提督「秋月、手を出してくれ」 (123)


提督「秋月、手を出してくれ」

秋月「え……手、ですか?」

提督「あぁ、どっちでもいい」パカ

秋月「……ぇと、はい」ヒダリテアゲ

提督「手の甲じゃなくて手のひらで」

秋月「……っ、分かってます! 司令!」バッ

提督「ほい、これをやろう」ポン

秋月「…………」アメチャン

提督「……いちご味だ」

秋月「……」

提督「いちご味のあめ玉だ」

秋月「二度も言わなくていいです」

―――――――――――――――――――――――――――――
※初SS、基本ギャグ路線、安価なし、エロなし、キャラ崩壊はご愛敬



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496162405


秋月「え、なんでいきなりあめ玉ですか?」

提督「いや、そう言えばあったなぁと」

秋月「え、でもなんで今なのでしょう」

提督「そこに秋月がいたから?」

秋月「……じゃあその小さい箱は」

提督「置き場所に困ってたんで目に入った箱に入れといたんだ」

秋月「……はぁ、勘違いした私が馬鹿みたいです」

提督「勘違い? 何を?」

秋月「そんな箱出されたらもしかしてと!」

提督「箱? もしかして?」

秋月「もーいいです!」

秋月(その箱はどう見ても……勘違い、しますよ)

――――

提督「ここじゃないだろうしなぁ、そんなに日が無いんだぞ……どこだよ」

提督「やっぱこっちか」

秋月「司令、お茶をお持ちしました、休憩に致しましょう!」

提督「お、もうそんな時間か」ガタ

秋月「? 何か探し物ですか?」

提督「あぁ、結構重要なもんをな」

秋月「え! 大変です、秋月も手伝います!」

提督「いやいい、もう見つかった」ペラ

秋月「そ、そうですか?」

提督「ああ見つかったよ、この作戦報告書」

秋月「ホントに重要な物じゃないですか、管理は疎かにしないで下さい!」

提督「面目ない、それでお茶は?」

秋月「あっ紅茶です、金剛さんがとても質の良いダージリンを見つけたとかで」カチャ

提督「そういやこの間の外出届けは買い物だったな、有り難く頂戴しよう」ゴク

秋月「ダージリンは香りを楽しむものでストレートティー向けだそうです!」

提督「あぁ、とてもいい香りだよ……秋月は飲まないのか?」

秋月「いえ秋月は、まだ休憩するには早いので」

提督「そんなのいかん、こんなに美味しい紅茶を温かい内に飲まないのは損だぞ」

秋月「……では、失礼して」コト ゴク

秋月「ぁ、美味しい」

提督「秋月も真面目なのはいい事だが生真面目では損をする、程よく楽をしないとつまらないだろう」

秋月「で、ですが秋月は防空駆逐艦、艦娘ですので」

提督「関係ない、うちでは人間も艦娘も関係ないって最初に言ったろう? だからそんなに力を入れなくていいんだよ」

秋月「……はい、善処致します」

提督「はは、まあ自分のペースで良いんだ、いやぁにしても美味い紅茶だ」

二日目――

提督「……はぁ、どうすっか」

秋月「作戦ですか? あ、それとも資源備蓄でしょうか」

提督「まあそんなところだ、資源の備蓄は申し分無いが作戦はまだ難しいところが残ってるな、深海棲艦は謎が多いし」

秋月「そうですね、もっと情報があれば良いのですが」

提督「その辺は上層部の成果に期待するしかないな、ところで秋月」

秋月「はい何でしょうか」

提督「手を出してくれないか?」

秋月「……はい」テノヒラ

提督「勇者秋月よ、これを進ぜよう」ポン

秋月「勇者って……何ですかこれは?」メンクライ

提督「見てわからないか? バッジだ」

秋月「見てわかるから聞いているんです、どうしてこんな物を」

提督「こんな物って……結構前に街に行った時に見つけてな、ちょっとカッコ良かったんで買っておいたんだ」

秋月「はぁ」

提督「モミジの模様が意外と綺麗でな、秋月に似合うと思ったんだがどうだ?」

秋月「そうですね、いいと思います」

提督「えっと、気に入らなかったら返してもらっていいぞ?」

秋月「あ、いえ! うれしいです、大事にします! はい!」テレ

提督「よかった、そう言ってくれると助かるよ」


――――

秋月(司令から、贈り物を貰えるとは)テクテク

秋月(秋月、嬉しいです)ニヘラ

翔鶴「あ、秋月さん?」

秋月「ひゃっ! しょ、翔鶴さん!」ビシッ

翔鶴「何だかその、不思議な顔をしていた物でしたので」

秋月「き、気持ち悪かったって事ですよね! すみません、翔鶴さんにこんなみっともない姿を見せてしまって」

翔鶴「い、いえ! そんなことはありませんよ、きっとそう、何か嬉しいことでもあったのですね!」

秋月「はい! そうなんです、司令から贈り物を」

翔鶴「あら、提督がですか、珍しいですね」

秋月「珍しい、ですか?」

翔鶴「ええ、提督はあまり誰かに贈り物をする事はしないですから、するしてもお返しとかですし」

秋月「お返し……ですか、私は何も……」

翔鶴「もしかして提督、秋月さんのこと」

瑞鶴「翔鶴姉! もう演習始まる!」タッタッタッ

翔鶴「あら、もうそんな時間」

瑞鶴「もー、すぐに始まるって言ったのに、あっ秋月と話してたの」

秋月「は、はい! 瑞鶴さんと翔鶴さんはこれから演習でしたか、お時間取ってしまってすみませんでした」

瑞鶴「あー気にしないで、翔鶴姉は最近放浪癖があるのよ」

翔鶴「……瑞鶴?」

秋月「そ、そうでしたか……あ、では私はこれで、演習頑張ってください!」ビシッ

翔鶴「ありがとう秋月さん、ではまた」テクテク

瑞鶴「じゃーねー」テクテク

モーショウカクネェカッテニドッカイカナイデヨー
ネェズイカク?チョットキキタイコトガアルノダケレド


三日目――

提督「あ? なんだこの書類」

秋月「どうかしましたか?」

提督「あーいや、なんか上層部への申請書なんだがこんなの作った覚えは無いんだよな」

秋月「申請書、どんな内容何でしょうか」

提督「次作戦に向けての戦力強化のための配給資源増量……?」

秋月「……あ」

提督「どうした?」

秋月「数日前、夕張さんと明石さんが執務室に行くのを見ました……もしかして」

提督「もしかするな、大方また色々実験したいから資源ちょろまかす気だろう」

秋月「お二人らしいですね」アセ

提督「はぁ、別にこんなまどろっこしいことしないでも、言ってくれれば出来る限り融通するのになぁ」

秋月「司令には言えないとんでもない実験、て可能性……無いですか」

提督「いやまあ有り得そうだから怖い、だが俺は彼女たちを信じているので何も言わん」

秋月「じゃあその書類はどうするんですか?」

提督「これは通さん、とりあえず使っていい資源の量だけ明記しといて後は任せるさ」

秋月「何も無ければいいですけどね」

提督「不安を煽るな、ところで秋月」

秋月(あっ)


提督「手を出してくれないか」

秋月(やっぱり)

秋月「今度は何ですか? 飴、バッジときて、今度はスーパーボールとかですか?」ミギテ

提督「俺がそんな実用性の無いものをやるものか、それに今日は豪華だぞ」

秋月(今日は、て明日もあるんですかね)

秋月「豪華?」

提督「ほれ」ポム

秋月「こ、これは!」

提督「ああ、蜜柑だ」

秋月「蜜柑です! え、これ良いのですか?」

提督「ああ、実家から送られてきてな、それも俺が提督だってこと知ってるもんだから大量に」

提督「こっちの一箱は執務室用として、残りの箱は後で全部間宮に渡そうと思ってる」

提督「で、執務室用に一箱と言ってもやはり量があるからな、ここは秘書艦の秋月と一緒に食べようかと」

秋月「なるほろ!」ムグムグ

提督「もう食べてるな」

秋月「おいひいれす!」ムグムグ

提督「ああいいから落ち着いて食え、後これは皆には内緒な」

秋月「……ん、はい!」

提督(可愛い)

書き溜めはここまでです。

春イベE5ラスダンに沼った怒りで掘り出したプロットを再編集して書いていきます。
続きはまた次の夜にでも。

温厚な提督が怒りで粗暴になっていく悲しい物語なのか

秋月ちゃんは可愛いなあ

温厚な提督が激しい怒りによってスーパー海軍将校に目覚めるのか。

EOやってたらちょっと遅くなっちまいました

あとどうでもいい予備知識として11月の話です
ではずんどこ投下していきます


四日目――

提督「…………んぁ、寝てたか」

提督「……あれ、秋月はー……あぁいないか」

提督「つーか何時だ? 確か昨日仕事終わって秋月戻らせた後……あぁ」

提督(結局探しても見つからなかったのか)

提督「……はぁ、マジでどこ行ったかねぇ」ギィ

提督「…………」

提督(おっと時間時間、うわっ夜中三時、やっぱ椅子に座ったままじゃ全然寝れないな)

提督「よし、寝るか」

提督(部屋でちゃんと寝よう、今から寝れるか分からんが寝よう、なるたけ寝よう)

提督「んじゃあおやすみっと……誰に言ってるんだか、俺」パチ ガチャ


――――

「――い、―令」

提督(……ん?)

「―きて――さい」ユサユサ

提督「んぁ」

秋月「あ、司令! 起きましたか? もぅビックリしましたよ、執務室に行って司令が居ないなんて」

提督「…………えっと、今何時だ?」ヨイショ

秋月「七時です!」ビシッ

提督「なっ、大寝坊だ! なんてこったい!」ガバ

秋月「司令は一艦隊を指揮する最高責任者何ですから、理由は大方分かりますが気をつけてください」

提督「理由は大方分かるのか?」

秋月「駆逐艦寮から執務室の明かりがずっと点いてるのが見えましたので」

提督「あー、なるほど」

秋月「なので、夜ふかしは程々に! です!」

提督「あぁ以後気をつける……ん? 今七時だよな?」

秋月「え? はい、そうです」

提督「秋月は執務室に顔出したのって何時だ?」

秋月「いつも通り六時です!」

提督「その空いた一時間は何なんだ?」

秋月「……っ!! ちょ、ちょっと他のどこかに司令が居るのではと歩き回っただけです!」

提督「そうか、ありがとうな」ナデナデ

秋月「っ……は、はぃ」テレ

提督「ああ、悪い」

秋月「い、いえっ」


執務室――

提督「しかしやはり寝過ごしたか」

秋月「遅くまで仕事してるからです、それに司令は早起きし過ぎですよ!」

提督「いやしかし」

秋月「五時に起きて見回りまでする必要はあるのですか?」

提督「そうは言うがそれを抜いたら俺は机に座って書類に判を押すだけのマシーンになってしまう」

提督「それに戦地に赴く艦娘達のために何かできないかと常に思っているんだ、これぐらいはしないとな」ハハハ

秋月「ですが……」

提督「だから工廠辺りは入念にチェックしてるんだが、朝早くに行っても明石がいるんだよ、アイツいつ寝てるんだろうな?」

秋月「そ、そうですね、明石さんは本当に謎です……ではなく」

秋月「だとしても司令は仕事を遅くまでやって、それで早起きしていては体が――

提督「さあ秋月、手を出すんだ」

秋月「司令? 秋月の話聞いてます?」ジロ

提督「わ、悪い」

秋月「はぁ……それで、今回は何でしょうか」ソッ

提督「秋月も砕けてきたな……さて今回はこれだ!」ポン

秋月「……えっと、えっと……えーと」

提督「なんだ?」

秋月「聞きたいのは秋月です」


提督「それはポプリと言うらしい、ハーブなどの草花を入れて香りを楽しむ物らしい」

秋月「良かったです、しおれた花を渡されたのではないかと驚きました」

提督「流石にそんなものは渡さないぞ」

秋月「ポプリですか、小さい瓶に入っていて可愛いです、それにいい香り」

提督「金剛から教えてもらってな、ちなみに以前からそこにあるぞ」ユビサシ

秋月「あっ、ホントです! 気づきませんでした」

提督「まあそこまで匂いが強いわけでもないからな、正直あんな隅に置くものではないと思う」

秋月「これに関しては執務室が広いから仕方ないですね……机に置くのはどうですか?」

提督「机にあんなお洒落な物を乗せるとなんか言われそう」

秋月「た、確かにそうですね」

提督「だろ?」

秋月「えっと、これありがとうございます! 部屋に飾っておきますね!」

提督「そうしてくれると助かる、まぁ詳しくは金剛に聞いてくれ、俺は秋月に似合いそうなのを買っただけだからな」

秋月「わかりました!」


提督「さてと、それじゃあ飯にでもするか」

秋月「では食堂に行きましょう」

提督「今日の朝飯なんじゃろな」

秋月「秋月はなんでも嬉しいです!」

提督「はっはっは、俺は漬物だけを出されたら嬉しくないがな、苦手だし」

秋月「漬物美味しいですよ? 浅漬け、沢庵漬け、すぐき漬!」

提督「すぐき?」

秋月「美味しいです!」

提督「でも漬物だけで出されたら嫌だろう」

秋月「……お米があれば」

提督「米と漬物だけか……俺は厳しいかなぁ」

秋月「そうですか?」

提督「ここに来たばかりの秋月を思い出すな、昼に沢庵とお握りだけ出されて困ったぞ」

秋月「あ、あれは……って、困ってたんですか!?」

提督「漬物苦手なのと量的に……あの時は言えなかったがな」

秋月「そうとは知らず、秋月は……」

提督「別に気に病む必要は無いさ、漬物苦手な俺が悪いしな」

秋月「でも漬物、美味しいのに」

提督「昔は好きだったんだがな」

秋月「えっ?」

提督「食い過ぎて嫌いになった特殊な例だな」

秋月「食べ過ぎて嫌いに……ですか」

提督「そういう事もあるもんさ、だから秋月も大好きだからって牛缶ばかり食べてたらダメだぞ」

秋月「も、もう暫くは食べてないです! 牛缶よりも美味しいもの、ここには一杯ありますし」

提督「間宮に聞かせてやったらサービスしてくれそうだな!」ハッハッハ

秋月「……なんか複雑な気分です」


五日目――

提督「あ゙あ゙ぁ、疲れた」

秋月「今日は一段と書類が多かったですね」

提督「近々大規模作戦があるらしいからな、どの鎮守府も大忙しだ」

提督「それにもうすぐ年末、師走の頃はもっとやばい事になりそうだ」

秋月「最近はめっきり寒くなって来ましたし、冬も近いですね」

提督「そうだな、まあ夏よりは冬のが好きだからまだいい方だ、これで年末が夏だったら俺は死んでるな」

秋月「司令は冬は着込めば寒くないって言う考えからですよね」

提督「まあな」

秋月「でも秋月も冬は好きです!」

提督「秋月なのに?」

秋月「名前関係ありませんし……冬はやっぱり、お蕎麦、おうどん、お鍋にお餅!」

提督「秋月は本当に食べ物が好きだな」

秋月「!!」カァ

秋月「あと炬燵にお布団も暖かくてそれでいて雪……」ゴニョゴニョ

提督(流石にデリカシーがなかったか)


提督「悪い、ちょっと言い方が悪かったな」

秋月「い、いえでも……やっぱり食い意地が張ってるというか」

提督「いや別にそうは思ってないんだが、食い意地って言葉もあまり好きじゃないし」

秋月「そう、なんですか?」

提督「食べ過ぎともいかないが、美味しそうに食べている人の方が好きだしな」

秋月「す、好き……」カァ

提督「人の食事にあれこれ言うのもどうかと思うし、全く食べない人は心配になる」

提督「ダイエットとは言うが食べない事はダイエットじゃないと思うんだよなぁ」

提督「でもそれも個人の自由か? やっぱり俺ってお節介なのか? ……秋月?」

秋月「え、あっ、なんでしょう!」ハッ

提督「い、いやなんかボーッとしてたから」

秋月「大丈夫です、なにも問題ありません!」

提督「そうか……」


提督「じゃあ話も一段落したところで」

秋月「?」

提督「いつもの、行っておくか」

秋月(もう“いつもの”になってるんですね)

提督「さぁ本日二回目のー」ヒキダシガラ

提督「あれ?」

秋月「どうしました?」

提督「……ない!? ここに入れて置いたはず」

??「ふっふっふ」

提督「っ! その声は!」バッ

秋月「え?」

??「くーまくまくまくま! 」バーン

秋月(何ですかその笑い!?)

提督「お前は、怪盗マークー!」

秋月(マークー!?)


マークー「君が探しているのは、これクマね?」ジャラ

提督「なっ! 俺が机の二段目の引き出しにしまっておいたサーモン寿司のキーホルダー!」

秋月(えぇ……)

提督「秋月にあげるために買っておいたそれを、どうして!」

球磨「ふふふ、球磨に鮭の類の隠しものとは百万年早いクマ」

秋月(もう名前隠してないですけど)

提督「くっ! こんな事なら、あそこで悩まずにマグロにしておくべきだった!」

球磨「己の浅はかな行いを反省するがいいクマ、ではサラダバー!」シュバッ

提督「くっそぉぉおお!!!」ガクッ

秋月(……私は、何を見せられているんだろう)

提督「よいしょっと、という訳でサーモンのキーホルダーは怪盗マークーの手によって奪われてしまった」

秋月「なんですか今の茶番は」アキレ

提督「なので今回はこのマグロのキーホルダーで我慢してくれ」

秋月「マグロも買ってあったんですね!?」

提督「本当はこんな実用性の無いものあげたくはないんだが、今の茶番のためにな」

秋月「たまに司令の事が良く分からない時があります……」

今回は以上
なんか書いてる時は多く感じるけど投下してみると少なく見える……

四、五回修正したり見直ししてるけど誤字脱字あったらすみません

文章考えるのは疲れるからね

差し出された手にチンポ握らせたい

乙です。
逆に書き出すと膨らんで三倍くらいになるときもあるよ。


六日目――

提督「一度茶番をやると暫くは茶番は控えなきゃダメだよな」

提督「しかし、だからと言って実用性のある物をあげたいのに今は持ち合わせが何も無いし考えつかない」

提督「これは由々しき問題だ、早急に手を打たねばならない」

提督「よって君達の力が必要になる訳だ」

照月「それで呼ばれたんですか……?」

翔鶴「でも確かに実用性のないものは手に余りますね、でも……」

瑞鶴「帰っていい?」

提督「まあ待て」

照月「秋月姉の為ならこの照月、頑張ります! ええ!」

瑞鶴「私もやるのぉ? これ絶対翔鶴姉のオマケでしょ~」

提督「頼む、勿論タダでとは言うつもりはない、それ相応の報酬を出すぞ?」

瑞鶴「……なに?」

提督「聞いて驚け! ……そうだな」

瑞鶴「考えてないじゃん! 報酬とか今思いついたでしょ」

提督「正直ノーリワードの予定だった」

瑞鶴「リワードという単語は知らないけど意味は分かった」


照月「じゃあ間宮kむぐっ!?」ググッ

瑞鶴「待って! こういう時はもっと凄く高い物要求するべきなのよ」ニヤリ

翔鶴(瑞鶴が姉として恥ずかしいくらい悪い顔してるわ)

提督「間宮券か? それぐらいなら」

瑞鶴「待った!」

提督「ぬ」

瑞鶴「……外食」

提督「……ファミレスか?」

瑞鶴「…………お寿司」

提督「回るやつ、だよな」

瑞鶴「回らないやつ」

提督「よーし! 一人で考えるかぁ! 三人とも戻っていいぞー……」ガシッ

瑞鶴「いえいえ、とても素晴らしい案が浮かびそうなの、是非っとも協力させてね提督さん?」ズイッ

提督「んー? な、何も聞こえないなぁー」

瑞鶴「提督さん」ズイズイッ


提督「…………ま、回る方で、勘弁してください!」ドゲザァ

瑞鶴「うわっちょ!」

照月「司令!?」

翔鶴「提督!? やめてくださいそんな……! 瑞鶴!」

瑞鶴「うぇ!? だ、だって……わ、分かったわよ、回転でいいわよ」

提督(回転でも空母2隻はつらいんだけども)

照月「司令、頭を上げて下さい」

提督「情けねぇ」

翔鶴「瑞鶴、反省しなさい」

瑞鶴「うぅ……」

提督「……まあいいんだ、ところで上げて下さいって文字に起こすとどっちだよってなるな」

照月「え、えぇ……はい……?」

提督「他に何か良い言い換えの言葉とかあるのかね?」

照月「えっとえっと……思い付かない、です」

提督「翔鶴は何か思い付かないか?」

翔鶴「……頭をお戻し下さい?」

瑞鶴「結局下さいなのは変わってない……わね」

提督「まあこの件は保留、というわけで秋月への贈り物を考えるぞ」

翔鶴(今のってもしかして空気を変えるため……? 流石に不器用が過ぎるんじゃ)

提督「俺は本なんてどうかと思うんだ、季節は秋の恋愛モノとか?」

瑞鶴「じゃあもうそれでいいじゃない……」ハァ

翔鶴「ほ、本も良いけれど私は何か甘いお菓子が良いと思います」

照月「甘い、お菓子」ポワポワ

提督「お菓子ねぇ、秋っぽいならもみじ饅頭?」

瑞鶴「甘いお菓子かな? 渋くない?」

提督「いやいや、もみじ饅頭なら老若男女にウケるだろう」

翔鶴「ですが広島までいくのですか?」

提督「今時ならその辺で買えるだろ、モールとか行けば」

提督「本場っていうことなら呉に行く用事でも作って買いに行こう」

瑞鶴「え、そこまでするの……?」

提督「当たり前だ、秋月の為ならブラジルにだって飛ぶぞ」

翔鶴・瑞鶴・照月「……」


瑞鶴「(翔鶴姉、提督ってもしかしてだけどさ)」クルッ

翔鶴「(瑞鶴もそう思う?)」

照月「(あ、やっぱりそうなんですか?)」

翔鶴「(ええ、多分)」

照月「(秋月姉と提督……)」

瑞鶴「(え゙っ、でも駆逐艦相手って、ロリk)」

翔鶴「(瑞鶴)」

瑞鶴「(はい)」

翔鶴「(やめなさい)」

瑞鶴「(あい)」

照月(怖い)

提督「どうしたんだ、皆後ろ向いて」

瑞鶴「いえいえなんでもないデース」クルッ

提督「なんだそれは金剛のマネか? 似てないぞ」

照月「もみじ饅頭、有り!だと思います!」

翔鶴「ええ、近くで探すのが良いかと」

提督「お、そうか! お前達がそういうなら間違いないだろう」

提督「良し買ってくる、少し秘書っててくれ!」ダッ


バタン!!

翔鶴「……」

照月「……」

瑞鶴「……いや、秘書っててって、誰がよ」

照月「私達で、でしょうか?」

翔鶴「……秘書の仕事なら一人で十分ね、二人は戻ってていいわよ」

瑞鶴「いや、それよりも話すべきことがあると思うの」

照月「はい」コクコク

翔鶴「提督と秋月さんの事? あまり首を突っ込むのは野暮だと思うけど……」

瑞鶴「いやまぁ、そうなんだけど……ていうか提督と艦娘の恋愛って有りなの?」

翔鶴「カッコカリを大本営が勧めているのだから問題無いと思うけれど」

照月「有り、ですね!」

瑞鶴「それ言いたいだけでしょ」

照月「えへへ」

瑞鶴「でも例え有りだとしても、駆逐艦……うーん」

照月「でも駆逐艦娘とカッコカリをしている提督も多く居るって聞いたことあります!」


瑞鶴「あー分かんない! でも提督が秋月を...その、好きなのは確かよね!」

照月「ひゃー!」

翔鶴「そ、そうね、態度からしてそうだと思うわ」

瑞鶴「ならやる事は一つね! 提督さんの後押ししてやろうじゃないの!」

照月「そうですね! 秋月姉のため!」

翔鶴「ず、瑞鶴」

瑞鶴「そうと決まれば作戦立てよ、私達の部屋に行くわよ!」

照月「空母寮ですか!?」アワワ

瑞鶴「行こう翔鶴姉!」

翔鶴「あー……」

翔鶴(良くない方へ進んでいく……気がするわ)

――

翔鶴「そういえば秘書艦任務」

瑞鶴「あー……じゃあ翔鶴姉は執務室に」

翔鶴(……瑞鶴だけだと絶対に良くないことになる気がする、私が見ていないと)

翔鶴「秋月さんに頼んでくるわね」ハァ


――――

秋月「秘書艦任務……何を」ポツン

今回は以上です

極力毎日投下したいので一回が短めです、ご容赦を


正直瑞鶴より秋月型のほうがどこがとは言わないけど育って

瑞[ピーーー]

乙です。
カッコカリをしないと決めてる俺は勝ってるのか負けてるのかどっちだろう?


空母寮・翔鶴型部屋

照月「ひ、広い……」キョロキョロ

瑞鶴「それで作戦だけど」アグラ

翔鶴「瑞鶴」セイザ

瑞鶴「正座は無理、耐えらんない」

翔鶴「照月さんの前よ、みっともないわ」

照月「お、お気になさらず……楽な姿勢で」

瑞鶴「ほら、照月もそういってるし、ね?」

翔鶴「もぅ」

瑞鶴「で、作戦なんだけど、提督さんは秋月が好きで贈り物をしまくってるわけでしょ?」

翔鶴「えぇ」

瑞鶴「ならこの場合簡単なのはプレゼントと一緒に思いの丈をぶつけるってことよね」

照月「そうですね、でもそれじゃあ作戦なんて要らないのでは」

翔鶴「それに、それを行うなら提督本人に気付かせて促す必要があるわよ?」

瑞鶴「そこで私達の作戦が出てくる訳ね」ピン

照月「なるほど……それで一体作戦が」

瑞鶴「そうね…………ふむ」

翔鶴「……考えてないのね」ハァ

瑞鶴「うぅ」

照月「提督が秋月姉にプレゼントと一緒に告白をする……てことなのかぁ」

照月「秋月姉驚くだろうなぁ」

翔鶴「……驚く……これって、秋月さんは気づいているのかしら」

瑞鶴「これ……ていうのはつまり、提督の好意?」

翔鶴「ええ、それと逆に秋月さん自身が提督をどう思っているのか」

瑞鶴「秋月が提督を好きかどうか……え、でも流石に気づいてるんじゃ」

照月「……秋月姉って結構抜けてるところあるし……普段もそういう素振りって見ない気が、します」

翔鶴「自覚していない、という可能性もあるわね」

照月「何より艦娘は恋愛に縁が遠いですから」

翔鶴「そうなると提督が振られるということも、秋月さんが突然の事に混乱・動揺して関係が悪くなる、なんてことも考えられるわ」


瑞鶴「そうなったら、それを嗾けた私達の責任になっちゃう……てことね」

照月「秋月姉も提督も傷付くのは嫌です……」

翔鶴「やっぱり余計な介入は」

瑞鶴「よし! それとなく二人の心境を探り出そうじゃないの!」タチアガリ

照月「はい!」

翔鶴(聞く耳持ってくれないわ……まあ探るくらいなら)

――――

瑞鶴「先ずは秋月よ、提督が帰ってくる前に探り入れるわ!」

――執務室

提督「ただいまーっと」

秋月「お帰りなさい司令、何処かにお出かけでしたか?」

提督「あれ秋月? 翔鶴たちは?」

秋月「翔鶴さんから秘書艦を任されました、何やらやらなければいけない事が出来たとかで」

提督「何やってんだあの三人」

秋月「三人?」

提督「あいや何でもない」

秋月「そうですか……? その袋は?」

提督「何ともないただのお菓子だよ」

秋月「なるほど、とりあえずお茶淹れてきますね」

提督「ありがとう」

秋月(何故今わざわざ外までお菓子を? まあ司令は常によく分からない事しますし不思議ではないような)カチャカチャ

秋月(……でも最近の司令の行動からすると、もしかしてまた私に?)サッサッ

秋月(まさかまさか、でも可能性は確かに……言うのはおこがましいし)コポコポ

秋月(……ところで別棟からこっちを見ている瑞鶴さんは一体、あ、隠れた)カタ

秋月「お茶持ってきました」

秋月(何だったんでしょうか)


――

瑞鶴「見られてた?」

翔鶴「多分、瑞鶴だけ」

瑞鶴「警戒を怠ったわ。防空駆逐艦、侮れないわね」

照月「あまり関係ないような……」

瑞鶴「しかし提督さんがこんなにすぐ帰ってくるなんて想定してなかったわ」

照月「ということはもう渡したんでしょうか」

翔鶴「提督がそんなにすぐに渡したりするかしら」

瑞鶴「確かに勿体ぶりそうな気もするけど、でも感極まって投げ付けるまであるわよ」

照月「瑞鶴さんは提督を一体なんだと……」

翔鶴「じゃあ今回は見送って、またいつかという事にしましょう?」

瑞鶴「いや、善は急げって言うじゃない翔鶴姉!」

翔鶴(何で話を聞き入れてくれないのかしら、それに全く善ですらない気がするわ)

瑞鶴「こうなったら最終手段ね、突貫するわよ!」

照月「声あげるんですか!?」

瑞鶴「普通に突撃よ! 吶喊じゃないわ!」

照月「え、ええっ?」

翔鶴「待って――」

瑞鶴「さあいくわよ!」ダッ!

照月「は、はい!」ダッ!

翔鶴(待ってくれないわ!)ダッ!


執務室

提督「やはりお茶は落ち着くな」ズズ

秋月「そうですねぇ」ズズ

提督「そうだよな、お茶は美味い……だがこうお茶だけだと何か物足りないな」

秋月「そうですか?」

提督「そうだとも、お茶といえば和菓子が大事だよなあそうだよなぁ」

秋月(あっ、この流れは)ソワソワ

秋月(て、いけない! 司令から何かを貰うのが楽しみになってる!?)

提督「さあ秋月、手を出しt

ドアバン!

瑞鶴「いやーごめんね提督さん! 用事終わったから翔鶴姉返すね!」

照月「あ、秋月姉、間宮さんのところでで甘味でも食べに行こう?」テヲツナギ

秋月「え、え?」グイ

瑞鶴「いやーほんとごめんねー、失礼しました!」ダダダ

照月「失礼しましたぁ」ソサクサ

秋月「え、え、えぇ!?」

提督「ぇ……?」ポカン

翔鶴「はぁはぁ、瑞鶴ちょっとまって……あれ、瑞鶴? どこ?」ハァハァ

提督「…………えっと、つまり翔鶴が秘書艦任務に戻るって事でいいのか?」

翔鶴「えっ! あ、はい……そういう事になるのでしょうか?」

提督「……大変だな」

翔鶴「うぅ」


翔鶴「瑞鶴はもう少し落ち着きを持ってもらわないといけないわね」

提督「ま、元気なのはいい事さ」

翔鶴「提督は優しすぎます、甘やかし過ぎるのも問題ですよ」

提督「て言ってもなぁ、意識してやってるわけじゃないから仕方ないよ」

提督「それに俺はここで座ってるだけの役柄だし、鎮守府は艦娘にとっての唯一の場所でもあるだろ」

提督「だからここにいる時ぐらいは気の休まる思いをしてもらいたいよ」

翔鶴「ですが」

提督「なに、問題があったなら素直に怒るさ」

翔鶴「……問題が起きてからでは遅いのでは」

提督「それもそうだな、まぁ俺は皆をちゃんと見てるから大丈夫だろ、信じてるとも言うがな」

翔鶴「やはり優しすぎます、だから皆……」

翔鶴(この方を好きになる)

翔鶴(……多分秋月さんは提督の事を好きでいて、提督だってその筈)

翔鶴(ならこのままで順風満帆、私達がさらに追い風立てる必要なんて無い)

翔鶴(むしろ、それらを妨害してしまうのだとしたら)

提督「ん?」

翔鶴「いえ、残っている仕事を片付けましょう」

提督「そうだな、その前にお茶のおかわりを頼めるか?」

翔鶴「はい」


翔鶴(今私はどちらの後ろに立つべきか)

今回はここまで
この辺りから場面転換多いので書くのが非常に楽しいです

乙乙です

おつ

極力毎日投下したいと言った途端のこれで本当に申し訳ない
全く書けなかったので無しです、という報告だけ

まあ仕方ないね

なんとかキリが良いところまで書けたので投下していきます


――甘味処・間宮

大井「北上さんほっぺにクリームが付いてますよ」

北上「え、ほんと? 取ってー」

大井「わわわ分かりました、行きますよ」ハァハァ


瑞鶴「ヤバイのいるよ」

間宮「いらっしゃい、珍しい組み合わせね」

照月「こんにちは間宮さん」

秋月「こんにちは」

瑞鶴「そうですか? まあ色々成り行きってやつです」

間宮「そうなの、まあ私は本館での様子を見ているわけじゃないから、珍しいなんていうのは勝手だったわね、ごめんなさい」

瑞鶴「いえいえ! 珍しいのは事実ですし」アセアセ

間宮「ふふ、さあご注文は?」

瑞鶴「あ、二人とも私が奢るから好きなの頼んでいいわよ」

秋月「え! そ、そんな悪いですよ」

照月「そうです!」

瑞鶴「ていっても凄い強引に連れてきちゃったしなんか色々……とにかく奢る、むしろ奢らせて」

照月「で、でも」

瑞鶴「空母って使いきれないくらい給料良いのよ」ドヤ

秋月「……分かりました、急に連れてこられたのありますし高いの頼みます」

照月「ちょ秋月姉」アセ

瑞鶴「いいのよ、こう言えば頼んでくれるでしょ?」

秋月「特大スペシャル間宮パフェDX!」

瑞鶴「むしろ怒った?」


――

間宮「はい、お待ちどうさま」ドン

瑞鶴(聳え立つパフェー)

瑞鶴「食べ切れるの?」

秋月「…………」ポカン

瑞鶴「頼む前に気付くべきだったわね……これは」

秋月「い、いけます」

照月「秋月姉、照月何も頼まなかったから、手伝うから、ね?」

瑞鶴「無理しないでね?」

間宮「はい、あんみつもお待ちどうさま」コト

瑞鶴「ありがとうございます」

間宮「どうぞごゆっくり」

瑞鶴「それじゃあ頂きます」

秋月「い、いただきます」ヒョイパク

秋月「おいひぃ!」

瑞鶴「まあ間宮さんが作ってるんだもの、そりゃそうよ」パク

秋月「ん……そうですよね! これなら全部いける……気はしないです」

照月「私も手伝うからいけるよ秋月姉!」

瑞鶴「まぁそれでちょっと聞きたいことあるんだけど」パクパク

秋月「聞きたいこと、ですか? ……はい照月あーん」

照月「あー」

瑞鶴「秋月って提督さんの事好き?」

秋月「んんっ!?」ゴスッ

照月「ア゙ッ゙!」


――――

照月「ずずず瑞鶴さん!?」

瑞鶴「なんで照月が驚いてるのよ」

照月「だだだって」

照月(それとなく聞くって)

秋月「そ、その……司令のこと、えっと」カオマッカ

瑞鶴「あ、勿論司令官としてっていうか人間としてってやつね、ライクってやつ」

秋月「す……へぁ?」

瑞鶴「どうな訳?」

秋月「そ、それはもう信頼してますし……です」

瑞鶴「まあそれなりに秘書艦もやってるもんね、それもそっか」

秋月「……はい」フゥ

瑞鶴「(まあもう確証は取れたでしょ、後は提督の方ね)」

照月(事前に言っておいてほしいよぉ……心臓に悪い)ハァ

瑞鶴(提督の方は一筋縄じゃあ行かなそうだなぁ、あーいうのは行動で出来てるから気持ちがついてきてなさそうだし)

瑞鶴「翔鶴姉聞いといてくれるかな」ボソ

秋月「?」

照月「秋月姉パフェ倒れちゃうっ」

瑞鶴(翔鶴姉こういうの何も言えないかなぁ)


――執務室

提督「終わんねぇ」カキカキ

翔鶴「午前中を殆ど話し合いと外出に使ってたからですよ」カキカキ

提督「その上結局秋月にこれ渡せてないしな」ガサガサ

翔鶴「すみません、瑞鶴には後で言っておきます」

提督「翔鶴が謝る必要は無い、勿論瑞鶴もだ」

提督「まああれだけ話し合ったんだから察して欲しかったがな」ハハハ

翔鶴「…………」

提督「……」

提督「翔鶴は瑞鶴達の所にいかなくていいのか」

翔鶴「いえ、私は」

提督「行ってもいいんだぞ?」

翔鶴「提督一人に仕事を任せる訳にはいきません、それに秘書艦ですし」

提督「……書類はもうすぐ片付くぞ」

翔鶴「それでもです、今の提督は一人にしたらすぐに秋月さんのところに行ってしまいそうですし」

提督「かもしれないな」

翔鶴「そしたらまた提督と会うことになりますね」

提督「嫌なのか?」

翔鶴「まさか、……ただ」

提督「……ただ?」

翔鶴「提督はそれを嫌だと思うのでしょうか」


提督「何でそんな事俺が…………いや、もうこんな時間だ、手を動かそう」ペラ

翔鶴「話を逸らすのですか?」

提督「そんなつもりは無い、ただ仕事が進まないだけだ、翔鶴も手を」カキカキ

翔鶴「秋月さんの事好きなんですか?」

提督「っ」ガッ

翔鶴「やはりそうなのですか」

提督「さっきから何なんだっ、突然仕事の邪魔でもしたくなったか?」

翔鶴「何なのかは提督の方です!」ガタッ

提督「な、なんだ、どうして怒ってるんだよ」ビク

翔鶴「私は話を逸らさずにしっかりと答えて欲しいだけです」

提督「なんで」

翔鶴「答えてください」

提督「…………」

翔鶴「…………」

提督「翔鶴は、秋月が来た時の事を覚えてるか?」

翔鶴「……はい、渾作戦での功績を讃えられてこの鎮守府に配属されたのを記憶しています」

提督「その時から、秋月はいつも笑うんだ」

提督「何かをしてもらったり、物を貰ったり、秋月はその度に必ずよく笑うんだよ」

提督「もう何かを貰うって事がとにかく嬉しいんだろう、ましてや何かをあげる時もそれはよく笑う」

提督「それぐらいなら誰でも、と思うかもしれないが秋月の笑顔はちょっと違った」

翔鶴「違う?」

提督「あぁ、多分それは本物だからなんだと思う」

翔鶴「本物ですか、心から笑っているとかでしょうか……でもそれは」


提督「…………」

提督「……かっこつけて言ってみたけどどれもこれも秋月に限った事じゃないな、これ」

翔鶴「はい」

提督「やっぱあれだ、恋は盲目? 好きになるのに理由は無いんだよ」

翔鶴「好きなのは認めるんですね」

提督「ここまでされちゃぁな……好きだよ、俺は秋月が好きだ」

提督「ていうか好きじゃなかったら毎度毎度懲りずにプレゼントなんしないだろ?」

翔鶴「ストーカーじみてる事自覚してますか?」

提督「マジで?」

翔鶴「傍から見ればそう見えなくもないです」

提督「……秋月に嫌われてたらどうしよう」ガクブル

翔鶴「どうでしょうね」シレッ

提督「そんな……じゃあこの菓子も」

翔鶴「少なくとも本人がそれを嫌だと思っていないのだとしたら」

翔鶴「良かれ悪しかれ、今は提督のしてあげたい事をすべきではないでしょうか」

提督「……それでいいのか」

翔鶴「秋月さんなら、提督から貰えるものは何でも嬉しいと思いますよ?」

提督「そう、かな」

翔鶴「そうです、今提督がそう言っていたではないですか」

提督「そうだ、そうだったな」


翔鶴「決まりましたか?」

提督「ああ、あと少し続けるよ」

翔鶴「あと少しですか」

提督「時至れば伝えるさ」

翔鶴「そうですか」

提督「翔鶴に言えてよかった、何だか気持ちが軽くなった」

翔鶴「…………当人の気も知らないで」フイ

提督「ん? 何だ?」

翔鶴「何でもないですよ」

カチ…カチ…カチ

翔鶴「……ヒトロクマルマルです、夕日が綺麗ですね、提督」

提督「ああそうだな、綺麗だ」

翔鶴「提督は秋月さんのところに行ってもいいんですよ?」

翔鶴「後は書類を纏めるだけですから」

提督「秘書艦に仕事丸投げする司令官があるものか」

翔鶴「ええそうです、では一緒に終わらせましょうか」

提督「……翔鶴には敵わないな」

翔鶴「ここの一番長ーい秘書艦ですから、ふふ」


――――

提督(何が後は書類を纏めるだけなんだか、結局こんな時間じゃあないか)

提督(さてと、仕事も終わって翔鶴も帰らせた)

提督「後やることは……あれを」

コンコン

提督「ん? どうぞ」

秋月「失礼します」ガチャ

提督「秋月? どうした」

秋月「いえ、あの後瑞鶴さんと照月に連れられて色々あったので……仕事とかは問題ないでしょうか」

提督「ああ、翔鶴が秘書艦引き継いだから今日やる事はもうないよ」

提督「元々翔鶴に秘書艦頼んでたんだから秋月は何も気にすることは無い」

秋月「はい、ならよかったです……それでは」

提督「そうだちょっと待て、せっかく来たんだからお茶の一杯でも出すよ」

秋月「い、いえでも」

提督「いいんだ、ちょっと軽く話でもしたい気分だ」

秋月「分かりました、でもお茶は秋月が入れます」

提督「そこは譲ってくれないのなぁ、ありがとう」

秋月「司令にやらせて秋月が何もしないというのは嫌なだけです」

提督「お茶の入れ方も忘れちゃいそうだなぁ」

秋月「流石に大袈裟ですよ、いつも淹れている訳ではないですし」

提督「いやなに、大袈裟な話をしているんだからな」ハハハ

秋月「なんですかそれは」フフ


秋月「お茶入りました」コト

提督「ありがとう」

秋月「それでなんの話を? 」

提督「大した話はするつもりは無いんだがな、そうだな……最近はどうだ?」

秋月「何も話が思いつかないんですか……」

提督「話したい事なんてのは話していれば出てくるだろう、それで?」

秋月「最近ですか、特に無いような」

提督「寮での話や出撃中に何かあったとか、そういうのあるだろう」

秋月「寮では照月と一緒ですから楽しいですし、出撃は作戦中ですし」

提督「じゃあ今日は? 瑞鶴と照月と一緒に間宮に行ったんだろう? 何か面白いことはあったか?」

秋月「そうですね、雷巡のお二人が今日も楽しそうにお話ししていました」

提督「あの二人いつも間宮にいるな……大井は北上といると暴走しがちだが問題なかっただろうか」

秋月「はい、お店にはいましたが話したり等はしませんでしたので」

提督「そうか、ならいいが」

秋月「あとは……あの巨大なパフェを食べました!」

提督「特大間宮スペシャルパフェDXをかっ!?」

秋月「はい!」

提督「く、食えたのか……?」

秋月「照月と瑞鶴さんに手伝ってもらって……なんとか」

提督「いやまぁ、あれは大食い組筆頭の赤城用だしな」

秋月「凄く時間かかってしまいましたが」

提督「食えただけでも素直に凄いけどな……」

秋月「その後赤城さんがあのパフェを二杯食べたんです」

提督「本人も来てたのか、てか二杯って……相変わらずというか、それは元気で良い事なんだが何だかなぁ」

秋月「……」フーム


提督「どうした?」

秋月「いえ、司令はやはりお優しいですよね」

提督「そうだろうか、今日翔鶴にも同じような事言われたが、普通にしてるだけなんだぞ」

提督「綺麗な人間なんていないんだ、俺だって嫌いな人はいる、心の中でそいつの悪口を言うことだってある」

提督「俺はそんな汚い人間だぞ」

秋月「そうかも知れませんが、司令はお優しいですよ」

提督「なんだそれは」

秋月「謙遜とか自己嫌悪が過ぎますけど、そう言える人間は決して汚い人間何かではないと思います」

秋月「秋月はそういう司令が好きですので」ゴクゴク

提督「!?」ガタッ

秋月「んっ!?」ビクッ

秋月「けほっけほっ……どうしました司令!?」ガタ

提督「い、いやお前っ」

秋月「え? あ、ああちがっ! そういう事ではなくて、人として! ですっ!」ブンブン

提督「あ、ああ! だよなっ! うん……だよな」

秋月「……はい」

提督「…………とりあえず座ろうか、そして落ち着こう」

秋月「はい」

提督「…………ふう」ズズ

秋月「……」ズズ


提督「そうだ、もうお茶も少ないが」ガサガサ

秋月「いつもの、ですか」

提督「秋月も分かってきたな」クク

秋月「それはまぁ、最近毎日ですからね」

提督「これから日課にしてもいいぐらいだが、秋月が迷惑なら止めるぞ?」

秋月「そんな迷惑なんて、秋月は嬉しいです……迷惑だなんて思ったこともないですよ」

提督「そう言ってくれると助かるが、本当に嫌ならしっかり言ってくれよ」

秋月「ですから! ……嫌じゃないですから」

提督「……すまない」

秋月「司令は少し自虐的じゃないですか?」

提督「何分性分でな」

提督「さあ、手を出してくれ」

秋月「間宮さんの所に行く前に言っていた、和菓子がどうのって」

提督「そういうことになるな、ほれ」ポン

秋月「あっこれ知ってます! もみじ饅頭ですね」

提督「知っていたか」

秋月「それは勿論、もみじ饅頭は秋月が造られた時にはもうありましたから」

提督「そうだったのか」

秋月「紅葉型焼饅頭とか色々名称ありましたけど」

提督「そういった事、よく知っているな」

秋月「そういえば、何故でしょう?」

提督「何故? とはどういう」

秋月「いえ、その昔に実際に見た事ある訳ではないような……乗組員の話でも聞いたのでしょうか」

提督「ふむ、そういった記憶の謎もまだまだ解明されていないからな」


秋月「それで、食べて良いんですよね?」

提督「そんなキラキラした目で見られてダメだなんて言える程Sっ気は無いぞ?」

秋月「S?」

提督「秋月は知らないままでいてくれよ」

秋月「ん? はい……?」

提督「それにしても饅頭は美味い、お茶によく合う」

秋月「なんだか落ち着きますよね、洋菓子も好きですが洋菓子だと何だかこう、明るい感じで」

提督「なんだそりゃ」

秋月「とにかくそんな感じなんです!」

提督「そうだな、秋月も明るい感じでいいと思うぞ」

秋月「それはどういうことでしょうか?」

提督「一緒にいて飽きない、ということだろうか」

秋月「……面白がってます?」

提督「かもな」

秋月「司令はヒドイです、秋月の気持ちを弄びました」

提督「おいおい可笑しな事を言うなよ、俺は秋月の気持ちをこれでもかと考えているぞ」

秋月「何ですか……」

提督「さあ、食べ終えたならもう寝る準備でもしなさい、歯磨きを忘れないように」

秋月「ですが」

提督「艦娘寮の消灯時間はフタヒトマルマルだぞー、過ぎたら見回りの怖ーい軽巡に怒られるぞー」

秋月「そんな子供相手みたいな言い方しないで……あれ今何分ですか!?」

提督「そうだな、四五分を過ぎたところだ」

秋月「あああ今日の見回り当番は神通さん……し、司令! 秋月はすぐに部屋に戻ります!」

提督「おう、気をつけてな」

秋月「では、失礼しました!」ダッ

提督「歯磨き忘れるなよー?」

今回はここまで

お菓子食べさせた直後に寝ろって言うの、どうなんでしょうね

おつおつ

自分の中のキャラクター像が凝り固まってしまってるので
今回はちょっとキャラ崩壊注意です


七日目――

提督「ふあぁ~……ぁ、あ゙ぁ゙ぁ」

翔鶴「凄い欠伸でしたね、お疲れですか?」

提督「いやあちょっと探し物に時間とられてな」

翔鶴「身の周りの状況把握を怠るのは艦隊を預かる身の上あまり感心しませんが」

提督「といってもアレってそう簡単に無くすものかねぇ、確かに引き出しに入れたはず」ガラ

提督「それで無いとなると、俺の与り知らぬ所で何かがあったのだろうか……でももう諦めるしかないか」

翔鶴「差し出がましいことを言うようですが、いったい何を無くされたのですか?」

提督「…………」

翔鶴「提督?」

提督「いや……しかし、翔鶴なら」

翔鶴「?」

提督「まあ昨日あそこまで知れたわけだしな、翔鶴には話すよ……ただ」

翔鶴「他言無用ですか?」

提督「そうだ、よくわかったな」

翔鶴「分かりますよ、私そこまで察しの悪い女ではないですから」

提督「そうだよな、悪かったな疑ってかかるような真似をして」

翔鶴「いえ、提督がそういう方なのもとっくに知っていますから」

提督「ははは……やっぱ翔鶴には敵わない」

提督「それで探し物なんだが、昨日秋月には時が至れば気持ちを伝える、と翔鶴に言ったがそれがこの紛失事件と関わっているわけだ」

翔鶴「といいますと?」

提督「ああ、実は――


翔鶴「なるほど、それは確かに一大事ですね」

提督「ああ、だから探し回っているんだがどうにも見つからない、この部屋じゃないのかどうか」

翔鶴「ですが入れ物は残っている、と」

提督「そうだ、本当に不思議でならない」

翔鶴「そうですね……今日は秋月さんは?」

提督「出撃中だ、帰るまでは大分時間は掛かる」

翔鶴「到着時間まで探せますね」

提督「いや作戦指揮は大淀に任せてある、十四時くらいに経過を聞きに行くよ」

翔鶴「私は昼食までの間ですがお手伝いしますので、提督の大事なものを見つけましょう」

提督「昼過ぎは演習だものな、そっちにも顔は出すが、じゃあ探すか……ていっても、俺はここ数日この部屋をこれでもかと探し回った」

提督「だが無いんだ、となるとやはり他のどこかって事にならないか」

翔鶴「その可能性もありますが、とりあえずは見落としでないか、この部屋を探してみましょう」

提督「よし、机周りは調べつくしたからそれ以外を調べよう」

翔鶴「机の下は見ましたか?」

提督「ああ、動かしてみたがやはりなかった」

翔鶴「なるほど、では私はあの棚を」

提督「俺はまずソファーあたりを」


――

翔鶴「ないですねぇ」

提督「はぁ……はぁ、ない、なぁ」ゼハー

翔鶴「お疲れですね」

提督「お前が、棚もソファーもっ、動かして調べようなんて……はぁ、言うからだろうに」フゥ

翔鶴「それにしても提督は体力が無いですよね、もう少しトレーニングでも……」

提督「艦娘と比べないでくれ、俺は書類仕事だって大量にあるんだぞ……ほぼそれしか無いんだけど」

翔鶴「そうですけど……しかしありませんでしたね」

提督「だなぁ、誰かが持ち出したか俺が持ち出してどこかに置いてきたか」

翔鶴「心当たりはありますか?」

提督「あるわけないだろう、あったらとっくに探しているんだから」

翔鶴「手詰まりですかねぇ、執務室によく出入りしている人に聞きに行ってみましょうか」

提督「出入り……している子は多すぎるぞ、絞り切れない」

翔鶴「では特に多い人は?」

提督「秋月」

翔鶴「ですよね、秋月さん以外に」

提督「それは翔鶴だろう」

翔鶴「……なるほど、では秋月さんと私以外に何人か」

提督「そんなに把握しきれている訳では無いんだぞ……任務の関係で大淀は良く出入りする、装備関係で明石も」

提督「あとは、青葉……金剛とおまけの姉妹達ぐらいか」

翔鶴「あまり疑りたくは無いのですが、青葉さんは怪しいですね」

提督「いや待て、青葉は確かに怪しい行動も多いが人の物を無断で持ち去るような奴じゃない、勿論他のやつもそうだと言いたいが」

翔鶴「盗み聞きをしては言いふらすような人ですが物は盗みませんからそうですね」

翔鶴「となると明石さんか、金剛さん?」

提督「規律を重んじる大淀はそんな事はしないし、可能性が拭い切れないのはその二人か? だが俺は二人を疑いたくないぞ」

翔鶴「では疑うことがなくなるように潔白を証明しに行きましょう」

提督「おう……ん?」


――金剛型の部屋の前

提督(なんか丸め込まれた気がする)

提督「正直艦娘寮に入るのは落ち着かない、さっさと済ませて工廠に行こう」

翔鶴「提督ですから問題はないと思いますが、そうしましょう」

提督「おーい金剛、いるか?」コンコン

テ、テイトクゥ!?
ヒエー、メズラシイデスネ
ナニカアッタノデショウカ

金剛「ヘェーイ! 何ですカー?」ガチャ

提督「ああちょっとな、時間大丈夫か?」

金剛「オーケーだヨ、問題nothing!」

提督「ならよかった、みんなに話があるから少し入れてくれ」

翔鶴「お時間は取らせませんので」

金剛「Oh...翔鶴もいるという事は仕事の話デスカー?」ドゾドゾー

提督「いやぁ任務とかなら放送で招集するんだが如何せん個人的な話だからな」

金剛「こ、個人的な話……!」ソレッテマサカ

比叡「それは無いですよーお姉さま」シレ

榛名「こんにちは提督」

霧島「今席をご用意します」

提督「そんな気を遣わなくても」

金剛「とっておきの紅茶も出すネー、ゆっくりしていってヨー!」

提督「んーまぁ、お言葉に甘えるか」

翔鶴「目的はお忘れのないように」

提督「分かっているよ」


金剛「手作りスコーンは用意できませんが美味しいお菓子を開けマース!」

榛名「お手伝いします」

比叡「お煎餅食べたいなぁ」ポケー

霧島「それで話というのは?」

提督「ああ、ちょっと聞きたいことなんだが、執務室からあるものがなくなってな」

金剛型「!?」ビク

翔鶴(ん?)

提督「探しても見つからなかったからもしかしたら誰かが持っていってしまったのかと思ってな」

提督「もちろん君たちを疑っているわけではないんだが、確認してみないことには潔白も証明できないからな」

比叡「ぅおっほん、しかしそれは心当たりがありませんねお姉さま」

金剛「Yes, I don't know」

霧島「提督にご執心の金剛お姉さまでも流石に物を盗む何てことはしませんね」

榛名「そそそそうです、はい」

翔鶴「流れで金剛さんだけが疑われているようになっていますが、皆さんもですよ?」

霧島「それは不思議な話です、まず第一に私たち比叡姉さま以下三人は提督に対して何の気も思っていません、それで何を取るというのでしょうか」

榛名「エッ」

比叡「んーまあ極論だけどそれに近しい感じですね(榛名以外は)」

翔鶴「提督をなんとも思っていないから何も取らない、というのはそれこそ随分と極論ですけどね」

霧島「そんな考えでいると見つかる答えも見つかりませんよ? それともなんですか、私たちに冤罪でもかけたいんですか? 運なし空母さん」メガネクイ

翔鶴「いえいえまさかそんな、極論より曲解と言った方がよろしかったでしょうか、それと私の書類上運数値は空母の並程度ですよ、脳筋メガネさん」ニコニコ

提督「なんでお前らそんなピリピリしてんだよ落ち着けよ」


比叡「えーと司令、何が無くなったんですか?」

提督「ああちょっと言い辛いんだがなぁ、えーと」

翔鶴「! 提督のサインペンが無くなってしまったんですよ」

金剛型「……!」

提督「ん? サインペンなら」

翔鶴「重要な書類のサインに必要なんですが、なくなって困っているんです」

金剛「sign……pen?」

霧島「サインペン、ですか?」

翔鶴「はい」

比叡「……」

榛名「サインペン、でしたか」ホッ

金剛「フゥ」ホッ

翔鶴「不思議ですね、なぜ金剛さんと榛名さんはホッとしているのでしょうか?」

金剛・榛名「っ!」ビク

比叡(あーらら)アチャー

提督「まさか……君たちが?」

翔鶴「少し鎌をかけてみました、最初に提督が聞いたときに反応していたのを見逃してはいませんでしたよ?」

提督「え? 見逃してた」

金剛「うぅ」

榛名「お姉さま……悪いのは、榛名で」

比叡「まぁもう隠し通すのは無理かな、すみません司令、隠し事をしてしまって」

霧島「……はぁ」


提督「じゃあやっぱり」

比叡「悪気があったわけじゃないですし、見てて止めなかった私の不行き届きってことで私の責任で許してください」

榛名「そんな! お姉さまは悪くありません! 榛名が悪いんです!」

金剛「やめるネ二人とも、これは私の勝手が招いた事、悪いのは私デス」

比叡「あーじゃあ悪いのはみんなって事になるけど」

霧島「私は何もしていません、止めた方が良いと注意はしましたが」

提督「だが事が事だからな、結果はどうであれ物を勝手に持っていくってのは盗むって事だし、黙っているのもなぁ」

金剛「うう……私と榛名で取り合いをして」

榛名「……はい」

翔鶴(取り合い、なんかドロドロしてきました)

霧島「それで落として割れてしまって、証拠隠滅のために持ち帰ったというわけです」

比叡「霧島、言い方言い方」

提督「なるほどな……」

翔鶴「……」

提督・翔鶴「ん?」

金剛型「?」

提督「割れた? 何が」

霧島「執務室の花瓶ですよ?」

提督・翔鶴「花瓶!?」


提督「ちょっと待ってくれ……あー、なるほどな」

翔鶴「これはこれは、何と言いますか」

榛名「どういうことでしょう?」

提督「ちょっと確認させてくれ、君たちが持ち帰ったのは?」

比叡「落として割れた花瓶の破片ですよ」

金剛「花瓶のwaterを変えようとして榛名と仕事の取り合いになったんデース」

榛名「それで落としてしまって」

比叡「私も茶化して拍車をかけてしまいました」

提督「こりゃあ随分噛み合ってなかったなぁ」

金剛「一体どういうことデース?」

翔鶴「えっとつまりですね、私たちが探しているのは花瓶ではなく別の物だったわけです」

霧島「なるほど、それで噛み合ってなかったわけですか」

提督「確かに思い返してみると花瓶が無かったな」

榛名「すみません……提督、花瓶は街で良い物を見つけたので買ってくるつもりです」

金剛「sorryネ、提督ぅ」

提督「いやいいよ、安物の花瓶だし何よりあらぬことを疑ってしまった俺の方が悪かった」

榛名「そんな、提督は何も悪くありません、花瓶を割って隠していた榛名の方が」

提督「いいっていいって、なんかそれ以外の事で頭一杯だし、一応規律として始末書は出してもらうだろうが……そういえば怪我とかなかったか?」

金剛「はい……え?」

提督「割れた花瓶を片付けたんだろう? 指を切ったりとか」

金剛「だ、大丈夫ネ」

榛名「榛名も大丈夫ですっ」

提督「ならよかった」

金剛(やっぱり提督は優しいデース!)

榛名(提督は本当にお優しいんですね)

翔鶴(本当に提督は天然ジゴロですね)

提督(なんか三人がめっちゃ見てくる)

今回はここまで
終わりは近い、プロット上は

投下しますぞ


翔鶴「しかし、金剛型の皆さんで無いとなれば」

提督「まあ残るは明石になるんだが、言うほど執務室に顔出す奴でもないんだよなぁ」

翔鶴「そうでしたっけ?」

提督「大体が扉から顔出して要件伝えては帰るような奴だからな、あとは大淀と一緒にくるし」

翔鶴「そういえば」

榛名「工廠に行かれるんですか?」

提督「ああ、明石が一応容疑が掛けられてるからな」

霧島「結局何をお探しで」

金剛「紅茶とお菓子の用意ができたデース!」

提督「おお、美味そうな匂いだ、ありがとう」

比叡「このお菓子すっごく美味しいんですよ、でもすっごい高いんですよねぇ」

翔鶴「よろしいんですか?」

金剛「yes! moneyは関係アリマセーン、楽しく食べる、それだけデース」

比叡「ぶっちゃけお金なら沢山ありますしね」

霧島「こほん、それで一体何を」

榛名「あぁっ!」ガチャン

金剛「oh、零しちゃったデスカ! 火傷はnothing?」

榛名「だ、大丈夫です……ごめんなさい」

金剛「大丈夫デース、すぐに入れなおしマース」

榛名「お手伝いします!」タッタカター

霧島「……」

提督「霧島?」

霧島「何を! お探しでしょうか!」ズイ

提督「お、おう……しかし」チラ

チャバドーンデース!

比叡「ん?」

翔鶴(まあ言いにくいですよねぇ、金剛さんの手前では)

翔鶴「ちょっとしたアクセサリーですよ」トントン

霧島「……あー」

比叡「ふーん、なるほどねぇ」


霧島「分かりました、では詳しくはお聞きしません」

比叡「まあ野暮ですもんね、大変ですねー」ニヨニヨ

提督「比叡ってホントいい性格してるよな」

比叡「それ程でもないですよー」

提督「褒めてねえんだよなぁ」

翔鶴「提督はこの後工廠に行かないといけないのであまりゆっくりはできませんよ?」

提督「分かっているよ、ティータイムが終わったらすぐに行くさ」

翔鶴「お話し好きの提督がすぐにティータイムを終わらせると思えないんですけどね」

提督「そしたら翔鶴が無理やりにでも連れてってくれ」

翔鶴「容赦はしませんよ?」ニコ

提督「……お手柔らかに頼む、ぞ?」

翔鶴「はい、お任せください」

比叡「司令も大変ですね」

金剛「さぁ準備完了デース! ティータイムを始めマショー!」


――工廠近く

提督「痛いぞ、だが悪くない」ヒリヒリ

翔鶴「なんですかそれは」

提督「言わないといけない気がしたんだ、でもマジで痛い」

翔鶴「提督がいつまでもお話ししているからです」

提督「だからって耳を引っ張んなくても、金剛たちが青い顔してたぞ」

翔鶴「容赦はしないと言いましたよね?」

提督「だとしても艦娘に耳を引っ張られるのはキツイって、お前はカスミか」

翔鶴「そこでどうして霞ちゃんが……確かにやりそうですけど」

提督「気にしないでくれ」

翔鶴「……?」

提督「しかし、明石はいるだろうが他に誰かいたら話がしづらいな」

翔鶴「その場合は場所を移す事にしましょう」

提督「だな、明石はいるかー」

明石・夕張「!」ビク

提督「んー、おっいたいた」


明石「ど、どうしましたか提督?」ガチャガチャ

夕張「建造? 開発? それとも改修かしら?」タッタッタ

提督「夕張もいたか、建造とかじゃあなくてちょっと明石に用がな」

明石「私ですか? えっもしかして装備に問題でもありました?」

提督「いや装備は問題ない、素晴らしい仕事をしてくれているよ」

明石「ええ勿論、鎮守府一のスーパーエンジニアですから!」

翔鶴「なんで自分で聞いて自分で言ってるんですかね」

明石「はて、では何用でしょうか?」

提督「それは……明石を疑うわけじゃあ無いんだが、執務室からある物がなくなってな」

明石「あー紛失ですかぁ、提督が忘れたとかじゃあないんですか?」

提督「何度も何度も探したし俺じゃあないと思うんだ」

夕張「……」

明石「……だから誰かが持って行った可能性があると」

提督「そういうことなんだ」


夕張「それはいつ頃無くなったの?」

提督「えっと……秋月に贈り物を始めた次の日に探し始めたから」

明石・夕張(贈り物!?)

提督「七日前だな」

明石・夕張(一週間前ッ!)

翔鶴「どうかされましたか?」

明石「いえっ」ビクンチョ

明石「しかし心当たりは無いですね、私あまり執務室内に入ったことないですし」

提督「だよなぁ、でも扉から顔だけ出して要件投げつけて帰るのはどうかと思うぞ?」

明石「すみません、何分工廠管理と酒保で忙しいもので」

夕張「提督は明石さんを酷使しすぎですよ」

提督「分かってはいるんだが人員がなぁ」

翔鶴「妖精さんがいるため指揮を執り行う者だけ鎮守府に配属する規則ですからね」

提督「整備員数人いれられれば大分マシになりそうなもんだけど」

明石「まあ予算ですよね」

提督「深海棲艦の勢力拡大で鎮守府や艦娘の数も増えてるから仕方ないのかね」

明石「仕方ないですね」

提督「予算と言えばだが、申請書に偽造書類があったんだが」

明石・夕張「あ"」

提督「……言っておくがこれって十分処罰に値するからな?」

明石・夕張「はい」

提督「今回は見逃すが、二度とするなよ?」

明石・夕張「承知しました」

提督「何かあるなら直接俺に言ってくれればできる限り譲歩するから」

明石「ホントですか!? ありがとうございます、テイトクダイスキ!」

提督「うわぁなんて心のこもっていない言葉なんだろうか」


提督「しかし明石でもないとなるといよいよ行方が分からないぞ」

翔鶴「そしてあっという間にお昼時ですね」

提督「仕方ない、飯食ったらあと少し聞いて回ってから指令室に行くか」

翔鶴「私は艦隊の皆さんとお昼にします」

明石「提督も食堂で?」

提督「そうだが、明石達は?」

明石「午後の演習に向けての艤装整備が早く終わればいいですねー」トオイメ

夕張「そうですねー」トオイメ

提督「あっ」

明石「最近はやけに多いですからねぇ」

提督「最近は作戦規模も広がっててな、すまない」

明石「仕方ないですよ、そういう仕事ですから」

夕張「昼食はここで取るわ、差し入れもあるしね」

提督「そうか、じゃあ俺たちは食堂に行ってくる」

翔鶴「艤装、よろしくお願いします」

明石「まっかせてくださーい!」

キョウノコンダテハナンダッケカ
キンヨウビデスヨ
アアソッカ
ソノマエニワタシハスコシヨウガ


明石「……」

夕張「…………」

明石・夕張「ふぅ」

夕張「て、いやいや明石さんダメでしょう嘘ついたら」

明石「そ、それなら夕張だって何も言わなかったし」

夕張「いやまぁ……そりゃ言えないわよね」

明石「でしょう」

夕張「どうするの?」

明石「……執務室にこっそり戻しておく」

夕張「大丈夫かなぁ」

明石「ちょっとどういう仕組みなのか知りたかっただけ、興味本位だから……ってことで」

夕張「偽造書類も含めて、バレたらただじゃすまない気が」

明石「どどどどうしよう」

夕張「でも隠し続けて更に罪を重ねるか、潔く謝罪して営倉に入るか……よね」

明石「結局営倉入りは避けられない、かなぁ……魔が差したんだァー!!」

夕張「そんな罪を認めない犯人みたいな……」

明石「私はやっていない、信じてくれー」

翔鶴「なにをやっていないんですか?」

明石・夕張「……」

明石「ひょっ!?」

夕張「あっ」

翔鶴「話してくださいな」ニコニコ

やはり短いですがここまで
ラストスパート頑張ります

乙です

めちゃんこ遅れました
あとちょっと確認したら再開です


――

明石「――と、いう訳です」セイザ

夕張「はい」セイザ

翔鶴「なるほど、話は分かりました」

明石「はい」

翔鶴「つまり"大本営"から支給された提督の"所有物"を」

明石「うっ」ショウハ

翔鶴「仕組みが知りたいからという私欲で"盗んで"」

明石「ヴッ」チュウハ

翔鶴「色々弄って調べ、更にヘンテコな研究をするために"偽造書類"を使って資源を多く入手しようとしたと」

明石「ぐはぁ」タイハ

夕張「あはは……は」

翔鶴「笑いごとでは無いですよ夕張さん」

夕張「……はい」

明石「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ

翔鶴「はぁ……じゃあ夕張さん、罪状は分かりますか?」

夕張「えっと、無断持ち出しと偽造書類提出?」

翔鶴「窃盗罪と文書偽造罪です、あまりふざけているとパラオの海に沈めますよ?」

夕張「ごめんなさい!(でもふざけては無いです、大真面目です)」ドゲザ

翔鶴「私これでも怒っているんですよ?」

明石「見ればわかります」

翔鶴「とにかく、十分営倉入りもあり得る問題ですが、最終的には提督の判断に任せます」

夕張「はぃ」

翔鶴「しばらく時間はありますから、昼食後に時間を作ってもらいましょう」

翔鶴「私は今から食堂に向かいます、くれぐれもどこかにいかないように」スタスタ

明石・夕張「……」

明石「じゃあ、ご飯食べよっか」

夕張「……最後の晩餐」


――執務室

明石・夕張「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ

提督「えっなになにどういう事? え、翔鶴?」

翔鶴「つまるところ、件の犯人ですよ」

提督「明石と夕張が?」

明石「はい……私がやりました」

夕張「それに加担しました」

提督「……そうか、お前らがやったのか」

明石「うぅ、すみません」

夕張「強い興味が沸いてしまったんです、勿論悪い事は承知でした」

明石「すぐに戻して、バレなければ良いかなという気持ちが、あったので」

提督「はぁー」

明石・夕張「っ」ビク

提督「成程ね、まあそういう技術者魂っていうの? 知らない事を知ろうとする、そういうのは分かる」

提督「分かるんだが、まあ事が事なわけだ」

明石「はい」

提督「偽造書類もそうだが、そういうのは言ってくれれば譲歩はする、今日ここまでやってきたら分かるだろ?」

夕張「おっしゃる通りです」


提督「とにかくこの件に関しては見逃すことはできない」

明石「はい、どんな罰も謹んでお受けします」

夕張「私もです」

提督「俺個人としては重い罰則等はさせたくないが、これってば信用問題に関わる事だ」

提督「これで軽い罰則で済まされたら、これぐらいならやってもいいんだ何て事にもなりかねない」

翔鶴「犯罪に対する抑止力を失う事にもなりますしね」

提督「というわけだから、丸一日営倉には入ってもらう、流石に今日の演習は止められないからその整備はしてもらうが」

明石「分かりました」

提督「明石と夕張がいない以上明日の出撃と演習は全面無しにする」

翔鶴「色々とやるべき事が増えますね」

提督「鎮守府としての主たる活動を全体的に止める、ということだ、その事の大きさは分かるよな?」

明石「分かります……すみませんでした」

提督「反省しろよ?」

明石・夕張「はい!」


提督「さて、とにかく返してくれ……ここ毎日探し続けて割と疲れた、ほんとよかったよ」

明石「はい……ごめんなさい」スッ

提督「……確かに……ふぅ」

翔鶴「これで一段落つきましたね」

提督「ほんとだよ、いやまあ本当に一段落なんだけどさ」

翔鶴「そうですね、この次はついに本番ですか?」

提督「状況とか理由がなんにせよ練習はできたしな」

夕張「本番? ってまさか渡すの!?」

提督「な、なんだよっ……まさかって」

明石「提督って鈍感で優柔不断ですから渡す相手がいるとは思わなかったって夕張は思ってるんですよ」

夕張「それ明石さんも同感だったじゃない!」

提督「優柔不断を否定できる気はしないが、鈍感ってなんだよ、そもそも関係もないだろう」

明石・夕張(うわ、鈍感だ)

夕張「あ! 相手は!? 相手は誰なの?」グイグイ

提督「食いつくなぁ」

翔鶴「まあ鎮守府は女所帯ですからね、気になるのも仕方ないでしょう」

提督「そういうものなのか」

夕張「そうそう!」

提督「でもなぁ、お前ら口が軽そうでなぁ」

夕張「うっ……全面否定はできない、んだけども! 教えて! 協力するからぁ!」

提督「これから丸一日営倉に入るやつがよく言う」

明石「でもどうせ今日明日伝えられる程の根性ないですよね?」

提督「超失礼! 反省してんのかお前らは!!」


提督「とにもかくにも、だ。 お前らには言いたくない」

夕張「まあ、予想はついてるんだけどね?」

提督「うっ……なんだよ、言ってみろよ」

明石「隠しきれてると思ってるんですかね、あのアプローチ」

翔鶴「さあ? 本人は隠しきれてると思っているようですが」

提督「おい」

夕張「あの秋月型の一番艦よねー? ねー?」

提督「おいおい」

明石「ねー」

提督「おいおいおい」

夕張「あーでもそっかぁ……秋月ちゃんねぇ?」

提督「……なんだ、言いたいことがあるなら言えよ」

明石「駆逐艦」

提督「仕方がないだろう! す、好きになってしまったんだから」

明石・夕張「ひゅーひゅー」

提督「……明石覚えてろよ」

明石「なんで私だけなんですかっ!?」

提督「俺とお前の仲じゃないか!」

明石「うわ絶望的に似てない!」

提督「減給」

明石「職権乱用はんたーい!!」

提督「もういいからお前ら整備に行ってこいや!」


――

提督「はぁ」

翔鶴「お疲れですか」

提督「長い秘書艦だろう見てわからないか」

翔鶴「もっとお疲れの提督を知っていますから」フフ

提督「……そうか、だろうな……本当にアイツらは、女三人寄れば姦しいとかいうやつか?」

翔鶴「私も入ってます?」

提督「どう思う?」

翔鶴「提督が女所帯で肩身が狭いのも知ってますので、そういうことです」

提督「翔鶴は意地悪だな、ははっ、面倒くさいものだ」

翔鶴「提督の形式ばったお堅い言葉遣いも相当に、面倒だと思うのですが」

提督「はっ……」

翔鶴「めんどくさいモノなんですね、人間とは」

提督「その通りだね」

翔鶴「斯くも時が経とうと、人は形式を重んじる、規則を遵守する。 統一するため統治するため」

翔鶴「このたった一つの道具も然り、理由を統一するための形式に過ぎないのに」

提督「だが浪漫はあるじゃないか、そんな形式の一つにも意味を付けてやる、ほんのちょっとの反逆さ」

翔鶴「小さくないですか?」

提督「どうだろう、人は誰しもがロマンチストだと聞いた、たった一つの世界がその人の全てなんだ、どうだ広いだろう」

翔鶴「……視野の差、なのでしょうかね」


提督「視野?」

翔鶴「どうするのですか? もう渡すのでしょうか」

提督「え? あ、いや、どうしようか……踏ん切りがつかないのは確かでな」

翔鶴「考え込むと足が竦みますよ? 勿体ぶると機会を逃しますよ?」

提督「随分と畳みかけてくる」

翔鶴「提督は秋月さんの事、本当に好きなのですか?」

提督「な、なんだ急に……当たり前だろう、正直この気持ちは初めて感じた物だ」

提督「今まで感じてきた恋が好意による興味だったなら、これこそが本当の恋なのだろうと俺は…………俺は何を言っているだっ、お前は何を聞いているんだ」

翔鶴「……やはり視野でしょうね」

提督「だから視野とは何なんだ」

翔鶴「例え話をします」

提督「例え話?」

翔鶴「私は貴方が好きです、お慕いしています」

提督「は、はぁっ!?」ガタ

翔鶴「私以外にも多くの艦娘が提督を慕っているでしょう」

提督「なにを」

翔鶴「ですが提督はどこまで行っても秋月さんを好きでいるでしょう」

提督「翔鶴?」

翔鶴「視野が、違うからです」

提督「なにが……?」


翔鶴「提督は鎮守府の提督で、みな艦娘の女所帯にいて、そして多くの艦娘と絆を深めています」

翔鶴「人間は情の生き物で、きっと皆を好きになっていく」

翔鶴「ですが提督はその多くの艦娘の中から一人を選ぶでしょう」

翔鶴「ですが私たち艦娘は皆、提督を好きになるでしょう」

翔鶴「その選択しかないから、ここに一つしかないから、貴方一人しかいないから」

提督「……それが、視野か?」

翔鶴「提督は人として広い浪漫とやらを、そして広い世界を見ることができます」

翔鶴「しかし私たち艦娘が見るものはここしかない、広がる糸の集まる一点、そこに広がる海原」

提督「そんな言い方をするな」

翔鶴「その先の歪な深海」

提督「翔鶴」

翔鶴「それが私達の視野……どうされましたか?」

提督「この話はやめよう」

翔鶴「…………」

翔鶴「そうですね、例え話、ですものね」


提督「…………」

翔鶴「…………」

提督「もうじき演習の時間になる、翔鶴はもう行ったほうが良いだろう」

翔鶴「そういえば頃合いですね、分かりました」

提督「演習だからと手を抜くなよ」

翔鶴「勿論です……ああ、それと」

提督「なんだ?」

翔鶴「瑞鶴が提督と秋月さんの後押しといってちょっかいを出そうとしています、今日は演習もあるので何もしないでしょう」

翔鶴「でも明日からは分かりませんよ?」

提督「そうか、アイツは何を」ヤレヤレ

翔鶴「吉報を期待しています」

提督「……善処する」

翔鶴「ふふ、では失礼します」ガチャ

パタン

提督「……」パカ

提督「決心はしていた、そのはずなんだがなぁ」

今回はここまで

色々考えましたがキリの良い所がないで一気に書きます
なので次の更新は一日空くと思います、絶対空きます

ではまた

重婚しちゃえw
今は悪魔が微笑む時代なんだw

おつ

秋月ちゃん一筋が良いな

翔鶴から秋月に秘書艦が変わったのに一悶着あった感じか?

投下します


――――

提督「奇しくも今日は秋月が来てから一周年の時でコイツも手元に戻ってきちまった訳だ」

提督「はぁぁ……なんだこれはぁぁ」ツップシ

提督(こうも綺麗に収まってしまうと運命とやらを再確認させられる)

提督「…………まあ、今日か」

提督(こうなっては独り言もすらすら出てくるなぁ、平静でない証拠か)

提督(よし落ち着こう)スーハー

提督「ああああああああああ落ち着けるかああぁぁ!!」ダン

ガタッ

提督「ん?」

秋月「あ、あのー……大丈夫ですか、司令?」トビラカラノゾキ

提督「秋月か……大丈夫だ、ちょっと大声を出したくなっただけだよ」

秋月「どうして執務室で……びっくりしましたよ、ノックしようと思ったら突然で」

提督「悪い悪い、それで?」

秋月「えっと、作戦結果のご報告を」

提督「あーそうだな、頼む」


秋月「報告は以上です」

提督「分かった、まあ大きな問題も無くて何よりだ、お疲れ様」

秋月「はい」

提督「秋月は無傷か、ならこのまま秘書艦を頼めるか? 翔鶴はちょっと……まあ手が離せなくてな」

提督(とある二人から)

秋月「了解しました! 秋月、秘書艦任務に移行します!」

提督「作戦後で疲れているだろう、とりあえずはお茶でも飲んで休憩しよう」

秋月「では秋月がお茶を入れますね!」

提督「任せてくれてもいいんだぞ?」

秋月「秋月に任せてください! 秘書艦ですから」

提督「なら、頼むよ」

秋月「少々お待ちください」

提督(いつ……切り出すか)


――――

提督「じゃあそれで加賀は中破した訳か」

秋月「はい、赤城さんを守る加賀さんはとてもかっこよかったです」

提督「今日は瑞鶴が演習で戦犯だったからと入渠施設の掃除係になったんだ、荒れるぞぉ」

秋月「それは瑞鶴さんもあまり強く言えないんじゃぁ」

提督「いや、それでも突っかかるのが瑞鶴だ、まあ元気なら良いんだよ」

秋月「一緒に入渠しているお二人が大変そうです」

提督「ま、陸奥と響なら大丈夫だろ」

秋月「照月は演習どうでしたか?」

提督「ああ、大活躍だったらしいぞ、対空射撃で相手の艦載機を殆ど落としたそうだ」

提督「俺は向こうの提督から嫌味を言われたがな、鼻で笑ってやったよ」

秋月「あはは……あのー、司令?」

提督「ん?」

秋月「気のせいなら、それで良いんですが」

提督「どうした?」

秋月「なんだか今日の司令は落ち着きが無いように、見えるんです……何かありましたか?」

提督「…………分かってしまうもんか、けっこう隠してたつもりなんだが」


秋月「やっぱり何か」

提督「いや、無い、まだ無い」

秋月「え、まだ?」

提督「いや、何でもないさ」

提督(これからある、だなんて言ってしまえばやりにくいもんな)

秋月「何でもないって、そんな……何か隠してますよね」

提督「隠し事ならそりゃ沢山、そこまでフルオープンな人間にはなれない」

秋月「それは、そうですけど」

提督「いやな……隠してるよ、でも今じゃないっていうかさ、いや今でも良いんだけど、でもなんか」

秋月「え? えっと?」

提督「そうだ!」ガタ

秋月「!?」

提督「少し散歩でもしないか?」

秋月「あ……はい、はい?」


――波止場

提督「夜の海を見るのも好きだなぁ」

秋月「この時期は肌寒いですけどね」

提督「まあ今日はそんなに風は無い、いい日和さ」

秋月「そう言えば、今日って私がこの鎮守府に来て」

提督「丁度一年だな」

秋月「そうでした……そうかぁ」

提督「感慨深いな」

秋月「司令、あそこに行きましょう!」

提督「おー、おう」

秋月「さあ!」

提督「まあゆっくり行こうじゃないか、今日は逃げたりはしないんだ」

秋月「でももう半日と無いんですよ!」

提督「それもそうか」


秋月「司令と初めてお会いしたのはこの波止場でしたね」

提督「ああ、懐かしいな」

秋月「渾作戦が成功してすぐに配属されてこの波止場で……もう一年なんですね」

提督「色々あったものだ」

秋月「はい……随分と長いようで、でもあっという間の短さでもありました」

秋月「それは、きっと楽しかったからなのでしょう」

提督「楽しかったか、そう思ってくれてたのなら嬉しいな」

秋月「実りがあったと言いますか、充実していたと言いますか、秘書艦に任命されていたのも大きいと思います」

提督「おうそうだな、秘書艦にした意味もあったというものだ」

秋月「……そういえば、どうして着任してすぐの秋月を秘書艦に? それまではずっと翔鶴さんだとお聞きしましたが」

提督「あー、そうだな……まぁその話もしなくちゃな」

提督(まあ、今か)

秋月「?」

提督「なんだ、その、な……秋月が来たときな、大規模作戦の後処理や色々でかなり滅入っていてな」

提督「新しく着任する艦との顔合わせはちゃんとするよう翔鶴に言われたから波止場に行ったわけだ」

秋月「疲労の様子は顔に出ていました」

提督「なんだ知られていたか、隠せてると思ってたんだが」

秋月「隈まで隠せる人がいたら驚きです」

提督「まあ、そうだな」


提督「とにかく、そこで秋月と初めて会ったわけだな」

秋月「この波止場の丁度この場所ですね」タッタッ

提督「俺は、その時の秋月の笑顔を見たときに……何というか、何も考えられなくなったんだ」

秋月「え?」

提督「歓迎の品……まあ今思うと何で手作り勲章なんだって話だが、俺が投げやりに言ったそれを駆逐艦娘達が本気にしてしまったわけで」

秋月「はい、最初は不思議でしたけど、でも嬉しくて……今でも宝物です」

提督「それなんだよな、その時の笑顔に俺は何も考えられなくなった」

提督「疲れすらも飛んで消えたかのような、得も言われぬ感覚だった」

提督「結局どうしてなのか、なんでなのかも分からずにいたが、鎮守府内で秋月を見かける度にその笑顔を目で追っていたな」

提督「あれは今思えば勝手な期待だったんだろうな、いつまでも暗い職務の日々を照らしてくれる光だとでも思っていたんだ」

提督「妄信的で勝手極まる我儘な暴挙だ、笑っておいてくれ」

秋月「……いえ」

提督「違うな、こんな自分語りはどうでもいいんだ」

提督「つまり秋月を秘書艦にしたのはそんな淡い期待に縋ってしまったってだけなんだ」

秋月「そういう事、だったのですね……秋月はその期待に応えられていたのでしょうか」

提督「どうだろうな、期待といっても俺だって自覚してなかったんだ……でも、楽しかった」

秋月「それなら良かったです!」

提督「……やっぱり、秋月の笑顔は良いな」

秋月「え?」


提督「秋月」

秋月「はい、どうされましたか?」

提督「俺は秋月の笑顔が好きだよ」

秋月「っえと、あ、ありがとうございます! ……そう言われるのは照れますね」

提督「何に対しても一生懸命な所とか礼儀正しく規律を重んじる所も凄いよ」

秋月「あ、の、褒めすぎですっ司令!」

提督「美味しそうに食べている姿なんて本当に可愛い」

秋月「かわっ!!」

提督「そう思うのもきっと、最初の笑顔の時から惹かれていた結果なんだろうって」

秋月「司令っ……え?」

提督「つまりな、秋月」

秋月「は、はいっ」


提督「好きだ」


秋月「あ、ぅ……えーっと」

提督「秋月の笑顔も好きだし、今はもう秋月の全てが好きになってしまった」

秋月「っもう言わなくていいです!! 分かりましたからぁっ! あの、その……心の整理を……少し」

提督「そうか?」

秋月「なんで司令はそんな余裕そうなんですかぁ……こっちはこんなにドキドキしているのにぃ」

提督「そんな余裕そうに見えるか?緊張で心臓がどっかに遊びに行ったような感覚なんだ、俺も」

秋月「どんな状態ですか、それ……ふぅ、でもそれで大分落ち着きました」

秋月「えっと、それで返事……ですよね」

提督「そうだな、貰えると、嬉しい」

秋月「わ、分かりました……えーと」

秋月「……司令は、そもそも深く考え過ぎなんです、回りくどい言い方で言葉は濁して、そのくせ気持ちには何とか理由を付けようとして」

秋月「正直言ってることは面倒臭い感じでした」

提督「えっ」

秋月「す、好きになるのに明確な理由なんていらないんですっ! 一目惚れでも気付いたらでも……です」

秋月「秋月も、よく分かりませんでした……司令に対して好意を持っているのは、分かっていたんです」

秋月「でもそれが親愛なのか恋愛、なのか」

秋月「でも司令から、好きと言ってもらえて、そしたら胸が熱くなってドキドキして……嬉しかったんです、今まで以上に一番、だがら分かりました」

秋月「秋月も、 司令の事がずっと好きだったみたいです」

提督「…………」

秋月「好きです、秋月も司令の事が、好きです」


提督「…………」

秋月「……司令?」

提督「ぇ、あ……あー、何だこれ、嬉しいな……だめだ、凄く嬉しい」

秋月「ふふ、なんですかそれ」

提督「それは、良いって事なんだよな? イエスなんだよな?」

秋月「それ以外に聞こえたんですか? 恥ずかしいんですよ、凄く」

提督「よかったぁ……ここまで来るのにすげぇ悩んだんだ、遠回りしまくってたんだよ」

秋月「確かに、そのようでしたね」

提督「ん? 分かるのか?」

秋月「ここ暫く何かを渡して頂いたの、そういうことなんです……よね?」

提督「あぁ……まあ練習的なやつね、そういう奴、つっても本当はそんな事せずに渡すつもりだったんだ」

提督「……何処かの馬鹿二人が馬鹿しなければ」

秋月「二人?」

提督「秋月」

秋月「はい」

提督「もうちょっとこっちに」

秋月「はい……?」


提督「えっと、いいか?」

秋月「あっ! は、はい……そうですよねっ! そう、なりますよね」

秋月「ちょっと待ってください、心の準備を……あの」

秋月「ふぅ…………はい、大丈夫、です」

提督「秋月、好きだ」

秋月「んっ……っ」

提督「………………ど、どうなのだろうか」

秋月「言ってするのは、ズルイです」

提督「仕方がないだろ、セオリーが分からないんだ」

秋月「そうですけど」

提督「どうだろうか、上手く出来ていただろうか」

秋月「あっ秋月に聞かないでください……分からないですよ」

提督「そうだよなっ、分からないよな! とりあえず」ギュッ

秋月「と、とととりあえずって、なんで抱き着くのですか!?」

提督「いや、順番的に……こうじゃないかと」

秋月「不器用過ぎですよ、順番的ならそもそも逆だと思いますし……まぁ」

秋月「嬉しいです、暖かくて司令を感じられて」ギュッ

提督(なんかやらしいフレーズ)

秋月「でもでも! する時は事前に言ってください! 驚いたんですよ!」

提督「なんだそれは」ハナレ

秋月「うぅ」


提督「なんと言うか、まだ距離感の掴めない感じだけど、一緒に往こう」

秋月「……なんですか、それ」

提督「意趣返しか? まあそういうことだよ」

秋月「説明になってません……なってませんが、分かりました」

提督「流石秘書艦と言った所か」

秋月「言葉足らず口足らずなのは直した方が良いと思いますけどね」

提督「手痛いなぁ、善処するよ」

秋月「一緒に往きましょう、この戦いの先も、その先も」

提督「……あぁ、絶対に」

提督「もう、こんな時間か」

秋月「そういえば、月が出ていますね」

提督「ああそうだな……凄いな」

秋月「凄い?」

提督「やっぱり運命って言うものはちゃんと形作ってそこにあるらしい」

秋月「どういう意味でしょうか」

提督「水面に照る秋の三日月だぞ」

秋月「はい……えっと三日月ですよね? 運命……ですか?」


提督「運命は誰にも分からないが、俺が思うに全て決まっているように感じるんだ」

提督「今は秋月だろ?」

秋月「そうですね、秋の月です……何だか自分の事のようで恥ずかしいですが」

提督「今日は天気も良い、空気が良いのか月も良く輝いて見える」

秋月「はい」

提督「ああいう月を照り輝く月、照月という」

秋月「なるほど、秋月型の名前に準えて……しかし三日月である意味は」

提督「詳しい事を多くは知らないが、三日月とは初月とも言うらしい」

秋月「ちょっと押し付けがましくはありませんか?」

提督「そうだろうか」

秋月「でも……何だか綺麗です」

提督「どうやら応援してくれていたらしい照月や初月に見守られているようで良いもんじゃないか」

秋月「初月はまだ居ませんけどね」

提督「大本営で話には上がってるようだが、まだ分からないところだ」

秋月「そのためには艦隊をもっと強くしないといけません」

提督「そうだな、俺が頑張らないと行けないところだな……迷惑をかける、事になりそうだ」

秋月「長く秘書艦やって来たんですよ、これからも変わりません」

提督「いや……今までは翔鶴を秘書艦にする事もあったけど、これからはそう言うのはどうなんだ、と……ケッコン、した訳だし」

秋月「…………嫉妬して欲しいですか?」

提督「え、えぇ?」


秋月「えっと、ずっと自分の事を見ていてほしいとか、独り占めしたいとか……そういう人間らしい事ってまだ良く分からないです」

秋月「絶対思わない、なんて言えないんですけど……秋月は翔鶴さんや瑞鶴さんが好きですし、照月の事は大切で」

秋月「鎮守府のみんなの事が、大事で護りたくて……みんなの事を差し置いて秋月が一番に、なんて事も正直嫌なんです」

秋月「上手くまとめられないんですが、司令にはみんなと仲良くあって欲しくて、秋月はみんなに司令の事をもっと知って欲しいんです! つまりそういうことです、はい!!」

提督「存外に秋月も深く考え過ぎるよな」

秋月「す、すみません……そういう考えは、司令は嫌でしょうか」

提督「いや、凄く秋月らしくてさ、なんか嬉しいし良かったって思う」

秋月「良かった、ですか?」

提督「似たような考えだったからな、どうやら似たもの同士らしいな」

秋月「似たもの同士……何だか嬉しいです」

提督「知ってるか? 似たもの同士って長続きしないらしいぞ」

秋月「司令のそういう面倒臭い所、何だか慣れてしまいました」

提督「そうだったか」

秋月「あっ、翔鶴さんの件ですが、秘書艦は今までと同じで良いです、そもそも秋月がずっとという訳にもいきませんし」

提督「あぁ出撃もあるからな、それもそうか」

秋月「司令と翔鶴さんはかなり長い付き合いなんですよね?」

提督「そうだな、まあそうなるか、この鎮守府始動のすぐからだもんな」

秋月「なので、秋月の事は気にせず、これからも変わらずにいて下さい……秋月の所為でお二人の接し方が変わってしまうの、嫌です」

提督「ありがとう、そう言ってくれて……俺はやっぱり秋月が大好きだ」

秋月「秋月もです、負けないくらい好きになってます」


提督「…………」

秋月「…………えっと」

提督「冷えてきたな」

秋月「そうですね、もう戻りましょうか、照月も心配している事でしょうし」

提督「瑞鶴もうるさそうだ、翔鶴に任せるとしても、あまり長居しては風邪を引いてしまう」

秋月「ふふ、これから大変そうですね」

提督「他人事みたいに言うな、秋月もその中に居るんだぞ」

秋月「分かってます、さあ戻りましょう、夕食の時間も近いですからね」

提督「……そうだな」

秋月「今日の夕食は何にしましょう、良いことありましたし豪勢にいっても良いでしょうか」テクテク


提督「あー、秋月」

秋月「はい、司令?」

提督「なんというか、色々あって振り回されて、色々絡まって空回って、遠回りも経て順番も可笑しい訳だけどさ」

提督「…………」

秋月「……いつもの、ですか?」

提督「いいや、最初のだ」

秋月「そういえばそうでした」

提督「平じゃないぞ?」

秋月「分かってます!」

提督「ははは」

秋月「ふふ」




提督「秋月、手を出してくれ」



            おわり。

完結です

まとめようと意気込んでいたら最後早足でしたね
もっと文章考えるが上手くなりたいと思いました

過去話とかほぼ全部カットしたのを少しと
矛盾や蛇足でボツにした部分をいくつか投下しようかと思いましたが
それこそ蛇足になりそうなので止めときます

ではもう少ししたら依頼出しておきます

翔鶴放置かーい な点が気になるぐらいでまぁ後はいいんでない?

おつおつ、面白かった。初ssでこのクオリティはナイスですわ。

>>119
ありがとうございます
書いてる段階では>>93の時に翔鶴の話は完結していました
その後ちょっとした翔鶴との話はあったんですけど秋月のSSなのでカットしましたし
ハーレム系を好まないのでその勢いで翔鶴は完全な話を盛る為の役割になってましたね
次はもっと登場人物を大事に扱うよう気を付けます

>>120
ありがとうございます
色々なSSのプロットを書いたり実際に本文書いたりして全部ポイしてきたので初SSと言っていいのかすら謎です
個人的にはもっとクオリティ上げられたかなぁ(特に最後)と思ったので、次の作品はもっと練り上げたいです


何かすごい長文……寝るので依頼出しますが、次は艦これの短編集のようなものを考えているので
ポイしなければこの酉でまたどこかで

おつ

乙です

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年06月11日 (日) 22:44:52   ID: arI09Z_L

翔鶴がちょっと恵まれてないな?って思うけど面白かったです
次回作期待してます

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