取り戻した。
“前回”と同じ感覚だ。
千歌「……っ!う、うんっ」
志満「明日の団体さんね、体調が優れなくてキャンセルだって。直前で悪いけど、お手伝いもナシで大丈夫だから」
千歌「わ、わかった」
志満「明日、花火大会があるでしょう。もしよかったら、お友達と行ってらっしゃい」
千歌「うん。ちょっと、友達に電話してくるね」
私は志満姉との話を早々に切り上げ、梨子ちゃんと連絡を取ることにした。
美渡「……なんか、あんまり驚いてなかったな」
志満「千歌ちゃんならびっくりして喜ぶだろうと思ってたけど……。なんだか上の空、って感じ?」
美渡「これは、男か……?」
志満「千歌ちゃんに彼氏!?なんてこと……!!」
美渡「ちょ、冗談だって!……聞いてないし」
千歌「……」プルルルル
ダメだ。何回か掛けてみたけれど、やっぱり繋がらない。
梨子ちゃんからのラインは来てないし、私が願ったとおりに変わったってことだよね……?
仕方ないか、ラインで連絡だけしておこう。
―――――――――――――――――――――――――――
チカ:明日、私と一緒に2人で打ち上げ花火見に行かない?
―――――――――――――――――――――――――――
私は梨子ちゃんの返事を待った。待ち続けた。
けれど結局、夜まで待っても返事は来なかった―――。
8月26日、昼―――。
千歌「おっはよー!」ガラッ
勢いよく部室のドアを開ける。
が、そこにはAqoursのメンバーは誰もいなかった。珍しいなぁ……。
千歌「……ん?」
と、そこでおかしいことに気づく。
“1回目”のときも“2回目”のときも、私が来たときにはほとんど皆そろってたのに……。
練習の日時が変わった?それなら、どうして“今回”だけ……?
千歌「そうだ、ライン……。っ!!?」
私はラインのアプリを立ち上げたが、そこにAqoursのライングループは無かった。
千歌「そんなっ、どうして、どうして……!?だって、そんなはず……」
それどころか、曜ちゃん、梨子ちゃん、果南ちゃん以外のメンバーは連絡先に登録されていないようだった。
まさか、Aqoursが……?
いや、そんなはずは無い。こんなの、何かの間違いに決まってる!
千歌「曜ちゃんの番号は……!」
ラインを操作して、曜ちゃんに電話を掛ける。
とにかく、どうなってるのか話を聞かないと……。
曜『もしもしー?千歌ちゃん、どうしたの??』
千歌「曜ちゃん?……ねえ、今何してるの?今日はAqoursの練習だよね?」
曜『……あくあ?』
千歌「スクールアイドルだよ、ス ク ー ル ア イ ド ル!9人で活動してるじゃん、私達!」
しっくり来ていない様子の曜ちゃん。嫌な汗が頬を伝う。
曜『スクールアイドルって……。ああ、そういえば新学期に千歌ちゃんが始めようって言ってたっけ。でも、なんで急に?人が集まらないからって、結局諦めちゃったじゃん』
千歌「そん、な……!!」
スマホが手から離れる、地面に当たる音がする。
曜『千歌ちゃん?ねぇ、なんか凄い音したけど大丈夫?』
千歌「……っ!!」
私は急いでスマホを拾い上げ、思いつく限りの質問を曜ちゃんに投げかけた。
千歌「ねぇ、梨子ちゃんは?……曜ちゃん、私と一緒に誘ったよね。それから……ルビィちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃんは!?」
曜『桜内さんはピアノが忙しくてそれどころじゃないって言ってたし……。あとの3人って、1年生の子たちだっけ?』
千歌「ちょっと待ってよ……!!ねえ、果南ちゃんは?ダイヤさんは?鞠莉さんは……??」
曜『わわっ、どうしたの本当に……。果南ちゃんはダイビングショップの手伝いで忙しいし、ダイヤさんって、生徒会長の……?それに、鞠莉さんって……??』
千歌「理事長だよ!私達の学校の!!」
曜『り、理事長って……ぷくくっ、あはははっ!!あ、わかった。もしかして、夢の話?それなら今度ゆっくり聞かせてよ』
千歌「曜ちゃん、ちょっと待ってよ!!」
曜『ごめんね、私これから飛び込みの練習だから。……それじゃね!』プツッ
そう言って、曜ちゃんは電話を切ってしまった。
千歌「そんな……。そんなぁ……」ウル
千歌「Aqoursが……私たちのAqoursが、無くなっちゃった……」ポロポロ
私は、曜ちゃんの言葉を受け止めきれず、その場に崩れ落ちた。
曜ちゃんとの電話を切ってまもなく、コツ、コツと規則正しい足音が廊下に響いた。
誰かが、こちらに向かって歩いてくる。
千歌(いけない、いつまでもこうしていられないんだから……)
ぐしぐしと涙をぬぐって、私が立ち上がろうとすると―――。
???「あら?」
蹲っている私の上から、見知った声が聞こえた。
???「……千歌さん?どうしたのですか?」
千歌「っ!だ、ダイヤさん……」
声の主は、ダイヤさんだった。
千歌「ダイヤさん!私のこと、わかるんですか!?」
ダイヤ「はぁ?何をおっしゃいますの??……というか、あなた泣いて……一体、どうしたんですの!?」
いつもと変わらない様子のダイヤさんに、ますます涙があふれてしまう。
私は涙で顔がぐちゃぐちゃになるのも構わず、ダイヤさんに問いかけた。
千歌「……ぐすっ、ダイヤさん。あの、Aqoursって分かりますか?」
ダイヤ「っ!!あなた、それをどこで……。果南さんに聞いたのですか?」
千歌「ダイヤさん……。Aqoursって、ダイヤさんたちが1年生の頃、果南ちゃんと鞠莉さんと組んでたスクールアイドルのグループの名前ですか?」
ダイヤ「鞠莉さんのことまで知っているのですね……。ええ、そうです」
千歌「今のダイヤさんは、私たちと一緒にスクールアイドルをやってるわけじゃ……ないですよね」
ダイヤ「どうしたんですの本当に……。第一、あなた自身スクールアイドルなんてやっていないでしょう。部員が集まらなくて諦めたんだから」
ダイヤさんから放たれた一言。
その一言は、わずかな希望に縋っていた私を絶望に突き落とすには十分すぎるものだった。
ダイヤ「私が昔スクールアイドルをやっていたことをルビィから聞き出して、私まで勧誘してきたときは本当にビックリしましたけれど」フフッ
千歌「そう、ですか。失礼しました……」フラッ
私はふらふらとその場を立ち去る。
ダイヤ「ちょっと、千歌さん!あなた、大丈夫ですの!?」
後ろからダイヤさんの声が聞こえてきたが、もう全く気にならなかった。
ダイヤ「本当に、大丈夫かしら……」
間違いない。やっぱり、Aqoursが無かったことになってる……。
私が『もしも玉』で梨子ちゃんが引っ越さないことを願ったから?
どうしてこうなるのかはわからないけど、原因はそれしか考えられないよね……。
「わ」ドンッ
と、考えを纏められないまま歩いていると、思い切り人にぶつかった。
千歌「ご、ごめんなさい!」
「こらこら、ちゃんと前を向いて歩かなきゃダメだよ。……なんだかフラフラしてるみたいだけど、大丈夫かい?」
千歌「は、はい……」
「今日も暑いから、夏バテには気を付けて。それじゃ」スタスタ
あれ、こんな先生いたっけ……?
それに、今この人が入っていったのって……。理事長室!?
千歌「そうだ、鞠莉ちゃん……!」ダッ
私は理事長室のドアを開けた。
千歌「し、失礼しますっ!」ガラッ
「ん?さっきの……」
鞠莉ちゃんの椅子に座っていたのは、さっきぶつかってしまった男の人だった。
千歌「り、理事長……先生……?」
理事長「はい、そうだよ。私に用事かな?」
千歌「ま、鞠莉ちゃんは……?」
理事長「マリちゃん?」
千歌「小原鞠莉ちゃん……」
理事長「ああー、小原さんとこのご令嬢!彼女に何か用事なの?確かいま、海外留学中なんだよね」
千歌「留学中……」
理事長「そうそう。大学も向こうで通うのかなぁ……」
千歌「そん、な……」フラッ
そこで、私の意識は途切れた―――。
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
―――――
千歌「!」バッ
ダイヤ「ようやく目を覚ましましたか。……まったく、理事長室でいきなり倒れたと聞いてびっくりしたんですからね。今日のあなた、本当に変ですわよ?」
千歌「ダイヤさんっ!?えと、ここは……保健室?」
ダイヤ「そうです。何とかここまで運んで、あなたが起きるまで待っていたのですが……。まぁ、何ともなかったようでなによりですわ」
千歌「すみません……。私、こんな時間までずっと寝てたんですね」
保健室には、うっすらと夕陽が差し込んでいた。
ダイヤ「用事が済んだのなら、すぐに帰ってゆっくりお休みなさい。……なんだか、今日のあなたを見ているとこちらまで不安になりますわ」
千歌「本当に、すみませんでした。……ずっと待ってもらってたなんて」
ダイヤ「それも生徒会長の務めですから。ほら、お帰りなさい」
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
―――――
千歌「どうしよう……。こんなことになるなんて……」
ピロン♪
千歌「ライン……。梨子ちゃんからだ!」
―――――――――――――――――――――――――――
梨子:返事、遅れちゃってごめんね
梨子:今、電話しても大丈夫?
―――――――――――――――――――――――――――
私は、夢中で電話の発信ボタンを押した。
8月26日、夜―――。
千歌「梨子ちゃんっ!」
ここは、沼津にある総合病院。
梨子ちゃんから事情を聞き出した私は、真っ青になってここまで飛んできた。
梨子ちゃんは、私が来ることを聞いてロビーで待っていてくれた。
梨子「こんばんは、千歌ちゃん。……ごめんね、わざわざ来てもらって」
千歌「違うの、梨子ちゃん。違うの……」ポロポロ
泣きたいのは梨子ちゃんの方。
そのはずなのに、いざ梨子ちゃんを目の前にすると、私の涙は止まってくれなかった。
梨子「ち、千歌ちゃん!?どうして泣いて……」
千歌「梨子ちゃん、ごめんなさい……!!」ポロポロ
私の涙ながらの謝罪に、梨子ちゃんは困惑するばかりだった。
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
―――――
梨子ちゃんから聞いた話は、こうだ。
梨子ちゃんのお母さんとお父さんは、やっぱり引越しをすべく話を進めていたらしい。
そして昨日、梨子ちゃんにその話を伝えるつもりでいた。
ところが―――。
千歌「交通事故!?」
梨子『ええ……。ひき逃げだったらしくって。それでお父さん、昨日から入院してて……完治するまでには結構掛かるって。それで、引越しの話も無くなって……』
梨子『昨日は私達もずっとお父さんに一緒に居て、千歌ちゃんからの連絡も……ごめんね、気づいてはいたんだけど、なかなか返事する気になれなくて』
私のせいだ……!
私が勝手なことを願ったから、だから……!!
梨子『千歌ちゃん?……ねえ、聞こえてる?千歌ちゃん?』
居てもたってもいられず、私は梨子ちゃんが教えてくれた病院に急いで向かったのだった。
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
―――――
梨子「……そう。『もしも玉』を使って、私が引っ越さない世界を作ったんだ。ここは、千歌ちゃんが作った世界なんだね」
私は泣きながら梨子ちゃんに事情を説明した。
そもそもが荒唐無稽な話であるうえに、思考がぐちゃぐちゃになってうまく伝えられた自信は無いが、梨子ちゃんは何とか理解してくれたようだった。
千歌「私のこと、怒らないの……?」
梨子「怒らないよ」
千歌「……そうだよね。ごめん。やっぱり、信じられないよね」
梨子「違うよ、そうじゃない。そんなに慌てた様子の千歌ちゃん、初めて見たもの。本当のことなんでしょ?」
千歌「……うん」
梨子「私のためにやってくれたことだもん。怒るわけないよ」
千歌「でも、梨子ちゃんのお父さんは……。それに、Aqoursだって無くなって……」
梨子「じゃあ、どうする?」
千歌「どうする、って……?」
梨子ちゃんはそう言うと、ポーチから『もしも玉』を取り出した。
梨子「『もしも玉』を割れば、千歌ちゃんの『もしも』は全部無かったことになって、もとの世界に戻れるはず。それなら、千歌ちゃんの言うアクア?は元通りで、私のお父さんも事故に遭うことは無くなるよね」
千歌「でも、それじゃ、梨子ちゃんが……!!」
梨子「それとも」
梨子ちゃんが『もしも玉』を握りしめて言う。
『もしも玉』を使ったときの、あの世界が暗転する感覚が思い出される。
梨子「このまま何度も『もしも』を繰り返して、千歌ちゃんの望む世界を作り続ける?」
千歌「……っ!!」
梨子「それなら私の引越しも無くなって、お父さんの事故も無くなって、アクアのみんなも元通りにできるかも。その代わり」
千歌「また何かがおかしくなっちゃうかも……」
梨子「うん、そうだね。……どうしてかは分からないけど、きっと、千歌ちゃんには、世界を選ぶ権利があるんだと思う」
梨子「ねぇ千歌ちゃん、どうする?」
千歌「……っ。私は―――」
9月1日、朝―――。
朝のホームルームの時間。
担任の先生が1人ずつ名前を読み上げて出席を取っていく。
「―――さん」
「はい」
「小崎さん」
「はい」
「佐々木さん」
「はい」
「瀬川さん」
「はい」
「高海さん。……高海さん?うーん、遅刻かしら。それじゃ次は―――」
おわり
エピローグ
梨子「……」
千歌「……」
9月1日。
夏休みが明けて最初の日、私は学校をサボって、梨子ちゃんと一緒に海を見に来ていた。
梨子「強いね、千歌ちゃんは」
千歌「そんなことないよ」
梨子「ううん、そうだよ。……『もしも』で何でも変えられる可能性があっても、こうしてちゃんと現実と向き合ってる。私にはわからないけど、そうなんでしょ?」
結局私は『もしも玉』を割ることを選んだ。
現実を無理矢理変えようとした結果、梨子ちゃんのお父さんは事故に遭い、Aqoursも無くなってしまった。
だったら、梨子ちゃんが言った『世界を変える権利』なんて、最初から私には無かったんだ。……そう思うことにして。
梨子「たぶん、の話なんだけどね。私も『もしも玉』を投げたことがあると思うんだ」
千歌「えっ!?」
梨子「“1回目”のとき、千歌ちゃんは『もしも玉』を砂浜で拾ったって言ったでしょ?きっと私、どうしようもなく耐えられなくなって、海に向かって『もしも玉』を投げたんだと思う」
千歌「でも、梨子ちゃんって『もしも玉』のこと信じてなくって……」
梨子「そうだね。でも、どうしようもなくなっちゃったとき、馬鹿らしいなんて思いながらやっちゃうんだ、きっと。私はそういう子だから」
梨子ちゃんは自嘲的な笑いをこぼした。
短くない期間一緒にいて、初めて見る表情だった。
私はそんな梨子ちゃんを見ていたくなくて、話題を変えようとした。
千歌「でも、それならおかしいよ。梨子ちゃんが『もしも玉』を投げたなら、そのとき梨子ちゃんの願いが叶ってたはずでしょ?」
梨子「ううん、きっとそうじゃなかった」
私の言葉を、梨子ちゃんはあっさりと否定した。
千歌「なんで……」
梨子「なんでだろうね。私が投げても叶わなくって、千歌ちゃんなら叶えられた理由。それってね、千歌ちゃんが強かったからだって思うの」
千歌「……?」
梨子「もし私が『もしも玉』の力を使えたら、きっと何度でもやり直して自分に都合のいい世界を作り続けちゃうんだと思う。私のせいで誰かが傷ついたりしても、構わずに」
千歌「そんなこと……」
梨子「だから、千歌ちゃんには最後まで感謝しっぱなしだね。私もようやく現実に向き合う勇気が持てそう」
千歌「!」
梨子ちゃんは小さく息を吸い込んで、言った。
梨子「私行くね。今までありがとう、千歌ちゃん」
梨子ちゃんの言葉に、私はまた目頭が熱くなった。
千歌「そんな、一生のお別れみたいに……」ウル
梨子「そうだけど、Aqoursのメンバーとして、みんなと一緒に輝くのはもう終わりだから」
千歌「それは、そうだけど……」グスッ
梨子「大丈夫。連絡はたくさんするよ。休みの日には、こっちまで遊びに来るつもり。千歌ちゃんはそうじゃないの?」
千歌「ううん。……たくさん連絡する!梨子ちゃんのところに、また遊びに行く!」ニコ
梨子「ふふっ、ありがと」ニコ
梨子「お父さんとお母さん、怒ってるかなぁ……」
千歌「怒る……っていうか、心配してると思うよ。引越し当日の朝になっていなくなっちゃうんだもん」
梨子「引越しなんて大事な話、私に何の相談もなく決めるんだもん。ちょっとは困ってもらわないと」
千歌「ちょっと、なんてレベルじゃないと思うけど」
梨子「いいの。ちょっと遅めの反抗期。それに、最後に千歌ちゃんと一緒に居られたんだもん。怒られるくらい、我慢するよ」
千歌「梨子ちゃんひとりじゃないよ。私も一緒に怒られてあげる!」
梨子「ありがと。……でも、他人の心配してる場合かな?千歌ちゃんは千歌ちゃんで学校サボったのバレたら大目玉だと思うけど」
千歌「はっ!?しまったー!梨子ちゃん、一緒に怒られて!!」
梨子「私はすぐ引越しだし無理かな」クスクス
千歌「そんなぁー!!」
梨子「ふふっ。……あははっ、もう、千歌ちゃんは最後まで千歌ちゃんなんだから」
千歌「なぁに、それ……。ふふっ」
梨子「……ねぇ、千歌ちゃん」
千歌「なぁに?」
梨子「さよなら。……これからも、よろしくね?」
千歌「うんっ。こちらこそ、これからもよろしくね!梨子ちゃん!!」
今度こそ終わり
おつ
悲しい…
乙りこっぴー
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