ﾋﾞｭｳｳｳｳｳｳｳ――――ｯ

善子「風、強くなってきたわね」

ルビィ「台風だもん」

善子「台風だって知ってるのに遊びに来るってどうなの？」

ルビィ「んー、善子ちゃんと一緒にいたかった……から？」

善子「なんで疑問系なのよ」

ルビィ「だって今日家に誰もいないんでしょ？」

善子「そうだけど」

ルビィ「一人ぼっちだと、台風が怖くて善子ちゃん泣いちゃうかな～って思ったから」

善子「泣かないわよ」

ルビィ「ほんとー？」

善子「本当よ」

ルビィ「じゃあルビィ帰る」

善子「なんでよ」

ルビィ「だって一人の方がいいんでしょ？」

善子「言ってないわよそんなこと」

ルビィ「じゃあ、ルビィと一緒にいたい？」

善子「……いたくない。って言ったらウソになる……かな？」

ルビィ「善子ちゃんも疑問系だ♪」ｸｽｸｽ

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

善子「あ、雨……」

ルビィ「どしゃ降りだねー」

善子「どうすんのよ。けっこう強くなってきたわよ」

ルビィ「んー」

善子「帰れる？それともダイヤに迎えに来てもらう？」

ルビィ「え？泊まるよ？」

善子「ゴメン、初耳」

ルビィ「初耳分類学だね」

善子「そんなAZALEA知らないけど。え、本当に泊まるの？」

ルビィ「ちゃんとお泊まりセット持ってきてるよ」

善子「やけに大荷物だと思ったら」

ルビィ「お泊まり用にちゃんと買ったんだよ？サメの寝袋」

善子「ありがとうございます消費者様」

ルビィ「善子ちゃんとお揃い♪」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

善子「うわ、荒れてきたわね……」

ルビィ「善子ちゃんって台風好きそうだけど」

善子「どんなイメージよ」

ルビィ「クックックッ♪吹き荒れろ、魔界の嵐よ！！とかやってたでしょ」

善子「やってない」

ルビィ「本当は？」

善子「中学のときやった……///」

ルビィ「この間、誰もいない教室でもやってたよね。ノリノリで」

善子「うぐっ///」

ルビィ「クラスのみんな入りづらそうにしてたよ」

善子「言いなさいよ！！//////」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

善子「お腹すいた……」ｸｳｩ

ルビィ「なに作るの？」

善子「なんで作ってもらう前提なのよ」

ルビィ「ルビィ、堕天使の涙以外ならなんでもいい」

善子「帰ったら？」

ルビィ「やー」

善子「やー、じゃないわよ」

ルビィ「プリンとか食べたいな～」

善子「ノニジュースならあるわよ」

ルビィ「プリンが無くてノニジュースならある家って」

善子「プリン食べたいなら買ってきなさいよ」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ルビィ「じゃんけんする？」

善子「私にメリットが０なんだけど」

ルビィ「目の前の０を１にしよう」

善子「無理なことも世の中にはあるのよ」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ルビィ「んー」

善子「退屈？」

ルビィ「そこそこ」

善子「ゲームならあるわよ」

ルビィ「イカのやつ」

善子「無いわよ」

ルビィ「エアライドは？」

善子「無い」

ルビィ「マリオカート」

善子「ダブルダッシュなら」

ルビィ「クラッシュバンディクー」

善子「レーシングまで全シリーズあるわよ」

ルビィ「偏りがすごいね」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ルビィ「……………………」

善子「……………………」

ルビィ「……ｶﾌﾟｯ」

善子「ひぅっ！！？///」ﾋﾞｸｯ

ルビィ「ﾁｩ……ﾁｩ……」

善子「ちょっ！！？///」

ルビィ「ﾌﾟﾊ……」

善子「なにしてんのよ！！？///」

ルビィ「暇だったから……」

善子「暇だからって首元吸う！！？どこのヴァンパイア！！？」

ルビィ「ヨハネ様のリトルデーモン４号……可愛がってね♪」ﾋﾞｯ

善子「可愛がるか！！ていうか首のとこ吸ってなかった！！？」

ルビィ「大丈夫大丈夫♪」

善子「赤くなってないでしょうね……」

ルビィ「なってたら疑われちゃうね～♪」

善子「そのときは全力で弁解しなさいよ」

ルビィ「や♪」

善子「や♪……じゃない！！」

ルビィ「だってー、善子ちゃんがルビィのだって印つけたくて♪」

善子「ルビィのじゃないし！！」

ルビィ「違うの？」

善子「違うわよ！！？」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

善子「ひどくなってきたわね」

ルビィ「ん……」

善子「怖い？」

ルビィ「んーん。善子ちゃんがそばにいるから」

善子「そう？」

ルビィ「あ、やっぱり怖い」

善子「どっちよ」

ルビィ「怖いから……ギュッてして♪」

善子「いや」

ルビィ「ルビィ、怖いなぁ」

善子「ダイヤとどっちが怖い？」

ルビィ「お姉ちゃん」

善子「いつまでも怖がってなさい」

ルビィ「むー」ﾌﾟｸｰ

善子「……なに？」

ルビィ「怖いなぁ～」

善子「……ん」ｽｯ

ルビィ「エヘヘ♪」ﾎﾟﾌｯ

善子「……甘え上手」ｷﾞｭｰ

ルビィ「善子ちゃんも甘いよ♪」

善子「うっさい……」ｷﾞｭｰ

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ルビィ「ねえねえ」

善子「ん？」

ルビィ「このまま台風が止まなかったらどうする？」

善子「救助を呼ぶ」

ルビィ「そういうことじゃなくてー」

善子「じゃなくて？」

ルビィ「ずっと善子ちゃんといられるかなーって」

善子「ずっとルビィと一緒なの……？」

ルビィ「いや？」

善子「疲れそう」

ルビィ「ひどいなー」ｸｽｸｽ

善子「逆にいいの？」

ルビィ「なにが？」

善子「ずっと一緒な相手が私で」

ルビィ「善子ちゃんならいいかな」

善子「なんで？」

ルビィ「ずっと遊んでられるでしょ？」

善子「どういう意味よ」

ルビィ「エヘヘ♪」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

善子「まあ、でも……」

ルビィ「うゅ？」

善子「ルビィと二人でいるのは……悪くない、かな？」

ルビィ「疑問系だね♪」

善子「いいじゃない。だってあなたは、私の心を惑わすリトルデーモンなんだから」ｷﾞｭｯ

ルビィ「ん///」

善子「ヨハネと一緒に……堕天しない？」

ルビィ「どういう意味で？」

善子「……さあ」

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

ｻﾞｱｱｱｱｱ……

おわり。

乙ずら