【モバマス】杏「コ、コミケ…?」 (23)

杏「な、なぜ杏がこんな目に…」

P「どうせ暇してただろ?それにお盆だってのに実家にも帰らない奴は」

奈緒「コミケにでも連れて行くしかないよな!べ、別にアタシはそこまで行きたかったわけじゃないぞ?ぴ、Pさんが一緒に行きたいっていうからだな…」

杏「ツンデレ乙ー。あー暑い。こんな暑いなかみんなよく並べるよ…。杏なら委託待って通販で買うね」

P「会場でしか買えないサークルの本とか、特典とかがあったりするんだよ。企業ブースなんかは特にそうだ。みんな血眼で順番待ちしてるぞ」

奈緒「アタシはどっちかっていうとサークルメインだからそこまでじゃないけどな!」

P「壁サークルのために人集めたくせに…」ボソッ

奈緒「ん?Pさんなんか言った?」

P「いえ、なんでもありません…」


・デレマスss注意
・コミケss注意

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杏「何でもいいけど暑いよぉ~プロデューサーなんとかしてよ~」

P「おう、夏コミ参加者として当然暑さ対策は万全よ。奈緒は大丈夫だろうから、杏の分だけ渡しちゃる」ババッ

杏「スポドリにフードタオル、○ィダーとちっこい扇風機…?そのおっきいトートバッグに何を入れてるかと思えば…」

P「フードタオルと扇風機は被ったり首から下げたりしとけ。ちっこいトートも渡してやるから残りはこれに」

杏「フードタオルなんて使うの?」

P「直射日光は敵だからな。それ被って影作るんだ。帽子もいいんだが、まあ目新しかったんでそっちで。熱中症にならないために、水分補給もまめにするんだぞ?」

奈緒「あ、あと杏には日焼け止めも塗ってやるよ」

杏「ありがとうちゃんなお。苦しゅうないぞ」

奈緒「うんうん、隊員の管理も上官の務めだからな」

杏「隊員…?」

P「奈緒、杏にも地図と軍資金渡しといてやれよ」

奈緒「あいあい、杏、杏は動くのしんどいだろうからいくつかホール壁沿いのサークルを回ってもらうぞ。地図に今印つけてるから待ってな」

杏「え?え?何?杏もあの大勢に揉まれながら列に並ぶの…?」

P「揉んだりする奴はまあいないって。基本は俺と一緒に行って、杏には壁サークル、つまり人気のある店の長い列に並んでもらう。俺はその間に短い列をいくつか攻めるってわけだ」

奈緒「杏、ここに来た時点でもう運命は決まっていたんだよ…」

杏「そ、そんな〜!い、今からでも遅くない、杏は家に」

P「杏、ここのサークル名見てみろ」

杏「帰…え?えーと、『キャンディヘブン』…?」

P「ここのサークルは全国津々浦々知る人ぞ知る美味しい飴についてまとめた同人誌を出すらしい…」

杏「な、なんだと…!?」

P「杏が列に並んでいる間、俺がこれを調達しよう。ほら、このルート上にあるからきちっと買ってこられるはずだ。だから杏…」

杏「も〜しょうがないな〜ちょっとだけ杏も手伝ってあげるよ〜その代わりプロデューサー!」

P「分かってる、ちゃんと報酬は用意しよう…」

杏「奈緒、こうなったら大船に乗ったつもりで安心していいよ。杏は今、やる気に満ちている!」

奈緒「お、杏さんは頼もしいなー。それじゃあこれが会場の行きたいサークルをメモした地図、通称『宝の地図』と軍資金の入った財布だ!よろしくな!」ズッシリ

杏「さっきプロデューサーも持ってたやつね。…って財布重くない?うわっ、500円玉いっぱい入ってる!」

奈緒「サークルの同人誌は500円前後のが多いんだよ。あと、向こうもプロとかじゃないからお釣りが無くなっちゃう可能性もあるんだ。だからできるだけ100円とか500円とかで用意するってわけだな」

杏「はーなるほどねー」

P「今のうちに改めて経路を確認しとくか。今俺たちはこの辺で開場前の待機列の一部となっている。開場したらここから入場するから、この辺から俺と杏はこう回って、このへんで杏をパージ、俺はあちこち回る。奈緒はこっちのルートで…」

杏「ストップ」

奈緒「ん、どうしたんだ?」

杏「杏が置いてかれる予定のとこなんにもないって言うか外だよ?」

P「あぁ、順番待ちの列がたぶんこの辺まで伸びてるから」

杏「え?外?」

P「あぁ、外」

杏「…」

P「さっき装備は渡したろ?」

杏「いやいやいやお日様が元気燦々だよ?」

P「仲良くしろよ」

杏「むしろ宿敵だよ」

P「奈緒もなんとか…奈緒?」

奈緒「sunだけにさんさん…フフッ。…はっ、何も言ってない、何も言ってないぞアタシは!」

杏「奈緒…」

P「暑さを少しでも和らげるために、お前…」

太陽「」スッ

杏「太陽が雲に…」

奈緒「だ、だからアタシは何にも言ってないってばー!」

杏「はいはい。あーそういえば由里子はどうしたの?こういうイベントなら参加してそうだけど」

奈緒「あ、あー、由里子な。由里子はアタシとはジャンルが違うから、今回は別で行動してるんだ」

~会場のどこか~

由里子「今日はよろしくだじぇ、フミフミ、小鳥先輩!」

文香「はい…ユリユリに教えていただいたこの世界…もっと深く…味わいたいと思います」

765の素敵な事務員さん「ふふふ…負けられない戦いが、ここにはあるピヨ…」

由里子「じゃんけんで負けてPさんは取られたけども、今回はこのメンバーでこの荒波を乗り切って見せるじぇ!」

~Pたちのところ~

スタッフ「そろそろ列が動きますので、準備してくださいー!あと、周りの人に動かない人はいませんかー?いたらスタッフまでご連絡願いますー!」

杏「動かない人って…」

P「今年は涼しい方だが、開場を待ってるだけでダウンしちゃう人もいるんだよ」

奈緒「だからそうならないように、健康に気を使って参加しなきゃな」

P「お、隣の列が動いてるな。もうすぐか」

杏「うわあ、視界が開けると分かるけどこんなに広い駐車場に人が詰まってたんだ…。すごいね…」

奈緒「アタシたちも続くぜ!」

~会場内~

奈緒「じゃあPさん、杏、予定通りに!うまくいかなくても臨機応変に!」

P「おう!そっちこそ売切れててべそかくんじゃないぞ!杏、行くぞ!」

杏「み、みんな早い…」

P「あんまり慌てるとスタッフさんに注意されるからな。落ち着いて行こう」

杏「ぷ、プロデューサー」ギュッ

P「おう、離れんように気を付けろよ」

~とある壁サークルの最後尾~

P「じゃあ杏、このサークルは任せたぞ。買うのは新刊セット二つだ。タイミング見て迎えに来る」

杏「了解。ちゃんと迎えに来てよね」

P「おう、それでは健闘を祈る」

杏「行ったか…。しかし、すごいなぁ、この列。途中で切ってホールの外にまた作り直してるなんて…」

~列は進んでサークル最前列~

比奈「どうもありがとうございますっス~。…あ」

杏「比奈、こんなところにいたのか…」

比奈「あ、杏ちゃんがこんなところにいるのも珍しいっスね…」

杏「杏はまあ、お使いだよ。新刊セット三つちょうだい」

比奈「はいはい、どうぞー。杏ちゃんには大変なお祭りかも知れないっスけど、楽しんでいってくださいね」

杏「うん、まあ体力が切れない程度に楽しむよ」

比奈「あはは、それぐらいがちょうどいいっスね~」

杏「じゃ、またね」

比奈「はいはい~。次の方どうぞ~」

P「お、杏、無事に買えたようだな。そんじゃあ次のサークルへ向かうぞ」

杏「まあ杏の力を持ってすればこの程度、…ってまたこの人の波をかきわけるのか…うへぇ」

P「かき分けてんのはほぼ俺だけどな」

杏「あ、あとプロデューサー、比奈がサークル出してるなんて聞いてなかったよ」

P「びっくりしたろ?」

杏「そりゃね。まあどっかにはいる気もしてたけどさ」

P「お喜びいただけたようで何よりだ。それじゃ、次はここのサークルに並んでおいてくれ。よろしく頼むぞ」

杏「はいはい」

~いくつかサークルを巡り~

P「奈緒はちゃんとサークル回れてるかなぁ…」

杏「プロデューサー、人の心配する前に自分の心配をするべきだよ。もう潰れちゃうよ」

P「確かに圧力がすごいな…。ちょっとホールの中の方に抜けるか」

杏「壁際の通路よりは多少マシだね…。お、このアニメキャラ見たことある。ちょっと見ていこうよ」

P「この辺はそのアニメの同人誌が多いみたいだな。通りながら見て行くか」

杏「この表紙とか割と好きだなぁ。新刊一冊ください」

売り子さん「ありがとうございます!新刊ですね」

杏「ありがとうございますー。…つい表紙買いしてしまった」

P「こういう風に寄り道しながら買い歩くのも新しい作家さん、新しいジャンルとの出会いがあったりしていいよな。俺は既刊一冊ください」

売り子さん「ありがとうございます!」

~順調にことは運び~

館内放送「入場規制が、解除されました…」

杏「入場規制?」

P「あぁ、ほら、俺たちは朝並んでから入ったろ?ああいうのが無くなって自由に出入りできるようになったってことだ」

杏「え、そっちのが方が楽じゃん…」

P「ただし目当てのものが残ってるとは限らないんだよなぁ…」

杏「ですよねー」

奈緒「二人ともお疲れさん!戦果は?」

P「上々よ」ズッシリ

杏「もう疲れたよ…」グッタリ

奈緒「こっちもほぼ回れたよ。あとは委託漁るかなー」ミッシリ

P「ちゃんと目立たない袋に入れているようで何よりだな」

奈緒「アイドルが不健全な袋とかそういう方向で目立つのもよくないし…、ってそもそもそういうのは買ってないから!」

P「本当かなー?まあいいか、あまり追及しないでやろう。さて目標も達成した事だし、そろそろ帰ろうか。今なら電車もそう混んでないはずだしな」

杏「帰ろう。今すぐ帰ろう」

奈緒「コスプレブースも眺めたい気がするけど…、まあ杏にも手伝ってもらって今日は満足だし、いっか!」

P「奈緒、もしかして杏のことを気遣って遠慮したんじゃ…」

杏「ちゃんなお…」

奈緒「ち、違う違う!そんなんじゃないってばもー!」

P「お、あっちに由里子たちがいるぞ。おーい!」

杏「満足そうな雰囲気出てるねー」

奈緒「話、聞けよー!」

由里子「みなさんお揃いだじぇ?こっちは大満足だじぇー!」

文香「また…様々な扉が…開いてしまいました…」

765の素敵な事務員さん「ぴよぉ…」

P「戦利品を広げるのは家に帰ってからにしましょうね!」

杏「よし、じゃあ帰ろう!」

奈緒「そうだ、事務所に帰ろう!」

由里子「ナイスアイディアだじぇ!」

765の(略)「わ、私もお邪魔しても!?」

文香「ぜひ…いらしてください」

奈緒「じゃあ事務所に向けて出発!」

P「まあいいか…。よし、行くぞ杏」

杏「え、私も?」

P「ここまで来たら最後まで付き合いたまえ。つーか来てくれ。あのテンションの中だと俺がもたん」

杏「はー。…ちゃんと飴のやつ買ってくれたんだよね?」

P「もちのろん。いろいろおまけもあるぞ!あんな本とか、こんなグッズとか…」ペラペラ

杏「プロデューサーもあの4人とそんな変わんないんじゃないかな…」

P「そうかぁ?そんなことないと思うけど…。ああ、そうだ杏、コミケ、楽しかったか?」

杏「朝から長い間待たされたり、開場してからも人の波だの満員電車だので辛かったけど…、まあお祭り気分で、悪くなかったよ」

P「そりゃ、連れ出した甲斐があったってもんだ。良かったよ」

奈緒「ほら二人とも、早く帰ろうぜー!」

P「あーい、今行くよー!」

杏「ふぅ、まあ…もしも仮に次があったとしたら、もうちょっと人が少ないといいんだけどね…」

P「増えるぞ」

杏「え?」

P「明日はもっと人がいるぞ」

杏「え?明日?」

P「それじゃあ英気を養って、明日も頑張ろうな」

杏「…もう絶対に行くもんかー!!!」


オワリ

駄文失礼いたしました。
いつの間にかもう6月ですね。
今年も夏コミ楽しみです。(行けるとは言っていない)


コミケからSSAに行くPちゃんは臭い対策しよう!

かつて友人を連れて行ったら帰りにリバースされた

今思えば塩分不足になったのだろう。今年初参戦の人は塩飴も持って行くといい

油断すると死ぬから

初参戦の杏がいるのに東に並ぶとは
P達も鬼だな

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