海未ちゃんミニ四駆SS (105)

以前書いてて完結したんですが、最近また新しく外伝書き始めたんで、本編も加筆修正して貼り直します
コロコロ好きな方は良かったら読んでください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498578116

~海未(ずっと思ってたんですがミニ四駆の肉抜きって本当に意味があるんでしょうか…)~





絵里「ああっ……!」ぐにっ

海未「絵里!何度も言っているでしょう!肉抜きの時にはちゃんとピンバイスを使ってください!」

絵里「ごめんなさい……」


キコキコキコ…シュッシュッ


海未「ふぅ……できましたよ真姫」

真姫「ありがとう!流石は海未ね、この精密な仕上がり……」

真姫「早速テスト走行させてくるわ!」


ギュギュギュイッギャア………ッ


海未(私はミニ四ファイターと土屋博士を信じて、幼い頃からただひたすらミニ四駆の改造に青春を捧げてきました……)


海未(ですが…………)


海未(最近思うのです…………)


真姫「やったわ!海未お手製のフロントスポイラーがダウンフォースを更に高めてるわね!コーナリングでの安定感がさっきまでとはまるで違うわ……」


海未(実はあんまり………いや、全く意味がないんじゃないのかって………)

絵里「すごいわね真姫………その地を這うような走り!正にコーナリングモンスターね……」ゴクリ…


海未(しかもこの二人は私の受け売りでそれっぽい専門用語にやたら詳しくなってしまいましたし)


真姫「この様子ならあともう少し車体後方を軽量化した方がボディバランスが良くなりそうね」


海未(いや、むしろ肉抜きってマイナスな気すらしていたんです、壁にぶつけるとすぐポキってなりますし)

絵里「ハラショー!私も早くヘッドライトの肉抜きを終わらせてテストランしなくちゃ!」キコキコキコ…


海未(思えば………………)



~~~~~~

じゃん☆


穂乃果(12)「できたー!」

ことり(12)「わあ、可愛い?」

穂乃果「キラキラペンで窓の所を塗ってみたんだっ」


海未(12)「穂乃果!あなたは何てことを!それでは車体の受ける気流が乱れてマシン本来のパフォーマンスがーー」


穂乃果「んもおっ!いちいち海未ちゃんはめんどくさいよっ!気流とか穂乃果よくわかんないし!」


ことり「これはこれで可愛いし私は好きなんだけどなぁ?」


穂乃果「海未ちゃんだって海賊さんのシールいつも貼ってるじゃんっ」

海未「こ、これは気流に最も影響が少ないボディサイドだからいいんです!」

穂乃果「ちぇっ、一緒じゃん!ぶーぶーっ」ムスッ



海未(くっ……!この素人達は……!何も分かっていないじゃないですか!)


穂乃果「いっけぇ!ほのダガーX !!」キャッキャ

ことり「速い速いっ?」キャッキャ


~~~~~~~~



海未(いや、何も分かっていないのは私の方だったんですね……)


海未(ミニ四ファイターなどという幻想に踊らされ、土屋博士などというおっさんを盲信し……)


私は………親友の言葉に耳を傾けようともしなかった……

真姫「気に入ったわ、このセッティングなら次の大会こそ入賞は間違いないわ」


海未(そして……)


絵里「ついに真姫もデビュー戦ね!大会の前にはタイヤをポッケに入れて温めておくのよ!」



海未(今度は私が、大切な友人を間違った道へと……)



海未(私は………私はどうすれば………!)ググッ


……



希「ミニ四駆の改造かぁ……」



海未「はい、私が信じてきたものとは一体 何だったのでしょうか………」


希「分かるよ海未ちゃん……うちもスライドダンパーローラーが出た時は千円握りしめてプラモ屋にダッシュしたもんだよ」



海未「うう、絵里や真姫に私はなんて事を……」

海未「真姫はやたらダウンフォースって言いたがりますし、絵里なんて軽量化にハマり過ぎてシャーシまで削りだす始末ですよ……」


希「それは重症やね……」

希(そもそも何で高校生にもなってミニ四駆やっとるんやろ……)


海未「希ぃ!私は彼女達にどうやって償えばいいのですか!?」


希「いや、普通に謝ったらいいんやないん……」

海未「そんなっ!あの2人はμ'sでも特にプライドが高いんです……」


海未「肉抜きで速くなったのは気のせいだったなんて知ったら……」


海未「ああっ!考えただけでも恐ろしいです!」

希(うわ、めんどくさ……)



希「なら海未ちゃんが幕引きしてやったらいいんやないん?」


海未「そ、それはどういう意味でしょうか?」

したらばじゃないぞ

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>>1
アンチはしたらばに引きこもってろ

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ギュルギュルギュイッギャアア……


絵里「見て……」



真姫「何よ………これ………ッ!?」


絵里「ご想像の通りよ!ヘッドライトから入った気流がバッテリーとモーターを直接冷却するようになってるの♪」

真姫「す、すごいじゃない!これならどんな過酷な耐久レースでもマシンにかかる負担が大幅に軽減されるわ!」


ガラガラガラ…


絵里「あら、海未 遅かったわね」

真姫「丁度いいとこに来たわ、エリーのマグナムが良い具合に仕上がったのよ!」


海未(はぁ………)

絵里「ふふ♪ 驚きで言葉も出ないってわけね! 」

海未(違いますよ……どれだけ都合の良い解釈なんですか……)


海未「………今日は………」


海未「……2人に大切なお話があります。」


真姫「何? 今度の大会の事? 」




海未「私達……音ノ木ソルジャーキッズは……」



海未「次の大会を持って、終わりにします。」

絵里「ええっ!?」


真姫「そんな……うそ……でしょ……」


絵里「そんな……何で急に!?」

真姫「そうよ……!納得いかない!」



海未「……いいですか、2人共……」


海未「私達はそもそもスクールアイドルなんです」


絵里「え………?!」


海未(いや、何でそこで驚いてるんですか……)


海未「だから……その……きりが良いかと思ったのです」

真姫「どういう事?」


海未「私達は限りある時間の中で高校生活を過ごしているんです、それはスクールアイドルもミニ四駆も同じです」


海未「だからこそ次の大会で私達が優勝を飾り、伝説のまま表舞台からフェードアウトと……」


海未(ああ、正直 自分でも何を言っているのかよく分からなくなってきました……こじつけにも程がありますね )



絵里「ふむ、一理あるわね……」

海未(理なんて一切ありませんが絵里ならそう言ってくれると思っていましたよ!)


真姫「確かにそうかもしれない……」

海未(末っ子もやっぱり乗っかってきましたか、ここまで予定通りです)


海未「だからこそ……!次の大会は悔いの残らぬ様にベストを尽くしましょう!」


絵里「ええ!私のマグナムも最後にひと暴れさせてあげなくっちゃね!」


海未「そうと決まれば特訓です!私は大会に向けて作戦を考えておきますので」


海未(勿論作戦なんてありません、とにかく速ければ勝てるんですよ……)



海未(お願いだから……これで終わらせてください)



目を覚ますんです……! 絵里、真姫……!

〈 1数週間後……秋葉原 某デパート屋上 〉


司会のお姉さん「さあさあさあ!ついにやって来ちゃったよぉー!!」


司会「このエリア最強を決めるアキハバラカップのぉぉ……」


司会「開幕だぁあーー! ! !」




絵里「ついにこの日がきたわね//」ワクワク



真姫「これが会場?」


海未「どうしました真姫?」



真姫「いや、意外と小さいのね……大丈夫かしら」


海未(ん……??)

絵里「今回は個人戦よ!お互いにベストを尽くしましょ!」


海未「それはそうなんですが……」


海未「絵里……その……」


絵里「どうしたの?」



海未「……指ぬきグローブは遠慮していただけませんか?しかも赤って……」


絵里「ああ、これ?」

海未(仮にも高校3年生なんですよ、私まで痛い奴と思われかねません//)


絵里「これでね、モチベーションを上げてるのよ!」


ギュッ……手首コキコキ……


絵里「よし……!いけるわ……!」


海未(いくのはマグナムですよ……あなたのモチベーションは何も関係ないんです……)


真姫「さあ、まずは予選突破ね」


海未「ではエントリーしてきますね」


ズヒァアアアギュイイ……

少年A「いっけー」

少年B「わー、負けたー」


海未「ふん……所詮は素人ばかりの大会、これは楽勝のようですね」




真姫「……………。」


海未「どうしました真姫?」



真姫「ねぇ………」


海未(まさか怖気付いたのでしょうか、真姫にしては弱気ですね)

海未「大丈夫ですよ、いつも通りやればーー」



真姫「違うの……」


海未「はい……?」



真姫「皆……走ってないわ……。」



海未(走る?走るって……?ああ!まさか……!)



真姫「マシンと一緒に走らなくていいの??」

海未(ああ…………!)



絵里「バカね!私達はスタートしたら見守るだけよ?」

真姫「ええ!そうなの!?」

海未(うわぁぁ……///昔の私と同じ勘違いをしていた様ですね)


絵里「待ってる間は退屈だから、私は一応マシンを応援してるけどね!」



真姫「はは……そう……なんだ……」


海未(明らかにテンションガタ落ちしていますね……)


絵里「あ、次は私と真姫の番ね!ちょっと行ってくるわ」


絵里「海未……応援、頼んだわよ!」


真姫「……」


海未(真姫はもう完全に戦意喪失していますね、どれだけ一緒に走りたかったんですか……)

絵里「いくわよ……、マグナァアムッ!!」カチッ


ギュギュギュイッギャア……



真姫「………」カチッ

絵里「ちょっと真姫!走る前には何か気合い入れなさいよ」


真姫「え……?」

海未(ええいっ!余計な事はいいですから、皆見てますよ/// )


真姫「じゃぁ………一応………」


真姫「力を貸して……ソニック!」

絵里「ハラショー!その意気よ、ソニックもきっと力を貸してくれるわ♪うんうん!」


司会「あの……それでは各自スタートポジションに」


絵里「あ……すいません!行くわよ真姫」

ドクン…ドクン………



司会「レディ………」スッ


ゴーーッ!!


「いっけぇえ………!!!」ヒョイッ


ギュギュギュイッギャアア……


司会「さあ、始まりましたぁ!!まず先頭を走るのはぁ!??」


絵里(ふふ……)ニヤリ


司会「ハリケーンソニックだぁ!!!速いっ!速すぎるぅぅ!!」


絵里「って、あれ……??」

真姫「駆け抜けるわよ!ソニックッ!!」


海未(まぁ当然ですね、真姫のソニックは私が駆動系をセッティングしてありますから)

司会「そしてぇ!先頭グループに遅れをとっているマシンが一台!」


トロトロ………


絵里「マグナム!………何でよっ!?」



海未(はぁ……やっぱり)


海未(調子にのって3.5:1の超速ギアに最高速特化のレブチューンモーターなんて組むからです……)


海未(ストレート至上主義なんて幻想に過ぎないんですよ……ここにもミニ四ファイターとコロコロの犠牲者が……)


絵里「くっ……!ここからよ!」


トロトロ……


海未(ここからも何もありません、永遠と続く平らな真っ直ぐ道なら兎も角 )


海未(日本のコースでは、まず確実に最高速まで持っていく事は不可能……)

海未(だったら……)



ギュギャアギャギャギャアアアッ……!


真姫「やったわ!このまま逃げきるわよっ!」

海未(4:1ローギアでトルクフルに組んである堅実的な真姫のソニックの方が圧倒的に有利で速いんです)


海未(この予選ブロックは真姫の圧勝で決まりですね)


真姫「あと少しよっ!何よ、簡単じゃない♪」


ギュギュギュイッギャア……ポロッ……



真姫「え……?」


司会「あーっと!コレは!?」


海未(ぐっ……、バカなっ?!)


司会「フロントローラーが片方落下した様でぇすっ!!」


真姫「何で!?こんな時に!?」


ギュギュギュイッギャア……ぴょんっ!


海未「コースアウト!?そんな……有り得ません……!」



司会「やはりミニ四駆は何が起こるかわからなーい!!んでぇ予選通過はぁーー!?」

絵里、真姫「う、うう……」グスッ



海未「絵里は兎も角……何で真姫まで……」


海未「真姫!さてはあなた……直前にセッティングをいじりましたね?」

真姫「し、してないわよ!」


海未「では、一体何でこんな……!」



絵里「……」ボソッ


海未(ん……?)


海未「絵里??どうしたのですか俯いて……」


絵里「………なさぃ……」


絵里「あの…………ごめんなさい………」


真姫「はい?」


絵里「前からちょっと触ってみたくて………」


海未(………?)

絵里「昨日、真姫のソニックをこっそりいじってたら」



絵里「壁にぶつけちゃって……その時に……」


絵里「………ね………///」


海未( ね// って、まさか………!)



絵里「シャーシのローラー留める所にちょっとヒビが……」



真姫「そのままにしてたってわけ!?」



絵里「………一応……ボンドで………」



真姫「はぁぁぁ…………」

海未(このぉぉ………!)


海未「だったら……!何故早く言わなかったのです!!」




絵里「………んん……」



絵里「…………んぐっ……」じわっ



海未「え……?」


絵里「………だってぇ……」グスッ



絵里「真姫にバレたら絶対嫌われちゃうって……」ポロポロ


海未「あ、あなたは小学生ですかっ!!」


絵里「うあああ!!ごめ……なさ……ひぐっ……」



海未(あ~あ……)



海未(ここまで来ると笑えてきますね、真姫も若干 半笑いになってますし……)



真姫「エリィ……」



真姫「私は怒ってないから……ね……?」


真姫「マック買ってあげるから……、一緒にいきましょ」ナデナデ


絵里「……うぐぅ………真姫ちゃあん!!」ぎゅっ


真姫「はいはい……沢山ポテト頼んであげるから」


真姫「って訳だから……、ちょっとお昼ご飯食べてくるわね」


海未「はい、後は任せて下さい」


海未「さて…………」


カチャッ…………パカッ………


海未「…」スッ


海未「あなたを引っ張り出すのも久しぶりですね…」


司会「それでは次のブロックの予選の方はーー!」


海未「いきますよ……」


海未「………ガンブラスターXTO………ッ!!」


……………

………




絵里「遅くなったわ、ほら海未の分もポテト!買ってきたわよ!」


海未「それはありがとうございます、早速いただきます」パクパク



海未(ふう……それにしても……)

真姫「今度からは触っていーから、ちゃんと言ってよね!」



絵里「もう……わかってるって♪」


海未(すっかり元気になったみたいですね、この切り替えの早さは見習いたいものです)



真姫「所で海未……予選はどうだったの?」



海未「ああ、無事に通過できましたよ、そしてもうすぐ決勝です」スチャッ



真姫「ん……これ!?」



真姫「いつものマシンと違う!」


絵里「あら、真姫は初めて見るんだっけ♪」


海未「これはガンブラスターXTO……私のメインマシンです」

真姫「あ……!」


真姫「モーターが!前についてるわよ!?何なのコイツ!?」


海未「これはFMシャーシという特殊な機構をしてまして……」

海未(そう……フロントにマウントされたモーターが最大の特徴で、その構造上…車体を引っ張り上げる様なとてもパワフルな走りが魅力なんです)


海未(当時の私は、この剥き出しのモーターとトライダガーを彷彿とさせるデザインの虜になってしまったものです……ふふ)



海未「さて……そろそろ出番でしょうかね」


絵里「期待してるわよ、海未」

真姫「私達の分まで頼んだわよ」



海未「ええ……分かっていますよ……」スタスタ…


クルッ…



海未「 軽く……、捻り潰してきます……。」

司会「それでは各ブロック通過者による決勝戦っ!」

司会「各自スタートポジションへ!!」


海未「……いきますか……」カチッ



「わあ!」


海未「ん……?」


「お姉ちゃんのマシン、初めて見たぁ♪♪」


海未「ああ、今の方々はあまり知らないでしょうね」


海未「ふふ……」クスッ


「ん~?」


海未(だから……2度と忘れる事が無いように……)


海未(その記憶に刻み込んであげますよ!絶望的なまでの実力の差というものをっ!)



「へぇ、かっこいいなぁ」



「でもね……」ニタァ…



勝つのは……わたしだよ……

………………

…………

司会「さぁ!それでは表彰台に上がっていただきまっしょー!!」


司会「今大会ぶっちぎりのタイムを叩き出した期待のルーキー!」



絵里「………海未……っ」

真姫「………そんな……」



司会「若きレイスティンガーの使い手っ!その名は~!?」


司会「桜内梨子ちゃああん!!おいでおいでぇ?」



梨子(11)「は~い!」トテトテ

パチパチパチ!


海未「ッ………」


司会「今日は誰と来たのかなぁ?!」


梨子「えと……ママと来ましたっ」


司会「そっかぁ!それにしても速いねぇ!」ナデナデ


梨子「えへっ//」




海未(信じられません………)



海未(この私が……ガンブラスターが手も足も出ないなんて……)



海未(こんな……事が………)


司会「そして2位の海未お姉ちゃんにも拍手をー!!」


パチパチパチ……


梨子「ああ……!さっさのお姉ちゃんだぁ!」


海未「…………」


梨子「2位だったんだね!おめでとう!」


海未「は……はは、どうも……」





梨子「全然気づかなかったよぉ!」





海未「え……… 」





梨子「あまりに………遅すぎて………!」


海未「な……………!? 」





梨子「じゃあ、またね」



………2位の………お姉ちゃん………?


…………………


……


海未「………」


絵里「お疲れ様、良い走りだったわ」

真姫「ええ、流石は海未ね」


海未「……すいません……大口を叩いておきながら。」


海未(そうです……)


………仇討ちどころか、この有様なんて………

絵里「その……惜しかったわね//」

真姫「ちょっと寂しいけど、これでミニ四駆とはお別れね…//」


海未「絵里………真姫………」



海未(私は……何をやっているんでしょう……)


海未(大切な友人を悲しませた挙句……あんな幼女に無様に敗北し……)


絵里「今日は打ち上げね!さぁ、マックにでもいきましょ」

真姫「またマック?もう嫌よ」



海未(私は………私は……………!)ギリッ



ミニ四駆を何も分かっちゃいなかった……!!



絵里「なら海未はどこのマックがいい?」



海未「……待って下さい……!」

クソSSって感じ
こんなのが人気あるの?

真姫「え………?」


海未「このままなんて……!」


海未「音ノ木ソルジャーキッズに、敗北は許されないんですっ」


絵里「海未………?」

真姫「それって……」



海未「2人共……もし良ければもう少しだけ……」


海未「私のわがままに付き合ってもらえませんか?」


絵里「海未……!」

真姫「ふっ!当たり前じゃない!」


海未「ありがとうございます、絵里、真姫!」


絵里「なら今日は反省会も兼ねてマックにでもいきましょ!」

海未「ええ、私も先程のポテトでは少々物足りないと思っていた所でした」


真姫「もう……海未まで!」



海未(あの幼女………確か名前は桜内梨子さんとおっしゃいましたね……)



海未(見ていなさい……この私に土をつけた事…… )


海未( 必ず後悔させてやりますよ……)





そう………いつか必ず………


あなたを……!



…………………………。

ー数日後ー


海未「まず1つ……絵里……」

絵里「っ……!」


海未「あなたの課題が浮き彫りになりましたね」


絵里「私の?」


海未「ストレート重視も軽量化も大いに結構です、ですが……もう少しトータルバランスというものを意識してください」


絵里「それはつまり何かしら?」


海未「やり過ぎなんです、改良ではなく"改造"なんですよあくまで」


海未「あなたは、何かを求めるあまりに他を犠牲にし過ぎているんです」



絵里「それは……確かにあったかもしれないわね」


絵里「ほら私って不器用な性格だから//1つの事に夢中になっちゃうじゃない?」テレッ


真姫「何カッコつけてんのよ、いーから気をつけなさい」


絵里「あ、はい……。 って真姫まで何よ!」



海未「そして真姫」

真姫「私も?」


海未「あなたは特に問題ありませんが、もう少し経験と知識を積んでいきましょう」


真姫「分かってるわ……私に足りないものはそこね」


海未「そろそろあなたも自分で状況を見極めてセッティングを出せるようにならないとですね」

絵里「うんうん、期待してるわよ♪」


真姫「こんな時だけお姉さんぶるんだから……」

絵里「失礼ね!私はいつもソルジャーキッズの参謀よ!」


海未「そして私は……」


真姫「あの幼女にリベンジね」


絵里「でもどこにいるか知ってるの?」


海未「はい」

真姫「早いわね……!!」


海未「彼女はどうやら秋葉原にあるメイド喫茶に通っている常連らしいのです」

真姫「小学生のくせにませた子ね」


海未「私もガンブラスターのセッティングが整い次第、再戦を申し込むつもりです」

絵里「随分慎重ね、なら私達が1度様子を見にいってみましょうか?」



海未「絵里……」


海未「絶対にやめてください」


絵里「何でよ?」


海未「いいから……もう1度念を押しておきます」



絶対に………メイド喫茶には………


G"のミナリンスキーには近寄らないように……



海未「では、今日はこの辺で失礼しますね 」


ガチャッ………

………

真姫「何だったのかしら……ミナリンスキーって?」


絵里「ふふん♪♪ 」


絵里「何も糞も、行ってみればわかるわ!」


真姫「ちょっと!今さっき念押しされたばかりじゃない!」


絵里「フリよフリ!海未はああ見えて笑いには貪欲だから」


真姫「そうなの……?」

絵里「そうよ、どんだけ付き合いがあると思ってるの♪ 私には分かるわ!」


真姫「私もそんなに変わらないはずなのに……流石はエリーね……」


絵里「そうと決まれば早速いってみるわよ!」ガタッ


…………




〈 秋葉原 〉


絵里「確かここら辺にあったような~」


真姫「ごほっ……けほっ……」

絵里「あら真姫、どうしたの?」


真姫「なんでもないわ……」

真姫(うぅ、風邪かしら……昨日からちょっと調子が)ジュル…


絵里「おっと、あったわ!」


真姫「ここね……」



カランカラン…♪


メイド「おかえりなさいませご主人様さま~」

絵里「ハラショー!ただいま!」


真姫「メイド喫茶なんて初めて来た……」

絵里「私もよ、それにしても皆 可愛いじゃない」


メイド「こちらの席へどうぞ~」


真姫「ふうん……まぁ、普通の店内ね」



絵里「よっこいしょっと 」カタッ


真姫「しかし、あの幼女が一体どこにいるっていうわけ?」

絵里「いたわ!」


真姫「え……どこどこ……?!」


絵里「あの……奥の席……」


真姫「えっ?………何かやってる……」





「ご主人様!はい、あ~ん」ヒョイッ

パクッ………モグモグ

梨子「おいしいよぉ// あの……今日もアレを//」

真姫(アレ……?)ジーッ

絵里(何よアレって……)ジーッ



「今日もいっ~ぱい頑張ったねぇ?りこちゃん偉い~よちよち」ぎゅ~

梨子「うぅぅ//」ブルブル



真姫「ねぇ、何やってるのあれ……」


絵里「さぁ……でも、ちょっと羨ましいかもしれない……なんてね//」








梨子「所で…………」



梨子「さっきから人の事をずっと見ているお姉さん達は何者ですか………?」


絵里、真姫「………!」


(あっ……真姫ちゃん、絵里ちゃん……何でぇ……!?)ササッ


梨子「私に何か用ですか……」


真姫「っ…………」

絵里「あなたがここにいるって聞いたから、わざわざ様子を見に来てあげたのよ」


梨子「ああ……、試合の申し込みとかですか?」

梨子「最近多いんですよね、そういう人達……」

真姫「相手は私達じゃないわ……園田海未よ」


(海未ちゃん??何で海未ちゃんが梨子ちゃんと……?)


梨子「何だ……この前の2位のお姉さんのお友達でしたか」


絵里「そうよ……もう少ししたらね、海未があなたなんか、ぶっちぎってあげるんだから!」


梨子「…………それは……無理ですね………」


真姫「どういう意味よ!」


梨子「そういう野良試合の申し込みばかりで正直ウンザリなんですよ」


梨子「それに……」


絵里「………?」


梨子「ここがどこか、お姉さん達は分かっているんですか?」

真姫「どこって……メイド喫茶でしょ」


梨子「そうですね……ただ普通のメイド喫茶ではありません」指ぱっちん!


ウィー…ガショ…


真姫「何?奥に隠し部屋が……!?」

絵里「あれ……コースがある……」



梨子「そう、表向きはメイド喫茶……ですが……」



梨子「実態は……ミニ四賭博の聖地なんですよ、ここ……」


真姫「何……それ……」



梨子「そうだ……、せっかくここまで来てもらったんです」


梨子「だから……ゲームをしませんか…… 」



絵里「ゲーム?」



梨子「そう……闇のゲームですよ……!」ニヤリ


梨子「ミナリンスキーさん」


(うわ……この空気、やっぱり登場しないといけないよね……いやだぁぁ)


梨子「ミナリンスキーさん!」


(うぅぅ………)グスッ


バッ……


ことり「このミニ四賭博のディーラーを務めさせていただいております……」(変声)

ことり「ミナリンスキーですっ」


真姫「…………!!」

絵里「あなたは!!」


ことり(んん、やっぱりバレバレだったかなぁ……)


絵里、真姫「何者……?!」


ことり(せ~ふ!意外とバレてなかったぁ!)

真姫「これが……海未の言ってたミナリンスキー……」ゴクリ…


絵里「私には分かる……こいつ……ただのメイドじゃない!」

梨子「だからディーラーですって」


ことり「あの~、私は何をすれば……」


梨子「ああ、ゲームは簡単です」


梨子「今からミナリンスキーさんとミニ四駆で勝負をしてもらい……」


梨子「もしお姉さん達が勝ったら、再戦をうけましょう」


絵里「……!」

真姫「それ……本当ね……?」


梨子「私は嘘は嫌いなんです、約束しますよ。ただし……」

梨子「負けた時は……そうですねぇ……」



梨子「お姉さん達のマシンを破壊します」

真姫「そんなっ……」

絵里「何ですって!?絶対いやよ!絶っ対いや!」


ことり(やめてよ梨子ちゃあん……私もやだよぉ……)



梨子「そうですね…負けるのが怖いなら断ってもらっても構いませんよ♪」

絵里「ッ………」ピクッ

ことり(むしろ断ってっ!挑発に乗っちゃーー)


絵里「ソルジャーキッズも随分舐められたものね」

真姫「エリー!?」



絵里「その勝負、受けて立つわ!」




梨子「ふふ、そうこなくっちゃ?」

ことり(ふぇぇ……断ってよぉ……私も立場上 負けられないんだよぉ……)


梨子「では、ルールを説明しますね」


コトッ…


絵里「電池?」

真姫「アルカリじゃなくてマンガンね」


梨子「そう、これはただの速さ比べではありません」

梨子「この電池をバッテリーにして電池が尽きるまでの周回数を競う……」



梨子「……ミニ四耐久デスマッチ……」



絵里「耐久……」

真姫「デスマッチ……」

梨子「そうです……まぁ、ヒントをあげるとすると」

梨子「スピードよりも走破性と冷却性が鍵となってきますね」


絵里「冷却は何となくわかるけど……走破性?」


真姫「エリー……コースを見て」



絵里「ん……かなり起伏があるわね」


真姫「そう、ヒルクライムが幾重にも続くあのコースはとにかくパワーが要る」


真姫「そしてその分バッテリーや駆動系に掛かる負荷も高い、それで走破性と冷却性……」

梨子「ご明答、そういう事です」


梨子「ミナリンスキーさん、準備は整いましたか?」



ことり(仕方ない……切り替えよう。)



フッ……………


ことり「はい……。」スチャッ


絵里「何か急に雰囲気が変わったわね…」


真姫「あのマシンは?!」


絵里「あれは……」

絵里「………ブロッケン G〈ギガント〉………」

真姫「名前からして特にヤバそうね……」


絵里「海未と同じFMシャーシのパワー型マシンよ」


真姫「……なるほど……」



ことり「こちらは……いつでもいけます……。」


絵里「ちょっと待って……!こっちは作戦会議っ!」


コソコソ…


絵里「どうしよう……」

真姫「はい……?」


絵里「冷却は兎も角、燃費や走破性なんて考えた事なかったわ……」

真姫(まぁ、普通はあまり気にしないわね)


絵里「うわぁぁ……どうしよう……」


真姫「………」


真姫「現状、まず間違いない事が1つだけあるわ」



絵里「何?」



真姫「私が出た方がまだ勝ちの目がある」

絵里「ちょっと!どういう意味よ!」

真姫「いや、マシンの話よ……ソニックの方がパワーがあるから」


絵里「い、一理あるわね……!」


真姫(で……………問題は冷却ね……………)


真姫(あっちのマシンなんてモーター剥き出しじゃない、ズルすぎるわ )


真姫(これを何とか……何とか、何とか……)


真姫「あ………そうだ!」


真姫(んしょ……よいしょ……)ガサゴソ


……………

………




絵里「待たせたわね!」


梨子「それでは……両者スタートポジションに」



絵里「真姫、任せたわ」

真姫「やれるだけやってみる」

梨子「レディ……」




真姫「頼んだわよ!ソニックッ!」カチッ


ことり「いこっか………ブロッケンG……。」カチッ





ゴーーーッ!!!


「いっけぇえーーっ!!」ヒョイッ



ギャギャギャギュィア……シュアーッ……


絵里「始まったわね 」



梨子「まず、先行は……」




ギュルギュルアアアッ……



真姫「よし……!そのまま逃げきるわよソニック!」


絵里「何か知らないけど幸先いいんじゃないの!」



梨子(ふふ……ここまではいつも通りですね)





〈20周目〉


ギュギャアギャギャギャアアアッ……


真姫「よし、いいペースよ」



絵里「だけど……不気味ね……」

真姫(ええ……後ろをピッタリついて追ってくるミナリンスキーのマシン……)


真姫(何か、あるのかしら……)



ことり「……そろそろ弱ってくる頃かなぁ……。」





〈40周目〉


ギャギャギャギュィッ……


ことり「ふむ………。」

梨子「おかしいですね……」


梨子(ソニックの方は、そろそろモーターもバッテリーも放熱に限界がくる頃のはずなんですが……)


真姫「ふふっ……効いてるみたいね!」


ことり「え………。」


真姫「カウルにモーターが包まれてるから……こちらが不利とでも思った………?」


梨子「まさか………?!」





真姫「貼ってきたわ………」



真姫「私の冷えピタをバッチリとねっ!!」


ことり「なっ………!」

絵里「流石は真姫ね!かしこい!とにかくかしこい!」

梨子(がっ……!そんな手がっ………!)


梨子(確かに、空冷以上の冷却性があるのは間違いないですが……)


ことり(柔軟な発想力が武器ってわけだね………。)


真姫「さぁどーするわけ!このトサカ女!!」



ことり「え………、えっと……」




ことり「…………それ……わたし………?」


絵里「どう見てもあなたしかいないでしょ!バカ……?」クスッ


プツン………………。


ことり(友達だから遠慮してたのにさ……)



ことり( トサカ女はあんまりだよ……)





ことり「なら……やってやりますよぉ……。」


真姫「ふん、今更何を……」

ことり「ブロッケンちゃん!」

ギャギャギャギュィッ……


絵里「ブロッケンGが!ソニックの横まで上がってきた……!?」


真姫「な、何する気よ……」


ことり「何って………」





ことり「こう………するんですよっ!!」


ガギィーン!……ギ?ギギ?ギギュアア……!


真姫「ソニックッ!!?」


絵里「ソニックが……横からプレスされて壁に!」



梨子(後はこのままプレスし続けて、相手のスタミナを奪って終了)

梨子(これがいつものパターンです)



ことり「ちょっと予定外だったけど……」


ことり「ここからどこまで楽しませてくれるのかな……?」


ことり「まきちゃん……♪」


真姫「くぅっ……!」

グギギギッ……



真姫(っ……! まずい……!)


ことり「ふふぅ……♪」


絵里「真姫ぃ……!」


ギャギャギャギュィッ……

真姫(今は、耐えるのよ……)


真姫(あっちだって……もう限界は近いはず……!)



〈42周目〉

梨子「壁に抑えつけられたまま、もうすぐ2周目ですか……」


ことり(中々しぶといなぁ……)


ことり(多分、凄く駆動系のバランスが良いんだ…こんな相手は初めてだよ)


ギュギュギュギュア……


真姫(海未の整備のおかげね……普通ならもうとっくに止まってるとこよ )


ことり(こっちも、だいぶ苦しくなってきてる……)

真姫(冷えピタ分だけ放熱はまだこっちがマシだけど……)


ことり(ここからは………)

真姫(意地の張り合いね……)


〈45周目〉

ギュア………ギュルギュルアアアッ……



真姫「っ……まだいける……!」

ことり「くううっ……」


絵里「あれから5週目………これ、どっちが優勢なのかしら……」


梨子「若干ミナリンスキーさんが有利……といったところですかね…。」


梨子(いくら何でもしぶと過ぎるわね……正に執念の走り……)




梨子(………西木野真姫……か……)


梨子(ふふ、この人は見どころがありそうね)



ですが……


〈46周目〉

トロトロ………


ことり「だいぶスピードを殺した……!」


真姫「ちぃ……ッ」


ことり(そろそろこっちも逃げなきゃ……下手したら共倒れだよ……。)


ことり「ブロッケンちゃん!」


ギャギャギャギュィッア…………


絵里「ブロッケンGが……!?」


梨子「プレスじゃ共倒れと踏んで、このまま逃げきる作戦に切り替えたみたいですね」


絵里「よーし!真姫っ!今よ~!」



梨子(あらら……)


キュロ……キュロ……



真姫(ソニックは……バッテリーの限界よ……)






〈ブロッケンG……50周目 〉


カタカタ…………カタ………ピトッ……。


ことり「ここまでかぁ……お疲れ様ブロッケンちゃん」


梨子「ミナリンスキーさんは50周目でストップ 」



梨子(そしてソニックは………)


カタカタ……


真姫「49周目……!あと少し……」


カタ………カタ……………ッ


真姫「ソニック……!? 」

絵里「…………そんなっ」


ことり「……もう坂を登る力も残ってないみたいですねっ」


真姫「くっ………………!」



梨子「これで…………ジ・エンドですね………。」








真姫(万策尽きた……打つ手なし………)



真姫(ここまでか………)



ことり「……万事休す……かなっ……?」



真姫(くそっ………!私が迂闊だったから!不甲斐なかったから……!)


真姫(こんな……こんな形でソニックとお別れなんて……)ググッ


カタ………カタ………


真姫「へ…………」

真姫(ソ、ソニック………?)


………カタ……………カタカタッ……




梨子「あれは……」




絵里「ソニックが……まだ動いてる!?」


梨子「え……」



絵里「ソニック………」


カタッ………グギギ…………



真姫(………あなたは………)





そっか……


まだ……………走りたいんだよね…………!


真姫「っ………!」



だったら……諦めないッ………!!絶対に!!






真姫「…………諦めないッ…………!!」

ことり「え……」


真姫「まだよ……!」


真姫「ソニックッ!!あなたの力はそんなものなのっ!!」


………カタ……………カタカタ………ッ



真姫「あなたは!この私の!」


真姫「西木野真姫のパートナーなんでしょ!!」


絵里「真姫……!」



真姫「だったら………」


真姫「もっと……根性見せなさいよ………」



……カタ……………


真姫「ソニックは……誰にも負けない……」


真姫「私のソニックは…………!!」



………カタ…………ッ……



世界で一番………!


速いんだからぁああっ!!!


カタ…………カタ…………カタカタカタン………ッ


ことり「っ……!?」

梨子「まさか……」


ギュルギュルギュアアッアアアアアアッ………………!!



絵里「坂を……! 」

ことり「登り始めたっ!?」

真姫「いっけぇええ!! ソニックーーッ!!」



ギュルギュルッ………グググッ……


真姫「あと!少しっ!! 」


真姫「ソニックッ!!!」



その坂を越えれば……!



ギュルギュルギュアアッ……シュバ─────ンッ!



ことり「………う………そ…………っ」



カタ……………カタ…………ピタッ…………。



真姫「ありがとう……ソニック」


真姫「やはりあなたは……最高のパートナーね……」



〈 ソニック……50周目、到達 〉

絵里「これで……」


梨子「二人共、50周目でフィニッシュですか」


真姫「って事は……引き分けね」


ことり「っ………。」


絵里「これ………どうなるの??」


梨子「引き分けですので、約束はナシです」


絵里「ええ!……そんなぁ……」


真姫「しょーがないわ……。」



梨子「……………………」


ことり「梨子ちゃん?」



梨子「ですが……」


梨子「私は次の全国ベスト8の大会に出場します」


真姫「……?」



梨子「ですので、2位のお姉さんに伝えておいて下さい……」




梨子「……全国の舞台で………」


梨子「………待っています……と……」

絵里「あの、それって?」


真姫「ふふ、わかったわ……!」



真姫「エリー………帰るわよ」ガタッ

絵里「ちょ、待ってよ~!」スタスタ


「行ってらっしゃいませご主人様~」


カランカラン♪




ことり「あ~ぁぁ……」


ことり「黙っておけば海未ちゃんも諦めてたかもしれないのに……」


ことり「どうしちゃったの梨子ちゃん??」


梨子「あの素晴らしいバトルを見せてもらったお礼ですよ…。それと……」



梨子「少しだけ……興味が湧いてきました」


梨子「まぁ、それはミナリンスキーさんも一緒ですよね」


ことり「………。」


梨子(アキハバラで無敗を誇ったあの伝説のミナリンスキーが)

梨子(まさかここで引き分けるなんてね……)


梨子(顔には出してないけど……)


ことり「……」 ググッ!




内心は………どうなのかな……♪♪

海未「だからあれ程行くなと言ったでしょうが!」


絵里「だって……」


絵里「絶対に押すなはつまり押せって海未がいってたから……!」

海未「はあ………、絵里ぃぃ…………」


真姫「ったく……エリーのせいでヒヤヒヤしたわ」


海未「何とかなったから良かったものの……」



海未(しかし、あのミナリンスキーに引き分けるとは……)チラッ


真姫「ん……?」


海未(西木野真姫………)


海未(やはり天才は、何をさせても天才……という事でしょうね……)




絵里「ところでなんだけど」


絵里「その全国大会ってどうやったら出られるのかしら?」


海未「ああ、今の所すでに7枠は決まっています」


真姫「じゃあ最後の1枠に入れば良いわけね」


海未「そうですね、そしてその最後の席を決める大会が今度開かれます」


絵里「なるほど、そこで優勝すればいーのね!」



海未「ただ1つ問題がありまして……」



真姫「何よ?」




海未「もう事前エントリーが終わってるんですよ」




絵里「…………はい?」


真姫「いやいや!それじゃ出られないじゃない!」


海未「そうですね 」

絵里「そうですねじゃないわよ!えぇ……」

海未「ですから、主催者に直接交渉に行こうと思っています」


真姫「大丈夫なのそれ……」


絵里「オハラカップ……主催者は………えと……」カタカタ




絵里「………小原………鞠莉………」


……………

………




〈 数日後……小原邸 〉


鞠莉(12)「音ノ木soldier kids? 」


使用人「はい、そう名乗る3人組が鞠莉様にお話があるとの事でーー」


鞠莉「お話? 何かしら? 」


使用人「……それが……」

……




鞠莉「今更、オハラカップへのエントリー?」


鞠莉「よくわからないわね 」


使用人「なんでも………」

使用人「全国の舞台で待っている奴がいる……と」



鞠莉「ふーーん、オハラカップはもう優勝した気なのかしら♪」

鞠莉「姿が見てみたいわ!ちょっとモニター回してプリーズ♪♪ 」

絵里「ちょっと!聞いてるの!?」バシバシ!



真姫「エリィ………やめてったら」


絵里「いや、このカメラの向こうで見てるんでしょ!何とか言いなさいよ!」バコッ!


ポロッ………


絵里「あ………!」




真姫「あ~あ、そのカメラ確か100万はするやつよ」

絵里「………え………、ええっ………!?」




海未「絵里………。」




絵里「あの………、う~みちゃん/// 」チラッ





海未「……私と真姫は関係ありませんからね……」


真姫「知らないっ」プイッ




絵里「…」


絵里「…………んぐっ………」じわっ



ガラガラガラガラ………


海未「おや、門が開きましたね」


絵里「……!」

使用人「お待たせ致しました……先程から何やらモニターの不具合が……少し確認にーー」


絵里「こ、こっちも色々急いでるのよっ!」


使用人「はい……?」

絵里「いーから! 早く案内をしてちょうだい!」

鞠莉「ちゃお~っ☆」


海未「え……あの、あなたが小原鞠莉さんですか?」

鞠莉「そうよー♪驚いちゃった?」


真姫(まだ子供じゃない……、それに)チラッ



果南(11)「鞠莉、洋梨とって」


鞠莉「んもぉ、今は大切なお話中よ!はいっ!」ポイッ


パシッ………


果南「ありがと~♪」シャクシャクッ


海未(何故か梨を丸かじりする子がもう1人……お友達か何かでしょうか……)


鞠莉「早速ですが、もう用件は伺いました♪」


絵里「え!それじゃ!」パアァァ


鞠莉「勿論エントリーは……!」




鞠莉「認められないわぁ!!」


絵里「そ、そんな……」

海未(……まぁ、簡単にはいきませんよね )


真姫「そこを何とかしてもらえないかしら?」

絵里「私達も、そう簡単には引き下がれない事情ってものがあるんだから!」



鞠莉「これは公式戦でもありますので、そういうイレギュラーを認めるわけにはいきません……」




鞠莉「と………言いたい所だけども………」


鞠莉「お姉さん達は中々強そうね♪ 」


絵里「……?」



鞠莉「だからぁあ……」


鞠莉「面白い事 思いついちゃった」ニタァ…





鞠莉「ねぇ、果南!」


果南「どうしたの? 」


鞠莉「このお姉さん達と遊んであげてくれない?」


海未(は……?)


鞠莉「お姉さん達がもし、うちの用心棒に勝てたら、特例としてエントリーを認めてもいいわ」


果南「ああ………そういう事ね………」


絵里「やったわね、こんなチビッ子楽勝じゃない!」


果南「…………」グググッ……



ブシャアアッー!………ポタ…ポタポタ……


真姫「梨がっ……粉々に……?!」




果南「ふふっ……それはどうかな……」ぺろっ

……………ゾクッ…………



海未(えっ……………)


真姫(……何、この威圧感………ッ )




果南「……丁度さ、退屈してたんだ……」


……………ゾクゾクッ……



海未(はは……震えが、止まりません……)ガクガク


絵里「こっちも退屈してたわ……望むところよ!」



海未(……私の直感が……告げています……)



果南「……久々の獲物かぁ……楽しみだな…… 」ペロッ



こいつは………



………私達の手に負える相手ではないと………


……



真姫「ここは……?」


鞠莉「小原家の特設コースよ」


海未「かなり先迄ありますね、ゴールが見えません……」




鞠莉「そう、全長10kmの超ロングストレートコース……」


鞠莉「そして最後のセクションはダウンヒルになってるわ」


海未(何やら仕掛けがありそうですね)

果南「まずは誰からかな?」


真姫(私のソニックは前回のバトルから修理中だし……)



真姫(ならここは、海未が……)


絵里「私が遊んであげるわ」


海未「絵里?!」


果南「お姉さんか……いいよ、やろ」



絵里「そのスカした態度、気に入らないわね」


絵里「後で吠え面かかせてあげるわ!」


海未(はぁ………)

真姫(これじゃどっちが小物か分からないわ……)


鞠莉「ぷははは!」

果南「やっぱり面白いお姉さんだね」



絵里「くうっ……!!」

絵里「いーから、さっさと始めるわよ!」


鞠莉「それでは両者スタートポジションに」



絵里「見てなさい!いくわよマグナムッ!!」カチッ





果南「…………トライダガー………」カチッ



海未(あの子のマシンはネオトライダガーZMCですか……)

真姫(確か、エリーと同じストレート特化型ね )



鞠莉「レディ……」


ゴーッ☆☆


絵里「いっけぇえーー!!」ヒョイッ



ギュギュギュギュアアアアッ……



真姫「って、いきなりエリーの独走じゃない♪」


海未「ええ………対してトライダガーは………」




シ─────ン………

果南「……」



絵里「あんだけ大物ぶっといてマシントラブル?話にならないわね!」


絵里「今のうちよ!マグナム!」



ギュギュギュギュアアッ……




鞠莉「ふふ……」



なんだこれ

〈 1.5km地点 〉


ギュギャアギャギャギャアアアッ……


絵里「行け行けーー!!」


海未「もうすぐ絵里は2km地点というのに……」


真姫「おかしいわね、マシントラブルならスグに何とかするはずよ……?」



果南「ふぅん♪♪」


海未「まるで焦る様子もありませんね……」



海未(しかし……先程からギヤボックスの擦れるような音が……)



これから、一体何が起こるというのですか………ッ




果南「………そろそろかなぁ………?」



………………………カタ…………




真姫「え………」

…………カタカタ…………………



海未「ト、トライダガーが少しづつ進み始めた!?」



………カタカタカタ……カタカタカタ…………ッ




鞠莉「始まったわね………。」


鞠莉「もう………誰にも止められないわ。」



カタ、カタカタ、カタカタカタカタカタ…………ッ


真姫「なんか……どんどん速くなってきてる……」


海未(まさか………!?)


海未「まずいです……絵里ィ!!逃げてくださーぃ!!」



絵里「えっ?」


果南「……………いくよ……………」





…………カタカタン…………ギュル…………ッ




果南「…………ネオトライダガァアア…………ッ!!」




ギュギュギュガガガアアアア──────ッ!!

海未「なっ……!」

真姫「いきなりスピードがっ!!」





果南「さぁ……どこまで逃げきれるかな……♪」



絵里「ふん!何言ってるのよ!」

絵里「これだけのリードがあるのに、今更何ができるっていうのかしら!」



果南「なら、その余裕がいつまで続くかな?」



真姫(何か知らないけど………)


真姫(凄くマズいんじゃないの……こいつ……)



……普通じゃない……!!

〈 5km地点 〉

ギュギュギュギュア……


絵里「はぁ、はぁ……こっちはもう折り返しよ!」


絵里「ここまで差をつければ……!」





果南「あれ?」



果南「まだそんなとこ走ってるの?」



絵里「え…………」




海未「絵里ッ!!トライダガーはすでに3km地点まで来ています!」


絵里「 はぁあああっ!?」


真姫「これ……マグナム以上のペースじゃない!?」

真姫「あのマシンは何なのっ!?」





海未「あれは恐らく………この超ロングストレート専用に開発した、超速………いや……」



海未「爆速ギアを組み込んでいるんだと……」


鞠莉「正解~♪ 中々鋭いじゃない」


真姫「何なのよそれ……しかもトライダガーは……」





ギュルギュルギュアアアアアッアアアッ……


果南「まだだよ………もっと速くッ!!」


絵里(更に加速してるってわけ?!)


真姫(このままじゃ…… !)


海未(ええ、マグナムが捕まるのも……)



鞠莉(時間の問題ねっ)



絵里「くっ…………!」



〈マグナム…9km地点〉

ギュギュギュギュアアアアッ……


絵里「はぁ、はぁ…………ッ、よし………!」


絵里「 マグナムッ!!あと1kmよっ!」


果南「ふふ………」


果南「………あと1km………?」


果南「まだ1kmもあるの間違いじゃないかな? 」


絵里「っ………!」


果南「トライダガーーッ!!」


ギュルギュルギュルギュルギュアアッ……!


真姫「エリー!!」

海未「もう2体の車間距離が100mもありませんっ!」



絵里「ウソ………でしょ………」


果南「捉えたよ……」


果南「ここで………畳み掛ける………」



絵里「くうぅ……!何なの……あの化物はッ!!」


ギュルギュルギュアアッ……


海未「あと10m………絵里っ!」


真姫「あと1m……!! あぁ……………」


果南「じゃあね……」


果南「ノロマなお姉さん」




ズギュアギャギャアッ……シュバ──────ッ!




真姫「…………あ……………ああ…………」


真姫「マグナムが…………」

海未「抜かれた………」

海未「マグナムが……どんどん離されていきます……」


果南「うん、中々楽しませてもらったよ」

鞠莉「だいぶ頑張ってたみたいだけど、それでも果南の敵じゃなかったわね♪ 」


絵里(こんなところで………!何か……!何か……!)


絵里「あ……!」


真姫「どうしたのかしら?」


絵里「ダウンヒルに入る前の所にキッカーが……」



鞠莉「あら……気づいちゃった?」

鞠莉「いつも果南がぶっちぎりでゴールしちゃうから、最後の逆転chanceとして用意してみたんだけど」



絵里「……逆転……?」


海未「話になりません……」

真姫「ええ、あんな位置から飛んでも着地なんて上手くいきっこないわ」


海未「そう、あのキッカーにのったら最後……挑戦者のマシンは自ら地面に激突し……」


鞠莉(……gameover……☆)


海未「分かりやすいトラップです……」


絵里「くっ…………」



絵里(私……どうすれば……)


ギュルギュルギュルギュルアアアッアアアッ……!


絵里「へ………?マ、マグナム………!?」


真姫「なんか、マグナムが更に加速してる……」

海未「あの音……モーターが限界近くまで回っていますね、これは……」


絵里(…………マグナム…………)

ギュルギュルギュギュギュギュア……


絵里(あなた……まさか………キッカーに向けて助走を!?)



ギュギャアギャギャギャアアアアアアッ!!


絵里(そう…………)



絵里(ふふ……本当に私と一緒で……)


絵里「負けず嫌いなんだから……!」


だったら………


絵里(私も信じる……、あなたを……)ギリッ



そして……


………自分自身を………!



絵里「勝ちに………いくわよ………」



ギュルギュルギュアアッ……


真姫「エリー?そっちはキッカーよ!?」


海未「絵里……?あなたまさか……?!」



絵里「…………マグナム…………ッ!!」


鞠莉「あら……何を血迷ったのかしら…」


鞠莉「でも…………」


鞠莉(愛機を自らの手でバラバラにする瞬間が見れるなんて……その時はどんな顔をするのかしら……)


鞠莉「……すごく、面白そう……」


絵里「見せてやるわよ!私とマグナムの最強コンビをっ!」

絵里「かっとべぇえ!!サイクロンマグナムッ!!」


ギュギュギュギュア………シュバアアアッ──────!



果南「マグナムが飛んだ……?」


海未「くっ………絵里………」

絵里「ふふっ……!」ペロッ


真姫「見て!」


海未「え……」


ズヒャアア─────!



真姫「マグナムが……!」

真姫「どんどんトライダガーに迫っていってる!」



海未「まるで……弾丸ですね……」


絵里「あと少しよっ!マグナムッ!」


果南「ふうん……いいねぇ♪♪」


なら……!


果南「地を這う私のトライダガーと……!」

絵里「天をブチ抜く私のマグナム……!」




果南「どちらが速いか……」


絵里「決着つけるわよ……ッ!!」

海未(しかし……)


シャアアアアッッ………ヨロッ…………


真姫「マグナムが……!?バランスを崩した!?」



海未「やはりあんなジャンプ……無理があったんです……」


海未「くっ……、こうなってしまったら……」


果南「追い風でも吹かない限り……地面に激突ーー」


絵里「………吹くわよ………」



果南「へ………??」




絵里「1つだけ……教えてあげるわ、チビッ子……」



絵里「勝利の女神はね……いつだってそう……」




絵里「諦めの悪い方に味方してくれるのよ!!!」

果南「………!?」


ブワアアアーーッ!!


鞠莉「キャッ///スカートがぁ///」

果南「何この突風……!?」


真姫「マグナムが……!」


鞠莉「バランスを立て直した……!?」

絵里「よしっ!」グッ



果南「っ……!こんな事ありえない……!」



海未「まさかとは思いますが……これに賭けていたんですか!?」


絵里「そうよ!」


海未「無茶苦茶です!!そんな都合良く追い風がふいてくれる可能性なんて、ゼロに近いのに!」



絵里「でも………ゼロじゃない………。」

絵里「なら………やってみる価値はあるでしょ♪ 」



果南「なっ………!?」

海未(はぁ……絵里……)



海未(全く……あなたという人は………)



絵里「いっけぇえええーーっ!!」


果南「くっ…………」



ギュギュギュギュア……ズシャアア──────ッ!!




鞠莉「ゴーーールッ!!!」


絵里「よっし!!これが私とマグナムの最強コンビの実力よお!」

真姫「エリーーッ!!」


果南「あらら……負けちゃったかぁ」

果南「ごめん、鞠莉 」


鞠莉「いいえ♪最高のバトルだったわ!果南もね!」


果南(……それにしても……)チラッ


果南「………絢瀬………絵里………」




鞠莉「正直、最初はちょっとおバカさんかと思ってたけど…… 」

真姫「ちょっとじゃなくて大馬鹿よ……」

海未「そうですね……、ですが………」



絵里「ん??」

絵里「さっきからあなた達、何コソコソ話してるの?感じ悪いわよ……!」


………誰よりも………


勝利の女神に愛される大馬鹿者の様ですね……


〈 勝者───サイクロンマグナム、絢瀬絵里 〉

ー数日後ー

希「はい、真姫ちゃん」

真姫「ソニックっ!」

希「もう無茶したらダメだよ」

真姫「分かってる、ありがとう希! 」

真姫「ちょっと走らせてくるわ」

タッタッタッ……

希「ふふ、ソニックの修理が終わったのがそんなに嬉しかったんかな♪」

海未「助かりましたよ希」

海未「しかし……本当にあなたは何者なんですか?」

希「何でもないよ♪ただ、ミニ四駆の修理に関しては昔ちょっとね……」

希「あのね……、海未ちゃん……」

海未「ああ、私のは大丈夫ですよ!気を遣わせてしまってすいません」

希「でもまさか、また大会に出る事になるなんてね」

海未「まぁ、色々とありまして///」


希「オハラカップだったかな……えっと」カタカタ…

希「あった……、ふむ………この大会はチーム戦なんやね」

海未「そうです、3人1組のリレー形式でバトンを
繋いでのレースですね」


海未(昔は穂乃果とことりの3人でチーム戦に出場したんでしたっけ……)

海未(懐かしいですね……)


希「3人が出るんならうちも皆と大会見に行ってみようかなぁ」

海未「それは是非、絵里も真姫もきっと喜びますよ」

ガラガラ……

絵里「いたいた!こんなところで何してるの2人共?」

海未「ちょうど大会の話をしていたんです」


希「あ、エリチ 」

希「大会までにはエリチのマグナムも修理しておくからね」

絵里「期待してるわ、希!」


絵里「……それにしても……」

絵里「うう……、手元にマグナムがいないと何か落ち着かないのよねぇ 」

海未(それは凄くわかります……)

希「じゃあ今日はそろそろ帰ろっか」


海未「では真姫も呼んできますね」


絵里「久しぶりにマックでも行きましょ!決まりね!」

希「エリチは本当にマックが好きんやね」

海未「何かある度にマック推しで、正直キツいです」



絵里「いーからいくわよ!」

希「はいはい♪」

カタカタカタ………


「ん……?エントリーが増えてる……」


「音ノ木ソルジャーキッズ……?何よコイツら……」


「あ…、確かね、特例でエントリーになったチームだよ…。凄いよねっ…!」


「何でもあの小原家の用心棒を倒したんだって!一体どんな走りをするのかな!」


「ふうん……。にしてもダッサいチーム名ね。」

「おお、珍しく気が合うにゃ」




「まぁ、誰が相手でも優勝すんのはこの私達だけどね。」



「そうだね…。ふふ…、楽しみだよね…」


「ねぇ、とりあえずラーメン食べて帰ろ!」

「はあ!?また!?今日はマックよ!」



「わ、わたしは……白米があればどっちでも……」


……………

………




ーオハラカップ当日ー


ヒュ~……パンッ…パンッ…!


司会のお姉さん「ついにきちゃったぜーー!!」

司会「3人1チームで過酷なレースを勝ち抜けぇ!!」

司会「その先に待っているのはぁーー??」



司会「全国行きのチケットだあーー!! 」




真姫「あ、いたわ」

絵里「のぞみぃ~!ことりぃ~!」ぶんぶんっ


ことり「あっ、絵里ちゃんだぁ」


希(うわ……指ぬきグローブやん……)


希「それにしても……」


ことり「穂乃果ちゃんは用事でこれないし、にこちゃん達は連絡つかないしぃ……」



希「うん、結局うちらだけしかこれなかったね、応援」


海未「ことり、希、今日はわざわざありがとうございます!」


ことり「うん、3人共頑張って!」

ことり「これなかった皆の分も、い~っぱい応援するからねっ!」


真姫「ありがと、絶対に優勝してくるわ 」

絵里「私達の走り、楽しみにしててね!」


希「エリチ!」


希「遅くなってごめんね、はいこれ」コトッ


絵里「おかえりマグナムぅぅ」

絵里「会いたかったわぁ?」スリスリ


希「バッチリ仕上げといたからね……あとアレも……」



絵里「流石は希ね、ありがとう」


海未「では、そろそろ行ってきますね」



ザッ………


凛「あれ~?!海未ちゃん!?」

海未「えっ?凛!?」

にこ「てゆーか皆いるじゃない、何?ひょっとして応援に来てくれたわけ?」


真姫「はい?いや……にこちゃん達が応援に来てくれたんじゃないの?」


花陽「んん?」

絵里「何か噛み合ってないわね……」


………




凛「ええっ!?」

花陽「じゃあ真姫ちゃん達が例の飛び入り参加のチームなのぉ?!」


絵里「あらあら、私達も随分と有名になったものね♪」


真姫「ってゆーか花陽達もエントリーしてたなんて……」


希「まさかの同門対決やね……」

にこ「何か拍子抜けしたわ……」



凛「それにしても、ソルジャーキッズってチーム名さ……」



真姫「あれ、私が考えたのよ♪」


にこ(うげぇぇ……。真姫……あんたなの……!)


海未「初めて聞いた時は……あまりのカッコ良さに震えましたよ」

絵里「流石は真姫ね……!」


凛(ああ……。そう………)

花陽「あの、そろそろ始まっちゃうよ…」



海未「おっとそうでしたね、じゃあ行きますか」

司会「それでは各区間のランナーはスタートポジションへ!」


ザッ……………


真姫「にこちゃんが第一走者……」


にこ「……真姫……」



にこ「悪いけど……本気でいかせてもらうわよ」



希「スタートは、にこっちVS真姫ちゃんかぁ」


ことり「んんっ?」


ことり「にこちゃんのマシン……あれは……」


希「ボディどころか、シャーシからローラーまでピンクのオールペンで統一された……」


希「 フルカスタム仕様のアバンテ!」



ことり「へぇ~、なんかにこちゃんらしいね」


希「物凄いこだわりやね……」

希「マシンスペックは真姫ちゃんのソニックの方が上だろうけど……」


ことり「にこちゃんの事だから、きっと何か仕掛けてくるはずっ」


希(これは……いきなり面白そうやん!)




司会「それじゃあ最初は一斉にスタートするよっ!準備はいいかーい!?」



司会「レディィ!!」




真姫「……ハリケーンソニックッ……!!」カチッ



にこ「頼むわよ、にこちゃん号……」カチッ



ゴーーッ!!



に「いっけぇえーーっ!! 」ヒョイッ


ギュルギュルギュアアッ……!

司会「さぁスタートしましたー!まず先頭を走るのはー?」


ギュルギュルギュアアッ……

真姫「ふふっ!」


司会「ソニックだーー!!」


ことり「まきちゃんっ!」

希「初速の伸びはぶっちぎりみたいやね」


真姫「いい調子よ……このまま引き離す!」


司会「ソニックが早くも最初のコーナーに突っ込んでいきましたぁ!いやぁ速いねーっ!」


ー主催者席ー


果南「始まったね」

鞠莉「ええ、楽しみね♪」



果南「まずは第1セクション……」

果南「かなりキツいコーナーが連続する複雑なコーナリングステージか……」


鞠莉「果南はこのステージをどう見る?」


果南「う~ん……私は苦手かな……」


果南「まず全体を通してトップスピードを出せる所ほぼないし……延々と続くS字やヘアピンとか……見るからにイヤラシイね」


鞠梨「あら、辛口ね♪」


果南「こういう中~低速セクションは空力よりもまず車体の運動性能がモノをいうからね」



果南「ここからだよ……」




真姫「よし……!」


ギュルギュル…ギュルギュル…


司会「ソニックが逃げる逃げるー!」

司会「これはいきなり独走態勢かーーっ!?」



にこ「 ……なわけないでしょ……ッ」


ギュルギュルギュアアアアアッ……


司会「おっとぉ?そのスグ後ろを走るマシンが1台……これは?」

司会「アバンテだぁ!しかし珍しい車種ですね!」



にこ(まずはお手並み拝見させてもらうわよ、真姫)

ことり「あんまり見かけないマシンだよね、あれ」


希「アバンテ……全てのミニ四駆の原点にして1つの完成系……」

希(でも、何でわざわざあんな骨董品…………)



司会「2台のマシンが付かず離れずのドッグファイトだー!しかし後方を走るアバンテは……イマイチ決定力不足!攻めきれないー!」


司会「そして第一セクションも中盤!これは早くも決まったかー!?」


ギュルギュルギュアアッ…


真姫(何よ……大した事ないわねにこちゃんも)


にこ「………」





果南「コーナーがレースの華とは言うけど……地味な対決だね」



鞠莉「あら、そう?だからこそ何か起きそうとは思わない?」



果南「……鞠莉……?」



鞠莉「オハラカップが……何で3人制になったか知ってる?」


果南「……?」


鞠莉「十年前……第1回大会の優勝者があまりにも速すぎて、急遽レギュレーションの調整が入ったの。」


果南「え…………?」


鞠莉「当時8歳だった少女が圧倒的な大差をつけてゴールしちゃったから、それではレースにならないってね……」


鞠莉「だけどその少女は第1回大会を最後に公式戦からは姿を消した」

鞠莉「 『こんなノロマ達と走ってもつまらない』って言い残してね」



果南「ねえ………それ………」



鞠莉「そして……その少女が使用していたマシンが………」




………ピンクの………アバンテ………

ギュルギュルギュアアッ……

真姫(もうすぐこのセクション唯一の高速コーナーに突入ね……)


真姫(そこで……にこちゃんを)

真姫「一気に引き離す……!」



にこ(真姫……あんたってやっぱり天才ね……)


にこ(教科書のお手本みたいな完璧な走り……思わず後ろで見とれてしまうわ)


……でもね……


コースはあんたが1人で走ってんじゃないのよ


ギュルギュルギュルギュルアアアッ……


司会「ソニックがコーナーの入り口へと突っ走る!」?????


司会「って、あれ………?何か後ろから……」??

?真姫「え………」????


?にこ「いくわよ………!」???ギュルギュルギュアアッ……!


???ことり「アバンテが!?物凄い速さでコーナーに進入してくるっ!?」??


希「あんなオーバースピードじゃ絶対コースアウトやん!?」


???真姫(にこちゃん? 何考えてるの……!?)??
?


??にこ「ねぇ……真姫………」?????

にこ「あんた……お遊戯会でもやってんの……?」????真姫「へ……?」????


にこ「そんな綺麗な走りじゃ……この私には……!」????


にこ「 通用しないってーのぉおッ!!! 」??

?ギャギャギャギャッ……!ゴツッ……!??

?司会「こ……これはーー!?」????


ことり「ソニックの車体でワンクッションして……!」???

希「アバンテが強引に体勢を立て直したっ!?」?

88 訂正

ギュルギュルギュアアッ……

真姫(もうすぐこのセクション唯一の高速コーナーに突入ね……)


真姫(そこで……にこちゃんを)



真姫「一気に引き離す……!」







にこ(真姫……あんたってやっぱり天才ね……)


にこ(教科書のお手本みたいな完璧な走り……思わず後ろで見とれてしまうわ)



……でもね……



コースはあんたが1人で走ってんじゃないのよ





ギュルギュルギュルギュルアアアッ……


司会「ソニックがコーナーの入り口へと突っ走る!」??

レッツ&ゴー好きの俺得SS

司会「って、あれ………?何か後ろから……」??

?真姫「え………」????



?にこ「いくわよ………!」???


ギュルギュルギュアアッ……!???


ことり「アバンテが!?物凄い速さでコーナーに進入してくるっ!?」??


希「あんなオーバースピードじゃ絶対コースアウトやん!?」???



真姫(にこちゃん? 何考えてるの……!?)??

にこ「ねぇ……真姫………」?????


にこ「あんた……お遊戯会でもやってんの……?」?


真姫「へ……?」????


にこ「そんな綺麗な走りじゃ……この私には……!」????



にこ「 通用しないってーのぉおッ!!! 」??

?ギャギャギャギャッ……!ゴツッ……!??


?司会「こ……これはーー!?」????


ことり「ソニックの車体でワンクッションして……!」


???希「アバンテが強引に体勢を立て直したっ!?」??

すいません、この???って何でしょうか

したらばでやってればよくね?

前後になにか入れてるか?速報は一部の文字がまともに表示されず?になる場合がある

まきちゃん

半角文字か記号だな、テストスレでまず文字を試してみると良い

ありがとうございますちょっと調べてみます

9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」

1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」

真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」

Aqoursの好感度スレまとめ




>>2




スレ汚し失礼します

★★★自治スレより重要なお知らせ★★★
>>2
ラブライブ!板で違反スレの乱立、スクリプトによる保守を目的とした板荒らしに対策するため板設定の変更に関する投票を行います
賛成/反対の投票ですので投票お願いします。


投票日:2017年3月12日


詳しくは
自治スレ、荒らし報告相談 Part.5

 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん~! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」

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