『寝た？』

「…………」

「…………」

「よし」

『おはよう』

既読『おはよ』

『わざわざ確認しなくたっていいのに』

既読『心配してるんだよ？』

『分かってる。ありがとう』

既読『撮影終わったよ』

『ごめん。今日も迎えに行けなさそうだ』

既読『大丈夫。もうタクシー乗ったから』

『ごめん』

既読『大丈夫だって』

既読『それと、編集長さんが挨拶来てたよ。プロデューサーにもよろしく、って』

『ああ。ありがとう。メール打っとく』

『お疲れ様』

既読『起きてる？』

『なんとまだ事務所です』

既読『もう……』

『無理はしてないから心配しないで』

既読『ちゃんと帰ってね』

『分かってるよ』

既読『お風呂に入らないプロデューサーは嫌いだからね』

『入ってるって』

既読『ご飯もちゃんとしたもの食べてよ？』

『分かってる』

既読『差し入れ、ありがとね』

『あれ。トレーナーさん、俺からってバラしたのか』

既読『カッコつけようとしても分かるよ』

『それはちょっと恥ずかしいなぁ』

既読『あとさ。今日のレッスン終わりに事務所に顔出そうと思うんだけど』

『あー。ごめん。その時間は出てる』

既読『じゃあ明日は？』

『明日なら大丈夫』

既読『決まり』

『起きてる？』

「……」

「……」

「……」

『おやすみ』

『ごめん。寝てた』

既読『おはよ。よく眠れた？』

『久しぶりに』

既読『毎日よく寝てよ』

『分かってる。事務所で待ってるよ』

既読『レッスン終わったらすぐ行くね』

『迎えに行こうか』

既読『そんな暇があるならお仕事終わらせといて欲しいかな』

『了解』

◆　◇　◆　◇




「プロデューサー、お疲れ様。ちゃんと約束は守れた？」

「もちろん。ちひろさんにバームクーヘンもらったから切るよ」

「ありがと」

「はい。どうぞ」

「……プロデューサーの方がちょっと大きくない？」

「変わんないって」

「そうかな」

「あ。うまい」

「ほんとだ。おいしい」

「ごちそうさまでした」

「おそまつさまでした」

「プロデューサーが買ってきたやつじゃないでしょ」

「それはそうだけど」

「プロデューサーの方が大きい方食べてたし」

「まだ言うか」

「担当アイドルにもうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃないかな？」

「あんまり食べると夜ご飯入らなくなると思ったから、ほら、配慮ってやつ」

「今日はお仕事で遅くなるから外で食べてくるって言ったし、大丈夫なんだけど」

「じゃあ帰りにどっか食べに行く？」

「……行く」

「な？　バームクーヘン小さい方で良かっただろ？」

「それとこれとは話が別」

「騙されないか」

「騙されないよ。ふふっ」

「車、前の通りに着けるからちょっと待ってて」

「私も一緒に駐車場まで歩くよ」

「なら歩くか」

「うん。歩こう」

「歩くぞー」

「うん。歩くね」

「なんだこれ」

「なんだろうね」

「何食べたい？」

「プロデューサーの食べたいものでいいよ」

「なんでもいいよ」

「んー。いざ決めるとなると難しいね」

「ぱっ、と思い付いたものとか」

「んー……ハンバーグ？」

「響子ちゃんにでも会った？」

「ううん。でも、みくには会ったよ」

「そっちか」

「そっちでした」

「というわけで、到着です」

「あんまり混んでなくて良かったね」

「ご飯時からズレてるからじゃないかな」

「それもそっか」

「お腹も空くわけだ」

「そうだね。ふふ」

「それでは」

「うん」

「いただきます」

「いただきます」

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

「ぼちぼち帰ろうか」

「うん」

「今日はありがとね」

「どうしたの。また改まって」

「なんとなく。私のために時間作ってくれたお礼とご飯のお礼」

「お安い御用だよ」

「またカッコつけようとしてない？」

「ちょっとだけ」

「ふふ。あんまり似合わないね」

「傷つくなぁ」

「はいはい。それじゃあ、またね」

「ああ。また」

「おやすみ」

「おやすみ」

◆　◇　◆　◇



既読『今日はありがとう』

『こっちこそ、楽しかったよ』

既読『ならいいんだけど』

『また明日』

既読『うん。また明日』

『起きてる？』

「……」

「……」

「よし」


おわり

甘酸っぺぇなぁ

いいなーこれ
乙

乙
良い雰囲気

よし

ってのは何？

既読とか返事がないからちゃんと寝てるって事やんね？たぶんPが仕事で寝れて無かったのを知って始まったんじゃない？

よし、がかわいい
乙

これは良いしぶりん

今は既読をつけないで見ることができるから実はめっちゃ働いてたりしてな
おつおつ