エミリー「仕掛け人さま、冤罪ですわ! 冤罪!!」 (100)
今宵、765プロミリオンシアターがお送りする特別上演。
芸能人の疑惑を暴き、断罪する。
その名も芸能人特別裁判所39号法廷。
本日、裁かれる被告人。
その名は……
エミリー「これは何かの間違いです。私、疑われるようなやましいことはありません! 一点の曇りなく無実です!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503806004
http://i.imgur.com/2eBuhO0.jpg
エミリー スチュアート
篠宮可憐「せ、静粛に。これより芸能人特別裁判を……開廷い、いたします」
可憐「裁判に関わる役柄は、765プロのみんなで……今じ、事務所で大流行しているスプラトゥーン2の対戦で決めました」
可憐「ま、まさか私が裁判長役なんて……い、いいえ! これはまさに、自分を変えるチャンスかも……がんばります」
可憐「で、では検事役の方、入廷してください」
~検事役 四条貴音&桜守歌織入廷~
エミリー「な、なにかすごく威厳のありそうな方々が、検事役ですね」
貴音「厳しく後輩に接するのも先輩としての役目。えみりー、容赦はいたしませんよ」
エミリー「貴音さま……わ、わかりました」
歌織「私も、共に学ばせていただくつもりです」
可憐「で、では検事役は、エミリーの容疑を述べてください」
貴音「はい。えみりーの罪状は『産地偽装』です」
エミリー「え?」
歌織「エミリーちゃんは、外国生まれながら日本舞踊を嗜み、その影響もあって日本語に精通し、そして来日して今日に至る……と本人は述べていますが」
エミリー「そうです。その通りです」
歌織「本当は、生粋の日本人なのではありませんか?」
エミリー「え? ち、違います!」
可憐「被告人は静かに。で、では弁護人役の入廷を……」
~弁護人役 如月千早&横山奈緒入廷~
エミリー「千早さんと奈緒さんが、私の弁護人なんですね。よろしくねお願いいたします」
千早「ええ。エミリーが外国人であることは間違いないわ。今日はそれを証明するから」
奈緒「大船に乗った気持ちで、この横山奈緒に任しときや」
エミリー(千早さんは真面目な方ですし、奈緒さんもきっと私を助けてくださると信じております!)
可憐「で、では貴音さん。罪状の件、詳しくお願いします」
貴音「はい。えみりーは、外国人を称していますがその実、外国語をほとんど使ったことがありません」
エミリー「そ、それは……大和撫子たる者、横文字は使わぬものと……」
歌織「ですがエミリーちゃんのそれは、常識をはるかに逸脱しています。それを確認するために、今回このようなセットを用意いたしました」
千早「これは……この、ゴンドラ状になった横並びの解答席のセットは……」
徳川まつり「ようこそなのです! チーム対抗クイズ番組風法廷、その名も『マツリーグ』なのです」
エミリー「え? まつりさんの声が、どこからか……」
まつり「今日のまつり姫は、天の声なのです。クイズの出題と進行を任されたのです。では、挑戦するチームをご紹介するのです。まずは、エミリーちゃんとその弁護団チーム」
奈緒「え? あ、は、はーい! クイズでもこの横山奈緒が優秀なトコ、見せちゃうさかいなー!」
エミリー「当てもの……ですか。よ、よくわかりませんが、がんばります」
千早「クイズ? これは審理と関係ないんじゃあ……」
まつり「勝ったチームには、審理の終わりに歌う権利が与えられるのです」
千早「絶対、勝つわよ! ファイト!! オー!!!」
まつり「続いて対するは、検察側チーム……なのですが、検察側チームは2人しかいないのでプラスワンゲストが用意されているのです」
歌織「プラスワンゲスト……?」
貴音「まあ、どなたなのでしょう」
※プラスワンゲストは、検察側チームにも誰であるか知らされていません(テロップ)
まつり「プラスワンゲストは、この方。高槻やよいちゃんなのですーはいほー!」
やよい「うっうー! 今日はクイズのお仕事、がんばっちゃいますよーいぇい!!」
まつり「ではまずは先行、検察側チームにチャレンジしてもらいます。ジャパニーズ・ブレインタワーなのです! 解答者のみなさんは、1人ずつモニターに映し出された人や物の名前を『日本語』で解答し、5階建てのタワーの頂点を目指していただきます。1問正解で1階分上昇、ただし不正解及び5秒以内に解答できない場合は、解答席が大きく揺れてスタート地点である1階からやり直しとなるのです」
歌織「はい!」
貴音「あいわかりました」
やよい「はーい! がんばりますよー」
まつり「それではいくのです。日本語でお答えください」
ネプリーグとVS嵐まざってんぞw
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/v5zy3rF.jpg
日本語でお答えください
歌織「チャーチルMk.IV……じゃなくて、戦車!」
ピンポーン♪
1F→2F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/DhruwZD.jpg
日本語でお答えください
貴音「ばす男」
ピンポーン♪
2F→3F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/CHkOA66.jpg
日本語でお答えください
やよい「……けーたいでんわ?」
ブーッ!
3F→1F
やよい「はわわわっ! ごめんなさい」グラグラグラ↓
貴音「案ずることはありません、高槻やよい」グラグラグラ↓
歌織「ええ。これからですよ」グラグラグラ↓
まつり「では解答者は先頭に戻って、続いての問題なのです」
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/81Js7ZF.jpg
日本語でお答えください
歌織「マチルダⅡ歩へ……い、いえ、戦車!」
ピンポーン♪
1F→2F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/2X8SLCn.jpg
日本語でお答えください
かおりさん『戦車』しか言ってねえ!
貴音「乱暴」
ブーッ!
3F→1F
貴音「あいすみません……」グラグラグラ↓
やよい「まだまだこれからですよー!」グラグラグラ↓
歌織「はい。がんばりましょう」グラグラグラ↓
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/4FApzmv.jpg
日本語でお答えください
やよい「えっと、にがうり!」
ピンポーン♪
1F→2F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/6Tvfz6r.jpg
日本語でお答えください
歌織「クルセイダー巡こ……ではなくて、戦車!」
ピンポーン♪
2F→3F
http://i.imgur.com/pdf3PA7.jpg
親父さん、娘になに教えてんですかね....
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/A9tARz4.jpg
日本語でお答えください
歌織さん戦車道を目指す世界でも生きていけそう
貴音「アブラナシヤサイカラメマシニンニクスクナメ」
……ブー!
3F→1F
貴音「えっ!?」
まつり「正解はアブラナシヤサイカラメマシニンニクヤヤスクナメ、なのです」
貴音「ああっ!? なんという不覚……」グラグラグラ↓
歌織「まだです」グラグラグラ↓
やよい「はい! 次の問題、おねがいしまーす!!」グラグラグラ↓
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/blqUKge.gif
日本語でお答えください
やよい「キャベツは日本語で、かんらん、ですよー! うっうーいぇい!!」
ピンポーンピンポーン♪♪
1F→2F
まつり「終了なのです。検察側チームは2Fで終了なのです。やよいちゃん、キャベツが甘藍というのを知っていたのはすごいのです。まさに、わんだほーなのです!」
やよい「えへへ。スーパーのチラシに書いてあったのを、伊織ちゃんになんて読むのか聞いたことがあったから覚えてたんですよー」
貴音「高槻やよいに救われましたね」
歌織「ええ。1Fで終了は避けられました」
まつり「では続いて、弁護側チームなのです」
ちゃんとイギリス戦車なの草
奈緒「なあなあ。これって、向こうは2Fなんやから、ウチら終盤を2問正解でええんちゃうの?」
千早「私もそう思っていたのよ。最悪でも1問正解すれば、引き分けだし」
エミリー「引き分けでも負けでないのなら、別に構いませんよね」
まつり「言い忘れていたのですけれど、5Fまで到達した場合は歌える曲数が1曲増えるのです」
千早「絶対に5Fまでいくわよ! 失敗は許されないわ!! ぱらぐらいだー!!!」
奈緒「……ま、まあええか。いずれにしてもがんばるだけやな」
エミリー「そう、ですわね。はい、何事にも一生懸命取り組みたいと思います」
まつり「それではいくのです。日本語でお答えください」
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/R5R43jW.jpg
日本語でお答えください
千早「え? ピアノは日本語で……ぴあの?」
ブー!
1F→1F
やよい「歌織さーん。ピアノって日本語ではなんて言うんですか?」
歌織「ピアノは……確か、洋琴?」
ピンポーン♪
まつり「さすが歌織さんなのです。検察側チームの成績は変動しないのですが、個人的にまつり姫、あんびりーばぼーなのです」
歌織「ありがとうございます」
まつり「続いては、音読問題なのです」
まつり「以下の文を日本語に、『ほ』んやくするのです」
『Hello』
日本語に訳してください
『Hello』
日本語に訳してください
奈緒「もうかりまっか?」
ピンポーン♪
1F→2F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/yL3tX4g.png
日本語でお答えください
エミリー「手風琴!」
ピンポーン♪
2F→3F
千早「て、手風琴?」
奈緒「あー、なるほど。手でこうやって風をおこして鳴らすから、アコーディオンは手風琴なんやな」
千早「そうね。すごいわ、エミリー」
エミリー「いえいえ。大和撫子たるもの、日々音楽に関わる物事を日本語で知っておくのが肝要ですから」
奈緒「なんにしてもこれでもうあっちのチームを、上回ってるわけやし」
千早「ええ。このまま連続正解、いくわよ!」
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/VKMhDrS.jpg
日本語でお答えください
千早「え……か、かめら?」
ブー!
3F→1F
やよい「貴音さん。カメラって日本語ではなんて言うんですか?」
貴音「容易いこと。かめら、は日本語で言えば写真機ですよ、高槻やよい」
ピンポーン♪
千早「そ、そうよね。カメラって単語が頭からはなれかったわ……」
奈緒「まだまだ、これからやないですか!」
エミリー「はい。危機において動じないのが、大和撫子です」
まつり「以下の文を日本語に、『ほ』んやくするのです」
『How Much』
日本語に訳してください
『How Much』
日本語に訳してください
奈緒「なんぼのもんやねん」
ピンポーン♪
1F→2F
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/fScro89.jpg
日本語でお答えください
訳おかしいだろ!W
エミリー「自鳴琴!」
ピンポーン♪
2F→3F
奈緒「わかってきたで! なんもせんでも自分で鳴るから、オルゴールは自鳴琴なんやな?」
エミリー「そうです。それをそう訳した先人の日本語に対する感覚というものを、私は素晴らしくまた美しいと思い、この胸が高まるんです」
千早「よ、よし。この調子で行きましょう!」
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/t4o4EBS.png
日本語でお答えください
千早「これ……なんだったかしら……確か……どこかで見たことあるような……」
まつり「4……3……2……1……」
千早「うっ……頭が……」
ブー!
3F→1F
千早「ごめんなさい……」グラグラグラ↓
奈緒「なんの、任せてくださいて」グラグラグラ↓
エミリー「はい。ここから挽回いたします」グラグラグラ↓
まつり「以下の文を日本語に、『ほ』んやくするのです」
『Where do you ClassRoom』
日本語に訳してください
『Where do you ClassRoom』
日本語に訳してください
奈緒「おまえどこの組のもんやねん」
ピンポーン♪
1F→2F
やよい「ならばれちゃいましたー!」
貴音「えみりーが三巡目最後の解答者、ということは……」
歌織「エミリーちゃんが次に正解したら、私たちの負けですね!」
奈緒「後は任せたで、エミリーちゃん!!」
千早「お願い!!!」
エミリー「奈緒さん……千早さん……お任せ下さい! このエミリーは……大和撫子なのですから!」
まつり「それでは最終問題、なのです!」
まつり「これ、なーんだ?」
http://i.imgur.com/K76BKvt.gif
日本語でお答えください
やよい「エミリーちゃん?」
奈緒「エミリーちゃん!」
歌織「エミリーちゃん?」
貴音「えみりー?」
千早「エミリー!」
まつり「さあ、エミリーちゃん。答えは?」
エミリー「……」ニコッ
エミリー「抜き差し曲がり金真鍮喇叭! ですわ」
奈緒「……は?」
千早「ぬきさし……」
やよい「まがりがね……」
歌織「しんちゅうらっぱ……?」
貴音「せ、正解は!?」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン♪♪♪
2F→3F
まつり「ぐーれーとわんだほー! まさかの大正解なのです!! 弁護側チームの勝利なのでーす!!! ほーほー↓ ほっほー↑ ほーほー↓ ほっほー↑ ほーほー↓ ほっほー↑ ほ」
奈緒「す、すごい!」
千早「やったわ!! ありがとう、エミリー!! これで私たち、歌えるのね!!!」
エミリー「やりましたわ! 私、大和撫子として、成し遂げました!!!」
貴音「……」ニコニコ
歌織「……」ニコニコ
エミリー「みなさまもご覧いただけましたか、エミリーはやりました!」
貴音「えみりー?」ニコニコ
エミリー「はい? なんでしょうか?」
歌織「エミリーちゃん、日本語くわしすぎない?」ニコニコ
エミリー「え? あ……!」
貴音「裁判長! かように日本語が堪能な外国人がいるでしょうか? わたくしは疑問に思わざるを得ません」
可憐「た、確かに。抜き差し曲がり金真鍮喇叭がスラスラと口から出てくる外国人は、私もなんだか信じられない気持ちになってきました」
歌織「そうです。きっとエミリーちゃんは、本当は純粋な日本人なのではないでしょうか」
エミリー「そ、それは……」
千早「異議あり!」
可憐「は、はい。なんでしょうか……?」
エミリー(千早さん……エミリーの苦境を、助けに来てくださったのですね!)
千早「さっきのクイズで勝ったら歌えるという話、あれはどうなったの!?」
エミリー(千早さん……)ガックリ
可憐「あ、あの……歌いたいのでしたら、どうぞ」
千早「え? いいの?」
まつり「まつりは嘘なんか言わないのです。では千早ちゃん、マツリーグ勝利を祝してどうぞなのです!」
千早「やったわ! それではお聴きください。如月千早で『IMPRESSION→LOCOMOTION!』」
千早「♪スプラトゥーン2しようよ! 毎日23時間♪
♪67万本を売った~♪ しかも発売後3日間でね♪
♪メインウェポンのチャージャーでチャージキープ
♪ゲームモード、プライベートマッチしちゃって別売LAN Cable♪
♪協力プレイモードで4人で協力、地獄のバイト♪ サーモンラン!♪
♪まわりの誰かを、死んだことにしなきゃ仕事は休めない♪
♪取得したいのは“忌引休暇”♪
♪身内の不幸でないとね、仕事休めないでしょ?♪
♪“叔父が亡くなった”→“叔母が亡くなった”→“ペットが亡くなった”♪
♪3、連、休!~~~♪♪♪
♪徹夜のリーグマッチはいつも♪
♪ドメスティックな対戦のモード!モード!モード!をやってる♪
♪出勤の時間は刻一刻と迫ってる♪
♪休みたい、欠勤したい、行きたくない、ゲームしたい♪
♪から電話をかけようよ!毎日をプレイタイムに♪
♪いざとなったら辞表 届けたいから♪」
やよい「ふわふわふっふー」
貴音「見事な歌声です」
歌織「千早ちゃーん!」
千早「みなさん。今日は本当にありがとう! ありがとう!! また私の歌を聞きに来て下さいね。さようならーーー!!!」
奈緒「いや、待って! 待ってくださいて。ここで終わってしまったら、エミリーちゃんの弁護はどないなるんですか?」
千早「……そ、そうか。ごめんなさい、エミリー」
エミリー「い、いえ……べ、別に……よろしいのですけど……」
可憐「それであの……弁護側の陳情はも、もういいのですか?」
歌織「なければ、有罪ということで……」
奈緒「待った! 異議ありやで!!」
エミリー(奈緒さん、助けて。奈緒さんが頼りです、お願いします……!)
奈緒「エミリーちゃんが日本語がメッチャ上手いんは認めるけど、それよりももっと重要なこと、検事側は忘れてるんちゃう?」
貴音「はて。もっと重要なこととは……?」
三連休wwww
奈緒「エミリーちゃんの髪や! 見てくださいて、見事な金髪やろ? こないな金髪の日本人が、おるわけないやないですか!」
貴音「そ!」
歌織「それは……」
奈緒「弁護側は、証人を用意しております。その証人の出廷をお願いします」
可憐「わかりました。で、では弁護側の証人は出廷を……」
~証人 望月杏奈出廷~
奈緒「証人はゲーマーねんな?」
杏奈「はい……ゲームは……好きです……」
貴音「異議あり。本件とは無関係です」
可憐「べ、弁護側……どうですか?」
奈緒「……証人は以前、被告であるエミリーちゃんから相談を受けたことがあるんやて?」
杏奈「あ……うん。髪の色について……」
歌織「髪の色?」
杏奈「大和撫子なのに……金髪はおかしいのかな……って」
奈緒「その時、証人はなんて答えたん?」
杏奈「あ……その……杏奈の知っている人……その人……外国人の忍者なんだけど……」
奈緒「うんうん」
杏奈「その人が……こう言ってた……」
奈緒「なんて?」
杏奈「『目は青くてもヤマトダマシイさ!』……って」
奈緒「なるほど」
杏奈「だから……髪は金色でもヤマトナデシコさ! も……ありだと……思う、って」
エミリー(そうでした……あの言葉で、私は救われた思いがしたのです……)
http://i.imgur.com/ooffGvW.jpg
杏奈の知っている外国人忍者
杏奈「あと……その人と関係ある人が……こうも言ってた……」
奈緒「え? なんて? なんて?」
杏奈「ラキ、ラキ、ラキキキキキ……!!!」
奈緒「え?」
エミリー(そうでした……あの言葉で、私はなんだかよくわからなくなってしまったのです……)
http://i.imgur.com/gsMeXvh.jpg
杏奈の知っている外国人忍者の関係者
奈緒「と、とにかく! エミリーちゃんは大和撫子やけど、この髪は生まれついての天然の髪の色なんです!! 生まれつき金髪なんです!!!」
貴音「生まれつき髪の色が金色……そのようなこと、ありえるのでしょうか?」
奈緒「いや、貴音さんも銀髪やないですか!」
エミリー「貴音さまは、どこの出身でいらっしやるのですか?」
貴音「それは、とっぷしいくれっとなのです。ふふっ」
千早「なんだか懐かしいセリフですね」
貴音「ヤーネフェルトの名にかけて」
千早「うわー! 懐かし過ぎるわー!!」パチパチパチ
奈緒「と、ともかく! エミリーちゃんは生まれついての金髪で、金髪の日本人なんておるわけないやないですか!!」
可憐「……」
奈緒「裁判長かて、そう思うでしょ! 日本人で金髪なんておるわけないやん!! 金髪イコール外国人!!! 金髪ノットイコール日本じ……あ」
可憐「あの……す、すみません……金髪の日本人で……」
奈緒「いや、あの……こちらこそなんか……すんません……」
可憐「……」
奈緒「……」
歌織「ま、まあ今日の所は、有罪ということでお開きにしましょうか。ね? ね?」
(実は天然ものの金髪日本人いたりする)
エミリー「いや、待って! 待って下さい!! そんな流れで有罪にされるのは、私嫌です!!!」
千早「ふふっ。安心して、エミリー」
貴音「如月千早、まだこの審理の流れを覆せる材料があるというのですか?」
千早「ええ。実は私、今回の審理にあたってエミリーの出生地に調査員を派遣していたのよ!」
貴音「なんと!」
エミリー「千早さん……私のために……先程からの余裕はこれがあってのことなのですね!」
千早「そうよ、今頃は調査員も現地に到着しているはず。そして、衛星回線でこの法廷と通信できるよう手配してあるのよ」
奈緒「す、すごいやないですか! これで一発逆転のチャンス到来ですよ!!」
千早「じゃあ調査員を呼んでみるわね。現地調査員の、あずささーん!」
エミリー「……え? あずささん?」
千早「聞こえますかー? あずささーん?」
奈緒「ちょ、ちょっと千早さん。現地調査員ってあずささんなんですか?」
千早「え? そうよ?」
エミリー「あずささんの他には?」
千早「いいえ? 予算の都合で、あずささんだけよ?」
奈緒「ち、千早さーん。あずささんが1人で、しかも外国やなんてたどり着ける思います!?」
千早「……あ」
三浦あずさ「はーい。日本の法廷のみんなー、私は今ここイギリスの首都ロンドンに来ていますよ~♪」
奈緒「あ、あれ?」
千早「ちゃんと……イギリスらしい場所の映像ね」
エミリー「ええ。ですが、なんとなく和の雰囲気も……あら?」
『羽鳥湖公園』
奈緒「今……」
千早「標識が……」
エミリー「なんだかものすごく嫌な予感がいたしますけど……」
あずさ「現地の人に、ちょっと聞いてみましょうね~。こんにちは~」
現地人「うわ! 三浦あずささんでねぇか」
あずさ「あら~日本語がお上手なんですね~」
現地人「え? ああ、まあな。今日はこれ、ブリティッシュヒルズの取材かなんかで?」
あずさ「はい~エミリーちゃんの出身地なんですよね、ここは?」
現地人「そだわげねぇよ。つがうつがう」
あずさ「え? 違うんですか~?」
現地人「765プロのエミリーちゃんの出身地なわけねぇべ」
あずさ「実は私、ここイギリスのお役所にも先ほど行ってきたんですが……これがその写真ですけど~」
奈緒「いや。その建物、天栄村役場って書いてあるやないですか!」
あずさ「そこでも、エミリー・スチュアートっていう戸籍はなかったのよね~。はい、現場からは以上です~」
千早「あ、待って! あずささん!!」
プツッ
エミリー「……」
奈緒「……」
千早「……」
貴音「これで決定しましたね」
歌織「現地に、エミリーちゃんの戸籍がなかったということは……」
エミリー「い、今のは私の出身地ではありませんでしたわ!」
貴音「しかし今のは、弁護人側が用意した人物。その人物が否定しているのですよ?」
歌織「それともまだ、何か反論の材料でもおありかしら?」
エミリー「そ、それは……」
乃々原茜「待ったあ!」
奈緒「え? 茜ちゃんやんか。どないしたん?」
茜「いやー。ロケから帰ってきたら、みんなこっちだって聞いてえ。さっそく茜ちゃん、来ちゃった。みんな、可愛い茜ちゃんがいなくて寂しかったでしょ? もう、隠さなくていいからいいから」
奈緒「いや別に隠してへんけど、今なあ大変なとこで」
可憐「も、もしかしてロンドンからお帰りです……か?」
茜「お、可愛い茜ちゃんのスケジュールはみんなもしっかり知りたくて把握しちゃってるね」
可憐「そ、そういうわけではないのですが。その……茜さんから、ロンドンの匂いが……」
千早「ロンドンの匂い?」
可憐「ほ、ほら。外国の方が日本の空港に降り立つと『お醤油の匂いがする』とか、言うじゃないですか」
奈緒「あ、聞いたことある!」
可憐「あれは、ほ、本当なんです。私は香りに敏感ですので……よくわ、わかるんです」
歌織「そういえば先日、私とイギリスのロケに行きましたものね」
可憐「は、はい。ロンドンの空気は……雨が降った後の土のような……穏やかで落ち着く香りがするんです」
千早「ちょ、ちょっと待って! 篠宮さんは、ロンドンの香りがわかるのよね!?」
可憐「え!? あ、は、はい……」
千早「エミリーちゃんの、匂いはどうなの!?」
エミリー「え? あ!」
可憐「あ……で、でもですね、猟犬のように頼られても……こ、困りますけど……茜ちゃんが機内食をチキンかフィッシュか迷った末に、両方食べてしまって今おなかが苦しいっていうことぐらいしか……わ、わかりませんから」
茜「ええっ!? なんでわかっちゃったの!?」
可憐「茜ちゃんから……お、お魚と鶏肉の香りが……ただよっていますから……」
奈緒「猟犬ほどやないやて? それ以上やんか可憐さん!」
千早「じゃあエミリーの香りをかいでみてちょうだい」
可憐「では……し、失礼しますね」ギュッ
エミリー「え? えええ? あ、あの、可憐さん。ひ、人前でこのような抱擁は……////」
可憐「……わかりました!」
貴音「なんと!」
歌織「まさか!」
可憐「この穏やかな……そして凛とした空気の香り……間違いありません! これは、ロンドンの香りです」
奈緒「と、いうことは……」
千早「エミリーは……」
可憐「はい。生まれついての方でなくては、身に染み着いた香りにはならないはず。エミリーちゃんは、イギリス人に間違いないと……お、思います!」
貴音「裁判長がそう判定したのなら……」
歌織「私たちの……負けです」
可憐「は、はい。今回の審理、エミリーちゃんは……む、無罪です!!!」
『エミリー・スチュアート、産地偽装疑惑……無罪確定』
奈緒「やったあ!」
千早「逆転勝利よ!」
茜「なんだかわからないけど、これも全部ひとえにすべて、茜ちゃんのおかげだねっ。きらりーん☆ 茜ちゃんってば、控え目に言ってもニトクリス並に可愛いよねえ~」」
可憐「よ……よかった。ほ、ホッとしました。私も大役を果たせました」
貴音「敗れたりとはいえ、見事な裁判官ぶりでしたよ篠宮可憐」
歌織「ええ、立派でしたわ」
奈緒「ほんまやな!」
千早「めでたしめでたしね」
可憐「あら……? で、でも……」
茜「ん? どしたの?」
可憐「こ、この近くで……どなたか怒っている方がいますね……」クンクン
奈緒「怒ってる人?」
可憐「お、怒って興奮すると体内で分泌される『アドレナリン』の匂いが、してきています……」クンクンクン
奈緒「審理には勝てたし、別に怒ったりしてへんで?」
千早「ええ。歌もうたえたし」
貴音「わたくしも、負けて悔いなしです」
歌織「ええ」
可憐「ですが……誰か怒っているはずです……おもいっきり怒っている匂いが……ぷ、プンプンしてるんです」クンクンクンクン
茜「あっ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
エミリー「私です……!」
可憐「!?」
エミリー「怒っているのは……私です」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
可憐「え!? む、無罪になったのに……?」
エミリー「匂いでわかるのでしたら……どうして最初から……そうしてくださらなかったのですか!?」
可憐「え? あっ! そ、それは……自分からは差し出がましくて……みなさん色々と準備をしておいでみたいですし……」
エミリー「私がどれほど……ハラハラしたか! 心細かったか……!!」
可憐「お、落ち着いて。落ち着きましょう、え、エミリーちやん。ねっ? 大和撫子は、怒ったりしないわよね? ねっ?」
エミリー「決めるべき時は決めるのも……大和撫子です!!!」
可憐「た、たすけてぇ~!」
エミリー「お待ちくださいませ! 可憐さん、お覚悟!」
芸能人特別裁判所39号法廷は、これにて閉廷された。
しかしこれで全てが終わったわけではない。
またアイドル達に不振な振る舞いが見られた時……
この法廷はまた、帰ってくる。
そう次は、あのアイドルが断罪される番かも知れないのだ。
アイドル達よ、日々に清く正しく美しく切磋琢磨するのだ。
トップアイドルを目指して!
閉 廷
以上で終わりです。おつき合いいただきまして、ありがとうございました。
そして篠宮可憐ちゃんは、本日が誕生日なのにこのように終わり方でごめんなさい。
面白かった乙!
今度はみゃおで頼む
可憐の嗅覚凄い
乙です
>>4
四条貴音(18) Vo/Fa
http://i.imgur.com/w9jj2Rc.jpg
http://i.imgur.com/ae6n2GH.jpg
桜守歌織(23) An
http://i.imgur.com/JWlIySg.png
http://i.imgur.com/HjgOTKn.png
>>6
如月千早(16) Vo/Fa
http://i.imgur.com/YJ4PbIX.jpg
http://i.imgur.com/5aErBzD.jpg
横山奈緒(17) Da/Pr
http://i.imgur.com/p8MwLq9.jpg
http://i.imgur.com/J4APc9H.jpg
>>7
徳川まつり(19) Vi/Pr
http://i.imgur.com/kn9B5cU.jpg
http://i.imgur.com/Nkc7hR6.jpg
>>10
高槻やよい(14) Da/An
http://i.imgur.com/CXP1TJe.jpg
http://i.imgur.com/CxTsbsG.jpg
>>59
『IMPRESSION→LOCOMOTION!』
http://www.youtube.com/watch?v=NcGMlOVPgb4
>>65
望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/ArqHl3f.jpg
http://i.imgur.com/cTbYSRF.jpg
>>77
三浦あずさ(21) Vo/An
http://i.imgur.com/tvy8l2P.jpg
http://i.imgur.com/3NoQRQ5.jpg
>>80
野々原茜(16) Da/An
http://i.imgur.com/GabUkiE.jpg
http://i.imgur.com/jHr76nd.jpg
乙ー
おつー
ところで一瞬森久保居なかった?
懐かしすぎて笑う
おつ
なんで千早は下着が分からなかったんだろうなー(棒)
エミリーの語彙力は日本人超えてるよね
乙
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