星輝子「死んでしまった……」 (22)
<机の下>
輝子「まだ15歳なのに……こんなにあっけなく……」
輝子「まだまだやりたいこと、たくさんあるのに……」
輝子「あぁ、先立つ不孝を、お許しください……」
森久保乃々(キノコさんが変なことを言い出したんですけど……!)
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<事務所>
白坂小梅「おはようございます」
輝子「あ、小梅ちゃん、おはよう。そうだ、落ち着いて聞いてね……」
小梅「? うん」
輝子「実は私……死んでしまったんだ」
小梅「…………」
輝子「…………」
小梅「ほ、本当に?」
輝子「本当に」
乃々(……帰りたい)
小梅「あ、精神的にって意味?」
輝子「いや、肉体的に……I am dead.」
小梅「…………」
小梅「全然普通だけど」
輝子「…………」
輝子「そういう場合も、ある」
小梅「目立った外傷もないし、ちゃんと血が通ってる肌だし」
輝子「そういう場合も、ある」
小梅「あるんだ……」
輝子「ある……」
乃々(あるんでしょうか……)
小梅「えっと、いつまで続ける?」
輝子「続けるも何も、本当なんだって」
輝子「その証拠に、死んでから全く食欲が湧かないんだ……」
小梅「今日のお昼ご飯、なに食べた?」
輝子「キノコのクリームパスタ」
小梅「…………」
輝子「…………」
乃々(もりくぼはオムライスでした)
輝子「それに、死んだからまったく眠くならないんだ」
小梅「昨日は何時間くらい寝た?」
輝子「3時間、くらいかな。でも朝に一日中起きてられるキノコ食べたから、全然眠くない……フヒ」
小梅「…………」
輝子「…………」
乃々(もりくぼはバッチリ8時間睡眠です)
小梅「じゃあ、死んだ理由は?」
輝子「それは……よくわからないんだ」
小梅「よくわからないけど、死んじゃったの?」
輝子「う、うん。即死だった……」
小梅「…………」
輝子「…………」
乃々(そろそろ、2人の話の聞こえないところに移動したいんですけど……)
小梅「頑張って、思い出せないの?」
輝子「えっと……確か……そう、事務所に行こうとしてたんだ」
輝子「その前に、キノコの水やりをしようとして……」
輝子「…………死んだ」
輝子「コンマ秒であの世行きだった」
小梅「…………」
輝子「…………」
乃々(キノコさん、だんだん投げやりになってきてます)
輝子「信じてくれないか……」
小梅「…………」
小梅「輝子ちゃん……実は、私も死んでるんだ」
輝子「…………」
小梅「…………」
輝子「真面目に話してるから、そういう冗談は……」
小梅「えぇ……」
輝子「…………」
乃々(なかなか出て行くタイミングが掴めないんですけどぉ……)
輝子「本当なんだ、本当に私は死んでしまったんだ……」
輝子「多分、私の姿も、小梅ちゃんにしか見えてないと思う……」
小梅「そう言われても、別の人がいないと確認できないね……」
乃々(……もしかして、もりくぼに振られてます?)
乃々「あ、あの――
輿水幸子「おはようございまーす!カワイイボクが来ましたよ!!って、小梅さんに輝子さん、2人で扉前に立って何してるんですか?」
輝子「…………」
小梅「…………」
乃々(…………)
小梅「輝子ちゃんがね、死んじゃったんだって」
幸子「……えっ?」
小梅「ここに居る輝子ちゃんは、死体?幽霊?……えっと、どっち?」
輝子「えっと、幽霊……かな」
幸子「輝子さん、死んじゃったんですか……?」
輝子「う、うん、死んじゃった……」
小梅「…………」
輝子「…………」
幸子「…………2人とも」
幸子「冗談でも言っていいことと悪いことがあるんですよ!」
小梅・輝子「」ビクッ
幸子「『死んじゃった』なんて、平気で言う言葉じゃありませんからねっ!!」
小梅「…………はい」
輝子「…………ご、ごめん」
乃々(…………)
小梅「行っちゃったね、幸子ちゃん」
輝子「……多分、生前に仲が良かった人には見えるんじゃないかな」
小梅「…………」
輝子「…………」
小梅「それなら、コンビニとか行っても、誰も気付かないの?」
輝子「早速試してくるよ」
乃々(さっきの幸子さん、ちょっと怖かったです)
<5分後>
輝子「た、ただいま……」
小梅「どうだった?」
輝子「ハーゲンダッツ買って来たけど、どれがいい?」
小梅「……え?あっ、じゃあ、ラムレーズンを……」
輝子「はい」
小梅「うん……あ、ありがとう……」
輝子「どういたしまして……フヒ」
小梅「…………」
森久保(帰ってくるの、早くないですか?)
輝子「幸子ちゃーん」
幸子「なんですか」
輝子「お詫びのアイス……好きな味、あるといいけど」
幸子「えっ、いやそんな悪いですよ!ボクも急なことでちょっと怒ってしまいましたけど――」
輝子「早くしないと、溶けちゃうよ?」
幸子「……では、ストロベリーで……ありがとうございます」
輝子「いいよいいよ……フヒヒ」
小梅「…………」
乃々(…………)
輝子「ボノノさんも、ちょっとこっち来て……」
乃々(!!)
輝子「幽霊だから、塩とかに弱いと思う……」
小梅「あ、丁度ここにお清めの塩があるけど」
輝子「……なら、それを私に向かって撒いてみるといい」
小梅「それー」バッバッ
輝子「目に入ったぁあああああ!痛い!!!超痛い!!!!!」
小梅「…………」
乃々(もりくぼはバニラ……美味しいです)
輝子「幽霊だから、怪我もしないはず……」
小梅「さっき思いっきり痛がってなかった?」
輝子「それは塩の効力、じゃないかな」
小梅「あ、丁度ここに六法全書が」
輝子「……なら、それを私に向かって振りかざしてみるといい」
小梅「ごめん、私にそこまでする勇気はないかな……」
輝子「そうか……それじゃあ仕方ないな……」
小梅「…………」
輝子「…………」
乃々(アレは下手したら本当に死んじゃいますけど……!)
輝子「どうしたら成仏できるんだろう……」
小梅「現世でやり残したことがあると、成仏できないらしいよ」
輝子「やり残したこと……あり過ぎて一生成仏できないかもしれない」
小梅「それなら、歌鈴ちゃんが使ってる除霊の札があるけど……」
輝子「おぉ、貼ってみてくれ……多分消えちゃうけど」
小梅「わかった……」ペタリ
輝子「小梅ちゃん、ありがとう……」パァァァッ
小梅「…………」
小梅「……………………え?」
乃々(消えちゃったんですけどぉ!?)
小梅「……まさか、本当に輝子ちゃん……」
輝子「た、ただいま……」
小梅「輝子ちゃん!?」
輝子「え、うん……私だけど……どうしたの?」
小梅「どうしたって……え、あれ?」
輝子「それより、さっきまでの暇つぶしに付き合ってくれたお礼に、ハーゲンダッツ買って来たけど……食べたい味、ある?」
小梅「……じゃあ、ラムレーズンを……ありがとう」
輝子「こっちこそ、ありがとうね……フヒ。幸子ちゃーん」パタパタ
小梅「…………」
乃々(…………)
以上です。
輝子誕生日おめでとう!
<過去作>
森久保乃々「絵本を描いてきたんですけどぉ……」
え?
…え?
[おまけ]
輝子(暇だからダル絡みしよう、ボノノさんは……あっ、困った顔してる)
輝子(小梅ちゃんなら、付き合ってくれるかな)
<コンビニへ>
輝子(楽しかったし、ちょっと迷惑かけちゃったから、アイスでも買って帰ろう……)
<5分後> 輝子はまだコンビニ
??「た、ただいま……」
乙
なんだっけ……元ネタが喉まででかかってるんだが……
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