モバP「キュートなおさナナじみ」 (26)

書き溜めあり
パパッと終わります

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ちひろ「プロデューサーさん、今日の面接の件なんですけど今よろしいですか?」

モバP「ええ、構いませんよ」

ちひろ「専務からプロデューサーさんも面接に参加するように、とのことです」

モバP「なんでだろ……アイドル見分けるならスカウト派なんだけどなぁ」

ちひろ「何言ってるんですか。結果を出してるからそっち方面でも期待されてるんですよ」

モバP「ん、わかりました。何時に何処でですか?」

ちひろ「2時に第3会議室です。それじゃあよろしくお願いしますね」

モバP「はい。資料はこれですね」

ちひろ「ええ。始まるまでに軽く目を通しておいてください」

モバP「わかりました。それでは」

モバP「とは言っても普段は直接見て話しかけるからなぁ。写真と文字だけで分かるものなのか……?」

モバP「……専務とかならきっと分かるんだろうな」

モバP「ま、見るだけ見ておくか」

ーーーーーー

モバP「この人は……何か違うな……こっちも足りない……うーん……」

モバP「次が……安部菜々? ……いやまさかな」

モバP「あいつがこんな痛々しいことをまだやってるだなんて思えないし同姓同名だろ」

モバP「流石に『 』歳にもなって永遠の17歳はな……」

ちひろ「安部さん、お入りください」

菜々「こんにちはー。失礼します!」

ちひろ「こんにちは。早速お話し聞かせて貰ってもよろしいですか?」

菜々「はい! 安部菜々17歳! 歌って踊れる声優アイドルを目指してます!」

ちひろ「はい。千川ちひろです。今日はよろしくお願いしますね」

菜々「こちらこそよろしくお願いします!」

モバP「……マジかよ……」

ちひろ「プロデューサーさん? どうかしましたか?」

モバP「……いえ……初めまして、プロデューサーです」

菜々(……ん?)

モバP「えー、出身がウサミン星となっておりますがこれは……」

菜々「はい! ウサミン星です! 惑星間航行の技術は詳しくお話し出来ませんが1時間ほどです!」

ちひろ「あはは……うちでは無理なキャラ付けはいりませんよ?」

モバP「総武線で1時間、と」

菜々「べ、別にキャラ付けとかじゃ……ってなんで総武線ってバレてるんですか!?」

モバP「カバンからMAXコーヒー見えてましたから」

菜々「へっ!? ああいやこれはウサミン星独自の飲み物でして!」ブンブン

モバP「あれ、その腕のあおなじみ痛みませんか? 湿布必要でしたら貼りますか?」

菜々「あれ? どこかにぶつけてたかな……」

ちひろ「あおなじみってなんですか?」

モバP「千葉とかの方言で青あざって意味ですよ」

菜々「ハッ!? ちーがーいーまーすー! ウサミン星でもそう言うんですー!」

ちひろ「プロデューサーさん、ふざけるのも良い加減にしてくださいね?」

モバP「あ、すみません。どうにも……」

ちひろ「すみませんね、安部さん」

菜々「いえいえ! あとナナで良いですよ!」

ちひろ「では……菜々さん。自己PRをお願いします」

菜々「え”っ! 普通もう少しお話しから入ったりとかないんですか?」

ちひろ「うちの専務の方針でして……もちろん突然では難しいということでしたら結構ですが、いかがでしょう」

菜々「……1分待っていてください!」

モバP「ちょっと! なんで急にあんなこと言い始めたんですか!」

ちひろ「え? プロデューサーさんとの会話を見てグイグイいけるタイプかと思ったので」

モバP「いや……確かにそうですけど無茶ぶりが過ぎませんか?」

ちひろ「ダメでしたか? 一発で見極められる良い方法だと思いますけど」

モバP「言われてみたら……そうなんですかね?」

コンコン

菜々「失礼します!」

ちひろ「はい。じゃあお願いします」

菜々「……よしっ! ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ! ファンのみなさんのために、ナナ頑張りますっ! ブイッ!」

菜々「ナゾナゾ~みたいに~♪ ちきゅ~うぎーをとき~あか~したら~♪」

菜々「みんなで~どこ~までもいけ~るね~!」

ーーーーーー

菜々「……以上です!」

モバP「あんな終わり方で良かったんですか?」

ちひろ「あんなって?」

モバP「すぐに帰らせちゃいましたけど」

ちひろ「いえ、見た目は良いですし歌も踊りもレッスンを受けてない状態であれだけ出来るんでしたらなんの問題も無いですから」

モバP「てことは合格ですか?」

ちひろ「もう一度経歴洗ってよっぽどのことが無ければですけどね」

モバP「はぁ……良かった……」

ちひろ「何か言いましたか?」

モバP「いえ! 別に!」

菜々「はぁ……疲れた……」

菜々「またダメだったのかなぁ……」

モバP「おーい! 菜々! 菜々だろ!」

菜々「えっ? ああ、さっきのプロデューサーさん!」

モバP「……気がついてない?」

菜々「えーっと……すみません」

モバP「Pだよ! ほら昔!」

菜々「……ああ! どこかで見たことあると思ったんですけど記憶と印象が違って……」

モバP「良いよ良いよ。いやー、こんなところで会えるなんてなぁ」

菜々「そうですねぇ♪ いやー久しぶりです!」

モバP「これから帰りか?」

菜々「そうですよ。P君も?」

モバP「そうだよ。外回りから直帰して良いって言うからさ」

菜々「……じゃあまだダメじゃないですか?」

モバP「大丈夫大丈夫」

菜々「適当なところは変わりませんねぇ」

モバP「そっちは老けたな」

菜々「ノー! 老けてません! ピッチピチの17歳です!」

モバP「そうそれ! その17歳ってなんだよ。同い年なんだからもう「わー!!!」歳だろ……」

菜々「わー!!! わー!!! 聞こえませんー!!!」

モバP「駅で騒ぐな」

菜々「そ、そうですね……でもナナは17歳ですからね!」

モバP「はいはい……それもアイドルのキャラ作りか?」

菜々「んーまあそんなところですね。その話はまた今度に……」

モバP「そうそう。誤魔化せないなら話題をそらしたほうが良いぞ」

菜々「昔に何回もやられましたからね! そりゃ慣れますよっ!」

モバP「アイドルになったら大切だからな。それを見越してだ」

菜々「そんなわけないですよね!?!?」

菜々「いや、それにしても……大きくなりましたね……」

モバP「急に田舎のおばあちゃんみたいなこと言いだしてどうした?」

菜々「おばあちゃんじゃありません! しばらく会わない間に変わってたから驚いただけです!」

モバP「それがおばあちゃん……まあ良いや。菜々は相変わらず小さいな」

菜々「背が低いほうが若く見られるから良いんですー」プクー

モバP(若いというより幼い)

菜々「あっ、この後時間ありますか? 積もる話もありますしご飯でもいきませんか?」

モバP「もちろん。じゃあすしめん処大京にでも行くか」

菜々「千葉のローカルチェーンを出さないでくださいっ!!!」

モバP「注文は……干しギラとなめろうで」

菜々「……ところでP君はどうしてプロデューサーに?」

モバP「美人がたくさんいそうだったから」

菜々「…………ひどい理由じゃないですか……」

モバP「いやいや、それでも成功してるから大丈夫だよ! 高垣楓とか三船美優って聞いたことない?」

菜々「見たことありますよ。ゴールデンでもよく出てますよね」

モバP「ちょっと前まではその二人と仕事してたんだよ」

菜々「ええっ!? 超がつくような売れっ子じゃないですか!」

モバP「その通り。俺の腕は良いんだぞ!」

菜々「信用出来ませんねー」ジトー

モバP「本当だって。なんなら今度紹介するよ」

菜々「本当ですか!? ゆ、夢みたいですね……」

モバP「そうか、菜々からしたら憧れの人か」

菜々「そうですね……ずっとアイドルに憧れてましたから」

モバP「緑のスーツの人がいただろ? あの人が菜々は合格させるってさ。叶いそうで良かったな」

菜々「本当ですか!? 本当に……良かった……!」

モバP「おばさんから菜々はずっとアイドル目指してるって聞いた時は不安だったけど……」

菜々「なんで知ってるんですか!? というかなんでうちのお母さんと交流があるんですか!?」

モバP「落花生送って貰った時に手紙が入ってたりしてなー」

菜々「ナナの情報筒抜けじゃないですか!!!」

菜々「ていうか……ええ……家族ぐるみでの付き合い続いてたんですか……?」

モバP「これこの間うちの母から送られてきた写真」

菜々「なんでお母さん達が二人で温泉行ってるんですか!!!」

モバP「こっちが聞きたいよ!」

菜々「はぁ……なんか、妙なつながりもあったものですね……」

モバP「まあね。うちの事務所にたまたま菜々が来て良かったよ」

菜々「え? お母さんから薦められた事務所なんだけど……」

モバP「……全部仕組まれてたんじゃないか?」

菜々「そうですね……やりかねない……」

モバP「ん、飲み物も来たし、とりあえず乾杯しようか」

菜々「はいっ♪」

モバP菜々「かんぱーい!」ングッングッ

モバP「17歳なのにお酒飲んで良いのか?」

菜々「ウサミン星は17歳で成人です!」

モバP「千葉にそんな条例はないぞ」

菜々「だから千葉じゃないですって!!!」

ーーーーーー

菜々「んへー……アイドルぅ……」

モバP「弱っ!?」

菜々「そんらこと無いですよぉ?」

モバP「いや、もうやめとけ……」

菜々「むぅーらいじょうぶですよ」

モバP「はいはい。会計してくるから」

菜々「一人で歩けますよー!」

モバP「誰に言ってるんだよ。そっちは道路だぞ」

菜々「P君がちゃんと安全に送り届けてくださいねー」

モバP「はいはい……田んぼ! そっち側は田んぼ!」

菜々「うわっ! お、落ちるところでした……」

モバP「もうお酒飲むのやめたら?」

菜々「気持ち良いから仕方ないですぅ!」

モバP「楓さんには近づけないようにするか……」

ーーーーーー

菜々「あー、ここです。ここ。ありがとうございました」

モバP「はい。階段登れる?」

菜々「らいじょうぶれす! また明日!」

モバP「はいはい。また明日」

菜々「昨日は大変ご迷惑を……」

モバP「ああ、別に良いよ」

菜々「うう……申し訳ないです」

モバP「じゃあ今度からは気をつけてね」

菜々「はい……あ、昨日お母さんにメールしたらこんな返事が」

『はい。今でもP君のお母さんともしーちゃんのお母さんとも仲良くしてますよ。しーちゃんもそっちの面接に行くかも知れないそうです』

モバP「しーちゃん?」

菜々「卒アル見てもそれっぽい子がいなかったんですよね……」

モバP「……確かに今日も面接の予定は一つ入ってるけど」

菜々「知りたいだったら後で教えてくださいね」

モバP「ああ。じゃ、そっちは今日からのレッスン頑張って」

菜々「もちろんです!」

モバP「めちゃくちゃ辛いから吐きそうなら早めに休みを貰ってね」

菜々「え”っ? そ、そんなに辛いんですか? ちょ、ちょっとー!!!」

ちひろ「次の方、どうぞー」

佐藤心「はーい! あなたの心をシュガシュガスウィート☆ 佐藤心だよー!」

モバP「あっ! お前か……」

心「あっセンパイッ! 今日はよろしく頼むぞ☆」

ちひろ「お知り合いですか?」

モバP「ええまあ……後輩です」

ちひろ「あら、それなら気楽に出来ますね」

モバP「ええ……」

心「よーし、じゃあはぁとの得意な歌とダンス見せちゃうぞー!」

菜々「ええっ!? はぁとちゃんだったんですか!?」

心「これからよろしくお願いします☆ ナナパイセン!」

菜々「パイセンはやめてくださいって!」

モバP「そんなこと言わないでよ、パイセン」

菜々「P君は本当にパイセンじゃないですぅー!」

心「まあまあ。一服どうぞ」

菜々「あ、ナナ煙草は吸わないので」

モバP「未成年なら吸えない、だぞ」

菜々「吸えないので!!!」

心「んふふっ……ふふっ……」

菜々「そこ! 笑いすぎですよ!」

心「すみませんっ……! んふっ……なんか懐かしくて」

菜々「……もうっ!」

ーーーーーー

菜々「いやー、この繋がりがまさかこんなに続くとは思いませんでしたね」

心「 ナナパイセンが人気だからかな! 流石っす☆」

モバP「俺がプロデューサーだからな!」

心「おい☆ そこはパイセンの努力だろ!」

菜々「まあまあ。みんな頑張ってるってことで!」

心「さっすがパイセン! 良いこと言うー!」

モバP「よーし! そんな12位センパイの奢りで今日は打ち上げだー!」

菜々「センパイじゃないですー!!! ていうかはぁとちゃんはともかくP君はちゃんと払ってくださいー!!!」

菜々「えへへ……12位かぁ……今年も良かったなぁ……」

菜々「夢見てた……アイドルになったんだもんね……」

菜々「ん? メールだ」

『ナナ、総選挙お疲れ様。おめでとう。アイドルもいいけどそろそろプロデューサーさん連れて挨拶に来なさい』

菜々「ええっと……ふふ…………にやけちゃいますね……」

菜々「P君、空いてる日は、ありますか? 今度出かけたいところがありますっと」ポチポチ

菜々「よーし! 今日も頑張りますかー!」

終わりです
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菜々さん12位と誕生日おめでとう
それと担当の関ちゃんが9位になりました
今後とも彼女達をよろしくお願いします
二人に投票してくださった方、ありがとうございました!

そっか誕生日か
これで菜々さんもうわなにすやめろ

来年は一位

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