【艦これ】時雨「艦娘なんて最低だよ」 (42)
時雨「艦娘なんて最低だよ」
夕立「また始まった。出撃前に愚痴るのはやめるっぽい」
時雨「だってそうじゃないか。痛いし寒いし、死ぬかもしれない」
夕立「大分、今更感あるよ。もう何年艦娘やってるっぽい?」
時雨「うるさい。いつまでたっても最低なもんは最低だよ」
夕立「はいはい。あ、そろそろ出撃っぽい」
時雨「最低だ」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
夕立「出撃から帰って来て直ぐ愚痴るのはやめるっぽい」
時雨「だってそうじゃないか。今日は左手がなくなった」
夕立「そんなの修理すれば治るっぽい」
時雨「でももし、頭が吹っ飛んだら治せないよ」
夕立「頭が吹っ飛んだら、治せないなんて考えることできないっぽい。だから変わらないかしら」
時雨「そんな事も考えられなくなるなんて、最低な職業だ」
夕立「はいはい」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
夕立「食事前に愚痴るのはやめるっぽい」
時雨「だってそうじゃないか。今日は嫌いな魚がある」
夕立「じゃあ残せばいいっぽい。それと夕立が貰おうかしら?」
時雨「嫌だ。食事代は給料から引かれてるんだから絶対にあげないよ」パクッ
夕立「ケチくさいっぽい」
時雨「不味い、最低な職業だ」
夕立「はいはい」
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吹雪「本日配属されました吹雪です!先輩方よろしくお願いします!」
夕立「よろしくっぽい」
時雨「艦娘なんて最低だよ」
吹雪「えっ?!」
時雨「こんな職場。とっとと辞めた方が良い」
夕立「ちょ……時雨。ごめん吹雪、ちょっと時雨は頭が」
吹雪「ふ、ふざけないで下さい! 幾ら先輩といえど艦娘を侮辱するのは許しません!」
時雨「だって事実だよ」
夕立「もう知らないっぽい……」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
夕立「はいはい。で、今回の任期が終わったらどうするの。また更新するのかしら?」
時雨「するわけないだろう。こんな仕事」
夕立「うーん、夕立も今回は更新しなくていいかなぁ」
時雨「最低の職業だ」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
吹雪「まだ言いますか!」
夕立「二人とも止めるっぽい」
吹雪「艦娘は国の護り手ですよ! それを、それを侮辱するなんてっ!」
時雨「最低な職業だ」
夕立「あー、もう止めるっぽい」
吹雪「で、でも」
夕立「吹雪は正しいっぽい。正常かしら。時雨は頭がおかしいからしょうがないっぽい。だからいちいち噛み付くな」
吹雪「うぅ……」
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綾波「は、初めてまして。綾波と申し……」
吹雪「あれ、綾波!?」
綾波「吹雪ちゃん!?」
夕立「二人は知り合いっぽい?」
吹雪「はい! 同期です!」
時雨「ふーん…」
吹雪「な、なんですか」
時雨「艦娘なん…むぐっ!?」
夕立「はい、ストップ」ガシッ
綾波「えっ? えっ?」
夕立「気にするなっぽい」
時雨「もがもが」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
夕立「ちょ、今日は基地公開なんだから一般人の前でそれは事故っぽい」
吹雪「少なくとも私達の近くで言わないで下さいね。一緒にされたくありませんから」
綾波「ふ、吹雪ちゃん…」
時雨「なんで一般人なんか相手にしなくちゃならないんだ。最低だ」
夕立「夕立達が相手にするから時雨は喋るなっぽい」
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時雨「艦娘なんて最低だ」
夕立「最低かはともかくすごく疲れたっぽい」
綾波「無事、基地公開終わって良かったですね」
吹雪「えへへー」
綾波「どうしたの吹雪ちゃん?」
吹雪「だってみんな私の事を護国の英雄だって……えへへー」
綾波「な、なんかみんな凄かったね。艦娘になるまではあんな事言われるなんて思わなかった……」
夕立「そりゃあ、夕立達は艦娘だからね。一般人とは違うっぽい」
吹雪「そうですよ! 私達は護国の英雄です!」
綾波「ちょっと興奮し過ぎだよ…」
夕立「吹雪はまともね」
時雨「そうだね」
綾波「?」
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時雨「艦娘なんて最低だ」
吹雪「ち、ちょっと! 出撃中に止めて下さいよ!」
夕立「夕立のセリフ取られたっぽい」
綾波「あはは……」
時雨「そういえば、吹雪は初の棲姫戦だっけ」
吹雪「へ?! そ、そうですけど……べ、べ、べ別に緊張なんて……」
夕立(めっちゃしてる)
綾波(してるね)
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時雨「艦娘なんか最低だよ」
夕立「ちょ、打ち上げ中に止めるっぽい」
綾波「あはは……」
吹雪「なんれすかいつもさいてーさいてーって!」
夕立「吹雪は飲み過ぎっぽい…」
時雨「でもまあ……今日の吹雪の動きは最高だったよ」
吹雪「ふぇ?! なんれすかきゅうに……いつもさいてーさいてーって」
時雨「別に僕は個人を指して最低と言ってるわけじゃ」
吹雪「せんぱいはつんでれらったんれすね! 全くもう~!」ギュ-
綾波「あはは…」
夕立「悪酔いかしら…」
綾波「……あの」
夕立「ん?」
綾波「先輩達はなんで艦娘を?」
綾波「特に……その、時雨さんは、なんでその……」
夕立「こいつにそんな遠慮しなくていいっぽい。なんで愚痴ばっかなのに艦娘やってるかってでしょ?」
綾波「えっ。……は、はい」
夕立「うーん……そうだね…」
夕立「……」
夕立「よく分かんないっぽい」
綾波「へ?」
夕立「まぁ、夕立も時雨も今季で契約更新しないから、そろそろやめるよ」
綾波「そうなんですか」
夕立「うん。まぁ強いて言うなら…」
吹雪「あやなみー、なにさぼってんのー、のみなあよぉ!」
時雨「吹雪の悪酔いは最低だ」
綾波「うわっ、吹雪ちゃん酒臭っ」
夕立「吹雪は酒禁止かしら…」
おつ?
乙期待
何か、謙虚な性格が裏目に出て溜めこみ続けた果てに鬱になってぶっ壊れちゃったみたいな
時雨ちゃんやな…
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
吹雪「はいはい」
夕立「もう慣れたっぽい」
綾波「あはは……」
吹雪「もう、先輩の口癖がうつっちゃいそうですよ」
時雨「そのうちうつるさ」
吹雪「絶対嫌ですからね!」
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時雨「艦娘なんて最低だよ」
吹雪「ち、ちょっとナス入れないで下さいよ」
夕立「好き嫌いはダメっぽい」
綾波「……吹雪ちゃんもニンジン食べないけどね」
吹雪「うっ……」
綾波「じー」
吹雪「わ、分かったよ…」
吹雪「ま、まぁ…こんな仕事だし、生きてる内にしか食べられないと思えば…」パクッ
吹雪「うぅ……」
綾波「えらいえらい」
吹雪「褒られても嬉しくないよぅ」
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時雨「艦娘なんて最低だ」
吹雪「くっ…敵の数が多すぎる」
綾波「なんでこんな海域に……」
夕立「予定外はよくあるっぽい」
時雨「最低な戦況だ。引こう」
綾波「わ、分かりました」
綾波「ーーあえ?」グシャ
吹雪「え?」
吹雪「あ、綾波?」
時雨「棲姫だ。スナイプされたね。早いとこ逃げよう」
吹雪「あ、あの綾波がどこかに」
夕立「頭が吹っ飛んでるから助からないっぽい。早く逃げるよ」
吹雪「えっ、えっ?」
夕立「帰るよ」ガシッ
時雨「頭当てるの上手い棲姫かしら」
吹雪「綾波はどこに」
夕立「時雨は援護してっぽい」
時雨「最低な仕事だ」
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時雨「艦娘なんて最低だ」
夕立「位置が近いからね。出撃が早いのは仕方ないっぽい」
時雨「めんどくさい」
夕立「めんどくさいなら出撃蹴れるけどどうする」
時雨「参加する」ポイッ
夕立「そうね」
夕立「あと、さりげなくナスを入れるなっぽい」
吹雪「……」
夕立「あ、吹雪。時雨は角が立つから喋るなっぽい」
時雨「なんで?」
夕立「吹雪。もう大丈夫かしら?」
吹雪「はい…」
吹雪「あの棲姫…相当強いらしいですね。次の戦いでたくさん死ぬって」
夕立「そうみたいね。今回はキツそうかしら。まあ、吹雪は休んでて」
吹雪「……私も参加します」
夕立「え?」
吹雪「先輩達が仇討ちに行くのに……私だけ寝てられません」
夕立「え、あー。そうね……まあ無理はするなっぽい」
吹雪「必ず仇は討ちますから……」
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時雨「……」
時雨「……」
夕立「あ、もう喋っていいよ」
時雨「……ねぇ」
夕立「ん?」
時雨「仇討なの?」
夕立「そうみたい」
時雨「そうなんだ」
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吹雪「くそっ!畜生っ!」
時雨「堅いね、あの姫は。中々崩れないや」
夕立「吹雪、あんまりムキになるなっぽい」
吹雪「あいつが!あいつが綾波を…」
吹雪「ーーーーあ」
吹雪「うぎゃああああ?!」
夕立「言わんこっちゃない」
時雨「まあ頭が無事だから生きてるよ。暫く後ろで浮いてて」
吹雪「う、あ……」
時雨「うーん、もうちょっとだけど……」
夕立「穴が開いてるから近くで打ち込めばいけるかしら」
時雨「じゃあバルジ要らないか。近くな
ら死ぬし」
夕立「うんいらない」
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時雨「よし、もう少しかな」
夕立「堅いっぽい」
夕立「ーーあ、やば」グシャ
時雨「ありゃ夕立」
時雨「と、スキあり」ドンッ
時雨「ふー………」
時雨「あーあ、夕立頭潰れてるじゃないか」
時雨「まぁ、帰るか」
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吹雪「うっ、うう、うぐっ…先……輩」
時雨「もう終わったよ」
吹雪「痛い……痛いです」
時雨「回路がおかしくなってるんだね。帰るまで我慢しなよ」
吹雪「ううっ、あれ…夕立先輩は?」
時雨「死んだよ」
吹雪「え……」
吹雪「死んだって……そんな」
時雨「しょうがないさ」
吹雪「しょうがないって………先輩はそれで別に…」
時雨「何が?」
吹雪「えっ……あ。そ、そうですね。夕立先輩と綾波の仇は討てましたもんね」
時雨「は?」
吹雪「え?」
時雨「仇ってだれの?」
吹雪「だれって……だって先輩方はそのつもりで」
時雨「夕立も僕もそんな事思ってないけど」
吹雪「っ」
吹雪「な、何なんですか! ふざけないでっ……痛っ!」
時雨「叫ぶと傷に悪いよ」
吹雪「私が、私がおかしいんですか!? 何なんですかいったい?!」
時雨「いや吹雪はまともだよ」
吹雪「くそっ、頭がおかしくなりそう」
時雨「いや、正常だよ」
吹雪「わけがわからないっ。最悪だっ、最低だ!」
時雨「その通りだね」
吹雪は除隊した。
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時雨「夕立の遺品整理か…めんどくさい」
時雨「……ん?」
時雨「………更新の書類」
時雨「何だ夕立。来期も更新するつもりだったのか」
時雨「…………」
時雨「僕はもういいや」
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ーー?ヶ月後
時雨「………」
「おーい、出撃するぞ」
時雨「ああ」
時雨「……」
時雨「艦娘なんて最低だ」
完
淡々としてるな
悪くない
狂ってなきゃ戦場にゃ居れないか
おつ
嫁艦もこうあっさりと死ぬと考えると恐ろしいな
なんか最後まで生き残って、墓の前で「最低だ」って言ってそう
乙
幸運艦、か
「艦娘なんて」を「戦争なんて」な置き換えれば、すべての行動理念に納得できるな。
このSSまとめへのコメント
戦争なのよね