モバマスのSSです。
何番煎じかのネタですが、よろしければ。
書きためてあるので、どんどんいきます。
※1もう過ぎてしまっていますが、お正月のお話です。
※2 姫はじめには意味がいろいろありますが、ここではエロい方の意味です。
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美波「……ごめんね、みりあちゃん。私、ちょっと疲れてるのかも。よく聞き取れなかったから、もう一回言ってくれる?」
みりあ「んーとね、『姫はじめ』ってなに? って聞いたんだけど……美波ちゃん、知ってる?」
美波「……やっぱり私、疲れてるんだね。あのみりあちゃんたちがこんな言葉使うわけないもの……幻聴よね、幻聴」
仁奈「げんちょう、でごぜーますか? あれ? どこかで聞いたよーな?」
桃華「確かこの前、清良さんが教えてくださいましたわね」
仁奈「あ、そーでござーます! げんちょうっていうのは『ヤバい薬を使った時に聞こえるヤバいやつ』でごぜーますね!」
美波「清良さん、こんな子たちになんてことを……」
薫「もー、げんちょうの話はどーでもいいじゃん! それより今は、姫はじめだよー」
美波「どうでもよくはないけれど……というか、どこでそんな言葉を?」
薫「あのね、あのね! かおるが聞いたの! 昨日のテレビで……えっと芸人さんが漫才してたんだ!」
桃華「どのような話でしたっけ? 確か『新年にやりたいこととか、抱負はありますか』と右の方が聞かれて……」
千枝「うん、それで左の人が『ヤリたいと言えば、姫はじめですよね』って」
仁奈「そしたら『うまいこと言ったつもりかー!』って、バシーンって頭を叩いたでごぜーますよ! 意味はよくわかんなかったけど、勢いだけはすげーと思ったでごぜーます」
美波「年末年始のテレビは、少し過激なのが多いからかな……そんな言葉でてきちゃうんだ。でも、姫はじめ……うーん」
アナスタシア(以下アーニャ)「姫はじめ。услышанное в первый раз、あー、私も聞いたことありません、初耳です。ミナミは知っていますか?」
美波「知っている、といえば知ってるけど……」
みりあ「教えてくれないの?」
美波(うぅ、そんな純粋な目を向けないでみりあちゃん!)
美波「んー、なんていうのかな。その、教えないんじゃなくて。教えにくいというか……教えたくないというか……」
アーニャ「そんなに、難しい言葉なのですか?」
美波「ううん、難しくはないんだけどね。まだみんなが知るには、その、早いかなぁって。だから――」
アーニャ「ミナミ、それは間違っています」
美波「……え?」
アーニャ「確かに、日本語、難しい言葉がたくさんあります。私も、時々間違えます。ですが、быстро развивается、日進月歩?です。毎日勉強していけば、分かるようになります」
美波「う、うん……あれ?」
アーニャ「ですから教えたくない、なんて考え方は、いじわるです。ミナミらしくないです」
美波(私、なんでアーニャちゃんに諭されるようなこと言われてるんだろう……)
アーニャ「ですから、みんなにちゃんと、意味教えてあげてください」
美波「……」
みりあ「美波ちゃん?」
美波「へっ? あ、うん、ごめんね。ちょっと、考えをまとめてたから」
美波(アーニャちゃんの言っていることにも一理ある。というか、私もできれば教えてあげたいんだけど……)チラッ
みりあ・桃華・仁奈・薫・千枝「……?」ジー
美波(こんなに純粋で、幼い子たちをけがす様なことは、私にはできない!)
アーニャ「ミナミ?」
美波(かといって、うまく言葉を変えて伝えることも……難しそう。もっと私に、教える力があればいいんだけど。それだったらいっそのこと…)
美波「えっとね、すごくごめんなさいなんだけど、実は私も詳しい意味は知らないの」
桃華「ええっ、美波さんでも、ですの?」
美波「うん。この言葉は、えっと、大人の人がよく使うものだから」
仁奈「おとな、でごぜーますか?」
千枝「でも美波さんも、私たちから見ればじゅうぶん大人です」
美波「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……私よりも、もう少し大人、かな?」
美波(きっと、私より年上の人たちに聞けば、私よりも上手く教えてくれるはず)
薫「そっか、そうなんだぁ」
美波「うん。今日はいろんな人を見かけたから、事務所とかに行けば誰かに会えるんじゃないかな?」
アーニャ「Да。クリスマス、お正月とイベントが続いて、テレビ撮影、多かったですからね」
みりあ「うん、わかった!」
千枝「ありがとうございました、美波さん、アナスタシアさん」
美波「力になれなくてごめんね?」
アーニャ「また、会いましょう。来年も、一緒にお仕事出来たら、いいですね」
仁奈「うん!」
桃華「それでは、誰にお聞きしましょうか」
みりあ「美波ちゃんより大人だと……礼子さんとか?」
千枝「だいぶ大人になっちゃったね……」
薫「あーあ、せんせぇがお仕事じゃなかったらなぁ。飛びついてでも聞くのになぁ」
千枝「飛びつくのは……さすがに///」
仁奈「お仕事なら、しかたねーです」
桃華「そうですわねー。Pちゃま、いつ帰ってくるのかしら」
美波「いっちゃったね」
アーニャ「いっちゃいましたね。でも、意外です。ミナミにも、分からない言葉、あるんですね」
美波「うん。そう、だね」
アーニャ「負けてられません。私たちも、姫はじめの事、深く学ばなくては」ガシッ
美波「え、ちょっと、アーニャちゃん、そんなに引っ張らないで! というか、どこ行くの!?」
アーニャ「仮眠室です。今の時間なら、誰もいないはず、ですね」
美波「そんなところで……何をするの?」
アーニャ「実践です」
美波「……え?」
アーニャ「姫はじめの、実践です」
美波「アーニャ、ちゃん?」
アーニャ「ミナミ」
アーニャ「私、初めてですけど……優しくしますね?///」
美波「……もしかしてアーニャちゃん。ほんとは、意味わかってる?」
アーニャ「Да♪」
美波「ダーって! ちょっと、アーニャちゃん! アーニャちゃん!?」
瑞樹「それで、私たちのところに来たってわけね、わかるわ」
美優「みなさん、お疲れ様です」
仁奈「お疲れ様でごぜーます!」
楓「この5人が集まっているということは、『ハイファイデイズ』を歌ったのですか?」
薫「あったりー!」
みりあ「お正月の番組で! ねー!」
桃華「ねー! ですわ」
楓「ふふっ、仲良しseaは海のように美sea、ですね」
美優「楓さん……それもうダジャレかどうかわかりません」
仁奈「美優おねーさんたちは、なんでここにいやがるですか?」
美優「私たちは――」
楓「これから一杯飲みにいくから、その計画をいっぱいしてるんです。ふふっ」
みりあ「あー、お酒だ―!」
桃華「新年早々お酒ですの?」
楓「新年だから飲むんですよ」
瑞樹「ごほん。お酒の話はそれくらいにして。それで、なんだったかしら? 姫はじめ、の意味を知りたいと」
みりあ「うん! 美波ちゃんも、分かんないって……」
美優(美波ちゃんが……分からないなんてことはないと思うけど)チラッ
楓(大方、恥かしくて教えられなかった、ってところね)チラッ
瑞樹(さて、どうしたものかしら。意味を教えるのは簡単だけど、そのままの意味を伝えてしまうと、なんだかこの子たちの性教育のレベルとしては、まだ早い気がするわね)チラッ
楓(そうですね、ここはいい感じにはぐらかすのが一番かと)チラッ
美優(ですが、それがバレてみなさんの機嫌を損ねるようなこともしたくはありません……)チラッ
瑞樹(……ていうか、あんまり私の口からは説明したくないのよね……)チラッ
楓(年齢的にですか?)チラッ
瑞樹(そうそう。こんな歳にもなると、こういう性的な知識を口にするのが逆に恥ずかしくなるというか――ってだれが年増よっ!)チラッ
美優(誰も言ってないですよぉ…)チラッ
桃華「……みなさん? そんなに目配せして、どうしたんですの?」
瑞樹「あぁ、ごめんなさいね。ただ、意志疎通をしていただけなの」
薫「いしそつう?」
楓「大人のクールな女性は、アイコンタクトで会話ができるものなんですよ?」
仁奈「おー! すげー! 仁奈にもやり方を教えて欲し―でござぜーます!」
瑞樹「仁奈ちゃんには、まだ難しいと思うわ。この技は、社会の荒波の中で生きていくための重要なツールだもの。まだみんなには、早いわ」
美優「大人にも…いろいろ大変なことがあるんですよ」トオイメ
千枝「そっ、そうなんですか……」
楓(さて、どうします?)
瑞樹(……よし、ならP君に任せることにしましょう)
美優(プロデューサーさんに?)
楓(確かに、こういうデリケートな問題は、プロデューサーの判断に任せてもいいかと)
瑞樹(彼だったら、きっとこの子たちの機嫌を損なわず、いい方向にもっていってくれるわ)
美優(でも、プロデューサーさんはまだ営業から帰ってきてませんよ? 時間稼ぎ…というと言葉は悪いですが、この子たちを待たせてしまいます……)
瑞樹(大丈夫、私にいい考えがあるわ)
瑞樹「ごほんっ。みんな、聞いてくれる? 確かに、私たち3人は姫はじめの意味を知ってるわ」
千枝「ほんとうですか?」
瑞樹「ええ、教えることも簡単よ。でも、それだとちょっと面白くないと思わないかしら?」
桃華「面白くない、ですの?」
瑞樹「ええ。考えてもみて? ただ問題を出されて、答えを聞く。それだけの授業なんてつまらないと思わない? そんな学校は退屈でしょ?」
千枝「えっ? ……それはそうですね」
薫「そんなのつまんなーい!」
みりあ「もっと楽しい授業が良いよー!」
瑞樹「そう! だから、これはクイズよ!」
仁奈「クイズ、でごぜーますか?」
瑞樹「ええ。はい楓ちゃん! 美優ちゃん!」
楓「ここで問題です、ででん」
美優「ででっ、あっ……効果音も楓さんがつけるんですね……はずかし///」
楓「姫はじめ、という言葉は一体どういう意味でしょうか?」
美優「しかも、いつのまにフリップボードなんて用意したんですか…」
桃華「……確かに、なんだかクイズだと聞くだけで、楽しい気持ちになりますわね」
薫「かおる、クイズ大好きー!」
仁奈「仁奈もでごぜーます!」
瑞樹「お? みんなノリがいいわね。それじゃあクイズの形式はこうよ。今日、このプロダクションの社内には、たくさんのアイドル……お姉さんたちがいるわ。その人たちに今私たちにしたみたいに質問して、一つだけ、ヒントをもらうの」
みりあ「ヒント?」
瑞樹「そう。答えを聞いちゃだめよ? ヒントをもらって自分たちで正解を導き出すの。正解が分かったら答え合わせをしましょう」
千枝「でも、誰に答えを聞けばいいんですか?」
瑞樹「決まってるじゃない! P君よ!」
桃華「Pちゃまに?」
瑞樹「そう! まだP君はお仕事中だから……制限時間は彼が帰ってくるまでってことにして……どう? 面白そうじゃない?」
仁奈「んー、でもなんだか難しそうでごぜーますね」
みりあ「正解が分かんなかったらどうしよー……」
瑞樹「その時はその時で、ちゃんと教えてくれるわよ。それに、逆に考えてみて? もしこのクイズが解けたとしたら」
薫「とけたとしたら?」
瑞樹「P君、いーっぱい褒めてくれるわよ? 絶対にね?」
『!?』
楓「ふふっ、一気に目の輝きが増したわね」
美優「ですね。さすが川島さんです」
仁奈「褒めてくれるでごぜーますか!」
瑞樹「ええ。ご褒美よ、ご褒美」
薫「なでなでしてくれるかなぁ」
瑞樹「もちろん」
みりあ「みりあ、ぎゅってしてほしい!」
瑞樹「あのP君だから、しちゃうわねきっと」
千枝「私……キス、してほしいです///」
瑞樹「それは……わからないわ。というかしちゃだめじゃない? アイドルとして」
美優「えっ!?」
楓「え?」
瑞樹「え?」
美優「……はっ! いっいえー、なんでもないですー」
瑞樹「……ごほん。まぁ今の話は後にしましょう。それで、みんな。どうかしら? やる気になった?」
みりあ「はいはーい! みりあ、絶対正解するー!」
桃華「もちろんです! あっ、べっ別にPちゃまのご褒美がほしいわけではないのでしてよ? ただ、やるからには全力でいきませんと!」
千枝「プロデューサーさんのご褒美……えへ、えへへへ///」
瑞樹「みんな気合は十分ね! 制限時間はP君が帰ってくるまで! それじゃあ私たちから第一のヒント!」
楓「『姫はじめは、一人ではできない』ね」
美優「意気揚々、ってああ言う事を言うんですね」
楓「楽しそうに出ていったわね。うまく正解へ導かれるといいんだけど」
瑞樹「……ヒント、先に言われたわ」
美優「さっきの割り込み、まだ気にしてたんですか」
楓「ヒントを言う時は、ヒンっと姿勢を正して」
美優「今日はキレが悪いですね、楓さん」
瑞樹「そういうあなたは、今日は口が悪いわね……よし、送れたわ」カチカチ
楓「送った? なにをですか?」
瑞樹「今、社内にいそうなアイドルの子たちにメールを一斉送信したのよ」
美優「メールって……もしかして、今のクイズのことですか?」
瑞樹「もち!」
楓「スケールがいきなり大きくなりましたね」
瑞樹「いいじゃない。まだ新年ムードなんだから、みんなテンション上がって、あることないこと教えてくれるわよ」
美優「ないことを教えられると、あの子たちの将来が心配に……」
瑞樹「まずアイドルに『姫はじめ』について聞いてまわる時点で、将来もへったくれもないと思うけど」
美優「自分で言っちゃうんですかそれ!?」
楓「……ところで美優さん、さっきのあなたの反応だけど」
美優「え?」
瑞樹「キスの話、ね」
美優「あ、あれはー」
瑞樹「もしかしてあなた……P君と、しちゃったの?」
美優「ししししっしてませんよ! ただ、できたらいいなぁって思ってただけで!」
楓「……」
美優「……あっ」
楓「……ほーう?」ゴゴゴ
美優「あの、楓さん? 顔が、その、怖いのですが……」
楓「ほーーーう?」ゴゴゴゴゴ
美優「ひいいぃぃぃ! 川島さん、助けてぇ!」
瑞樹「P君も、大変ね……」
文香「姫はじめ、ですか……」
みりあ「うん! 文香ちゃんなら分かると思って!」
ありす「みりあさん! 前から気になっていましたけど、文香さんは年上なんですから、ちゃん付けはどうかと思います!」
みりあ「えー? そうかなー」
桃華「そうです。美波さんの時も思いましたが、目上の方をさん付けするのは礼儀ですわよ?」
文香「ありすちゃん、桃華ちゃん……私は気にしてませんから、みりあちゃんが呼びたい呼び方で構いません」
みりあ「ほんと?」
文香「はい……ちゃん付けというのは少々こそばゆく感じますが……嫌ではありませんから」
みりあ「じゃー、文香ちゃん」
文香「はい」
みりあ「文香ちゃん!」
文香「はい」
みりあ「……えへへー」
文香「……可愛らしいですね、みりあさんは」ナデナデ
ありす「……むぅ、私もちゃん付けしたら、文香さんに撫でてもらえるのかな?」
文香「ありすちゃん?」
ありす「いえ! なにも! それよりも、質問に答えないと」
文香「あぁ、そうでしたね。……姫はじめについて…でしたか」
薫「うん!」
文香「少々長くなりますが、お答えしましょう」
ありす「……答える?」
文香「今でこそ、姫はじめは俗語のように扱われていますが……現在の使われ方と、本来の意味は違うのです。……諸説ありますが、姫はじめとは1月2日に行われる行事の事で、お正月のお祭りの間に食べられる強飯(こわいい)をやめ……お祭りが終わった新年に初めて姫飯(ひめいい)という柔らかいお米を食べる、という文化から『姫はじめ』と呼ばれるようになったという説が有力です。ですが……現在は全く別の意味となっていて――」
ありす「ストップです、文香さん! ちょっと話しすぎかもしれません。あと、内容が難しすぎて、みなさんついて行けてません」
仁奈「こわいいってなんでごぜーますか?」
千枝「千枝も、ちょっとよくわかんなくなっちゃいました」
文香「……すみません。すこし、難しかったですね。……それと、ありすちゃん? 話しすぎ…とは?」
ありす「さっき瑞樹さんからメールが来たって、話したじゃないですか」
文香「あぁ……失念していました。確か……もしL.M.B.Gのみなさんに何かを質問されたら、答えを言わずヒントだけを与えるように……でしたね」
ありす「そうです。瑞樹さんの意図は分かりませんが……」
文香「考えなしに行動をする人ではありませんから……理由が何かしらあるのだと思います」
ありす「…そうでしょうか?」
文香「ということで、答えはお教えできませんが、ヒントは差し上げますね。……それでよかったでしょうか?」
桃華「構いませんわ」
みりあ「答え合わせはねー、プロデューサーさんとするから!」
仁奈「正解して、いーっぱい褒めてもらうですよー!」
薫「ねー!」
文香「プロデューサーさんに? ……なるほど、そういうことでしたか……少し、羨ましい気がしますね」ボソッ
ありす「でも、ヒントですか。はぁ……」
文香「……ありすちゃん?」
ありす「あ、すみません。実は……私も、姫はじめというものがどうものか知らないんです。タブレットさえあれば調べることができたんですが……」
文香「タブレット……そういえば、今日は家に忘れてしまったとか…」
ありす「そうなんです。スマホも電源切れちゃってますし……」ショボーン
文香「そういう日もあります。だから……あまり落ち込むことは、無いと思いますよ。……では、ありすちゃんに代わって私から。……そうですね。ヒントは二つ目のようですし、一つ目のヒントにつなげて……」
文香「……『姫はじめとは、好きあっている者同士が行うもの』です」
文香「……好き、よりも『愛し合っている者同士』の方がよかったでしょうか。ですが……あの子たちにはまだ、愛という言葉は早い気がして……」
ありす「文香さん?」
文香「……いえ、なんでもありません」
ありす「そうですか。……みなさん、なんだか楽しそうでしたね」
文香「……ありすちゃんも、混ざってきてはどうですか?」
ありす「ええっ? どうしてですか?」
文香「いえ……なんだか、羨ましそうに見ていた気がしたので。ありすちゃんも…L.M.B.Gの一員なのですから……今から合流しても、いいと思います」
ありす「羨ましくなんかないです! 確かに、楽しそうだとはちょっぴり思いましたけど……今は、文香さんといる時間が、大切ですから」
文香「ありすちゃん……ふふっ」ナデナデ
ありす「ふみゅっ……えへへ…」
文香「……」サスサス
ありす「……?」
文香「……」サワサワ
ありす「文香さん? 急に自分の体を触り始めて、どうしたんですか?」
文香「……いえ……私も、体が小さければ、L.M.B.Gに入れたのかなと思いまして…」
ありす「いや、文香さんは大人じゃないですか。体が小さくても、入れないかと……」
文香「しかし……若葉さんという例が……」
ありす「うぐ、そうでした。でも、どうしてそんなことを?」
文香「……あの子たちの輪に入れば、私も一緒に褒めてもらえるかなと。ふと……そんなことを///」
ありす「……」
文香「……ありすちゃん?」
ありす「やはり最後の敵は、プロデューサーさんですか。……絶対に負けません」
文香「……ありすちゃん? アイドルがしてはいけない、嫉妬にまみれた顔をしていますよ? ……そんな顔をしていいのは、まゆさんか、首輪を持った凛さんか、包丁を持った響子さんか、婚約届を持った和久井さんか、クローバーを山ほど持った智絵里さんか、未亡人の美優さんくらいです」
ありす「すごいいっぱいいるじゃないですかぁ! このプロダクション大丈夫なんですか!?」
ワタシ、ケッコンシタコトナインデスケド!?
智絵里「ふぇっ!? 姫はじめですか!?///」
杏「あーあー、新年早々こういうことするんだなぁーこのプロダクションは。アイドルに卑猥な言葉を説明させるとか、何考えてんだか」
かな子「川島さんのメール、そういうことだったんですね……でも私、姫はじめって初めて聞いたんだけど……」
杏「あー、うん。かな子ちゃんは……知らなさそうだよね、イメージ的に。これで饒舌に説明しだしたら、杏は驚きすぎてこのあと真面目に番組の収録を受けちゃうところだったよー」
かな子「驚かなくても、このあと収録あるんだよ杏ちゃん。でも、姫はじめって、みんな知ってる言葉なのかな? 知らないの私だけだったりする?」
杏「杏はまぁ……ゲームとかマンガで知ってたし? 智絵里ちゃんは――」
智絵里「姫はじめなんて、そんな……確かに、その…プロデューサーさんと……とか考えちゃったときもあるけど……うぅ///」
杏「あれはきっと、感情のおもむくままにネットとかで調べちゃった系だね」
かな子「?」
杏「まぁ要するに、智絵里ちゃんはうさぎだったんだよ。いろんな意味でね」
かな子「……よくわかんないけど、智絵里ちゃんはうさぎさんみたいに可愛いもんね。あ、そうだ! みんな、お菓子持ってきてるんだけど、食べる?」
『わーい!(ですわ!)』
杏「かな子ちゃんはそのまま育ってね、うん」
杏「まぁ、かな子ちゃんは知らないみたいだし、智絵里ちゃんは再起不能みたいだから、杏が答えるねー。……めんどくさいけどなぁもう」
みりあ「あははっ、杏ちゃんはいつも通りだねー」
桃華「新年なんですから、もう少しやる気をだせませんの?」
杏「んー、めんどくさいからいいよー。っていうかその新年早々に杏に仕事いれるとか、何考えてんだろうね、あのプロデューサー」
薫「もうっ、せんせぇを悪く言っちゃだめだよ?」
杏「まぁね、かき入れ時ってのは理解してるからいいんだけどさ。そんでーなんだっけ。ヒント? でよかったんだっけ」
仁奈「そーでごぜーます!」
杏「ふーん……どうしようかなぁ」
智絵里「……///」テレテレ
杏「みんな、智絵里ちゃんを見てごらん? 顔真っ赤にしてるよねー、それからも分かるとーり」
杏「『姫はじめってのは、ちょっと恥ずかしいこと』なんだよね」
杏「まぁそれも人によるんだけど」
杏「これさー、もし正解にたどり着いちゃったらどうするつもりなんだろうねー」
かな子「よくわからないけど……答え合わせはプロデューサーさんがするみたいだから」
杏「じゃ、めんどくさいことはプロデューサーに任せよう。杏しーらないっと」
かな子「もう、杏ちゃんったら」
智絵里「……///」
杏「あの子はいつまで妄想にふけってるんだろうね。そこまでイッちゃってる子じゃないと思ってたんだけどなぁー」
かな子「智絵里ちゃん、プロデューサーさんのこと、好きだもんね」
杏「あれ、知ってるんだ?」
かな子「うん、前に相談されたから。初めて聞いたときは驚いちゃったけど」
杏「へー……前向きに頑張ってるんだ。これも成長、かな?」
杏「……そうだ! ちょっとからかっちゃおうかな。バレないように近づいてっと」
杏「あれ、プロデューサー! もう帰ってきたんだ」
智絵里「えっ!? プロデューサーさん!?///」ジュンジュン
杏「普通そこはキュンキュンじゃない? なんで濡れた音がしたんだろ……」
智絵里「……あれ? いない?」
杏「ごめーん。杏の見間違いだったー」
智絵里「そ、そっかぁ……そうだよね。プロデューサーさん、まだお仕事中だもんね……」ショボン
杏「すごい露骨に悲しい顔したねー。智絵里ちゃんが己の欲望に忠実になってきてて、杏ちょっと心配だよー」
拓海「ひっ、姫はじめだとっ!? なにくだらねーこと聞きやがるんだっ!」
桃華「ひぅっ」ビクン
里奈「はいはーい、たくみんどうどう!」
涼「おいおい……会っていきなり小学生にメンチきることはないだろ拓海」
拓海「あっ、いや! アタシだって別にメンチきったつもりはねぇよ!」
亜季「拓海殿、そのように顔を真っ赤にして、どうしたでありますか?」
拓海「なぁ!? アタシの顔が赤くなってるとか、んなわけねぇだろ!?」
里奈「たくみん、鏡見るぽよ?」
夏樹「ごめんな、ウチの拓海がいきなりビビらせちゃってさ」
桃華「だっだだ大丈夫ですわ」ガクブル
涼「ほら、完全にビビっちゃってるじゃんか」
拓海「えっ、アタシが悪いのかぁ?」
夏樹「逆に拓海以外でだれが悪いんだよ……」
亜季「拓海殿。時として頭を下げる潔さは、大切でありますよ」
拓海「なっなんだよ亜季まで……えっと、なんだ。その……わりぃ。別に、お前らをビビらせるつもりはなかったんだ」
涼「って本人も言ってるんだけど、許してくれない?」
里奈「そーそー! たくみんこう見えて、可愛いもの好きの乙女だから☆」
拓海「ばっ! だれが乙女がだれが!」
夏樹「可愛いもの好きは否定しないんだな……」
みりあ「だいじょーぶだよ! みりあ知ってるもん! 拓海さんは、捨てられてるネコほっとけないくらい、ネコ大好きだもんね!」
拓海「なっ!///」
薫「どーゆーこと?」
みりあ「んっとね、この間ね? みりあとプロデューサーさんと一緒にご飯食べた帰りだったかなー。その時にね、路地に拓海さんがいるのを見つけてー」
拓海「あっコラ! みりあ――ムグッ」
夏樹「続けて?」
みりあ「なにしてるのーって声かけたら、拓海さんちっちゃい子猫にミルクあげてたの! しかもね! すーっごいニコニコしてた!」
里奈「キャハ! なにそれたくみんヤバたーん!」
涼「それから?」
みりあ「この子猫ね、捨て猫みたいだったから、プロデューサーさんがどうするんだーって聞いたの。そしたらね?」
拓海『どうするんだって…そりゃお前……こんなのほっとけーだろ? だから…アタシが、飼ってやらないこともねーっていうか……な!? あっアタシが可愛いもの好きとか今関係ねぇだろっ!』
猫『にゃー』
拓海『おっと……どうしたー? まだミルク、飲み足りねーか?』
猫『にゃー』
拓海『……心配すんなよ。アタシがちゃんと、面倒見てやっからよ』
猫『にゃー♪』スリスリ
拓海『ちょ、バカ、くすぐってーだろ? ったく……へへ、可愛いなぁ……』
P『……』
拓海『だっ!? ってめぇ! なにじろじろ見てんだ! あぁ? ……『猫を撫でる拓海も可愛い』だとぉ!?/// なにテキトーなこと抜かしてやがんだっ、このバカプロデューサー!
』
みりあ「って! ネコも拓海さんもかわいいねーってプロデューサーさんと話してたの!」
涼「ほー」
夏樹「へぇ…」
里奈「マジやばたーん☆」
千枝「……拓海さんって、優しい人だったんですね。ごめんなさい、千枝誤解してました」
薫「留美お姉ちゃんが言ってたよ! ネコ好きに悪い人はいないって!」
仁奈「おー! すげー! 拓海お姉さんも猫の気持ちになるですか? ニャオーン!」
拓海「……みりあ」
みりあ「なぁに?」
拓海「その話……内緒にしとけって言っただろー!!」
『きゃー!♪』
夏樹「ふふっ、小さい子供に振り回される拓海も、オツなもんだな」
里奈「たくみんチョロいからー、キャハハ!」
涼「……ん? もしかしてその猫って、いつも寮の近くをうろうろしてるやつか?」
拓海「!?」
夏樹「でもあいつは、いつのまにか住み着いてたって言ってたじゃんか」
亜季「言っておりましたな、拓海殿が」
夏・涼・里・亜『……』
拓海「なっ、なんだよ……」
夏・涼・里・亜『……』ニヤニヤ
拓海「だー! てめぇらまでアタシをからかいやがってぇー!」
里奈「はーい、たくみんどうどう!」
涼「ま、これ以上拓海をいじってても仕方ないし、話し戻そうよ」
夏樹「すごい話が脱線してたな。で、なんだっけ?」
桃華「もう、しっかりしてくださいまし。姫はじめの意味ですわ」
亜季「あぁ、そうでしたな」
夏樹「うーん……少し、作戦タイムを取っていいか?」
みりあ「作戦タイム? いいよー?」
夏樹「サンキュ。終わったら声かけるから、テキトーに待っててくれよな」
薫「りょうかー!」
涼「どうしたんだよ夏樹。作戦タイムなんて……もしかして、姫はじめの意味、知らないの?」
夏樹「そんなことないさ、ただ……んー、なんていうんだ? アタシらはこの質問に答えていいのかっていうか、アタシらはこの質問に答える資格がないっていうか……」
拓海「んだよ、はっきりしねぇな。ってかもうさ、バンって言っちまえばいいじゃんかよ。姫はじめってのは……その、なんだ……あーっと、男と女が……そういうことすることだってさ」
里奈「キャハハ! たくみん顔真っ赤にしすぎ~」
拓海「うっせぇ! 恥ずかしがってわりぃかよ!」
亜季「ちょっと待ってください。確か、川島殿からのメールで、指令がありませんでしたか?」
涼「あぁ。きっと瑞樹サンが言ってんのはこの姫はじめの事だろうね。だから、夏樹、答えじゃなくてヒントをやればいいんだろうから、そんなに難しく考えずに、なにか適当に……」
夏樹「そうなんだけどさ……あー、失礼を承知で言うけど……アタシらってさ、そういう経験ない奴らばっかりだよな?」
里奈「そういう経験って?」
夏樹「だから……男女の肉体的な関係の経験だよ。だから…的確なヒントも、与えれないんじゃないかと思ってさ」
涼「真面目だな、夏樹は。まぁでも……それは確かに、無いな」
亜季「私も……そういうことは苦手で…///」
里奈「付き合ったりはあるけどー、そういうエッチなのはないかなぁ」
夏樹「拓海も当然ないだろうからさ、どう答えたもんかなぁ――」
拓海「なっ! アタシはまだなんも言ってねぇだろうが!」
涼「拓海は言わなくても分かる雰囲気あるからね」
拓海「なんだよそれ!」
里奈「でも実際問題ぃ、ないんでしょ~?」
拓海「……ある」
夏・涼・里・亜『!?』
里奈「ウソウソ! まじやばたーん!」
涼「けっこうこれ重大問題だぞ! 本当なの、拓海?」
拓海「……ある」
拓海「そういう事をしたことがあるダチの話を聞いたことが、ある」
里奈「ちょっ何故見え張ったし☆」
拓海「うっせぇ! 勝手に決めつけられてカチンときたんだよ!」
夏樹「安心したというか、呆れたというか」
涼「ま、そっちの方が拓海らしいよ。ね?」
亜季「そうですな。して拓海殿、その方の話、もう少し詳しく聞かせてもらってもかまいませんか?」
里奈「なになに~、亜季っち実は気になるのかな?」
亜季「そうではなく! このまま経験のない私たちが話し合うよりも、その方の話から、ヒントを得ればいいのではないかと考えたんです」
夏樹「なるほど! それはいい、グッドアイディアだ」
涼「うん、亜季の言う事にも一理ある。拓海」
拓海「んだよ」
涼「その友達から、詳しい話は聞いたのか?」
拓海「あ、ああ…」
里奈「えー聞いたのたくみん? なんだかんだ言って興味津々なんじゃん!」
拓海「ばっ! ちげぇよ! そいつが無理やりだな!」
夏樹「あーはいはい。言い合いはいいから。拓海、そのダチの話の中でさ、なんかあの子たちに伝えてもよさそうな……ヒントになりそうなのとかないか?」
拓海「あー? ちょっと待ってろよ………んー、そうだな……」
夏・涼・里・亜『……』
拓海「あっ!」
夏・涼・里・亜『!』
涼「何かいいのがあったの?」
里奈「きになるぽよー」
拓海「あ、いやでもこれは……」
夏樹「なんだ、なんかまずいことでもあったか?」
拓海「いや、そうじゃねぇんだけどよ……」
夏・涼・里・亜『?』
拓海「……///」カァー
里奈「うわっ、茹蛸みたいになったぽよ」
夏樹「ははーん、さては、結構きわどいこと考えてたな?」
拓海「ちげぇよ! んなこと考えるかよ!」
涼「じゃあ別にいいじゃんか。試しに言うだけ言ってみたらどう?」
拓海「ほっ、ほんとに言わなきゃダメか?」
亜季「そんな拓海殿の反応を見せられたら、気になるであります」
拓海「うぅ……///」
拓海「いやな? あくまでダチから聞いただけだから、詳しいことは知らねぇけどよ!」
拓海「その……すごく、気持ちよくって、幸せになる……らしい」
夏・涼・里・亜『……』
拓海「くぅぅ……なんでアタシがこんな恥ずかしいこと言わなきゃ…///」
夏・涼・里・亜『……ブッ!』
拓海「!? てめぇら、そろいもそろってなに笑ってんだよ!」
夏樹「あはははは! いやー悪い悪い! あまりに拓海が恥ずかしそうにしてたもんでついな!」
里奈「たくみんマジかわぽよー☆」
拓海「りぃなぁ!」
里奈「キャハハ!」
涼「はははっ、こんなに大笑いしたのは新年初だよ」
亜季「しかし、これでよいヒントが得られたというものですな!」
涼「だな。おーい、もういいぞー!」
みりあ「ヒント決まった?」
涼「ああ。ばっちりだよ」
里奈「……たくみんが言うぽよ??」
拓海「だぁぁ! もう、アタシのことはほっとけっての!」
夏樹「はいはい。そんじゃあアタシたちからのヒントは」
夏樹「『姫はじめは、気持ちよくて、幸せなこと』らしい」
夏樹「って拓海が言ってた」
拓海「てんめぇ! バラすんじゃねぇよ!」
涼「あはははっ!」
拓海「新年早々、恥かいたぜ……」
涼「半分自爆だったけどな」
拓海「テメーらがからかうからだろ……あんなことアタシが言ったって広まったらどうすんだよ……」
里奈「そうだね~。特に、プロデューサーの耳なんかに入っちゃたらどうしようねぇ☆」
拓海「なぁっ/// なんでいまPの名前が出てくんだよ!」
夏樹「くくっ、確かにあのPさんのことだ。拓海は経験済み、だなんてあの子たちから聞いたら卒倒しちまうかもな」
亜季「プロデューサー殿、なんだかんだで拓海殿に甘々ですからな」
拓海「だからなんでPの話になってんだよ! てかアタシは! ……そういう……こと…しっしたことねぇっつの! あれはダチの話で!」
涼「でもそんな事情、Pサンは知らないだろうからなぁ」
亜季「加えて、プロデューサー殿は思い込みが激しいですからな。誤解を解くのも一苦労しそうですな」
里奈「プロデューサー、悲しむだろうねぇ~」
拓海「はぁ!? じ、じゃあどーすりゃいいんだよ!」
夏樹「自分が経験ないって証明すりゃいいんじゃないか?」
拓海「どうやって?」
夏樹「そりゃもちろん」
夏樹「気持ちよくって、幸せになれる、姫はじめでさ」
拓海「なっ///」
夏樹「ははっ、冗談だよ。そんな怒るなって――あれ、拓海?」
里奈「うわっ顔真っ赤にしてフリーズしてるぽよー」
亜季「恥ずかしさの限界容量を超えたでありますな」
夏樹「あちゃー、からかいすぎたか。こりゃ後がうるさいぞ」
涼「はははっ! まったく……新しい年になっても飽きないな、このユニットは」
みりあ「姫はじめは、一人ではできない」
薫「姫はじめは、好きあっている人同士がおこなうもの」
仁奈「姫はじめは、ちょっと恥ずかしいこと」
千枝「姫はじめは、きっ気持ちよくって、幸せなこと」
桃華「……この四つのヒントで答えが分かった方、いらっしゃいますの?」
『……』
みりあ・薫・仁奈「わっかんなーい!(でごぜーます!)」
桃華「もう! 真面目に考える気があるんですの!?」
みりあ「えへへー」
桃華「まったく……かくいう私も分かってはいないんですけど。姫はじめ……『姫』はお姫様の事ですわよね? それと『はじめ』。この『はじめ』は新年初めてという意味であっているはず……新年初めての姫ってどういうことですの?」
薫「もうかおるはちんぷんかんぷんだよ~」
みりあ「あーぁ、正解したかったのになぁ」
仁奈「このままだと、プロデューサーは褒めてくれねーですか? でも仁奈もさっぱりわからねーです……」
桃華「みなさん諦めるのが早すぎますわ!」
みりあ「……えへへー。桃華ちゃん、そんなにプロデューサーに褒められたいんだー?」
桃華「なっ!? わっわたくしは別に、Pちゃまのご褒美を期待してるとか、そういうのではありませんのよ! ただ、櫻井の人間として、目の前にある問題をそのままほっぽりだすというのは――」
千枝「……」
桃華「……千枝さん? さきほどから何か考えているようですけれど、どうかしたんですの?」
千枝「あっ、うぅん、大丈夫。姫はじめの意味、考えてただけですから」
桃華「そうですの。千枝さんはあのお三方と違って、真面目ですからありがたいですわ」
みりあ「あー! 桃華ちゃんがいじわる言ってるー!」
桃華「わたくしは事実を言っているだけですわー」
千枝「……あのね、桃華ちゃん。もしかしてなんだけど……」
桃華「なんですの? まさか、姫はじめの意味、分かったんですの?」
千枝「う、うん。あっでもね、自信はないんだ……間違ってたらどうしよう」
桃華「問題ありませんわ」
千枝「……え?」
桃華「間違っていたら、やり直せばいいだけですもの。だから、千枝さんのお考えを教えてくださいまし」
千枝「桃華ちゃん……うん、ありがとうとうございます」
千枝「千枝が……私がたどり着いた答えは――」
モバP(以下P表記)「ほー、それはまた面白そうなことを」
瑞樹「いいでしょ? いやー、盛り上がると思ったのよー」
P「プロダクション内でアイドルを探し、その人たちからヒントをもらいクイズを解く・・・・・・うーん、許可さえおりればカメラを回したかったですね」
瑞樹「あら、確かにそうね。掛け合ったら良かったかしら」
P「いえいえ。瑞樹さんにそこまでして頂かなくても。いいヒントになりました。次の企画の参考にさせてもらいます」
瑞樹「そう? なら良かったわ」
P「でも・・・その肝心のクイズの内容を聞いてないんですけど・・・」
瑞樹「それはー・・・・・・ヒミツー♪」
P「えぇ・・・なんですかそれは・・・」
瑞樹「あら、やっぱり可愛くなかったかしら?」
P「いえ、可愛かったです。惚れちゃいそうです」
瑞樹「そ、そう・・・///」
P「でも採点者が問題を知らないって、それが問題だと思うんですけど」
瑞樹「・・・・・・///」
P「瑞樹さん?」
瑞樹「え? あ!・・・ごほん。うん。大丈夫よ! プロデューサーくんも絶対知ってることだと思うから!」
P「そうですか? 瑞樹さんがそう言うなら、信じますよ」
瑞樹「あら、私ってけっこうプロデューサーくんの信頼をかってたのかしら」
P「何いってるんですか。俺はいつも瑞樹さんのこと信頼してますよ。俺がまだ新米の頃から助けられてますから」
P「いつもありがとうございます、瑞樹さん。いつかちゃんと、お礼させてくださいね」ニコッ
瑞樹「・・・・・・」
P「瑞樹さん?」
瑞樹「・・・・・・///」
P「瑞樹さーん? ちょっとちひろさーん。瑞樹さんが固まっちゃったんですけど?」
ちひろ「勝手にやっててくださいこの女たらし」
P「えぇ・・・」
バァンッ!
薫「せんせぇ!」
P「おー、薫、お疲れさ――っおおぅ!? おいおい、いきなり飛びついてきたら危ないだろ?」
薫「ごめんなさーい」
P「まったく・・・元気だなあ」ナデナデ
薫「あっ・・・えへへー」
バァンッ!
仁奈「あー! かおるおねーさんがもう頭なでなでされてやがります!」
みりあ「ずるーい!」
桃華「はぁ・・・はぁ・・・みなさん足速すぎですわ。羨ましいですわね・・・」
千枝「というかプロダクション内を走っちゃだとだ思うんですけど・・・」
P「おー。みんなお疲れさま。悪かったな、現場について行けなくて。番組収録、どうだった?」
桃華「はぁ…はぁ…も、もちろん!ばっちりでしたわ!」
P「桃華はまず息整えような。でも、無事終わったみたいでよかったよ。よく頑張ったな」
千枝「……もう褒められちゃった///」
P「それで……なんだっけか。クイズの答え合わせに来たんだよな?」
みりあ「うん! そうなの!」
仁奈「仁奈たち頑張ったでごぜーますよ?」
P「そうかそうか。よしよし」ナデナデ
みりあ・仁奈『えへへー』
桃華「みりあさん、仁奈さん! 抜け駆け禁止ですわ!」
みりあ・仁奈『ごめんなさーい』
桃華「もうっ! ずるいですわ!」
P「はははっ。このメンバーでの収録は久々だったから不安だったけど、相変わらずの仲良しで安心したよ。それじゃあ千枝」
千枝「は、はい!」
P「じゃあまず、復習として、問題を先に教えてくれるかな?」
千枝「はい。問題は――」
千枝「『姫はじめ、とはいったいどういう意味でしょうか』です」
P「……」
千枝「……プロデューサーさん?」
P「……」
P(なにやってるんですか瑞樹さぁん!)
瑞樹(私は悪くないわよ。この子たちから聞いてきたんだから)
P(でも、それならこんな問題をわざわざ聞いて回らせなくても…)
瑞樹(P君が私たちの飲みの誘いを断って、正月早々営業になんか出てるのが悪いのよ)フンッ
P(えぇ……理由になってないないやん……)
みりあ「プロデューサー、どうしたのー?」
P「あ、ああ。ごめん、なんでもないよ」
P(これは困ったぞ。どう答えようか……答えようによっては、この子たちを傷つけてしまうかもしれない)
瑞樹「……まずはこのたちの答えを聞いてあげて」ボソッ
P(あぁ! そうか! まずこの子たちが導きだした答えを聞いてから考えよう。それでも遅くはない!)
P「よし。では、仁奈、薫、みりあ、千枝、桃華。五人が導き出した答えを教えてくれ」
『……』
みりあ「みんなで一緒に言おっか!」
仁奈「うん!」
薫「よーし! せーの!」
『姫はじめは、【プロデューサーと一緒の、アイドルのお仕事】です!』
P「……」
瑞樹「……」
P「……よし、ではどうしてその答えにたどり着いたか、理由を聞こうか」
桃華「ほら、千枝さん。説明してくださいまし」
千枝「えっ、千枝がですか?」
桃華「そうですわ。この答えが出せたのは千枝さんのおかげですもの」
みりあ「そうだよー! だから千枝ちゃんにお願いしたいな!」
千枝「……そうだよね。分かりました」
千枝「プロデューサーさん」
P「なんだ?」
千枝「改めて……千枝は、姫はじめは、『プロデューサーさんが持ってきてくれた、アイドルのお仕事をすること』だと思ったんです」
千枝「私たちは、四つのヒントを皆さんにいただきました」
みりあ「姫はじめは、一人ではできない!」
薫「姫はじめは、好きあっている人同士がおこなうもの!」
仁奈「姫はじめは、ちょっと恥ずかしいことでごぜーます!」
桃華「姫はじめは、気持ちよくって、幸せなこと。ですわ」
千枝「そして……ヒントを一つ一つ、私たち自身に置き換えて考えてみたんです。千枝がちょっと恥かしいと思う事って何だろう? 気持ちよくって、幸せな気分になることって何だろう? って。そしたらアイドルのお仕事にたどり着いたんです」
P「……続けてくれ」
千枝「はい。千枝は、アイドルのお仕事って、まだ恥ずかしいって思うことがいっぱいあるんです。LIVEの前とか、テレビの取材とか。あと、衣装がすっごく派手だったり、大人っぽかったりしても、恥かしいって思っちゃって……」
千枝「でも、そんな衣装でも、いざステージに立ったら、ファンの皆さんからの声援で温かい気持ちでいっぱいになって……ステージが終わって、拍手がいっぱいもらえると、すごく気持ちよくって、幸せな気持ちになるんです」
P「……そうか」
千枝「はい! それに、千枝もいつもプロデューサーさんに頭撫でてもらってて……その度に、いつも思うんです。『今日もプロデューサーさんは私のことを見ててくれた。いつも千枝をステージに立たせてくれるプロデューサーさんに感謝しないと』って。……千枝にとって、アイドルは、お姫様みたいなものなんです。綺麗な衣装を着て、キラキラの舞台に立つ。小さいころから夢見てたお姫様」
P「……」
千枝「アイドルのお仕事は一人ではできない。ファンの皆さんがいてくれて、スタッフの皆さんがいてくれて……そしてプロデューサーさんがいてくれる。だから千枝は……頑張れるんです」
千枝「だからアイドルのお仕事は一人ではできないんです。当たり前だと思ってしまいがちだけど、忘れてはいけない大切な……そのことに気づきました」
千枝「そして最後は……ちょっと口にするのは恥ずかしいけど……」
千枝「みんな、プロデューサーさんのこと、大好きですから」
P「!」
ああ―――安心した
千枝「千枝はプロデューサーさんのこと、大好きです。いつも見守ってくれて、困ってたら助けてくれて、頑張ったら褒めてくれて、悪いことしたらちゃんと叱ってくれる。きっと千枝にとってプロデューサーさんはとても大切な存在なんだと思うんです」
千枝「それはここにいるみんな、同じ気持ちでした」
千枝「それにきっと……私たちだけじゃなく、プロデューサーさんが担当してくれているアイドルみんなが思っていると思います」
P「……千枝」ウルッ
千枝「新しい年になって、大好きなプロデューサーさんと一緒に、まだちょっと恥ずかしいけど嬉しくて、幸せになるアイドルのお仕事をする。それが、千枝たちがたどり着いた答えです」
P「……」
千枝「どうで…しょうか?」
P「……千枝、それに薫、仁奈、みりあ、桃華。よく頑張ったな」
「「「「「!!」」」」」
瑞樹・ちひろ『!?』
みりあ「それじゃあ!」
仁奈「正解でごぜーますか!?」
P「……正解は」
薫「正解はー?」
P「……」
P「教えません!!」
『……』
『えええええー!?』
桃華「ちょっと、どういうことですのPちゃま!」
みりあ「そうだよー!」
薫「ずるいよせんせぇ!」
P「そう怒るな怒るな」
仁奈「怒りもするでごぜーます!」
千枝「……」ショボーン
瑞樹(ちょっとP君、どういうこと!? 教えないって一番最悪のパターンよ?)ゲシゲシ
P(痛っ、いやこれ仕方ないでしょう! あんな素晴らしい回答を耳にして、『実は姫はじめってのは男と女でエッチなことをすることなんだよ』って言えるわけないでしょ!? いった瞬間のこの子たちの顔を想像するだけで死ねる!)
瑞樹(それはそうかもしれないけど……そこをなんとかするのがP君の仕事でしょ?)
P(まぁ……それはそうですね)
P「……ごほんっ。確かに今俺は、お前たちに姫はじめの意味は教えないといった。だが、ずっと教えないわけじゃない」
桃華「どういうことですの?」
P「この言葉の意味を知ることは、まだお前たちには早いんだ。だからしかるべき時がきたら、しっかり教えてやるからさ」
薫「それっていつー?」
P「みんながもうちょっと大人になったらだな」
桃華「私はもう大人ですわ!」
P「そう言ってる間は、まだまだ子供なんだよ」ナデナデ
桃華「むぅー…」
P「……でもな、俺はすごく嬉しいんだ」
P「こんな形ではあったけど、みんなの気持ちを知ることができた。普段ああやって、心の内を聞くことなんてできないから……」
千枝「プロデューサーさん……」
P「だから俺は嬉しかったし、それに、みんなのことを誇りに思った。正直いうとな? みんなのことがまだまだ心配だったんだ。失敗してないかなぁとか、元気にやれてるかなぁとか、さ」
みりあ「心配しすぎだよー」
仁奈「そうでごぜーます! 仁奈たちは、みんなで仲良くお仕事できるでごぜーますよ!」
P「……うん、そうだな。いつの間にかみんな、立派なアイドルになってたんだな」
P「ありがとう。俺の担当アイドルでいてくれて」
みりあ「プロデューサー……」
薫「もー、せんせぇがお礼を言うことなんてないよー! だってかおる達、ずっとせんせぇのアイドルだもん!」
仁奈「プロデューサーがプロデューサーじゃねーと仁奈もいやでごぜーますよ!」
桃華「そうですわ。私たち、何があってもPちゃまのアイドルですから」
P「みんな……ありがとう」ウルッ
千枝「でも……正解を教えてくれないならご褒美は…?」
仁奈「あー! そうでごぜーます! ご褒美ないんでごぜーますか?」
P「なに言ってるんだ! 俺の誇りのアイドルにご褒美がないわけないだろ!」
薫「それじゃあ!」
P「ああ! 抱っこでもナデナデでもいくらでもご褒美をやるぞー! さぁばっちこーい!」
「「「わーい!」」」
P「よーしよし、頑張ったなーえらいぞー!」ナデナデ
「「「えへへー」」」
桃華「……」モジモジ
P「どうした? 千枝も桃華も来てもいいんだぞ? あ、撫でるのがイヤならいいんだが…」
桃華「そっそんなことありませんわ!」
みりあ「それなら、桃華ちゃんもおいでよー!」
仁奈「やっぱりプロデューサーのナデナデは最高でごぜーます……」
薫「ねー」
桃華「……し、しょうがないですわね。では…」
P「はいよ。痛かったら言ってな?」ギュッ
桃華「んっ…ちょうど……いいぐらいですわ」
P「そうか……ならよかった」ナデナデ
桃華「はぁうぅぅ……///」
瑞樹「ねぇ、社会的にも絵面的にも大丈夫なのあれ?」
ちひろ「まぁ幸いなことに、ウチのプロデューサーさんはあの子たちのことを娘みたいな存在だとしか思ってないので」
瑞樹「……なるほど。じゃあさっきの彼は、愛娘の成長を見たから感極まってたわけね、わかるわ」
ちひろ「まぁプロデューサーさんはそう思ってますけど、アイドルのみんなはどう思ってるか分かりませんけどね」
瑞樹「……わかりたくないわ」
P「よーし、じゃあ今日はお疲れさま会と題して、みんなでどっかおいしいもんでも食べに行くか!」
みりあ「ほんとー!?」
薫「わーい! やったぁー!」
仁奈「仁奈は、ハンバーグ! ハンバーグが食べてーです! こーんなでっかいの!」
桃華「もう、仁奈さんったら。食べきれなくても知りませんわよ?」
P「なんの! そうなったら俺が平らげてやるさ!」
仁奈「おー! プロデューサーかっけーでごぜーます! まるで大食いチャンピョンの気持ちになってるみてーです!」
P「はっはっはっ、そうだろうそうだろう」
桃華「もう! Pちゃまったら!」
千枝「……」
クイックイッ
P「ん? どうした、千枝?」
千枝「……プロデューサーさん、ちょっと耳を貸してくれませんか?」
P「あぁ、構わないが……どうした?」
千枝「……」
千枝「千枝、本当は……『本当の』姫はじめの意味、知ってるんです」ボソッ
P「……え?」
千枝「姫はじめって……新しい年になって初めて、男の人とエッチなことをしちゃうことですよね?」
P「なっ」
千枝「正解……ですよね?」
P「千枝……お前」
千枝「このクイズは、正解したらプロデューサーさんからご褒美がもらえるんです」
千枝「だから……」
千枝「プロデューサーさんの特別なご褒美、千枝だけにたくさんください……ね?」
千枝ちゃんEND
読んでくださってありがとうございます。
このSSを書いている最中に、デレステに千枝ちゃんのSSRが来るという奇跡。
無論私は引けませんでしたが。
前作です。
ちひろ「そばに置いておきたいアイドル?」
【モバマスSS】ちひろ「そばに置いておきたいアイドル?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1494588106/)
頃合いみて、依頼出してきます。
千枝ちゃんエンド詳しく
具体的にはその後を
乙
やっぱり千枝ちゃん悪い娘なんすね…
やっぱり千枝ちゃんは魔性のロリっ子なんですね最高です
とりあえずご褒美の場面はよ
あと美波はどうなったのか……
性獣智絵里
そ、そんな・・・
ありすが火サスの嫉妬に狂った女みたいな目で(ry
>>37
千枝ちゃんエンド後はまた新しく書くつもりなので、
その時にまた見てくださるとうれしいですねー
千枝ちゃん…好き…
>>43
!!
>>43
…ほう
千枝ちゃんと智絵里はうさぎか…
千枝ちゃんは合法
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