ドレッドロック「謎の異次元空間にドハマリして身動きが取れなくなるなんて……!!」
ギャラクシーコンボイ『すまんな』
・『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』本編終了後のSSです。未視聴の方はネタバレ注意。
・肩の力を抜いてお読み下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504282862
ドレッドロック(右。副司令官、後に宇宙連合議長)
http://i.imgur.com/h0Khb8A.jpg
ギャラクシーコンボイ(総司令官)
http://i.imgur.com/uOnGGuS.jpg
ドレッドロック「そ、それで大丈夫なんですか!?」
ギャラクシーコンボイ『幸い、周囲に危険と思われる物や敵の姿はない。厄介なのは出口さえも見当たらないことだが』
ドレッドロック「一刻を争う事態ではないと……。良かった、少し安心しましたよ」
ギャラクシーコンボイ『いずれにせよ、セイバートロン星と交信できたのは不幸中の幸いだ。すまないが私が乗っていたスターシップに連絡を取ってくれ。こちらからは交信できないのでな』
ドレッドロック「分かりました。それで、そこから脱出する手立ては?」
ギャラクシーコンボイ『今のところ見当もつかないが、何とかなるだろう。スターシップの方でも何か考えているだろうし、ここにいるのは私だけではないからな』
ドレッドロック「そうなのですか? まさか……」
ドレッドロック(謎の異次元空間……ひょっとして一緒にいるのは、ベク――)
バックギルド『どうもお久しぶりです、ドレッドロック議長!』
ドレッドロック「……はあ。バックギルドか……」
バックギルド『えっ、普通に酷くないですか?』
ギャラクシーコンボイ『ドレッドロック、今の反応はバックギルドに失礼だろう。彼は自分の身も顧みず、私を助けようとしてくれたのだ』
バックギルド『まあ結局、総司令官と一緒にこの空間へ引きずり込まれたんですけどね……』ハハハ
ドレッドロック「そ、そうだったのか……。すまない、バックギルド」
バックギルド『いえ、いいんですよ。きっとベクタープライムが一緒だと思ったんでしょう?』
ドレッドロック「……まあな」
ギャラクシーコンボイ『確かにベクタープライムがいれば、この空間から脱出することは容易だろう』
ギャラクシーコンボイ『だが、彼はここには居ない。我々は自分達の力で元の空間に戻らなければならないのだ』
ドレッドロック「そうですね。皆の知恵と力を合わせましょう!」
バックギルド『でも思い返すと、ベクタープライムって結構な割合でしくじって』
ドレッドロック「それ以上いけない」
ギャラクシーコンボイ『ところでドレッドロック、まだスターシップとは連絡が取れないのか?』
ドレッドロック「もう少し待ってください。なにぶん距離が距離ですから、そう簡単には」
バックギルド『早いところ、こんな所からは立ち去りたいんですけどね』
バックギルド『そうだ、いっそのこと議長の必殺技で何とかなりませんか? ほら、ストナーサンシャインとかいう』
ドレッドロック「あれは声が似ているだけだと言っているだろう! 私はトランスフォームは出来ても、チェンジやモーフィングは無理だ!」
ギャラクシーコンボイ『モーフィング……ひょっとして“トランスモーファー”の話かな?』ズイッ
ドレッドロック「違いますよ!? どうしてそこで食いついてくるんです!?」
ギャラクシーコンボイ『いや、実はな……』
【回想】
バド「はい、ギャラクシーコンボイ!」ドサッ
ギャラクシーコンボイ「バド、これは一体何なんだ?」
バド「ボクが厳選した、地球の映画だよ! 冒険、アクション、ホラー、ちょっと変なのまでヨリドリミドリ!」
ホップ「わたくしやブリット、バンパーも手伝いましたよ!」
ブリット&バンパー「「☆♪=▲××!」」
バド「ほら、新しいスペースブリッジを作る惑星を探し出すまでには何年もかかるでしょ? その間退屈しないようにって!」
ギャラクシーコンボイ「バド……。気持ちは嬉しいが、航海中もやることはたくさんあってだな――」
バド「それに!」
バド「地球の映画を見れば、地球やボクたちのことを忘れちゃうなんてことは無いでしょ!? でしょでしょ!?」
ギャラクシーコンボイ「バド……」
ギャラクシーコンボイ「分かった、この映画セットは受け取ろう。だが、これだけは覚えていてくれ。君やコビー、ローリと共に過ごした日々は、私の“宝物”だ」
ギャラクシーコンボイ「私は宇宙のどこにいようとも、いつも君を見守っている。君の心の中にいつも私がいることを、忘れないで欲しい」
バド「ギャラクシーコンボイ……」
バド「……約束だよ。絶対に、絶対にまた会おうね!!」
ギャラクシーコンボイ「ああ。“約束しよう”」
【回想終わり】
ギャラクシーコンボイ『――という訳だ』
ドレッドロック「そうでしたか……それが切っ掛けで映画に興味を持ったと」
ギャラクシーコンボイ『あれからどれくらい経ったかな。地球の子供たちは元気にしているか?』
ドレッドロック「ええ。バドだけでなくコビーもローリも、それぞれの夢に向かって精一杯努力しています。あの頃と比べると見違えるようですよ」
ギャラクシーコンボイ『そうか……また会う時が楽しみだ。バドにはどの映画も楽しんでいると伝えてくれ』
ドレッドロック「分かりました。良かった……クソ映画ハンターと化した総司令官はいなかったんですね」
バックギルド『ちなみに総司令官のお気に入りの一本は?』
ギャラクシーコンボイ『うむ、やはり“ゲルシャークネード”だな』
ドレッドロック「総司令官!?」
ピーッピーッ
ファストガンナー『……こちらスターシップ。セイバートロン星、応答せよ。繰り返す、こちらスターシップ……』
ドレッドロック「む……ファストガンナーか! 総司令官、スターシップと連絡が取れました!」
ギャラクシーコンボイ『うむ、よくやってくれた』
ファストガンナー『ドレッドロック……すまない、こちらはマズい状況だ。実は総司令官が……』
ドレッドロック「大丈夫だ、総司令官とはすでにコンタクトが取れている」
ファストガンナー『何だって……!?』
ファストガンナー『なるほど……そういう状態か。それならスターシップとセイバートロンの情報を総合すれば、総司令官のいる空間の座標がかなり絞り込めるはずだ』
ドレッドロック「やるじゃないか、ファストガンナー。さすがはサイバトロン随一の科学者だ」
ファストガンナー『だが、これだけでは正確に特定するには不完全だ。もう少し、何か情報があれば……』
バックギルド『それなら、これなんかどうです?』スッ
ドレッドロック「それは……サイバトロンPDA! 一体どうして?」
バックギルド『総司令官を助けようと飛び出す前に、これだけ引っ掴んで来たんです。とっさの判断でしたけど、私も少しは役に立つでしょう?』
ギャラクシーコンボイ『ああ、でかしたなバックギルド!』
ドレッドロック「よし、絞り込んだ座標にPDAの反応は…………やった、捉えたぞ!」ピコーン
【スターシップ船内】
ファストガンナー「では総司令官。今からそちらに、改良・小型化した擬似スペースブリッジを繋げます」
ファストガンナー「そちらから脱出させることはできませんが、こちらから救援を送り込むことは可能でしょう」
ギャラクシーコンボイ『分かった。頼むぞ、ファストガンナー』
ファストガンナー「というわけで……準備はいいか、ライガージャック?」
ライガージャック「おいおい、本当に大丈夫なんだろうな!? ギガロニアの時みたくコンドルが出てきたりしないよな!?」
モールダイブ「心配はいらないさ、ばっちり改良してある。安全第一だ…………たぶんな」
ライガージャック「たぶんって、おい!」
ファストガンナー「文句は帰ってきたら聞いてやる。擬似スペースブリッジ作動! さあ飛び込め!」ポチッ
ライガージャック「くそっ、なるようになれだ! 行くぜ!」バッ
ファストガンナー「モールダイブ、君もなかなかやるじゃないか」ニヤリ
モールダイブ「あんたほどじゃないけどな」
【異次元空間内】
ライガージャック「うおっと!」スタッ
ギャラクシーコンボイ「来たか、ライガージャック!」
ライガージャック「総司令官、ご無事で何より! さあ、こんな所からは、さっさとオサラバしちまいましょう!」
ドレッドロック『総司令官、そちらに情報を送ります! この一点に強いエネルギーをぶつければ、スターシップの近くに戻れる空間と繋がるはずです!』
ギャラクシーコンボイ「了解した。合体するぞ、ライガージャック!」
ライガージャック「おうっ! 待ってました!」
「ギャラクシーコンボイ!」
「ライガージャック!」
「「リンクアップ!!」」
「「ライガァァァッ……コンボイッ!!」」
http://i.imgur.com/FhqV1eR.jpg
ライガーコンボイ「フォースチップ、イグニッション!!」ガキィン
ライガーコンボイ「ぬうううっ、とああああっ!!」
http://imgur.com/hEzHeHk
ライガーコンボイ「ライガーグランドブレイィィク!!」
http://imgur.com/wLtreDz
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ライガーコンボイ「よし、空間に裂け目ができた! 脱出するぞ、バックギルド!」
バックギルド「ああっ、待ってください!」
…………
……
【セイバートロン星】
ギャラクシーコンボイ『ドレッドロック、心配をかけたな。おかげでこの通り、スターシップに戻ることができた』
ドレッドロック「いえ、無事で何よりです。……それにしても、総司令官は少し変わられましたね」
ギャラクシーコンボイ『映画の趣味のことかな?』
ドレッドロック「その話引っ張りますね!? まあ、それもそうですが」
ドレッドロック「マスターガルバトロン達と戦っていた頃より、その、自由というか……生き生きとしている気がします。上手く言えないのですが」
ギャラクシーコンボイ『確かにそうかもしれない。どうやら宇宙探索という任務は、私の性に合っているようだ』
ギャラクシーコンボイ『だがそれも、君のおかげというものだ。ドレッドロック』
ドレッドロック「わ、私のですか?」
ギャラクシーコンボイ『成立したばかりの宇宙連合を纏める……その困難な仕事を、君は見事に果たしている』
ギャラクシーコンボイ『だからこそ我々も、後顧に何の憂いもなく宇宙探索ができるというものだ。ありがとう、ドレッドロック』
ドレッドロック「総司令官……報われる言葉です」
ドレッドロック「ですが実際には、上手くいかないことばかりです。戻ってきたガードシェルやフランクリン大佐たちと協力して、何とか務めてはいるのですが」
ドレッドロック「自分の下した決定は正しいのかと悩むことも多くて……正直、最近は自信がなくなってきました」
ギャラクシーコンボイ『私としては、その謙虚さと誠実さが君の長所だと思っている。とはいえ、気持ちは分かるつもりだ』
ギャラクシーコンボイ『だが、これだけは言っておこう。私が君を議長に任命したのは、君ならば宇宙連合をまとめられると思ったからだ』
ギャラクシーコンボイ『今でもその思いは変わってはいない。もしも自分が信じられないならば……君を信じた、私を信じてくれ』
ドレッドロック「!!」
ギャラクシーコンボイ『もし、それでも辛く耐え難い時があるのなら――』
ギャラクシーコンボイ『この“けものフレンズ ザ・ムービー”などがお勧めだな』ジャパリパー
ドレッドロック「いろいろと台無しですよ!!」
ドレッドロック「まったく……以前は皆の模範だった総司令官が、すっかり自由人になってしまいましたね」
ドレッドロック「おかげで、何だか私まで肩の力が抜けてしまいましたよ」
ギャラクシーコンボイ『そうか。それは良かった』
ドレッドロック「ですが、できるだけ早く戻ってきてください。やはり私は、貴方の下で働くのが一番です」
ギャラクシーコンボイ『うむ。困難や障害は尽きないが、新スペースブリッジ建造計画は順調に進んでいる』
ギャラクシーコンボイ『セイバートロン星に戻れるのも、そう遠いことではないだろう。コビーとローリの結婚式には顔を出すつもりだ』
ドレッドロック「分かりました。その日をお待ちしています、ギャラクシーコンボイ総司令官!」
ギャラクシーコンボイ『ドレッドロック、今日は君と話すことができて良かった。また何かあれば連絡してくれ』
ドレッドロック「はい!」
プツン
ドレッドロック「総司令官……ありがとうございます」
ピーッピーッ
ドレッドロック「……ん? 今度はスピーディアからの通信か?」
エクシゲイザー『こちら惑星スピーディアだ。セイバートロン星、応答してくれ!』
ドレッドロック「どうしたエクシゲイザー、何があった?」
エクシゲイザー『実はかくかくしかじかで、少し厄介なことになってるんだ。悪いんだけど、手を貸してくれないか!?』
ドレッドロック「もちろんだ。待っててくれ、すぐにそちらへ向かう!」
エクシゲイザー『助かるぜ! ……けどドレッドロック、何かいいことでもあったのか?』
ドレッドロック「どうしてそう思うんだ?」
エクシゲイザー『前に話した時は、なんとなく疲れた雰囲気だったからな。けど今はけっこう元気そうだ』
ドレッドロック「はは、お前にも分かったのか。リーダーになってだいぶ成長したんじゃないか?」
ドレッドロック「だが安心しろ、もう大丈夫だ。詳しい話はそっちに着いてからゆっくりしよう」
エクシゲイザー『そうだな。それじゃあ待ってるぜ!』プツン
ドレッドロック「さてと、また忙しくなりそうだ。ひとつ気合いを入れていくか!」スウ
ドレッドロック「宇宙を守れ! トランスフォーム!!」
【終わり】
乙
いかにも娯楽に乏しそうなセイバートロン星育ちではクソ映画ハンターになるのもやむなしか…
というかバド、本当に「ちょっと変」で済むのか?
トランスフォーマーシリーズの中でも割と空気な扱いのギャラクシーフォースですが、実は魅力的なキャラやエピソードが多いんですよね。『勇者エクスカイザー』へのオマージュが強いのもグッド。
個人的には終盤のバドとフレイムコンボイの話がお気に入りです。
読んで頂いてありがとうございました。トランスフォーマーSS増えろー。
乙
転生トリオのパワーアップ回が一番好きだ
乙です
私もバドとフレイムコンボイの話好きよ
乙
ギャラクシーコンボイの中の方現状最後のコンボイであり、唯一光と闇2人のコンボイ演じてたな
同一人物でない総司令官(ギャラクシー、アドベンチャー)を二人演じているって意味でも稀有な大典氏
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