アナスタシア「たくさん!」 (27)

P「なぁ、美波……」

美波「なんですか? プロデューサーさん」

P「いや、なんつーか、アーニャって……すげえ可愛いよな」

美波「……本当にいきなりなんですか。アーニャちゃんがすごい可愛いのはとっくの昔に知ってます」

P「そうじゃなくて、なんつーか最近、輪にかけてとんでもなく可愛くなっていくような気がしてさ」

美波「はぁ」

P「なんかもう、キラキラしてるっつーか、輝いてるっつーか……」

美波「はぁ……」

ガチャ。

アナスタシア「ドーブラャ ウートラ。プロデューサー、ミナミ。おはようございます」キラキラ

P「……な?」

美波「……なるほど、確かに輝いて見えるような気がします」

アナスタシア「……? シトー? 私の顔に、何かついてますか? プロデューサー、ミナミ」

P「いいや、なんでも」

美波「何でもないよ、アーニャちゃん」

アナスタシア「……?」

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P「最近のアーニャに、なんかあったっけ?」コソコソ

美波「いえ、特には無かったと思いますよ。というか、直接アーニャちゃんに聞けばいいじゃないですか」コソコソ

P「そうなんだけどさ……大人にはあの年代の子の輝きは眩しすぎてな……」コソコソ

美波「沢山のアイドルの輝きを見てきたプロデューサーさんが今更何を言ってるんですか……疲れてるんですか? 最近ちゃんとご飯食べてます?」コソコソ

P「あー……言われてみれば、最近はコンビニ飯とエナドリとカップ麺のコンボだな……」コソコソ

美波「もう、駄目じゃないですか! 今度私がお弁当作ってあげます」コソコソ

P「気持ちだけでいいよ。そこまで甘える訳にはいかん」コソコソ

美波「駄目です。プロデューサーさんが倒れたら仕事に支障が出ますし、なによりみんな心配するんですよ!」コソコソ

アナスタシア「アー?……プロデューサー、ミナミ、なに、喋ってるんですか。プロデューサーにお弁当、作るんですか?」

美波「あー、違うの、アーニャちゃん。そうじゃなくて」

アナスタシア「プロデューサーにお弁当作るなら、ミナミ、私も、手伝います。プロデューサーにボルシチのお弁当、たくさん作ってあげたいです」キラキラ

P「……美波、俺はもうダメだ。アーニャのキラキラに焼かれて灰になってしまう」

美波「プロデューサーさん。なんかその気持ち、わかります」

アナスタシア「……?」

P(アイドルのプロデューサーになって、結構な月日が流れたが、それにしても、最近のアーニャの働きぶりには目を見張るものがあった)

P(ダンスはキレキレ、喉の調子もいいらしく、歌声も絶好調。そして、何より本人が実に楽しそうで、最近のアーニャの評判はうなぎのぼりだ)

P(勿論、調子がいいのは喜ばしいことだし、別になにかしらを疑ってる訳でもないのだが)

アナスタシア「プロデューサー。今度のお仕事、なんですか? アーニャ、たくさん、働きたいです」

P「とりあえず今日はレッスンで。今日からは新しいユニットで、新しいダンスを覚えてもらうってトレーナーさんが言ってたぞ。厳しく行くそうだが、大丈夫か?」

アナスタシア「ダー♪ わかりました。厳しいレッスンでも、アーニャ、大丈夫です。新しい仲間と、新しいダンス、とっても楽しみです♪」キラキラ

P「……」

美波「ああっ、プロデューサーさんが、アーニャちゃんの輝きに真っ白に燃え尽きたように……!」

アナスタシア「……?」

P「……あー、疲れた……」

P(山積みの仕事片付けるのに、今日も残業だったなぁ……まぁ、この仕事好きだからいいけどさ)

P(さてと、それじゃあそろそろ帰るか……)

アナスタシア「……プロデューサー?」

P「……ん? アーニャ? どうした? 事務所に何か忘れ物でもしたのか?」

アナスタシア「いいえ、一人で残って、ダンスの練習、してました」

P「……こんな遅い時間までか?」

アナスタシア「はい。帰ろうとしたら、事務所の明かり、見えたので、プロデューサー、いるかと……」

P(今日の練習は厳し目に行くってトレーナーさんは言ってたのに……そっからさらに自主練か)

P「そうか。頑張ってるな、アーニャ」

アナスタシア「ダー。ありがとうございます」キラキラ

P「(笑顔が眩しい……)ところで、アーニャ。この後はまっすぐ家に帰るんだろ?」

アナスタシア「はい」

P「分かった。なら送ってく。夜道を女の子一人で歩くのは危険だし」

アナスタシア「……スパシーバ。ありがとうございます」

P「別に普通だよ。それと、なんか飲むか? 頑張ったご褒美にさ」

アナスタシア「……プロデューサーは、やさしい人、ですね。ふふっ♪」キラキラ

P(……たまーに、シンデレラプロジェクトのファンのツイッターとか覗くと、○○ちゃんが可愛すぎて生きてるのが辛いとか呟いてるけど)

P「……今なら、その気持ち、分かるな」

アナスタシア「……?」

アナスタシア「ン―、プロデューサー。ズヴェズダ……星、綺麗ですね」

P「そうだな。もうすぐ、七夕だし……今年は天の川、見れるといいな」

アナスタシア「ダー♪ ……アー。プロデューサー、良かったら一緒に、見ませんか?」

P「……仕事が無かったら、な……最近いそがしくてなぁ……」

アナスタシア「ン―……プロデューサー、闇に呑まれよ、です」

P「……蘭子語、混じってるぞ」

アナスタシア「ふふっ♪」

P(夜道を一緒に歩いてるだけなのに、なんだかアーニャは楽しそうだ)

アナスタシア「アー、でも、プロデューサー、頑張りすぎは、駄目ですよ。たまには、休んでください」

P「ありがとう。でも、それはアーニャもだぞ。最近は特に気合も入ってるみたいだけど……なんかあったのか?」

アナスタシア「? いいえ、特には……」

P「……そうか(俺の考え過ぎかな)」

アナスタシア「アー……でも、プロデューサーは覚えてますか? 私の数ヶ月前の、こと……」

P「……あー。アレか」

P(数ヶ月前、アーニャが珍しくライブで、ちょっとしたミスを犯した)

P(勿論、ライブの進行自体に支障が出るような、大袈裟なミスじゃない。その後のMCで笑いに変えられるような、些細なミスだ)

P(別に回りのみんなもアーニャを責め立てるような事をしなかったし、俺もちょっとした注意くらいで済ませようと思っていたのだが)

P(しかしアーニャ本人は凄まじく気にしていたようで、ライブが終わったあと、俺と二人っきりになった途端、泣き出しそうなくらい落ち込んでしまった)


アナスタシア「あの時、私、落ち込んでいて、でも、プロデューサーは温かい言葉、かけてくれました」

P「……別に、大したことは言ってないよ」

アナスタシア「ニェット……いいえ、あの時のプロデューサーの言葉は、アーニャ、ずっと覚えてます」

P「……」

P(なんか、恥ずかしいな……アーニャはめっちゃニコニコしながら俺を見てくるし)

アナスタシア「それに頑張って、新しい曲や踊りを覚えれば、たくさんのファンや、仲間、そしてプロデューサーが喜んでくれます。それが、嬉しくて……」

P「……そうか。でもな、アーニャ。自主練はいいが、夜遅くまでやってると心配になるから、これからはなるべく一人でやるのは辞めてくれ。それか俺に連絡してくれれば、迎えに行くからさ」

アナスタシア「ハラショー♪」

P「……」

なでなで

アナスタシア「あ……ど、どうかしましたか? プロデューサー?」

P「あ、いや、なんでも……(可愛すぎてつい頭を撫でてしまった……)」

アナスタシア「……変なプロデューサー、ですね、ふふっ♪」



P『なぁ美波、アーニャがキラキラしすぎて生きてるのがつらいんだが……』

美波『……急に変なLINEしてこないでください』

数日後。

P「あー、どうすっかなぁ」

P(俺は、事務所で一人、頭を抱えていた)

P(今現在、俺の頭を悩ませているのは、今流行りの野外で沢山のバンドやグループを集めて開催する祭り……所謂野外フェスに誰を出演させるかというものだった)

P(音楽フェスに、ジャンルの垣根を超えてアイドルグループが参戦するのが別段珍しくも無くなったこの時代に、我が346プロも乗り遅れまいと、参戦することが決まったのが数日前)

P(決まったのはいい。新規ファンの開拓も出来るだろうし、ホーム以外でライブをするというのも、アイドルたちにとっていい刺激になるだろうし)

P(それはいいんだけど……)

P「誰を出演させるかなぁ……」

P(それが一番の悩みのタネだった)

P(智絵里や森久保などの気が弱い子達に立たせるのはちょっと酷だろうし、千枝やみりあや仁奈と言った幼い子達もNGだろう)

P(となると、出演させるのは……)

P(一際人目を引いてくれるであろう楓さんや美波やLIPSの面々、川島さんや早苗さんと言った大人組、それにつかさや木場さんと言ったアウェイでも動じないであろう強メンタルの持ち主達、あとは元気さがあって場を盛り上げるのが上手いポジパの三人と……)

P「うーん、あと一人……どうするか……」

美波「お疲れ様です、プロデューサーさん」

アナスタシア「……プロデューサー。頭抱えて、どうか、しましたか?」

P「……美波と、アーニャか。お疲れ。別に、何でもないよ。二人こそどうかしたのか?」

アナスタシア「……アー……プロデューサー、その……ン―……///」

P「……どうした、アーニャ。頬を真っ赤にして、体調でも悪いのか?」

P(アーニャは日本人よりも肌が白い分、顔が赤くなるとすぐ分かるんだよな)

美波「プロデューサーさん、そうじゃないですよ。アーニャちゃん、頑張って」

P「……?」

アナスタシア「……アー、ええと、プロデューサー。お昼ごはんは、食べましたか?」

P「うん? ああ、そういやまだ食べてないけど」

アナスタシア「なら、ええと……アーニャ、ボルシチのお弁当、作ったんですけど、プロデューサー、食べませんか?」

P「……え? マジで作ってくれたのか。食べていいのか?」

アナスタシア「もちろん、です」

美波「プロデューサーさん。この前アーニャちゃんと一緒に帰った時、疲れた顔してたらしいじゃないですか。だから、元気になってほしくて、アーニャちゃんが作ったんですよ」

アナスタシア「み、ミナミ。言わないでください……///」

P「……そういうことか。アーニャ、ありがたく食べさせてもらうよ」

アナスタシア「……ダー……///」

P「……」モグモグ

アナスタシア「……ど、どうですか、プロデューサー」

P「……ん、美味い。お世辞抜きで美味いよ、アーニャ」ニコッ

アナスタシア「……ふぅ、なら、良かったです。頑張って作った甲斐、ありました」


P「ああ。わざわざありがとうな。でも、何でそんな照れてるっていうか、恥ずかしがってるんだ? 前ボルシチ作ってあげますって言ってた時は、もっと気軽な感じだったじゃないか」

アナスタシア「ンー……ええと、考えてみると……私、男の人に、お弁当作るの、初めてだったので、そう思うと、緊張して……」

アナスタシア「でも、プロデューサーのウリープカ……笑顔、見たくて作ったので、アーニャ、とっても嬉しいです」キラキラ

P「…………そうか。あっ、すまん。ちょっと急用を思い出した。30秒で戻ってくるから、ちょっと待っててくれ」

アナスタシア「……? ダー?」



P『アーニャかわいい……すき……かわいいアーニャすき……』

美波『語彙力なさすぎるLINEを送りつけられる私の身にもなってください……』



また数日後。


P「うーん……フェスに参加させるあと一人が決まらんなぁ……まぁいいや、まだ時間はあるし……今日はこれで残業終了! お疲れ俺!」

P(……なんか今日の俺、我ながら元気だな。またお昼にアーニャがボルシチのお弁当作ってくれたからかな?)

P「さてと……それじゃあ帰りますかねっ……と……ん?」

アナスタシア「……アー、プロデューサー。いましたか」

P「あれ、アーニャ? ……また、自主練してたのか?」

アナスタシア「ダー。熱中してたら、つい、この時間まで……」

P「そっか……お疲れ様。送っていくよ、アーニャ」

アナスタシア「……スパシーバ♪ ありがとうございます♪」キラキラ

P(……あぶねえ。無意識の内にまた、美波にアーニャが可愛すぎるってLINE送る所だった……)

P「今日のお弁当も美味しかったよ、ありがとうアーニャ」

アナスタシア「ダー♪ 良かったです」

P「ボルシチの他にも、なんかオススメのロシア料理ってあるのか?」

アナスタシア「ンー。ええと……ピロシキ、ビーフストロガノフ、あとは、アクローシュカ、ですね」

P「へぇー……ピロシキとかビーフストロガノフは聞いたことあるけど、アクローシュカは聞いたことないな。どんな食べ物なんだ?」

アナスタシア「ロシアでは夏によく作る、冷たいスープです。良かったら、今度、アーニャが手作りします」

P「おっ、マジか。楽しみにさせてもらうよ」

アナスタシア「ふふっ、アーニャ、頑張って作りますね」

アナスタシア「もうすぐ、私の家に着きますね。プロデューサー、スパシーバ。送ってくれて」

P「気にしなくていいよ。それより、ちゃんとゆっくり休んでな」

アナスタシア「はい……あっ、今、ミチオール……流星、流れました」

P「なにっ!? よし、願い事3回って……もう間に合わんか……それにしても、アーニャは本当に星空が好きだな」

アナスタシア「ダー。幼い頃から、よく見てました。星の光りがまぶしくて綺麗で……好きです。でも、プロデューサー」

P「ん?」

アナスタシア「ロシアや日本の星空、星座は見た事ありますが、本当はもっとたくさん、ありますね?」

P「まぁ、そうだな。日本じゃ見られない星とか星座もあるって聞いた事あるし……」

アナスタシア「なら、まだまだ見たこと無い星も、たくさん、ですね?」

P「そういうことに、なるのかな……? ごめんな、あんまり星は詳しくなくて」

アナスタシア「ニェット、いいえ、大丈夫です……。でも、プロデューサー」

P「なんだ?」

アナスタシア「まだまだ見たこと無い景色、知らないことがたくさんあるって、素敵ですね。ワクワクします♪」キラキラ

P「……」

P(……見たこと無い景色、知らないこと、か……)

アナスタシア「……プロデューサー? 黙って、どうかしましたか?」

P「いや、何でもない。それより、アーニャ……」

アナスタシア「?」

P「……野外フェスに、出てみないか?」

そして、フェス当日。


P(あー……なんか、いつものライブ前より緊張するなー……まぁ俺が出る訳じゃないんだが……あれ、ていうか、なんかいい匂いがするような……)キョロキョロ

アナスタシア「……」

P(ん? あれ、いい匂いがする方見たら、アーニャがいる……一人だ……なんか、物憂げな顔してる……そんな顔も、すげえ綺麗で見惚れちゃうけど……)

P(でもやっぱ……緊張、してんだろうな……当たり前だよな。初めてのホームじゃないライブだし……)

P(まぁ、少しでも肩の力が抜けるような言葉をかけてやらんとな……アーニャをこのライブに出演させるのを決めたのは、俺なんだし)

P「あー……アーニャ?」

アナスタシア「……シトー? プロデューサー? どうか、しましたか?」

P「いや、アーニャがなんか深刻そうな顔してるからさ、大丈夫かなって……」

アナスタシア「……プロデューサーは、やさしい人ですね。大丈夫ですよ。頭の中で、歌とダンスの確認、していただけですから」

P「……そっか。あー、邪魔しちゃったか?」

アナスタシア「ニェット……いいえ、プロデューサー。ちょうど終わった所ですから」ニコッ

P(……自然な、笑顔だな。緊張してるはしてるんだろうけど、気負いすぎてはいない感じだ)

P「ならいいけど。ところで、美波はどうしたんだ?」

P(大体ライブ前は、二人で緊張をほぐしあってるイメージがあるしな)

アナスタシア「アー……美波は、スタッフさんに呼ばれました。確認したいこと、あるらしくて」

P「なるほど」

アナスタシア「ふふふっ、プロデューサー。今日のライブは、太陽と青空が見えて、私達がいるステージには木洩れ陽が舞って……アーニャ、とっても楽しみです♪」キラキラ

P(……)

P「なぁ……アーニャ」

アナスタシア「なんですか、プロデューサー?」

P「……不安とか迷いとか、ないか?」

P(あの日、アーニャと一緒に帰った日。アーニャの言葉を聞いて、アーニャをフェスに出演させるのを決めた俺だが)

P(俺は、あの日以来、ずっとアーニャが心配だった)

P(アーニャはフェスに出演するメンバーの中では最年少の部類だし、同じ15歳の未央とは違い、どちらかと言えば、引っ込み思案な方だ)

P(無論、成功を見込んでいるからこそ、アーニャならやってくれると信じているからこそ、メンバーに選んだ訳なのだが……)

アナスタシア「……プロデューサー。心配してくれるのは、とっても嬉しいです。でも、アーニャ。本当に大丈夫ですよ。不安とか迷い、ありません」

P「……そうか?」

アナスタシア「ダー……アー、それにプロデューサー。アーニャが今、こんな前向きなのは、プロデューサーの……プロデューサーの言葉のおかげです」

アナスタシア「この前、私が落ち込んでいた時にかけてくれた言葉……」

P(……あの時、泣き崩れそうなアーニャに、確かに俺は声をかけた)

P『いいか、アーニャ。誰だって失敗はする。みんな隠してるだけで、誰だって、成功より失敗の方が遥かに多いもんさ』

P『だから、大事な事は、成功や失敗、それ自体より……多分、何よりも前に前に進みたいっていう意思があるかどうかだ』

P『少なくとも俺は、そういう意思を持ってる人を応援したいと思うし、力になってあげたいと思う……だから、それさえあれば、きっと、一人じゃないさ』

アナスタシア「プロデューサーの言葉、アーニャ、絶対に忘れません……絶対に」

P(そう、力強く語るアーニャの、綺麗な瞳を見て……アーニャが俺の言葉を、実践し続けていたのだと、気付いた)

P(そして俺が考えるよりも遥かに、目の前の女の子は力強く成長しているのだということも)

アナスタシア「……もちろん、また、失敗したらアーニャ、落ち込むと思います……でも不安や迷いは、もうたくさん、です」

アーニャ「それに、一人じゃないって知ってるから、大丈夫です。プロデューサーやミナミ、他のアイドルのみんなが、いますから」

P「……ああ、そうだぞ、アーニャ」

アナスタシア「ダー♪ だから、プロデューサーも、一人じゃないですよ。プロデューサーには、アーニャがいます♪」ニコッ

P「……言うじゃないか、アーニャ。でも、その調子なら、今日のライブも大丈夫そうだな」

アナスタシア「はい、大丈夫です。普段のライブと違って、私達のこと知らない人、たくさんです……でも、アーニャの今のこの想いや、気持ち……きっと、その人たちにも、届くと思います」

アナスタシア「それにこのライブが、成功すれば、もっと違う場所や大きな会場で、ライブ、やれますね? そうしたら、もっともっと知らない事や、新しい景色に出会えます」

アナスタシア「そういう事に、挑戦することが、楽しいって……今のアーニャ、心からそう思うし、言えますから」

P「……アーニャ」

P(そう言うアーニャを見て、俺は確信した)

P(今日のライブは、絶対に大成功するって)

楓「あっ、プロデューサー、いました……って……あれ、なんですか、アーニャちゃんとプロデューサーのこの雰囲気……私、お邪魔でしたか?」

P「い、いやいや、違います。邪魔じゃないですよ、なんですか? 楓さん」

楓「ええ、今日はこんなに暑いですから、ビールを浴びーるほど飲みたくなりますねと言いに来たんですけど」

P「……今度の飲みの確認、って事ですね? 大丈夫ですよ。ちゃんと予約は取ってありますし、本当に浴びるほど付き合いますから」

楓「ふふっ♪ なら良かったです。アーニャちゃんも、今日は夏みたいに暑いのに、お疲れサマー」

アナスタシア「……? お疲れ、サマー?」

P(ダジャレには気付いてないな……)

楓「そうだ、アーニャちゃんも、お酒が飲める年齢になったら、一緒に飲みましょうね」

アナスタシア「ダー。アーニャ、半分ロシア人ですから、お酒、たくさん飲めると思います。その時は、よろしくです♪」

楓「……ふふっ……負けていられないわね……!」

P「楓さん、妙な所で張り合わないでください……」

楓「……最近のアーニャちゃんは、すごくキラキラしてるから、アイドルとしても、負けてられませんしね……」

P「……? 楓さん、何かいいましたか?」

楓「ふふっ、なーんでも。それじゃあアーニャちゃん、今日のライブもがんばろうね」

アナスタシア「ダー♪」

志希「クンカクンカ……あれー、今日はプロデューサー以外にも、志希ちゃんの鼻を刺激する匂いが~」

P「志希か。どうした?」

志希「いやー、ライブ前に、プロデューサーの匂いで、モチベーション上げようと思ってたら、プロデューサーと同じくらいいい匂いがして~。ん~このいい香りの源は~……アーニャちゃん、かな?」

アナスタシア「あ……シキには分かってしまいましたか……」

P「……匂い? って、そう言えば、最初にアーニャを見つけた時、確かにいい匂いしたけど……」

アナスタシア「あー……実は最近、ドゥヒ―……香水、付け始めました……」

志希「ふふん、やっぱりそうだよね~♪ ん~でも今までアーニャちゃんにはそんな匂い感じた事無かったのに、どうして急に?」

アナスタシア「アー……ン―……それは……」チラチラッ

P「……?(アーニャが俺を見てるけど、何でだろう? 香水と俺が何か関係あるのかな)」

志希「……♪ あーん、ふふん、オッケー。なるほど、志希ちゃんわかっちゃったにゃー♪」

アナスタシア「し、シキ、お願いです、言わないでください///」

志希「大丈夫だよ、アーニャちゃん。言わないよ、秘密にしといてあげる♪ ……だから、アーニャちゃん。今度香水の事とか、色々教え合おうー」

アナスタシア「だ、ダー……」

P(……何でアーニャ、顔真っ赤にしてるんだろうか)

美嘉「あー、志希! こんな所に居た! もう、LIPPSの打ち合わせするってさっき言ったでしょ!?」

志希「あ、見つかっちゃった。それじゃあ、アーニャちゃん。またねー」

P(……美嘉に引きずられながら手を振る志希に、アーニャは手を振り返しながら、アーニャはずっと顔を赤くしていた)

P(その後も……)

P(何やらライブ前にテンションが上がった茜が、広大なフェス会場を一周走ってきたらしく……)

P(「なんかまだ物足りないんで、アーニャちゃんとプロデューサーもひとっ走りどうですか!?特に最近のアーニャちゃんはなんかこうファイヤーっていうかボンバーって感じなんで!一緒に輝く汗を流しましょう!」とか言いながら、汗だくで俺とアーニャに近づいてきたり……)

P(川島さんが、アーニャを見て「最近のアーニャちゃん、すごくキラキラ輝いてるけど……これが……これが若さって奴なのかしら……」と、遠い目をしたり……)

P(つかさがズカズカと近づいてきて、「よぉアーニャ。最近のお前、モチベ高くてギラギラしてんな。今度その秘訣教えろよ」と相変わらずつかさらしい向上心むき出しの発言をしたりと……)

P(みんな、最近のアーニャがそれなりに気になっていたようで、俺とアーニャの回りには絶えず、アイドルの誰かしらが居た)


アナスタシア「……ふふっ」

P(と、ようやくアイドルたちとの絡みが一段落したところで、アーニャが笑みをこぼした)

P「……どうした? アーニャ。急に笑いだして」

アナスタシア「……ダー、私、やっぱり全然一人じゃない、と思って……そしたら、なにか、おかしくて……♪」

アナスタシア「プロデューサー、アーニャ……今でも、アイドルのみんなのこと、好きですけど……もっと、好きになれそうです」

P(純粋に嬉しそうな笑みで、そう語るアーニャが眩しくて……何だかまっすぐにアーニャを見れず、適当に話題を逸した)

P「あー……そう言えば、さっき志希と話してたけど、何で香水付け始めたんだ?」

アナスタシア「……ひ、秘密です……ところで、プロデューサー、今更ですが……今日のアーニャの衣装、どうですか」

P(そう言ってアーニャは、その場でくるっと回った)

P(今日の衣装は、初めて見るお客さん達の目を意識して、白を基調とした服装で清楚感を出し、さらには花飾りもつけて可愛らしさもアピールしているもの)

P(元々肌が白いアーニャには、その衣装はとてつもなく様になっていて……まぁ、要するに……)

P「すごい似合ってる、可愛いぞ、アーニャ」

アナスタシア「スパシーバ……ありがとうございます……ン―……///」

P(俺が褒めると、アーニャは顔を真っ赤にして、尚且つ、目を閉じて、ちょっとだけ、頭を俺の方に傾けた)

P(……頭、撫でて欲しいのかな……)

なでなで

アナスタシア「……アー……プロデューサー……いつも、優しくて……あたたかくて……ヤー……ティェビャ リュブリュー……」

P(……なんか、たまに言われるけど、ヤー、ティェビャ、リュブリュー、ってどういう意味なんだろう)

P(いつもは、ロシア語言ったあと、言わなくても日本語に変換してくれるのに、この言葉だけいつも、変換してくれないし)

P(かと言って、なんか、この言葉には重大な意味が込められてる気がして、ネットで調べるのも、どことなくはばかられるし……)

美波「あ、アーニャちゃん居た! そろそろ出番だよ―!」

P(……その後、アーニャと、なんとも言えない雰囲気になっていると、美波が遠くから声を掛けてきた)

アナスタシア「あっ、ミナミ。わかりました。……それじゃあ、プロデューサー、行ってきます」

P「おう……行けるか? アーニャ」

P(わざわざ確認するまでもないとは思うが、一応そう聞くと、アーニャは満面の笑みを浮かべた)

アナスタシア「プロデューサーに、元気たくさん、貰いましたから、大丈夫です」

P「そうか……楽しんでこい、アーニャ」

アナスタシア「ダー♪」

P(アーニャはそう返事をすると、小走りで美波や、他のアイドルたちが待っている所へと小走りで向かっていく)

P(その後ろ姿でさえも、キラキラ輝いているように見えて……俺は思わず、声をかけた)

P「……なぁ、アーニャ。今、幸せか?」

P(俺のその問いかけに、アーニャは振り返って……)

P(太陽のように明るい笑顔で……いや、違うか……)

P(彼女が大好きな、夜空に輝く、満点の星達よりも煌めく笑顔で、こう答えた)


アナスタシア「たくさん!」

これで終わりです。
アナスタシア(cv.上坂すみれ)のたくさんって曲、本当にいいんですよ……
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 10 Jet to the Future
っていうCDの中に収録されているので、良かったら是非聞いてみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございました。

おっつ

乙です

シンパチーチナ!

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