実況「開始時刻が迫ってまいりました」
実況「いよいよ世紀の試みが始まろうとしております!」
実況「実況を務めさせていただく私も、大変緊張しております!」
実況「なお、一連の様子は、超高性能な追跡カメラによってバッチリ撮影されます!」
実況「おっ!」
実況「たった今、宇宙に浮かぶ人工衛星から巨大な液体の塊が射出されましたァ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500723254
実況「超高速で射出された塊は、ぐんぐん地球に落ちていきます!」
実況「速い、速い、速い! ぶよぶよとした液体が、地球の引力に引かれていっております!」
実況「しかし、大気圏突入は宇宙飛行士にとっても最も危険な工程といわれております!」
実況「果たして無事、大気圏に入れるのでありましょうか!?」
実況「ある意味、ここが最大の難所! なんとか燃え尽きずに残って欲しい!」
そして妹は爆破しました
西條拓巳「げっ七海隕石に殺されたんじゃ」
七海横須賀鎮守府のイケメン金髪王子須賀京太郎様のハーレムに助けられて一名を取り留めた
老衰将軍ディソードキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!「ショック死ですね」
西條拓巳「げっ僕の片割れガンダムオタクかよ」
実況「液体の塊が今、大気圏に突入いたしました!」
実況「あれほど巨大な塊がみるみる燃え尽きていきます!」
実況「その姿はさながら、お風呂に入れられたバブ、といったところでありましょうか!?」
実況「果たして大気圏突入なるかァァァァァッ!?」
実況「……ッ!」
実況「液体の塊は……みごと大気圏に突入したようです!」
実況「といっても、大半は燃え尽きたようで、もはやわずかな量しか残っておりません!」
実況「しかし、これでいい! これでいいのです!」
実況「少しでも残っていれば問題なし! というか、あまりに多く残っていてもダメなのです!」
実況「そういう意味では、今のところこの試みは順調にいっているといえるでしょう!」
実況「さあ、大気圏に入り、落ちていく!」
実況「もはや塊とはいえぬわずかな液体が、順調に落下していきます!」
実況「おっと、そろそろ雲が見えてまいりました!」
実況「ということは、もう高度は6000mぐらいになったということでしょうか!?」
実況「小さな液体が、地上への孤独な旅路を続けていくゥ! まるで流れ星ィ!」
実況「液体が雲を突き抜け落下落下落下ァァァァァ!」
実況「雲を突き抜けフライアウェイ、というかフォールアウェイしております!」
実況「さあ、もう地上は目の前だ!」
実況「母なる大地、地上が見えてきたァ~~~~~~~~~~~~!」
実況「さあ、ここで地上に中継を切り替えます!」
実況「地上では挑戦者である男性が、じっと上空を見上げております!」
実況「臆せず、恐れず、しっかりと目を見開いております!」
実況「その表情は、強敵を待つ武道家のようにいかめしくもあり」
実況「恋人を待つ学生のようにときめいているようにも見えます!」
男「……」
男「……」スッ
男「……」ススッ
実況「位置を微調整している!」
実況「彼の優れた両目にはきっと、落下してくる水滴が見えているのでありましょう!」
実況「さぁ、世紀のチャレンジ、成功なるかァ!?」
男「ここだ」ピタッ
実況「男性が足を止めました! ポジションを決めたようです! あとは待つだけ! さァどうなる!?」
ピチョン…
男「入った!」
実況「決まったァ~~~~~!!!」
実況「今、宇宙から射出された液体の塊が、男性の目の中に入りました!!!!」
実況「世紀のチャレンジ“宇宙から目薬”、大成功ォォォォォォォォォォッ!!!!!」
― 完 ―
実際どれくらいあれば宇宙から水を注入できるんだろうな
落ちてくる最中にゴミを吸収しまくるし加速でそれなりの運動量になってる液体が
勢い良く目に刺さったら眼球破裂しそうと思ったが、雨が目に入っても大丈夫そうだし案外平気か?
頭蓋骨貫通しそう
東京タワーからアリを落としても何ともないらしいし、水滴レベルの質量なら当たっても大丈夫そうだな
雨粒は空気抵抗のせいで雲の高さを問わずある一定の速度以上にはならないらしい
一滴だけなら要は雨が目に入っただけだよ
大気圏突入時に隕石や宇宙船が高熱に晒されるのは、大気との摩擦ではなく断熱圧縮によるもの。
それほどの圧力が加わった場合、液体側が圧力に負けて粉々に砕け散りそうな気がするんだが。
もちろんそれ以前に「大気のない宇宙空間で液体を放出すると、即座に気化して拡散してしまう」という現実もある。
SFって難しいね。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません