後輩♀「は~~~っ……」 (37)
男「なんや後輩、中年サラリーマンばりにデカいため息やん」
後輩♀「うわあああぁぁぁぁぁつまらぁぁぁん、なんもおもんないよぉぉぉ」
男「…………」
男(分からんけどメチャめんどそうやわ……関わらんとこ)スッ‥
後輩♀「鼻がまっ赤で、冬は馬車ウマみたいにこき使われる動物みたいな顔のセンパイ見ても笑われへん……」
男「誰の顔がトナカイ面やねん!」
後輩♀「ちゃいますー。正解はマックで立ってるピエロのおっさんですぅ」
男「あの人が頑張りはるの冬だけとちゃうやろ……そもそも人やあらへんし」
後輩♀「うん。せやけどあの人な、ごっつ寒い日も笑顔で客寄せしてんねんで? あたしカラダ半分雪に埋まっとんのも見たことあんねん」
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男「ん……まぁそれは頭下がるな。別に人やあらへんねんけど」
後輩♀「メチャ寒そうやったからマフラー巻いてあげたこともあったなぁ……あのドナルドさん、元気にしてはるかな?」
男「何で地蔵に傘さしてあげた昔話みたいな顔しとん? 迷惑かけただけやろ店員に」
後輩♀「うははは、マフラーは回収したに決まっとるやん。バーガー食べてる間だけ貸したげたんや」
男「えぇ……さっきの今で言うの変やけど、そこは流れでプレゼントしたれよ。人間ちゃうから意味ないけど」
後輩♀「はっ? プラスチック風情がjkのモン貰える思うとんの?」
男「急に畜生!?」
後輩♀「そういえばあのマフラー、ドナルドに貸してからポテト臭いねん。洗っても取れへんくてお気にだったのに捨ててもうたわ」
男「あー……たまにあるよな。気づかんでほっといたら匂い染みついてたり」
後輩♀「……思い出したら腹立ってきたわ。あん時食べたバーガー、半分残してアイツの顔に叩きつけたら良かった……!」
男「ド屑やん、それ……」
後輩♀「なあ先輩、なんかオモロイことしてや!」バッ!
男「いや……いきなりすぎるやろ。そんなパッとふられてもどうにもでけへんわ」
後輩♀「アカン、やる前から出来へん言うたらやれるもんもやれへんくなるわ! ねばあぎぶあっぷ、諦めない精神を大切に!」
男「……そもそも何で俺がそないな面倒なことせなあかんの? 関西人は面白製造機とちゃうねんぞ」
後輩♀「別にむつかしいこと言うとるとちゃうんよ? ただあたしの腹筋千切れるくらいのことしてくれたらそれでええねん」
男「むずぅ! 小学生やっとった頃の英会話授業並みな難易度やん!」
後輩♀「出来る! 先輩なら出来るって信じてる!」
男「その信頼、ゴミ箱に捨てたいわぁ……」
男「…………」
後輩♀(……うん? 何やアレ?)
男「……おっしゃ、整いました!」
後輩♀(アレ……あれ? まさかそんな、なぁ……?)
男「これ隣のクラスの大竹クンに聞いた話やねんけどな。あ、その大竹いうんは生徒会入ってるごっつ頭ええ子やねん」
後輩♀(そんな……そんな、まさか……!?)
男「お前も知っとるんとちゃう? ピッシーンと七三分けにした、」
後輩♀「……ぇ、ウソやろ……?」
男「……いや、何をツッコんどるん? 堺雅人みたいな高校生がおっても不思議ちゃうやん」
後輩♀「うわぁぁぁぁ! 初めて見たぁぁぁぁぁ!」ガバッ!
男「えええええ何ナニナニ!? 怖いわお前、いきなり叫ぶな、立ち上がるなぁ!」
後輩♀「見てや先輩、アレ猫の交尾かなぁ!」
猫♂「ニャはっ……にゃっ、にっ、ニャッ……ニャヘッ……ニャ、にゃあッ……ッッッ!」ドビュルルッ!
猫♂「ニャーニャー!」
後輩♀「見たなぁ、初めて見たなぁ! うわっ、オス猫かな? メッチャ腰フっとるやん! うわぁ……!」
男「お、鬼かお前はっ? 後輩の無茶振りに応えた先輩の面目ペシャンコやん……」
後輩♀「ゆうて先輩の話、オチがパターン化してんねん。先読めておもんない、芸を磨いてから出直してドウゾ?」
男「殺すぞお前……」
~後輩♀の家~
後輩♀「ふあぁ……最近、夏だからってアツすぎやろ…… ホンマどないなっとんねん地球さんよぉ」
後輩♀「温暖化だなんだ人のせいにするなんて気合いが足りんとちゃいます? 氷河期ん頃のクールさはどこ行きはったん?」
後輩♀「こんな生ぬるいやつは、もはや地球とちゃうな……恥球や恥球! あたしはホンマ、こんな恥知らずな星に住んで恥ずかしいで……!」
後輩♀「ハァー……」
後輩♀「…………」スッ
後輩♀「……おっけーぐーぐる。グノシーひらいてー」ピコン!
後輩♀「…………」スッ、スッ
後輩♀「……んあ? 『モテない男を落とす方法』?」
後輩♀「えーと、なになに?」
後輩♀「……プフッ! このモテない男の特徴、ほとんど先輩当たってもうとるやん……!」プルプル‥!
後輩♀「……へー、これ中々オモロイやんなぁ」
後輩♀「…………」スイッ、スイッ
……………………
…………
……
~翌日~
男「ふあぁあ……ん?」
後輩♀「…………」トボトボ、ヨロッ
男(あれ、後輩か? 何や妙な歩き方しとんなぁ……?)
男「ういーっす! どうし、」
後輩♀「フ、フヒィッ!」ババッ!
男「ふわあ!?」
男(何やねん、この後輩らしきオタクもどきの残骸は……?)
後輩♀「フ、ヒヘッ、オハヨー、ッザイマスッ!」
男「え……はっ? ……何? それ何、イメチェン? 似合うてへんぞ……?」
後輩♀「‥‥ヘ、エヘヘッ、ソッスカ?」
男「うわあ……」
男(ひっどいわコレ、キャラ作りか……? うわっ、しかし……うっわっ……)
後輩♀「パイセン、キョーテンキイッスネ!」
男「あー、っと……どう、やろなぁ?」
男(見てる方もキツいねんけど、さすがにキモッとかは言われへんしなあ……どうしたもんかな……)
後輩♀「ド、ドウデスカ? カアイイ、ッスカ?」
男「きもぉ……!」ブルッ‥!
後輩♀「おう先輩、沈めたろか大阪湾に」
男「……えーっと、つまりお前は? その『モテない男を落とす方法』とやらを信じてもうて、あないなことんなった訳か?」
後輩♀「せやな」
男「……『モテない男に堕ちる方法』に空目してへん?」
後輩♀「いくらあたしかて、そないアホなこと……ホンマや!」
男「まーそやろな」
後輩♀「正しくは『非モテ王! モテない理由大全~絶対やっちゃいけない百のこと~』やったわ!」
男「空目したんはどこ!?」
後輩♀「眠うてアタマ働かんかったんよ~」
男「どんだけ睡魔と戦ったらそこまでアホんなるんや……」
後輩♀「まあまあ……けどな先輩、ショージキ、ショージキやで?」
男「何や」
後輩♀「……ケッコウ可愛さ感じたんやろ?」
男「感じた9割が気味の悪さで、残りが恐怖や」
後輩♀「うんうん。それで? 腹の底の感想は?」
男「魔女にジョブチェンジするんかと思うたわ」
後輩♀「ふっ……ホンマは照れてもうてんねやろ? 先輩は全く、まあったくショージキちゃうなあ……」
男「激しく馬鹿やん」
終わりやで(・ω・)ノシ
は? もっと頑張ってどうぞ。
すまん>>16が見えない
ミーンミンミンミンミンミン‥
後輩♀「…………」
後輩♀「…………」
後輩♀「……ぁっつ」
男「……夏、やからなぁ」
後輩♀「あぁぁぁ……っつい」
男「せやから……夏やしな」
後輩♀「いやいや、暑くなるにも程があるやろ。この暑さは明らかに、何かしらの何かの基準を犯してるはずやん」
男「……知らんけど? その『何かしらの何か』ってお前の中にしか存在せえへん基準やん絶対」
後輩♀「普通に……。…………。……あるよ」
男「むっちゃタめたやん! その不自然な間の長さに俺は疑わざるを得ないわ」
後輩♀「いやホンマ、多分あるでコレ? こんだけごっつ暑いのに『何かしらの何かを決める何かの基準』がないことのがおかしいんとちゃう?」
男「ほら何か増えてもうてるし。お前の中にしかない基準なのにお前の中でもブレブレやん」
後輩♀「…………」
男「気温を元に測るんか、不快指数が元なんか意味分からんし。一向にその正体が掴めへんわ」
後輩♀「……うっさいわハゲ。一度のボケにツッコミ量エグいんじゃボケェ」
男「……えっ、あれボケやったん?」
後輩♀「むしろそれ以外の何なん?」
男「普通の会話か思うとったわ。いや、それなら真面目に聞き返して悪いことしたな」
後輩♀「……別にええよ、もう」
男「熱でちょいとセンサー鈍っとんのかな? まあ、お前もショボいボケやったし堪忍な」
後輩♀「いや、ええて……」
男「それやったら改めてキチンと突っ込むわ」
後輩♀「ホンマええから! 過去のボケに時間差でツッコまれるとか、あたしメッチャみじめな風になるやん……」
男「フゥー……。……………」
後輩♀「…………」
後輩♀(うわあハズい……何であたしがこんな辱め受けんといかんの……?)
男「ほな、行くで……」スッ‥
後輩♀(嫌や帰りたい……帰ってオヤツに取っといたプリンたらふく食べたい)
男「なんでやね~ン」
後輩♀「雑ぅツッコミ!」
後輩♀「なぁハゲカス先輩、聞きたいことあんねんけど」
男「二つの意味で何やねん後輩。俺は新種の生き物か? ハゲ目カス科のセンパイか?」
後輩♀「いや別にそこはツッコまんでええねん。ただ受け入れたらええわ」
男「受け入れられるかぁ! そんなモン無抵抗で受け入れたら腹ん中イガイガするわ!」
後輩♀「あたし夏休みの宿題で作文あんねん。何で夏がこんな暑う感じるか書くんやけどな」
男「レポートを作文言うやつ、昨今初めて見たわ……」
後輩♀「分からんことばっかでカス先輩の手を借りたいんよ~」
男「頼みごとするからハゲ取ったん? その小賢しさに腹立つわあ……」
後輩♀「さっそくやけど先輩、この暑さは何を目標にして、どこを目指せばええか分かる?」
男「知る訳あるか。お前の頭どないなっとんねん、どうして暑さに目標設定させなアカンねん」
後輩♀「あたし思うねんけどな、こんだけ並外れた暑さを生み出すからには、ソイツは相当な情熱……パッションを秘めとるに違いないねん」
男「太陽やからな。あと情熱言い終えてんのにパッションに直すんやめろ、何でか知らんけど鼻につくわ」
後輩♀「せやけどきっとソイツは、目指す目標が見つからんくて燻っとんねん。一生懸命になれるモンが見つかればごっつ熱うなれるヤツやと思うねんけどなぁ……」
男「六千ケルビンやからな。それと、そのスポーツ漫画みたいなノリ何なん? 何でか知らんけどごっつ腹立つから控えろや」
後輩♀「あたし……あたし思うねん! そのパッションさえハジければ、アイツはもっと輝けるって!」
男「輝けるやろなぁ、太陽フレアやからなぁ、代わりに俺らは真っ白な灰に燃え尽きるんやろなぁ」
後輩♀「なあ……今の聞いてどう思うん? アイツの暑さに足りんのは何やと思う?」
男「足りてへんのはお前のオツムだけなんだよなぁ……」
ジュアー‥ジュアー
後輩♀「……さっきから、何や地面焼けとらん? ジュワーッて聞こえる気ぃするんやけど」
男「この辺コンクリートジャングルやし、こんくらいの暑さならアスファルトは灼けてまうからな」
後輩♀「ホンマ!? 卵わったら目玉焼きになるんかなっ!」
男「なるけど地面にこびり付いて取れんくなる、見た目は鳥の糞のが近いな。フライパンとちゃうから底ザラザラやし加熱足りんから食うたら腹壊すで」
後輩♀「……先輩、試したことあるん?」
男「二度はせえへんよ」
後輩♀「一度目はあったんやな……」
男(まあ、ウソなんやけど。こうゆうとかんとやりかねんしなぁコイツ……)
男(後輩のために泥かぶるなんて、我ながら立派な先輩やん俺……)
後輩♀「じゃあ先輩! 次はオムライスに挑戦しよか!?」
男「地獄行きの切符発行な、お前」
今度こそやで
(・ω・)ノシ
まだやれる
先輩?あんたのパッションはまだまだハジケたいて叫んでるんちゃんうか?
面白すぎんねん! セトウツミ面白すぎんねん! 読んでたらパッションが止まらないんじゃぁぁぁ……!
後輩♀「なあ先輩、シリトリせえへん?」
男「……はあ? 嫌やけど」
後輩♀「ええやん! どーせ暇してんねやろ? マクド行くしか能ないやんな? ならあたしのこと構ってーや!」
男「絶対嫌や、何が悲しくて夏休み最後の日にアホの子の相手せなあかんねん」
後輩♀「せやかて、あたしら高校生やで? あたしに至っては花の女子高生や。ふつーに息してるだけで恋ゲニウム摂取し放題できるはずの年頃やん」
男「なんやその真っピンク色の物質」
後輩♀「それが夏に! 周りが海やら何やらに行ってる夏にやで? クーラー効いた部屋でゲームするだけってどー思う?」
男「ええやん別に。俺インドアやし」
後輩♀「あたしもインドアやから部屋にいるのはんよ! けど一人さみしく夏休み過ごしたないねん。せやからシリトリしてや!」
男「接続詞の用法間違えとらん? あからさまに俺の事情が無視されてるやん」
後輩♀「いやいや、先輩はこーんなかわええ子と夏の思い出作れんねんで? あたしは暇つぶせるしウィンウィンやん」
男「シリトリしか夏休みの思い出がないとか屈辱的すぎるやろ……むしろ一個もあらへん方が清々しいわ」
後輩♀「むぅぅ……!」
男「……ハァ。一回だけなら付き合うたるわ」
後輩♀「! ええの!?」
男「ああ、ただし終わったら絶対に帰れよ?」
後輩♀「うん! 普通にやってもおもんないし、じゃあ動物縛りで、」
男「夏休みの課題、カバンに詰めなあかんし」
後輩♀「……あ」
男「……? 『あっ』って何やねん」
後輩♀「先輩に付きまといすぎて終わってへん宿題ある……」
男「嘘やろ!? 期限明日やぞ……」
後輩♀「どないしよ先輩っ……?」
男「どーするもこーするも自業自得やん。潔く諦めるのが吉だって今朝の占いでゆーてたで」
後輩♀「まずいねんまずいねん、諦めたらホンマまずいねん! 先輩お願い、手伝ってぇ……」ウルウル
男「…………」
男「あー……ったく、半分渡せ。しゃあないから手ぇ貸したるわ」
後輩♀「ホンマ!? ごっつ感謝や、今うちから宿題持ってくるー!」ドタバタ
男「……間抜けすぎて笑うに笑われへんなぁ」ハァ
あげ
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