果南お姉ちゃん (15)
「かな姉 かな姉」
早朝、まだまだ寝ていたい私を誰かが呼んでいる
果南「うぅ、ねむい… だれぇ?」
「千歌だよ、かな姉」
重い頭を起こし、寝ぼけなまこに瞼をこすってから声の方を見ると妹の千歌が立っていた
千歌「起こしちゃってごめんね、かな姉」
果南「ううん、いいよ… どうしたの?」
千歌「…」
千歌は何も答えることなく俯いている
前髪の隙間から見える、薄暗い部屋でもわかる赤みのかかった顔と、鼻に感じる嗅ぎ慣れた匂いで私は察した
そしていつものように千歌の頭を優しく撫でる
果南「よしよし、気持ち悪かったでしょ お風呂行こっか」
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私の言葉に頷く千歌をお風呂場まで連れて行き、脱衣所でパジャマのズボンに手をかける
千歌は慣れた様子で足を右、左と順に、私の動きに合わせて上げ下げする
脱がせたズボンはぐっしょり濡れていた
私はそのズボンを洗濯機ではなく水洗い用のバケツに入れると千歌の方を向いて頭をまた撫でてやる
果南「今日はまた盛大にやっちゃったのかなん?」
千歌「うぅ…ばか」
ついつい魔が差して妹をからかう私
千歌は顔を余計に赤くさせている
そんな妹が可愛くて仕方がない
私が「冗談だよ」というと千歌はぽかぽかと叩いてくる
果南「さぁ、他も脱いじゃおうね」
そう言ってパジャマのシャツや、あとパンツも脱がせてあげる
千歌はおねしょしちゃった朝はすごく甘えん坊だ
果南「ぬぎぬぎできましたっと、ほらシャワー浴びておいで?」
千歌「へ?」
千歌が間の抜けた声を出す
それを私は見逃さない
果南「おや、千歌ちゃんは今日もお姉ちゃんに洗って欲しかった?」
千歌「な…!違うもん!」
果南「え~、ほんとかなぁ」
千歌「かな姉のいじわる」
果南「ふふ、しょうがないから一緒に入ってあげる」
千歌「いいもん、一人ではいる…」
果南「はいはい、いつまでもはだかんぼじゃ風邪ひいちゃうよ!
お姉ちゃん後から行くから先に入ってて」
はだかんぼを指摘されて少し恥ずかしそうにしながらお風呂場に入って行く千歌は「一人でいいのに」なんて呟いてたけど顔はちょっと嬉しそうでやっぱり可愛い
果南「さて、私も入ろっと」
服を脱いで千歌が待っているお風呂場に入って行く
千歌の身体を洗ってあげると、「かな姉も洗ってあげる!」なんて言ってくれて嬉しかった
お風呂を出ると千歌はバスタオルを身体に巻いて部屋に戻り制服に着替える
私はその間に朝食作り
千歌「かな姉、今日の朝ごはんは??」
果南「ん~、いつも通り目玉焼きとウィンナーとサラダだよ 後食パン」
千歌「わーい、千歌今日はいちごジャムね!」
朝はあんなにしょぼくれていたのに、朝ごはんにになると千歌はいつも元気だ
中学の制服をひらひらさせて回っている千歌を見てると、やっぱり成長したなぁといつも思う
まだまだお子ちゃまなところばっかりなんだけどね
千歌「ねぇねぇ、曜ねえは?」
果南「あ~、今日は学校が休みの日だからまだ寝てるのかな」
千歌「え、ずるい!千歌起こしてくる!」
勢いよくもう一人の姉の元に走り出そうとする千歌の肩を掴んで止める
果南「こらこら、寝かせてあげなよ
それに、曜は休みの日に起こされると怖いぞ~」
千歌「そういえばそうだったかも、あはは」
果南「ね、だから今日は二人で朝ごはん食べよ?」
千歌「はーい」
朝ごはんを食べ終わると歯磨きをして、千歌が学校へ行くのを見送る
千歌「行ってきます!」
果南「はい、行ってらっしゃい」
もちろん行ってらっしゃいのハグも忘れずにね
果南「さてと…」
一息つくと私は千歌の部屋に出向く 千歌の描いた世界地図をどうにかしないとね
そうやって作業に取り掛かろうとしていると後ろから声が聞こえた
「かな姉、おはよ」
果南「あ、おは曜ちゃん」
曜「もう、何それ
省略しないでよ、かな姉」
私のもう一人の妹の曜だ
最近は年頃の女子高生らしくちょっと生意気な時もあるけど優しくて可愛い大事な妹
曜「千歌ちゃんってば、またこんな立派な世界地図を…」
果南「ふふ、可愛いもんじゃない」
曜「あのねぇ、千歌ちゃんも今年中学生になったんだよ?
このままだとまずいんじゃ…」
果南「大丈夫だって、今日だって10日ぶりのおねしょだよ?
最近はすっかり頻度も減ってるじゃん」
曜「そうかもしれないけど…
それにしたってかな姉は千歌ちゃんに甘すぎるんじゃないの??」
果南「いやいや、私たちが厳しくしたって逆効果だよ
こういうのは自然に治るもんなの」
曜「そういうことじゃなくて、おねしょするたびにお風呂のお世話とかさ
さっきも言ったけど千歌ちゃんはもう中学生だよ?」
果南「ん~、私はいいと思うけどなぁ
そうやって甘えてくれるのも嬉しいしさ」
曜「呆れた、やっぱりかな姉は妹バカだね…」
果南「妹バカっていうか、妹が大好きなだけだよ?
もちろん曜のことも大好き!」
曜「だからそういうのを妹バカっていうのー!」
あはは、確かに曜のいうとおり私って妹バカなのかも
でも妹が大好きなんだからしょうがないよね
果南「って、早く片付けやっちゃわないとね
曜も手伝ってくれる?」
曜「話そらされた…
まぁいいけど」
こういう時に嫌な顔一つせず手伝ってくれる曜はやっぱり優しい
きっと、曜も千歌のことが大好きなんだろう
布団や、パジャマを洗い終えてひと段落すると、曜が何やら準備をし始めた
果南「あれ、今日どっか行くの?」
曜「うん、ちょっと服の材料を買いに沼津まで行こうと思って」
果南「へ~、いいなぁ
それって私もついてっていい?」
曜「え…、ダメだよ
友達と一緒に行く約束だし」
果南「ぶ~、けちんぼだな
曜のお友達を紹介してよ」
曜「やだ、かな姉はすぐデレデレしてくるし
シスコンだと思われたくないもん」
果南「え、違うの…?」
曜「違うに決まってるでしょうが」
果南「ガーン、お姉ちゃんショック」
半分は本当にショックだったこともあって、私は俯いて悲しそうなふりをする
曜「あ、いや、そのね、かな姉のことは好き…だけど
シスコンではないよってだけで…」
ちょろい
果南「曜ーー!私も大好きだよーー!!」
飛びつくように曜にハグをする
曜はすごく驚いた顔をしていて、それがまたおかしかった
曜「だからそういうのをやめてって行ってるのーー!」
曜は暴れて引き剥がそうとするけど、私は自慢の筋力でそれを許さない
動いてるからか、照れてるからかはわからないけど、早くなっている曜の鼓動を感じる
後者の理由だったら嬉しいな、いや、きっとそうん違いない
結局、今回は連れて行ってもらえなかった…
でも今度一緒に出かける約束と、曜の友達に会わせてもらう約束を取り付けた
友達の名前は梨子ちゃんっていうらしい
ちなみに行ってらっしゃいのハグは拒否されたけど無理やりやった
果南「はぁ~」
私は深いため息をついた
妹たちのいない時間は退屈だ
暇な時間を使って、家事全般を済ましてぼーっとしているといつの間にか6時を回っていた
果南「そろそろご飯作らなきゃ」
千歌は今頃部活が終わって帰る頃だろう、曜も夕飯前には帰ると言っていた
私は今日の献立を考えながらエプロンを装着して台所に入る
もうすぐご飯ができるってタイミングで玄関の扉が開く音が聞こえた
その音を聞いて、私は一度火を止めると玄関の方に向かった
玄関には体操服で汗をたくさんかいているけど元気一杯な様子の千歌と
片手には買い物袋をさげ、もう片方の手は千歌と繋いでいる曜がいた
曜「ただいま、かな姉」
千歌「ただいまー!」
果南「おかえり、二人とも!
一緒に帰ってくるとは思わなかったよ」
曜「さっきそこでたまたま会ったんだ」
果南「そっかそっか、じゃあ二人ともお帰りなさいのハグ!」
曜「ちょ、だからやめてってば」
千歌「ハグ!」
やっぱりちょっと嫌そうにしながらも結局は受け入れてくれる曜と
元気一杯にハグをしてくれる千歌
二人の可愛い可愛い可愛~い妹がいて、私はすごく幸せものだ
すいません、めっちゃ順番間違えてました
以下は6と7の間になります
千歌「かな姉、今日の朝ごはんは??」
果南「ん~、いつも通り目玉焼きとウィンナーとサラダだよ 後食パン」
千歌「わーい、千歌今日はいちごジャムね!」
朝はあんなにしょぼくれていたのに、朝ごはんにになると千歌はいつも元気だ
中学の制服をひらひらさせて回っている千歌を見てると、やっぱり成長したなぁといつも思う
まだまだお子ちゃまなところばっかりなんだけどね
千歌「ねぇねぇ、曜ねえは?」
果南「あ~、今日は学校が休みの日だからまだ寝てるのかな」
千歌「え、ずるい!千歌起こしてくる!」
勢いよくもう一人の姉の元に走り出そうとする千歌の肩を掴んで止める
果南「こらこら、寝かせてあげなよ
それに、曜は休みの日に起こされると怖いぞ~」
千歌「そういえばそうだったかも、あはは」
果南「ね、だから今日は二人で朝ごはん食べよ?」
千歌「はーい」
朝ごはんを食べ終わると歯磨きをして、千歌が学校へ行くのを見送る
千歌「行ってきます!」
果南「はい、行ってらっしゃい」
もちろん行ってらっしゃいのハグも忘れずにね
再びすみません...
別に間違えてなかったですね
9、10、11は気にせず呼んでいただければ嬉しいです
初心者なもので申し訳ないです
気にするな、そんなことより続きはよ
今回は初めての投稿だったのでここでおしまいにします
また続きが思い浮かんだら別スレで書きます!
読んでくれた方ありがとうございます!
乙。続き待ってる
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