『魔法少女、ただいま参上』【安価】 (17)

20XX年

世界は数十年続く閉塞感により、かつての活気を失っていた

また、それに伴う様に謎の異形の怪物が世界に現れ始めた

彼は自らを『フィンブル』と呼び、人々を襲い始めた

これに世界中の人々は絶望し、また諦観し始めた

『人類の歴史は、ここまでなのかも知れない』


しかし、人もまた、進化する生き物であった


人は彼女達を『魔法少女』と呼んだ



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「フィンブルが隣町に現れたらしいな」

「また?今月で7回目じゃない」


こういった会話は、今や日本では、いや世界では当たり前になった


「…」


私はそれを聞いても何も思わない

思えない

思いたく無い

「…なんで、私がやらないといけないの」


魔法少女なんかになった 私の本心だ


私は魔法少女だ

だけど、世界を救いたいなんて思わないし思えない


「こんな世界、守る価値なんてないじゃ無い」


…先に言っておくけど、私は別にダメな子じゃない


友達もいる 6年近い付き合いの親友もいる

勉強もそれなりにできるし運動も出来なくない

家事だって最低限はできるし身体は健康そのもの

いじめられてるわけじゃ無い 先生に嫌われてるわけじゃない


ただ、その毎日が空虚なんだ

そんな世界を救うために、命をかけろだなんて馬鹿らしい

そう考えてた


連絡用のスマホが鳴り響く


「西地区の14番 フィンブルが2体だ」

「ただいま交戦中だが、念のため君も向かってくれないか」

ふざけんな 私は今から帰ってゴロゴロしたいんだ



そう思いながらも、こう言うしかない


「了解」

こうして、私はは今日もフィンブルと戦う

『私』が向かうと、もう戦闘は終わっていた


『私』と同じくらいの女の子だ


「貴女も魔法少女?」

「はい、そうです。無事なら良かったですね」


そう言って立ち去ろうとすると彼女は私の手を掴んだ



「せっかく来たんだし、一緒にお茶しようよ」

戦闘が終わったばかりなのに何を言っているんだこの人は

「結構です」

「えーっ、つめたーい」



これが彼女と私の 初めての出会いで、わたしが変わる、一つのきっかけであった…



『私』の名前は安価下2
【名前】と【生年月日】


一応世界を守る、魔法少女


まあ幸いなのは、この世界の魔法少女は よくあるアニメみたいにリスクがない事かな

まあ別に私がどうなろうと興味ないけど 死にたいわけじゃないから




望月 瑠衣 (もちづき るい)
13歳 10月24日

桃山静 4月1日

秀麗院 冷 (しゅうれいいん れい)
15歳 12月25日

桃山 静 4月1日生まれ

これが私の名前だ



「なるほど、ももちゃんですね」

「その呼び方は辞めて欲しいけど」


「それは失礼を…私は秋山愛と言います」



彼女は握手を求め、右手を差し出してくる


その手は、私と同じくらいの年の女の子の手にしては、

少し疲れていた

「ただいま」

「お帰りなさい。 もうすぐ夜ご飯できるわよ」

「うん、ありがとう」



私は もし家族が人質になったら、死にものぐるいで戦うのだろうか

けれど、もしそいつが強かったら?

もし、家族が逃げて、といったら?



私はそんな悩みは無駄だと分かっていた

けれど、思わずにはいられなかった

しばらくは日常が続いていた

するとある日、また連絡用のスマホがなった


「秋山です!お時間あれば一緒に御飯食べませんか?」


彼女は 仮にも仕事用のスマホで何を言っているんだろうか


幸か不幸か、今日は両親は家におらず、断る理由も少ない

「奢りなら」


その返答に、時間はかからなかった

「美味しかったね」

「そうですね」


秋山さんと近くのファミレスで御飯


改めて、なんで私を誘ったのかを聞いてみた

「あなたは、私によく似ているようで、似てないから」


それはつまり、似てないんじゃないかな…


そう思いつつも、言わなかった

彼女の左手には包帯が巻かれていた

「ん?こう言った怪我くらいよくあるでしょ?」


包帯を凝視していたのがバレてしまった

だがら魔法少女に怪我はあまり無い

魔法による圧倒的な治癒力ですぐに跡形もなく消えてしまうのだ


つまり…


「フィンブル以外の、怪我」

そう結論づけるしかなかった

「…まあ、ちょっと怒られただけ。私の家は厳しいから」

「ふーん」


多分、嘘だろう

今時厳しく教育して、女の子の身体に傷をつけるなんて 普通の厳しい家じゃない


漫画の世界じゃ無いんだから



「…それで、本当の要件はなんです?」

「あっ、あのね」



「来週から私、貴女と同じ高校に転入するの」

「…え?」

「西川さんからの命令で、これからは私たちでこの街を守っていって欲しいんだって」

「…」

あまりの急展開に声も出なかった


私が? この人と?


「いい話でしょ?たくさんの人を守れるじゃない!」


彼女は目を輝かせて話すが…

だが、上の人間の決定であり、彼女も悪い人間では無さそうだ

私の手間も減るならそれもいい話なのかもしれない

「分かったわ。これからよろしくお願いします、秋山さん」


「敬語は使わなくていいよ?静ちゃん」

「よろしく、秋山さん」

一旦切ります

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