別の日

御子柴（まぁ確かに……リアルでラッキースケベなんてあったら下手すりゃ裁判沙汰だよな）

御子柴（まぁ現実にはそんなことあるわけないよな）

ツルッ！！

御子柴「うおっ！！」

御子柴（やべえ、転ぶ！！）

ドカーーーーーーン！！

御子柴「てて……」

御子柴（くそ、なんでなんもねぇとこで転ぶんだ）

御子柴（とりあえず早く起き上がらねえと……こんなかっこ悪い姿、見せるわけにはいかねぇしな）

御子柴（……ん？）

御子柴（なんだ、手にやけに柔らかい感触が……）ムクッ










瀬尾「……」

御子柴「！！！！？」

御子柴（えっ……ちょっ……これって……）

御子柴（俺がうっかり転んで……その先に瀬尾がいて……）

御子柴（そのまま瀬尾を倒して更に胸を掴んじまったってことか！？）

瀬尾「……」

御子柴（こんな漫画みたいな展開ありかよ！！）

御子柴「わ、わりい瀬尾！！ その！！ わざとじゃねえんだ！！」

瀬尾「……」

御子柴（いくらこいつでも絶対に怒るに違いねぇ！！）

瀬尾「……イケメン」

御子柴「！」

瀬尾「……お前そんなに私が好きなのか」

御子柴「！！？」

御子柴「え……は……はぁ？」

瀬尾「いくら私が魅力的だからっていきなり襲って胸触るなんてさー……」

御子柴「いや、それはお前が好きだからとかじゃなくてただの事故で……」

瀬尾「お前感謝しろよ？ ほかの女子だったらぶん殴られてるって」

御子柴「……わりい、俺もう行くな」

瀬尾「ほかのやつの触るなよー」

御子柴「触らねえよ！！！」

御子柴「嫌われないだけマシか……」

ガン！！

御子柴「いって！！」

御子柴（くそ……壁にぶつかった……なんで今日はこんなついてねぇんだ）

御子柴「……」フラフラ

御子柴（ダメだ、フラフラして周りが見えねえ……）

御子柴（どこでもいい、とりあえずこの部屋で一旦休むか）

ガラガラ……

御子柴（つうか適当に入ったのはいいけど……ここ、どこの教室だ？）

御子柴（視界がボヤけててよく分からなねえ……）

御子柴「……」ゴシゴシ

御子柴「……っと、これでようやく周りがちゃんと……」














鹿島「御子柴……？」

御子柴「！！！！！？」

鹿島「御子柴！！！？ ちょ……なんで！！？」

御子柴（まさかたまたま入った教室が女子更衣室だったなんて……）

御子柴（しかも着替えの途中じゃねえか！！）

御子柴（鹿島しかいねえのと下はまだ履いてたのは幸いだけど……あいつの黒いブラ、はっきり見ちまった）

御子柴「わ、わりい鹿島！！ これはその……ちげえんだ！！！」

鹿島「いや何が！？」

御子柴「いやその……女子更衣室ってのに気づかなくて……」

鹿島「……」

御子柴（やべえ、こんな言い訳通じる訳がねぇ！！）

御子柴（もしかして俺……鹿島との縁、切られちまうのか！？）

鹿島「……なるほど」

御子柴「？」

鹿島「ごめんね、私だけしかいなくて」

御子柴「えっ」

鹿島「ほら、御子柴って女の子達に人気あるし……基本何やっても許されるでしょ？」

鹿島「それに君のファンは多分、寧ろ覗かれたい願望があると思うんだ」

御子柴「……」

鹿島「だから君はその女子達の為に覗きを実行したんじゃない？」

鹿島「それなのにごめんね……私しかいなくて」

御子柴「お、おう……よく分かったな。 流石俺の友人だな」

御子柴「……じゃ、じゃあ俺はこれで」

鹿島「うん」

バタン

御子柴「……」

御子柴（なんとかなった……のか？）

御子柴「しかし今日は……胸触ったり更衣室入ったりと災難だな……」

御子柴（まるでギャルゲーの主人公じゃねえか……）

御子柴「……」

御子柴（まぁ流石に誰かのパンツを見ちゃうってのはないだろうな）

御子柴「……っと、そろそろ次の教室に移動すっか」

御子柴「確か次は3階だったな」

タッタッタッ……

御子柴（ん、上の階から誰かが……）

佐倉「はっ……はっ……」タッタッタッ

御子柴「おー佐倉、急いでんのか？」

佐倉「みこりん！！ そうなの、早くしないと間に合わなくて……」

ツルッ

佐倉「キャッ！！」

御子柴「！！！！」

御子柴「さ、佐倉！！！」

階段を降りていた佐倉は足を踏み外した。

そしてそのまま俺に向かって……。

バターーン！！！

佐倉にぶつかりそうになった俺は避けることもできず、目を瞑るしかなかった。








御子柴「てて……」

佐倉にぶつかって地面に頭を強打した俺は起き上がろうとして目を……

御子柴「……！！！！！！！」

俺は開けるのを拒んだ。

御子柴（このまま目を開けたら……パンツ見ちまうじゃねーか！！）

佐倉「わ、わーーーーーーーーーーー！！！ ごめんみこりん！！！ 本当ごめん！！！///」

御子柴「お、おう！！！ いいから早くどいてくれ！！///」

佐倉「う、うん！！！ ごめんね！！！ どくね！！！///」

御子柴（さっきまで自分と佐倉がさっきまでどういう態勢になっていたのかが顔に当たってた感触で分かる）

御子柴（俺の顔が佐倉の股で挟まれてた……）

佐倉「本当にごめん！！ 私がつい転んじゃって……///」

御子柴「こ、転んだもんはしょうがねえよ……///」

佐倉「も、もしかしてみこりん……見ちゃった？」

御子柴「！」

佐倉「私の……その……」

御子柴「……信じてもらえるか分かんねえけど……ちゃんと目を瞑ってたぜ」

佐倉「ほ、本当！！？ 見てない！！？」

御子柴「おう」

佐倉「そ、そっかぁ……よかったぁ」

御子柴「……」

御子柴「……どうでもいいけどよ」

佐倉「？」

御子柴「今のアクシデント、俺じゃなくて野崎だったらよかったとか思ってるだろ？」

佐倉「わ、私が！？ いや、思ってないよ！！？」

佐倉「……ていうか絶対ないよ」

御子柴「なんでだよ？」

佐倉「仮にも野崎くんはバスケ経験者だよ？ きっと私をバスケットボールみたいに軽々キャッチするよ！！」

御子柴「……自分をボールに例えるやつ、初めて見たぞ」

御子柴「……けどまぁお前が暴力ヒロインみたいなやつじゃなくてよかったぜ。 あいつらは偶に自分が悪くても主人公をぶん殴るからな」

佐倉「何の話！！？」

御子柴「ていうか……誰も見てねえよな？」

佐倉「う、うん……そうみたいだね」

御子柴「……じゃあこれはお互いなかったっつーことで」

佐倉「う、うん！！ そうだね！！」

御子柴「じゃあな、俺次3階だから。 早く行かねえと遅れるぜ」

佐倉「！！！ そ、そうだ！！ 早く行かないと！！ じゃあね！！」

タッタッタッ……










野崎「……」

野崎（すまない二人とも……俺は見てしまった）

野崎（俺が階段を登ろうとしたら……）

野崎（そこにいたのは妙な態勢で御子柴に自分のパンツを見せてる佐倉だった……）

野崎（まさか二人がそんな関係になっていたとは……）

野崎（まさか俺の身近に……恋があったとはな……）

野崎（だったら俺が……恋愛のプロとして……）

野崎（お前達二人を全力で応援する！！！）

マミコ『鈴木くん……私……パンツが見たいの！！』











御子柴「おい野崎、なんだこのマミコの台詞。 ぜってえボツになんぞ」

野崎「そうだな……確かに佐倉は鈴木じゃない」

御子柴「は？」

野崎（だったら俺が……鈴木を佐倉にするしかない！！！）

鈴木『どうかな……このリボン』

マミコ『鈴木くん……凄い似合ってる！！』














佐倉「野崎くん……最近、鈴木くんのキャラ変わった？」

野崎「ああ、これは必然だ」

佐倉「？？？」

別の日

佐倉「ね、ねぇみこりん……」

御子柴「なんだよ？」

佐倉「私達最近、アシスタントの日が減ってない？」

御子柴「おー……そういやそうだな。 今週なんか週二だぜ」

佐倉「なんでだろう……野崎くん、私がいらなくなったのかな……」

御子柴「あいつに限ってそんなことはねぇと思うけど……」

御子柴「そんなこと言ったら……俺も必要とされてねぇんじゃねえのか？」

佐倉「そ、そんなことないよ！！ だってみこりんの花、誰よりも上手いもん！！」

御子柴「ほ、本当か！？」

佐倉「うん！！ だから自信持って！！」

御子柴「おう！！ サンキューな！！」

ガン！！

佐倉「わっ！！」

通りすがりの男性「あ、すいません」







佐倉が後ろから男の人にぶつかって……

そしたら俺の前に倒れて……

御子柴（おいちょっと待て！！ このままだったら佐倉が俺にキス……）







ボフッ






佐倉「……」

御子柴「……」

御子柴（ラッキースケベって……身長も大事なんだな）