杏奈「大切な日をあなたと」 (33)
昼 事務所
杏奈「…………こんにちは」ガラッ
ロコ「……! アンナ、グッドアフタヌーンです!」
杏奈「……なんだ、ロコだけなんだ。挨拶、損したかも……」
ロコ「アンナ!? 開口ファーストに酷くないですか!?」
杏奈(お昼頃、学校を早退して事務所に来たけど。平日の昼間だからか、ロコしかいないみたい)
杏奈(ちなみにサボりじゃない、です……)
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ロコ「……まったく、アンナはもうっ」プンスカ
ロコ「まあ、それはともかく」ゴホン
杏奈「?」
ロコ「アンナ、ハッピーバースデーです!」
杏奈(ハッピーバースデー、つまり今日は杏奈の誕生日)
杏奈(ロコはそう言うと、ロコは小包を渡してくる。外装は一目見てわかるくらいに独特な色合いだった)
杏奈「毒物……?」
ロコ「ノーウェイ! 違います!」
ロコ「これを作るためにいっぱいタイムをスペンドしましたからね!」
ロコ「さて、中身はなんだと思いーー」
杏奈「開ければ……わかるよね…………」ベリベリ
杏奈(ロコが何かクライしてるような気がするけど、気にせずに包装を剥がす)ベリリ
杏奈(包みの大きさの割にはずっしりと重い。もしかして結構高いものなのかも……)ベベベリ
杏奈「……これは」
ロコ「オルゴールです!」
杏奈(星型のオルゴール……だと思う。なんというか、ロコに改造されてて元の形が星なのかもちょっとわからないかも……)
杏奈(色々なところにカラフルな装飾が変わった配置でされていて、目に毒な印象、それでいてどこか心惹かれるような感じ)
杏奈「ありがとう、ロコ……」
杏奈(ロコのことだから、もっと使い道がないものかと…………。なんというか、意外……)
杏奈「素直に嬉しい……、かも……」
杏奈(杏奈がそう言うと、ロコは一瞬だけ顔を赤くした。……可愛い)
ロコ「ユーアウェルカムです!」テレッ
杏奈(ゆーあうぇる、何て……? まあいいや……)
杏奈「ロコ、照れてる……?」
ロコ「て、照れてないですから! とにかくおめでとうです! アンナ!」
杏奈(可愛い)
杏奈「うんうん、ロコは……照れてないよ…………」ナデナデ
ロコ「チャイルド扱いはストップです! っていうか、ロコの方がエルダーですから!」
杏奈(ふかふか……ふわふわ…………。羊みたい……)
杏奈(なんて、ロコをからかって遊んでいる時だった。ふと、音がした)
杏奈(パシャり、と)
杏奈「…………亜里沙?」
亜里沙「はい、ありさです! 可愛い写真、ありがとうございます!」
杏奈(音の方を向くと、いつものカメラを構えた亜里沙がいた)
杏奈(近づかれたことにすら気付けなかった…………。流石、亜里沙……いや、褒めないけど…………)
杏奈(どちらにしろ、迂闊だった…………これも全部)ムニ-
ロコ「ほへ!? は、はんな、なにを~」ムニ-
杏奈(ロコのほっぺ、柔らかい…………。髪といい、一家に一台ほしいかも……)
亜里沙「ああっ! 良いですね、その光景! 写真が捗ります!」パシャパシャ
杏奈(…………亜里沙の写真は、後で回収しよう)
亜里沙「杏奈ちゃん! お誕生日おめでとうございます!」
杏奈「…………ありがと」
亜里沙「……リアクション、薄くないですか?」
杏奈「亜里沙が盗撮さえしなかったら、普通に喜べたんだけど…………」
亜里沙「あちゃー。今度からはバレないようにやりますね!」
ロコ「そういうプロブレムでしょうか……?」
杏奈(まあ……でも、やっぱり他人に祝ってもらうのは嬉しいかも…………)
杏奈(アイドルになる前は……両親からしか、貰えなかったし…………)
亜里沙「ちなみに、しっかりとプレゼントも用意してます!」
杏奈「へぇ……。亜里沙、ありがとう」
杏奈「ちなみに、どんなプレゼント?」
ロコ「カメラとかですか?」
亜里沙「それはですねー」
杏奈(亜里沙はそう言うと人差し指を立てて……自分を指差した)
亜里沙「私です!」
ロコ「……はい?」
杏奈「亜里沙……用意出来てなくても、杏奈は気にしないよ…………」
亜里沙「ふっふっふー。安心してください、杏奈ちゃん。このありさに抜かりはないです」
杏奈「と、言うと…………?」
亜里沙「今日一日、ありさが杏奈ちゃんから離れずに、杏奈ちゃんの写真をいっぱい撮ります!」
杏奈「ありがとう亜里沙、杏奈気持ちだけもらうね……」
ロコ「アリサ……」
亜里沙「ウケが悪いです!?」
亜里沙「じゃあありさはレッスンがあるのでこれで……」ショボ-ン
杏奈(と言ってレッスンルームに向かおうとする亜里沙は、気落ちしてた)
杏奈(少しだけ、罪悪感…………。だけど、プレゼントをもらう訳にもいかないし……)
杏奈(……! 良いこと思いついたかも…………)ピキ-ン
杏奈「亜里沙……」
亜里沙「はっ、はい。どうかしました杏奈ちゃん」
杏奈「写真、プレゼントってことで、一枚だけ撮って欲しいなって……」ギュ
杏奈(逃げないようにロコの手を握っておこう……)
ロコ「そうですね! アンナの誕生日ですから!」ギュ
亜里沙「……はいっ! 任せてください!」
亜里沙「ではでは、二人とも笑ってーー」カチャカチャ
杏奈(表情を明るくした亜里沙が、杏奈達の正面に立ってカメラを向けていた)
杏奈(……?)
杏奈「亜里沙……何してるの…………?」
亜里沙「え? 今度こそ普通に写真を撮ろうと……」
杏奈「そうだけど……そうじゃなくて、だから…………」
ロコ「アリサもフォトグラフに写るように撮りましょう! ってアンナは言いたいんですよ!」
杏奈(むっ……言いたいこと、言われた…………後でお仕置き)
亜里沙「い、良いんでしょうか」
杏奈「亜里沙……」
亜里沙「は、はい!」
杏奈「隠れてパシャパシャされるのは嫌だけど…………。亜里沙の写真は嫌いじゃないよ……」
杏奈「せっかくの誕生日だから、笑って写真……撮って……?」
亜里沙「っ! はい!」
杏奈(今度はしっかり三人写るように写真を撮る)
杏奈(良い誕生日……なんて、思った…………)
杏奈(亜里沙とロコはそれぞれレッスンに行って、私はバースデーライブの準備まで少しだけ暇だった)ピコピコ
杏奈(このゲーム……極め切っちゃったかも…………。新しいの買おうかな……)ピコ
杏奈(……あっ。でも、誕生日プレゼントで、誰かがゲームをくれるかも…………)ピコ
杏奈(プロデューサーとか……あとーー)
杏奈「百合子さんとか……」
杏奈(百合子さん……今日、会いたいな…………)
杏奈(プレゼントが欲しいとかじゃなくて…………普通に会いたいかも……)
杏奈(せっかくの、誕生日だから…………大好きな人に、祝ってもらいたい……)
杏奈(ーーって、あれは)
杏奈「百合子さん?」
杏奈(視界の端を紺色の髪が駆けていった。ついつい、杏奈の足はそっちへ向いていく)
杏奈(気のせいか、杏奈が追い始めると百合子さんの速度も速くなっていくように見えた)タタタッ
杏奈(ライブ前だから怪我しないように……っと…………)
杏奈(そういうことを気にしたせいか、百合子さんへはなかなか追いつけない)
杏奈(だけど、この先は倉庫しかないはず……。隠れるところはどこにもーー)
??「ここは通しません」
杏奈「……えっ」
杏奈(そんな杏奈の前へ躍り出る人影が一つ)
杏奈(見覚えは……とても、あった…………)
??「今に限っては、私は壁です。真壁だけに……決して身体のことじゃないぞ」
杏奈(そんな、いつも通りのユニークなジョークを口にする彼女が、杏奈の追跡を妨害していた)
杏奈「瑞希さん……!」
瑞希「はい、瑞希です。それと望月さん、ハッピーバースデーです」
杏奈「ええっと…………ありがとう?」
杏奈(反射的にお礼を言ったけど…………イマイチ、状況がわからない……)
杏奈「瑞希さん……。今、百合子さんが奥に行ったよね………?」
杏奈「それで……杏奈、そこを通りたいな、って…………」
瑞希「すいません、望月さんの頼みでもそれはできません」
杏奈「どうして……?」
杏奈(これじゃあ……まるで、百合子さんに会わせたくないみたい…………)
瑞希「七尾さんに頼まれたので」
杏奈「百合子さんに……?」
瑞希「はい」
杏奈(瑞希さんのその短い言葉を飲み込むまで少しだけ時間が必要だった)
杏奈(百合子さんが、杏奈を避けている)
杏奈(いつでも杏奈と一緒にいてくれた百合子さんが…………)
杏奈(その現実を突きつけられて、それからの記憶はちょっと曖昧で)
杏奈(気づいたら杏奈は事務所のソファでふて寝をしていた)
杏奈(誕生日なのに……気分悪い…………。さいあく、かも……)
杏奈「むむぅ…………」
杏奈(バースデーライブまで寝ちゃおうかな、なんて思ってたその時)
杏奈(事務所のドアが勢いよく開け放たれた音がした)
杏奈(眠気も吹っ飛んじゃった………。ちゅどーん……)
昴「ちわーっ。……と、杏奈だけか?」
杏奈「ん……。昴さん、こんにちは…………」
昴「おう杏奈、今日は早いんだな。なんか予定あるのか?」
杏奈(……? 昴さんも、誕生日には自分のバースデーライブやったはず…………)
杏奈「え……? バースデーライブだけど……」
杏奈(杏奈がそう言うと、昴さんは驚いたような顔になる)
昴「…………あっ! 杏奈、誕生日今日だったのか!」
杏奈「う、うん」
昴「しまったなぁ。完全に忘れてた……。ゴメンな、杏奈」
杏奈「うん……、別に……」
杏奈(誕生日覚えてるはずの……百合子さんに避けられるよりは、マシ…………)
杏奈「はぁ…………」
昴「杏奈? 怒ってーーるよな。本当にゴメン」
杏奈「あっ…………。今のは違くて……」
昴「違う?」
杏奈「うん……。実はーー」
杏奈(ふて寝するよりはマシかと、そう思って杏奈は昴さんにさっきの事を話すことにした)
昴「ふーん。百合子が杏奈を避けてる、ね」
杏奈「うん。……ショック、です」
昴「勘違いとかじゃないのか?」
杏奈「ううん。瑞希さんが……多分、百合子さんに頼まれて、杏奈を足止めしたから…………」
昴「他人を使うなんて、百合子のくせに頭使ってんなー」
杏奈「……あはは」
杏奈(百合子さんに失礼な気もするけど…………ちょっと、わかるかも……)
昴「でもな、杏奈」
杏奈「ん?」
昴「百合子は頭よさげにしてるけど、馬鹿だ」
昴「だから、今回も馬鹿な理由でそうしてるんじゃないか?」
昴「とにかく杏奈は気にし過ぎない方が良いっていうかさ、その」
杏奈「その……?」
昴「だからーーああっ! こういう、人を慰めたりって、オレ、苦手だっつーの!」
昴「とにかく! 安心して、ドシッと構えてろ!」
昴「んで、話し合い終わり! キャッチボールしに行こう!」
杏奈「えっ、杏奈も……?」
昴「ああ! オレからの誕生日プレゼントだ!」
杏奈(あんまり得意じゃないけど…………、そう言われたら断れない、な……)
杏奈(昴さんは杏奈の首根っこを掴んで杏奈を引きずっていく。楽だから、抵抗しないでおこう)
杏奈(百合子さんが馬鹿、うん、わかるかも…………)
杏奈(そうだよね……。もう少し、百合子さんを信じてみようかな…………)
P「杏奈ー、そろそろ会場行くぞー」
杏奈「ん……了解、です……」ポチポチ
杏奈(昴さんとのキャッチボールはやってみると意外に楽しくて、ライブのウォーミングアップにはちょうど良かった)
杏奈(そして、ライブの時間も近い…………緊張、してるかも……)
P「やっぱり、緊張してるか?」
杏奈「……うん。そうかも…………」
杏奈「いつものライブと違って、ソロだから…………責任、重大……」
杏奈(いつものライブなら……仲間がいて、支え合えるけど…………)
杏奈(今日は一人だから……。みんなもーー百合子さんもいない…………)
杏奈「百合子さん……」ボソ
杏奈(そう思うと、不意に零してしまった)
P「百合子は今……まあ、会わせられないというか。すまん、杏奈」
杏奈(プロデューサーさんの語る口ぶりは、昴さんと違って真相を知ってるみたいだった)
杏奈(やっぱり、会えないと寂しい…………)
杏奈(でも…………)
杏奈「プロデューサーさん」
P「うん? なんだ、杏奈」
杏奈「今日中には……杏奈、百合子さんに会えるよね……?」
杏奈(杏奈もアイドルだから……、頑張らないと、だよね…………。きっと今日は自分の力でどうにかする日だから……)
杏奈(だから……、頑張ったら、百合子さんに褒めてもらいたいな、って…………)
P「ああ! 流石に会えると思うぞ。百合子は抜けてるところもあるけど、意地もあるからな!」
杏奈「そっか……。安心…………」
杏奈(意地とか……何のことかわからなかったけど、それを聞いたら……元気が出てきた……!)
杏奈(―ー――ビビッと、いくよ!)
杏奈「さあっ、行こ? プロデューサーさん! 精一杯盛り上げるから!」
P「おうっ。その調子で楽しんで来い!」
P「それじゃあ、杏奈の誕生日を祝して――乾杯!」
杏奈(ライブが終わって事務所に戻ると、今日事務所にいたアイドルたちが杏奈を祝うパーティーを開いてくれた)
杏奈(ちなみに……ライブは大成功だったよ…………。えへん……)
杏奈(でも、ずっとオンだったから…………疲れたかも……)
杏奈(それに……)
P「と、ところで。百合子はまだなのか?」
杏奈(このパーティーに百合子さんの姿はなかった)
瑞希「それが、望月さんが帰ってきたころに声をかけたのですが、『あとちょっと、あとちょっとだから!』と返ってきたので」
P「なにやってるんだ百合子は……」
杏奈「そっか……」ショボン
杏奈(ライブが終われば……、すぐに百合子さんに会える…………。そう思ったから、頑張れた部分もあるのに……)
杏奈(…………)
昴「……なあなあ。流石にアンナがかわいそうだし、強引にでも連れてきた方が」
ロコ「そうですよね。アンナがすごくロンリーに見えます」
亜里沙「倉庫にいるんでしたか? 行ってみましょうかーー」
杏奈「いや、良いよ」
杏奈(そんな提案を、杏奈は否定する)
ロコ「ですが」
杏奈「杏奈、もう少しだけ待ってみる……。百合子さんのこと、信じてるから…………」
杏奈(百合子さんは抜けてるところもあるけど…………でも、約束を破ったりはしないと思うから……)
昴「ーーまあ、それならそれで、百合子が来るまであいつが悔しがるくらい楽しもうぜ!」
亜里沙「はい! 良い写真いっぱい撮れるように楽しんでください!」
ロコ「そうですね! 実は今日用意しているケーキはロコがアーティスティックにカスタムしたんですよ! 食べてみてください!」
瑞希「実は私もとっておきの手品があるので、お見せします…………ドキドキだぞ」
ワ-ワ-キャ-キャ-
杏奈(宴もたけなわ…………って言うんだっけ……?)
杏奈(よくわからないけど、ともかく……)
杏奈(そんな時のことだった……)
バタン!
昴「お」
亜里沙「あ」
瑞希「むむ」
杏奈「…………遅いよ」
杏奈(扉を開けて入ってきた彼女。髪はボサボサで、目には隈もあって)
杏奈(でも、瞳だけはいつも通りキラキラと輝いてーー杏奈が好きな、彼女のままだった)
杏奈「百合子さん……」
百合子「あはは……ごめんね。本当はバースデーライブも観に行きたかったんだけど」
杏奈「……許さないかも」
百合子「えぇっ!」
杏奈「だから、ね? …………ギュッてして」
杏奈(一日会えないかったからか…………すごく、甘えたい……)
杏奈(誕生日だから良いよ、ね…………?)
百合子「もちろんだよ、杏奈ちゃん! ぎゅーっ」ギュッ
杏奈「えへへ……」
ロコ「……パーフェクトに二人だけの世界に入り込んでますね」
昴「オレたち、お邪魔だったかもな」ムシャムシャ
杏奈「…………それでね? 杏奈、百合子さんが今まで何をしてたのか……教えて欲しいな、って……」
百合子「あっ、そうだよね。実はね……」ゴソゴソ
杏奈(そう言うと百合子さんは肩から下げていたカバンをまさぐる)
杏奈(なんだろう……)
百合子「今日一日、杏奈ちゃんへのプレゼントを用意してたんだ。……こんなにギリギリになるなんて思ってなかったけど」ゴソガサ
杏奈「わぁ……」
百合子「ーーというわけで、これっ。ギリギリまで手直ししてたら、こんな時間になっちゃったんだけど」
杏奈「これって……」
杏奈(百合子さんがカバンから取り出したのは、原稿用紙の厚い束。何度も文字を消して書き直した後が見て取れた)
杏奈「小説……? もしかして、百合子さんが書いたの…………?」
百合子「う、うん。文学少女だから、日頃の感謝を伝えるために筆を持ってみたんだ」
百合子「でも、読むのと書くのって全然違うね。想いを小説にするのって、難しくて……」
百合子「ああっ。やっぱり、杏奈ちゃんには別のプレゼントをあげーー」
杏奈「ううん、百合子さん。杏奈、これ、もらうよ…………。これが良いの。百合子さんが杏奈を思って書いてくれた、これが良い…………」
百合子「杏奈ちゃん……!」
杏奈(杏奈の大好きな人が、杏奈のことだけ考えて作った物。それを喜べないはずが、なかった)
杏奈(ボロボロになって、ギリギリまで書いてくれた、そんなものを)
杏奈「ありがとう。百合子さん……。最高のプレゼントだよ……」
百合子「……うんっ! 杏奈ちゃんーー」
杏奈(百合子さんは、杏奈が今日ずっと聞きたいと思っていた言葉を口にした)
百合子「ーーハッピーバースデー!」
杏奈 自室 夜
プルルルル プルルルル ピッ
杏奈「百合子さん、こんばんわ……。今、話して良いかな…………」
百合子「うん、全然良いよ。杏奈ちゃん!」
百合子「それで、用件って」
杏奈「今日、結局あんまり会えなかったから…………百合子さん成分を補給したいな、って……」
百合子「そ、そう? 照れちゃうなぁ」
杏奈「それとね? まだ最初の方だけだけど……、百合子さんの小説読んだよ…………」
百合子「本当っ!? どうだった? あっでも、つまらないって言われたら立ち上がれないかも……うぅ」
杏奈「面白いかどうかはまだわからないかも…………それより」
百合子「それより?」
杏奈(百合子さんが杏奈のことを考えて書いてくれたから…………アイドル系の話かと思ったのに……)
杏奈「なんで、始まってそうそうに…………ファンタジー世界に飛ばされたの……?」
百合子「それはね!? 誕生日を迎えることで杏奈ちゃんに秘められた力とアイドルエナジーが融合してーー」
杏奈(あぁ…………相変わらずだね、百合子さん……)
杏奈(他人のために一生懸命で、どこか抜けてて……暴走もしちゃって…………)
杏奈(そんな、杏奈の大好きな百合子さん…………)
杏奈「百合子さん……。大好きだよ…………」
百合子「そして実はアイドルエナジーには秘密がーーーーって、あれ? 杏奈ちゃん何か言った?」
杏奈「ううん。秘密」
杏奈(面と向かって言えないこの言葉も…………今度は、百合子さんの誕生日に杏奈が送ろうかな……)
杏奈(でも、それはまた別のお話……なんてね……)
おわり
流石百合子だ.....杏奈誕生日おめでとう!
乙です
>>1
望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/1Qi1mK0.jpg
http://i.imgur.com/bEyC9bz.jpg
ロコ(15) Vi/Fa
http://i.imgur.com/NAObkFw.jpg
http://i.imgur.com/GDVGvlt.jpg
>>5
松田亜利沙(16) Vo/Pr
http://i.imgur.com/xEyU3V8.jpg
http://i.imgur.com/xm9T1yw.jpg
>>13
真壁瑞希(17) Da/Fa
http://i.imgur.com/Y9y6T06.jpg
http://i.imgur.com/hVaNhRr.jpg
>>15
永吉昴(15) Da/Fa
http://i.imgur.com/bXEXM9Z.jpg
http://i.imgur.com/a62slQ6.jpg
>>22
七尾百合子(15) Vi/Pr
http://i.imgur.com/QweMLsF.jpg
http://i.imgur.com/l59HZMN.jpg
あんゆり乙
つまらん
百合なら百合って書いといて
亜里沙じゃなくて亜利沙だったね……
迂闊だった
すごい良かった…… やっぱりあんゆりは至高……
あんゆりもいいけどあんろこあんありもよかったぞ
乙
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