いろは「わたしと先輩って全然釣り合ってないじゃないですかぁ」八幡「あ?」 (17)

八幡「急になんだ、喧嘩売ってんのか?」

いろは「わたしってかなり可愛いじゃないですかー」

八幡「容姿、ビジュアル、見た目、顔の作りという点ではそうだな」

いろは「……個人的には学校でもトップ3に入るくらいだとは思うんですよー。……雪ノ下先輩には勝てないですけど」

八幡「まぁあいつは顔の作りだけはいいからな。顔の作りだけは」

いろは「でも先輩ってよくて平々凡々じゃないですかぁ」

八幡「俺は目が腐っている点を除けばそれなりにイケメンだと自負しているぞ」

いろは「そこが大幅なマイナスポイントですけどね」

八幡「まぁそれは否定できん」

いろは「……まぁわたしは先輩の目嫌いじゃないですけど」ボソッ

八幡「なんか言ったか?」

いろは「なんでもないですよーだ」

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いろは「それにスタイルもいいじゃないですかー」

八幡「そうだな」

いろは「あれ、ケチ付けないんですかぁ?」

八幡「事実は事実だし、何言っても負け惜しみでしかねぇだろ」

いろは「先輩にしては潔いですね……。まぁ、スタイルに関しても学校でもかなりいい方だと思うんですよ」

八幡「俺はまずスタイルの良い学校の女子とやらをほとんど知らないんだが」

いろは「まぁいろはチェックの限りでは、こっちでもわたしはトップ3には入ると思います!」

八幡「だから知らねぇっつの」

いろは「……アレは結衣先輩には勝てないですけど」グスッ

八幡「……まぁ、あれだ。まだ伸びしろはあるはずだ、たぶん」

いろは「ほ、細さなら勝ってますから! ……こっちは雪ノ下先輩に勝てないですけど」グスッ

八幡「いや、お前ら二人とも細すぎだから。もうちょっと太らないと心配になるぞ俺は」

いろは「女の子と男の子だと細いの基準が違いますからねー」

八幡「男の基準に合わせた方が絶対健康だと思うがな」

いろは「あれ? ということは先輩は総武高スタイルTOP3を侍らせてるってことじゃないですかぁ?」

八幡「知らねぇよ。というかさすがに他にもいるだろ」

いろは「先輩はもっと自分の置かれてる状況をありがたく思うべきじゃないですかねー?」

八幡「むしろ変わってくれるなら変わってほしいぐらいだわ。戸部あたりに譲るわ」

いろは「それだと多分わたしと結衣先輩は来なくなりますけどね」

八幡「もっと優しくしてやれよ……」

いろは「スタイル維持するためにいろいろ頑張ってるんですよー? おいしいもの我慢したり、ジョギングしたり……」

八幡「そうかそうか一色は頑張り屋さんだなー」

いろは「気持ちがこもってないです! もっと念入りに褒めてください!」

八幡「はいはいこれでいいか」ナデナデ

いろは「えへへー」フニャリ

いろは「じゃなくって!」

いろは「それに対して先輩ってせいぜい中肉中背じゃないですかー」

八幡「いや、つっても俺175cmあるんだが」

いろは「えー絶対嘘ですよ。頭のそれ込みでしょ」

八幡「どこぞの錬金術師かよ……」

いろは「まぁ仮にあったとしても先輩って細マッチョって体型でもないですしー、隣歩くひとは180cm以上の人がいいですしー……」

八幡「体鍛えるのとかめんどくさい。動きたくない」

いろは「清々しいほどの自堕落さですね……」

八幡「モテるために体を鍛えるなんて言うのはな、ただの自己満足なんだよ。大抵体鍛えてるうちにモテることより体鍛えることの方が目的になったりするんだ」

いろは「やったことないくせに……」

八幡「そもそも俺は別にモテたくもないから体は鍛えない。はい終わり」

いろは「ダメ人間だぁ……」

いろは「まぁ先輩がモテたら困りますけど」ボソッ

いろは「しかもわたしってなんだかんだ未経験じゃないですかー」

八幡「じゃないですかー、とか言われても知らねぇよ」

いろは「キスもしたことないんですよぉ?」

八幡「ですよぉ? とかあざとく言ってる時点で信頼度ゼロなんだが」

いろは「ほんとですってばー。わたしかなりガード固いですから」

八幡「でもお前ゆるふわビッチじゃん」

いろは「先輩はビッチビッチ言い過ぎですから! そもそも、女の子が簡単に身体を委ねたらそれこそビッチですよ。わたしそんなに安い女じゃないですからね?」

八幡「普段のお前の行動からは信じられんな……」

いろは「一線を越えないからこそみんな俺のものにしてやる! って具合で集ってくるんですよー」

八幡「お前にとっての取り巻きの男子はハエか何かか?」

いろは「やだなー、お友達ですよオ・ト・モ・ダ・チ」

八幡「哀れだ……」

いろは「しかもデートの知識とか豊富じゃないですかー」

八幡「まぁあれだけいろんなとこで貢がせてりゃ、そりゃあな」

いろは「おしゃれなお店とかもたくさん知ってますよ。今度教えてあげましょうかぁ?」

八幡「せいぜい小町としか一緒に行かんからいらん」

いろは「デートコースをたくさん知ってるのってやっぱりステータスだと思うんですよぉ」

八幡「男はお前みたいな軽そうな女は敬遠するもんじゃねぇの?」

いろは「それはコンプ拗らせすぎですって。ふつうは経験もステータスなんですよー? まぁデートコースは男の人に考えてほしいですけどね」

八幡「ほー。俺にはよくわからんがな」

いろは「それに対して先輩って全然デートの行き先とかわからないじゃないですかー」

八幡「ららぽ、サイゼ、ディスティニー。完璧じゃねぇか」

いろは「家族での買い物じゃないんですから……」

八幡「おしゃれな店って場所代で相当お金ボられるじゃん。やだよ」

いろは「そんなケチくささじゃ女の子は喜ばせられませんよー?」

八幡「小町はサイゼで大喜びだから大丈夫だ」

いろは「シスコンもマイナスポイントですよー……。まぁ、先輩と行ったデートもなんだかんだ楽しかったですけど」

いろは「あと人脈もあるじゃないですかー」

八幡「お前のは人脈と言うのか?」

いろは「各部のエースとかエース候補とかの男の子たちはだいたい知り合いですよー?」

八幡「それはただの被害者軍団じゃないですかね……」

いろは「でもわたしの大抵のお願いは聞いてくれますしー、わたし校内では結構な影響力を持ってると思うんですよー」

八幡「お前は女王様にでもなるつもりか」

いろは「それに対して先輩はボッチじゃないですかー」

八幡「俺はボッチであることを誇りに思っているからセーフだな」

いろは「そんな可哀想なことで開き直らないでください……」

八幡「俺は戸塚と小町さえいればそれでいいんだよ」

いろは「わたしも必要でしょぉ?」

八幡「いらん。むしろ熨斗付けて送り返すまである」

いろは「なにおー!」プンスカ

八幡「お前はお前を必要とする奴のところに行ってやればいいんだよ」

いろは「……どうせわたしを本当の意味で必要としてる人なんていませんよ」ボソッ

八幡「あ?」

いろは「なんでもないですぅー」

いろは「しかもわたしって結構一途じゃないですかー」

八幡「気に入った男子にはとりあえず手を出すとか聞いた思い出があるんですけど」

いろは「あれはお遊びですからー。本当の恋には一直線です!」

八幡「世間一般ではそれを浮気と言うと思うんですが……」

いろは「そもそも付き合ってないんだから浮気も何もないですよー。まぁ最近はしてませんけど」

八幡「まぁ確かに一時期は葉山に一直線だったな」

いろは「恋に恋する乙女だったんですよー」

八幡「お前のをそんな可愛らしい言葉で言い表したくないんだが……」

いろは「それに対して先輩って結構移り気じゃないですかー」

八幡「バカ野郎、俺は小町一筋だよ」

いろは「先輩が中学時代にいろんな人に目移りしてたのわたしちゃんと知ってますからね?」

八幡「うぐっ」

いろは「しかもさっきの理論で言っても戸塚先輩に目移りしてますしー」

八幡「うぐぐっ」

いろは「だから先輩は将来浮気とかしそうで怖いです」

八幡「俺は自分の身を弁えてるからそれだけはねぇよ」

いろは「向こうから寄ってくる可能性の方が高いんですけどね……」ボソッ

いろは「ついでになんだかんだ真面目じゃないですかー」

八幡「まぁ、そうだな」

いろは「先輩がまともに認めたっ!?」

八幡「事実はちゃんと認めるっての。思ったより生徒会長もちゃんとやってたしな」

いろは「やり始めた仕事はちゃんとやり通すんですよー」

八幡「お前のそういうとこはすごいと思うぞ、普通に」

いろは「っっ。そういうとこ、ずるいです……」ボソボソ

八幡「は? 何がだよ」

いろは「うるさいです! それに対して先輩って不真面目じゃないですかー」

八幡「要領が良いと言え」

いろは「奉仕部に入れられた人が先輩以外に居なかったことからもわかりますよねー」

八幡「おい雪ノ下はどうなるんだ、雪ノ下は」

いろは「あの人は初めからいたのでセーフです」

八幡「その理論がよくわからんのだが……」

いろは「つまり先輩は学校一不真面目なんですよぉ」

八幡「つまり学校一要領が良いんだな、よし」

いろは「都合よく言葉を曲解しないでください!」

いろは「……まぁ大事な時には誰よりも頑張ってましたけど」ボソッ

え?なんだって?

いろは「まぁさっきまでのことからわかるようにわたしと先輩って全然釣り合ってないと思うんですよー」

八幡「はいはいそうだね」

いろは「なんですかその態度はぁ!」

八幡「いやお前はそれを言ってどうしたいの? 俺をボロクソに打ちのめしたいの?」

いろは「いやー」






いろは「でもわたしって先輩のこと好きじゃないですかー」







いろは「なんででしょうね?」

八幡「……知らねぇよ」

いろは「先輩、顔真っ赤ですよー?」

八幡「お前も顔真っ赤じゃねーか」

いろは「えっ嘘っ」

八幡「ほれ見ろ、顔に出てないだけで動揺してる」

いろは「うぅー! ずるいです!///」

八幡「一色にやられっぱなしは悔しいからな」

いろは「むー!」プクー

八幡「いやあざといから」

いろは「じゃあ先輩は! それに対して先輩はどうなんですか?」

八幡「…………」



ギュッ



八幡「……わざわざ言わせんな」

いろは「……ほんとずるいです、先輩」




いろは「でもわたしって先輩のこと大好きじゃないですか―」

八幡「……二回も言わなくていいから」

いろは「だからこんなのじゃ満足できないです」

八幡「んなっ」



チュッ



いろは「はい、これで釣り合い取れましたねっ///」

八幡「…………バーカ」



終わり

いろはす~

なんだ神か

乙です

きんもー

おつおつ

おつ
もっと書いてくれ

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