【モバマス】飛鳥「新しいセカイ」 (11)
~Monolog・都内某所~
飛鳥「アイドルの世界に入ったものの」
飛鳥「未だに新しいセカイを見つけられていない…」
志希「それにしては今のお仕事楽しんでるんじゃない~?」
飛鳥「今はセカイとセカイの狭間に居るようなもの」
飛鳥「少なくともボクの求めたセカイではない」
飛鳥「そこでこれからセカイを探す旅に出ようと思う」
志希「あたしも付いていく~♪」
飛鳥「別に構わないよ」
飛鳥「あと」
飛鳥「あまり地理感覚がないからサポートをよろしく頼むよ」
志希「いいよ~♪」
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~Chapter1・秋葉原~
志希「ここは秋葉原~欲しいものはなんでも揃っちゃう~」
飛鳥「青い店の前でコスプレしている人の周りの人だかりが凄いね」
志希「今日は月末金曜だからね~飛鳥ちゃんには早いね~♪」
飛鳥「?」
飛鳥「ところでさ、志希」
志希「ん、何なに~」
飛鳥「この街は確かに何でも売っていそうだけれども、悪い意味で活気がないね」
志希「そうだね~アキバ文化が普及してからはつまらない街になったかもねえ~」
飛鳥「ここは求めたセカイじゃないね。次に行こう」
志希(飛鳥ちゃんにはちょっと早かったかも~♪)
~Chapter2・日没後の和田倉門~
志希「ここってとてもきれいだよねえ…」
志希「左には皇居、右には東京駅という絶好のロケーションだよ~」
飛鳥「なるほど」
志希「周りは公園と御堀で囲まれているのに」
志希「空を見上げれば東京のビル群という不思議~広がる幻想の世界~♪」
飛鳥「確かに不思議な空間だ…」
飛鳥「でも昼間だったらどうだろうか」
飛鳥「これはビルの光と様々なライトアップによってこの一帯が偶々幻想のように見ているのだろう?」
志希「言われてみればね…」
飛鳥「すごく計算されているとは思うよ」
飛鳥「しかし求めたセカイとは違うね」
飛鳥「一時的な作られた幻想のセカイというのはあまり心に響かないね。綺麗だけど」
志希「次、行ってみる~?」
飛鳥「もう遅い。明日にしよう」
~Chapter3・スカイツリー天望回廊~
志希「~♪」
飛鳥「やけにテンションが高いね」
志希「あたし、こういうところ好きだからねえ~」
飛鳥「景色を見て思うのだが」
飛鳥「あそこにあるのは東京の街なのだろうか」
志希「だろうね~」
飛鳥「あそこでは日常が広がっているのか」
志希「だろうね~」
飛鳥「遠くから日常を眺めるのは楽しいのだろうか」
志希「う~ん…でもこうやって遠くから観察するのも悪くないんじゃない?」
飛鳥「ボクの記憶が確かならば、こういう光景は写真で見たことがあるんだ…」
志希「ヘリコプターで撮影できるからねえ」
飛鳥「新鮮味の無いセカイは求めていたのとは違うな…」
志希「じゃあ、あっちの山の方に行ってみる?」
~Chapter4・東〇ワールドスクウェア~
飛鳥「ところで志希」
志希「ん~なになに~?」
飛鳥「ボクのワガガマに付き合って嫌じゃないのか」
志希「ん~こうやって色々めぐるのは楽しいと思うよ~」
志希「今日巡っているのは主に失踪先だし~」
飛鳥(プロデューサーが見つけられないのもわかるね)
志希「今も失踪中だし~♪」
飛鳥「戻らなくていいのか」
志希「気にしないで~あとで何とかするから~」
飛鳥「では本題に移ろう。ここは何のセカイなのか」
志希「ここは世界中の有名な建築物の集まったテーマパークだね~」
志希「さっき登ったスカイツリーもあるよ~」
飛鳥「何か全体的に小さいような気がするが」
志希「全部25分の1だからね~」
飛鳥「非日常を楽しむのにはいいかもしれない」
飛鳥「しかしここにあるのは何かを模した建造物にすぎない」
飛鳥「中途半端な作り物のセカイは求めているセカイではない」
志希「よくできているんだと思うんだけどなあ~」
飛鳥「スフィンクスの目の先にK〇Cが無いよ」
志希「普通の人はそれ知らないよ~」
~Chapter5・日光江戸村~
志希「江戸の町を再現した、江戸村だよ~」
飛鳥「ここに居る人はみんな着物だね」
志希「今から400年前はこんな感じだったのかね~」
志希「芳乃ちゃんが居ても気づかないよね~」 デシテー
飛鳥「ここまで凝っているとなると中途半端とは言わないね」
飛鳥「しかし問題はある」
志希「なに~?」
飛鳥「このセカイはボクたちを快く受け入れてくれるのだろうか」
志希「言われてみれば疑問に感じるねえ~」
飛鳥「一方的に素晴らしいと思ったとしても相手が受け入れるのでなければ求めているセカイにはならない」
志希「あたしは化学の人間だから先を越し過ぎて受け入れられないかも~」
飛鳥「ボクは馴れ合いが嫌いでね。みんなで協力しようなど意味が分からないよ」
志希「わかる~」
志希「次行こっか♪」
~Chapter6・尾瀬ヶ原~
志希「これが大自然~空気がおいしいね~♪」
飛鳥「…」
志希「どうしたの?飛鳥ちゃん?」
飛鳥「…疲れたね」
志希「そう~?」
飛鳥「…志希の体力には恐れ入るよ」
志希「中学生にはキツ過ぎたかなあ~」
飛鳥「それにしてもここは一体…」
志希「大江湿原だよ~珍しい植物がいっぱいだよ~」
飛鳥「…なぜここに来たのだろうか」
志希「ん~失踪先の一つだから?」
飛鳥「よく歩けるね」
飛鳥「登山口からここまでは有楽町から新宿くらいの距離と同じくらいなのにね」
志希「真面目にレッスンやってるからねえ~」
飛鳥「そろそろ本題に戻ろうか」
志希「なんだっけ~?」
飛鳥「セカイについて」
志希「忘れてた~♪」
飛鳥「非日常は良いにしても、行くのに多大なる犠牲を必要とするセカイは求めていない」
志希「きれいでいい場所だと思うけどねえ~」
飛鳥「普通の人は一生に一度来るか来ないかレベルだよ」
飛鳥「ところで志希」
志希「なになに~」
飛鳥「帰りも大変なのかい?」
志希「行きよりは楽じゃない?結構歩くけど」
飛鳥「…」
~Chapter7・リニア見学センター~
飛鳥「志希、ここが何処だか説明してくれないか。中学2年生にはよくわからないね」
志希「一言でいえばリニアモーターカーを見学するところだよ~」
志希「科学の力で新幹線より早く移動できるんだよねえ~」
飛鳥「ところで何で早いんだろうか」
志希「よくぞ聞いてくれたね!それは○!※□◇#△!◎△$♪×¥●&%#?!」
飛鳥「何か絶対零度とか聞こえたような気がするが…」
飛鳥「ここまで複雑となると求めたセカイとは違う」
志希「未来と夢がいっぱい詰まっているよ~♪」
飛鳥「理系の人間には楽しく見えるのだろうか…」
志希「飛鳥ちゃん、もう少しいようよ♪」
飛鳥「志希よ、今日の夜お仕事入ってなかったかい?これから東京に戻らないと…」
志希「…ぴちぴち……」
飛鳥「死んだ魚の目をしても変わらないよ」
~Chapter8・雪の積もる鳥取砂丘~
飛鳥「真っ白だね」
志希「写真では砂だけど、雪が降ればこんな感じに~」
飛鳥「何か季節外れだね」
志希「気にしたら負けだよ~」デシテー
飛鳥「幻想的ではあるね」
志希「まあね~今日来ている人は驚いているけど」
飛鳥「しかしもっと考えなければならないことがある」
志希「なに~♪」
飛鳥「これだけの雪が降ればこの周辺に住んでいる人は大変ではないのか」
志希「今日は意図的にやっているから大丈夫だけど、冬場は確かに大変だね~」
飛鳥「埼玉県民とか、静岡県民とか、和歌山県民とか、鹿児島県民にとっては幻想的だろう」
飛鳥「しかし現に住んでいる雪国の方々は大変ではないだろうか」
志希「岩手は大変だよね~」
飛鳥「困っている人がいるセカイは望んだ世界じゃない」
志希「うーんそうかあ~」
志希「残念だけど飛鳥ちゃんに提供できるのはここが最後なんだよねえ~」
飛鳥「いや、色々考えさせてくれたことに感謝している。どうでもよい旅のお手伝いありがとう」
志希「いや~それほどでも~」
志希「また今度やろうよ♪」
飛鳥「そうだね」
志希「ところで最後にもう一か所だけ行くところがあるんだよね~」
飛鳥「ここで終わりじゃないのかい」
志希「事務所のメンバーの推薦が一か所あるんだよ」
飛鳥「行かせてもらおう」
~Epilogue・某所~
飛鳥「ここは一体どこだい?なんかあそこにタワーがあるけど」
志希「あれはね、通天閣だよ~」
志希「ちなみにここ新世界というらしいよ~」
飛鳥「…もしかして推薦したのってあのお方?」
志希「そうだよ~」
芳乃「うまうまでしてー」
串カツ屋の店員「お客さん、ソースの二度漬けは止めてください!」
楓「新しいセカイ…新世界…ウフッ」
営団P「楓さん、もしかしてこれだけを理由に新世界を志希たちに推薦したんですか」
楓「ええ…何か問題でも?」
営団P「これはひどい」
芳乃「ほー?」
終わり
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