モバP「星商工?」 (28)
モバマスSSです。
プロデューサーはP表記。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491659013
346プロダクション 事務所
ちひろ「プロデューサーさん、この書類すぐにお願いできますか?」スッ
P「分かりました。すぐ書きますね」
P「えっと、ペンは…あれっ?インクが切れたな」
ちひろ「お貸ししましょうか?」
P「いえ、大丈夫です。すぐに新しいのを取り寄せるので」
ちひろ「そうですか。….えっ、取り寄せ?取り寄せるくらいなら私のを…」
P「ものの30秒で手に入りますから。おーい、輝子ー」コンコン
輝子「んっ…P、どうした…?」ヒョコッ
ちひろ「?」
P「黒のボールペンを頼む。それと消しゴムも」
ちひろ「えっ」
輝子「分かった……。はい、これでいいか?」スッ
P「オッケー、オッケー。ありがとー」
輝子「じ、じゃあ…また何か、必要になったら…」
ちひろ「ち、ちょっと待ってください!」
P「ん?ちひろさんどうしました?」
ちひろ「いやいやいや!何当たり前のように輝子ちゃんから文房具受け取ってるんですか!?」
P「え? 最近は輝子の文房具ばかり使ってますよ?」
ちひろ「ええー…」
ちひろ(そもそも、輝子ちゃんがプロデューサーさんの机の下にいるっていうのが当たり前みたいなのは触れない方がいいのかしら…)
ちひろ「って、なにこれすごい。どれも柄がキノコ柄で…かなりデザイン性も高いですね」
ちひろ(ちょっとかわいいかも)
輝子「そ、それは…海外のデザイナーに、デザインをお願いしたからな…」
ちひろ「意外と本格的!」
ちひろ「それよりも…プロデューサーさんの机にぶら下がってるそれは何ですか?」
P「これですか? 看板ですよ、『星商工』の」
ちひろ「ほししょうこう?」
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星商工
Hoshi Shōkō Trade and Industry Co., Ltd.
―欲しいもの何でもあります星商工―
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ちひろ「『星商工』ってそういうことですか!って法人化してる!!おまけにキャッチコピーもあるし!!」
輝子「キノコ関連の製品を、主に取り扱う専門商社だ…あと、キノコ関連の製品開発も、やってるぞ…」
ちひろ「ああ、だから商工…若干意味合いが違う気がしますけど、語呂はピッタリですね」
輝子「ちなみに配当は、一株につきキノコ一株だ」ドヤ
P「実際に法人化はしてないですけどね、ちょっとした遊びの一環のようなものですよ」
P「でも、響子とまゆからプランターや植木鉢を貰ったので、配当代わりに椎茸とかエリンギをおすそ分けしているらしいです」
まゆ「輝子ちゃんが作ってくれたキノコ、本当に美味しいんですよぉ」ヒョコ
ちひろ「あ、まゆちゃんも机の下にいたんですね。お隣の机ですけど」
乃々「も、もりくぼもいますけど…」ヒョコ
輝子「ふふ…。温度と、湿度の管理はバッチリにして、キノコを作っているからな…」
まゆ「でも輝子ちゃんが『星商工』を始めたおかげで、Pさんの机の下を輝子ちゃんが占拠しっぱなしなんです…」グヌヌ
ちひろ(それは輝子ちゃん役得…ん?役得っていう評価でいいのかな?)
ある日 事務所
P「…」カタカタ
P「…んー、ちょっと小腹がすいたな」
P「よし。おーい、輝子ー」コンコン
輝子「お、お菓子がほしいのか?」ヒョコ
P「うん。いつもの貰えるか?」
輝子「ああ、分かった…。それじゃあ、はい」つ
P「ありがとう」
P「アムッ…うん、美味いな」サクサク
輝子「それは、在庫がたくさんあるから、いっぱい食べてもいいぞ…」
ちひろ「プロデューサーさん。それってきのこの山ですか?」
P「そうですよ。ちひろさんも食べますか?」
ちひろ「じゃあお言葉に甘えて…うん、美味しいですね」
かな子「輝子ちゃんのきのこの山、パッケージが普通のきのこの山と違うんですよね」
ちひろ「え?…あ、ホントだ。なんかいつもと違う気がするし、輝子ちゃんもプリントされてる」
ちひろ「しかも普通のチョコ味だけじゃなくてイチゴ味とか、色んなのが入ってる…なにこれすごい」
輝子「Me○jiから、無償でもらってるぞ…。『これできのこの山をもっと広めてくれ』って、お願いされたんだ…」
ちひろ「さりげなくとんでもないコネを手に入れましたね」
輝子「これで、たけのこの連中を…駆逐してやるんだ…フヒ」
ちひろ「物騒なことだけはやめてくださいね?貰った業者さんの姉妹製品なんですから」
P「他にもたくさんの種類のお菓子を取り寄せてるんですよ。ねえ、輝子?」
輝子「ああ…。し、松露饅頭とか」
ちひろ「松露饅頭?」
P「佐賀で作られてる和菓子らしいです。形がキノコの松露に似てるから名付けられたみたいで、美味しいですよ?」
かな子「あと、トリュフチョコも時々取り寄せるよね? ジャン=ポール・エヴァンの、美味しかったなあ…♪」
ちひろ「えっ、それ私も食べたい」
輝子「それと、アポロも取り扱ってるぞ…。アポロのおかげで、きのこの山が生まれたからな…。きのこの山の、恩人だ」
輝子「…ちょっと形が、タケノコっぽいけど、な」
ちひろ「同じ業者さんの製品だから、仲良くしてあげてね?」
そのまたある日 事務所
ガチャ
ちひろ「ただ今戻りましたー。ふぅ...疲れたしお腹減っ、って何だろう?このいい匂い」
P「…」カチャカチャ
P「うん、美味い」モグモグ
ちひろ「」
志保「お済みのお皿、引き上げますねー」
志保「次は、キノコとコンソメのスープです♪」コトッ
P「おっ、これも美味そうだなー」
ちひろ「おい」ガシッ
P「痛い痛い!脳天掴まないでください!」
ちひろ「なに事務所でフルコース堪能してるんですか」ギュウゥ
P「と、とりあえず!その右手を離してください!頭潰れるから!!」
ちひろ「あ、すみません。お腹減ってたので、つい腹が立って…」パッ
P「ふう…PがЧになるかと思いましたよ」
ちひろ「それで、これは一体何のマネなんですか?デスクの上に真っ白なクロス敷いて、何本もナイフとフォークも並べてあって、ご丁寧に志保ちゃんを給仕にまでさせて…」
志保「あ、あの~、私は希望してやっただけなので…」
輝子「な、なんだ、どうしたのか…?」ヒョコ
ちひろ「あ、やっぱり輝子ちゃんでしたか。キノコのスープって言ってたので、大体察してましたけど」
輝子「今は、『ル・シャンピニョン』の、オーナーシェフだけどな…」ドヤ
ちひろ「ってことは、料理は全部輝子ちゃんが?」
輝子「あ、ああ…。色んな人に、教えてもらったんだ…。葵ちゃんとか真奈美さんとか」
輝子「あ、でも、パンはみちるちゃんにお願いしたんだ。みちるちゃんが作るシャンピニョンは絶品だからな」
ちひろ「パンもしっかりキノコ関連なんですね」
ちひろ(正直、すっごく美味しそう…スープからキノコの凄い良い香りがする)
ちひろ(でもこれ星商工関係あるのかしら…?サービス部門?)
P「ちなみに、時々料亭も開いてるんですよ?『舞茸』って名前の」
ちひろ「和食まで!」
輝子「ふふ…せっかくなら、友達のみんなに、美味しいものを食べてほしいからな…」
輝子「それにPは、その…し、親友、だから…」モジモジ
ちひろ(なんだよ乙女か。かわいい)
ちひろ「メインもキノコ関連なの?」
輝子「メインは、筍のステーキだ」
ちひろ「あ、本物の筍はOKなんですね」
輝子「実際、筍も土から生えてくるし、何かキノコっぽいしな…」
幸子「輝子ちゃんの作る筍のステーキは、絶品なんですよ!」モグモグ
ちひろ「あ、幸子ちゃんに小梅ちゃんも。って、食べてる…」
小梅「何だっけ…あれに、選ばれたよね」
幸子「えっと、ミシ〇ランですか?」
ちひろ「えっ」
小梅「そう、それ…。星、二つ」
幸子「実はヘレンさんとフレデリカさんがミシュ〇ンの審査員で、こっそり評価してたんですよ」
ちひろ「じ、事務所限定のお店なのに?」
小梅「ヘレンさん、食べ終わってから、泣いてたね…。『キノコ料理は、とうとうここまで来たのね…』って」
ちひろ(何それめっちゃ見たかった)
ちひろ「あ、あの~、輝子ちゃん? わ、私も食べたいなーって」
輝子「完全予約制だからな…。今日はちょっと、無理だけど…次は作ってあげるぞ」
ちひろ「っし」グッ
またまたある日 事務所
P「んー、困ったな…」
ちひろ「どうしたんですか?」
P「いや、今度のライブの構想を考えているんですけど、アイデアがしっくり来なくて…」
ちひろ「そういえば、結構大きなライブの計画練ってましたね。それですか?」
P「そうです。何だかもう少しで良いイメージが生まれそうな感じですけど…。3Dホログラムみたいなものでモデルでも作れたらいいんですけどね…自分でステージの形作ったり、音響の効果とかもシミュレート出来たり」
ちひろ「まさにアイ○ンマンのスタークインダストリーの世界ですね」
P「あっ、そうだ」コンコン
輝子「どうした?…何か、あったか…?」
P「実は…」カクカクシカジカ
P「…っていうのを作れるかな?会場も色んなところでシミュレート出来たら有り難いけど」
ちひろ「プロデュサーさん、流石にそんな無い物ねだりは…」
輝子「わ、分かった…。ちょっと、聞いてみる…」
ちひろ「えっ」
輝子のスペックの高さはすごいなあ
30分後
輝子「P、出来たぞ…ほら」
P「おおー、流石は星商工。こんな野球のボールくらいの大きさで収めてきたか…」
輝子「一応、日本全国の主要コンサートホールや球場、野外会場のデータを入れたらしいぞ」
P「ふむふむ…これが電源かな?」ブゥン
P「おお、すげえ…。うん、バッチリだ。ありがとう、早速有効的に使うよ」
ちひろ「ち、ちょっと、一体どこからそんな発明品というか、ガジェット持ってきたんですか?」
P「えっと、なんだったっけ?星商工の工業部だよな?」
輝子「ああ…。晶葉ちゃんの研究所にある、星商工工業部研究開発課、に製作を委託したんだ」
ちひろ「全く星商工関係なくなってる気がしますけど…?」
P「そうでもないですよ?キノコ柄ですし」
ちひろ(そういうの申し訳程度って言うんじゃないかしら)
ちひろ「でも、どこから運ばれてきたの?輝子ちゃん、机の下から一度も出てこなかったよね?」
輝子「晶葉ちゃんの研究所とリンクした空間移転装置があるからな…それを使って、送ってもらったんだ…」
ちひろ「夢の技術をサラッと使ってますね」
輝子「それに、キノコエンカウンターも内蔵してるからな」
ちひろ「キノコエンカウンター?」
P「山とかに行ったときに、キノコを見つけてくれる機能ですよ。キノコの種類も判別してくれる優れものです。星商工の開発した発明品には基本的に付いてますね」
ちひろ「地味なのか凄いのかよく分からない機能!」
輝子「す、凄いに決まってるじゃないか…毒キノコを食べてしまう人たちをゼロにできる、夢のような技術だぞ…」
ちひろ「言われてみたら確かに。でも、この機械に付ける必要はない気が…」
P「そうですか?意外とあると思うんですけどねー。山あいのところに合宿に行って、ちょっと気分転換に散策する時とか」
ちひろ「いやだから適用範囲が狭すぎますって。ポケ〇ンのフラッシュくらいですよ、それ」
そんでもってある日 事務所
ガチャ
P「ただいま戻りましたー…」
P「……あー…やば、マジできついわ…でも、また今からすぐに出掛けて打ち合わせだし」ギシッ
P「…」コンコン
輝子「ん?…P、どうした…?」ヒョコ
P「輝子、アレ貰えるか?」
輝子「あ、アレか?い、いいけど…はい」コトッ
P「ああ、ありがとう」ゴクッ
輝子「あ、あんまり飲みすぎもよくないからな…」
P「…」ブルルッ
P「…しゃあ!!よーし、行くぞオラァ!!コロ〇ビアがなんぼのもんじゃい!!!」パァーウヮー
ドゴォン!
ちひろ「えっ…輝子ちゃん、今の何ですか」
輝子「Pが飲んだやつか…?あれはな、星商工特製の栄養ドリンクだけど…」
ちひろ「飲んでから、変な震え方してたけど…」
輝子「元気の出る成分を配合してるからな…」
輝子「マジッk、ゲフンゲフン…とにかく、疲れが一気にぶっ飛ぶんだ…」
ちひろ「何か、今とんでもない言葉が出てきそうでしたけど大丈夫ですよね…?」
ちひろ(ぶっ飛ぶっていうか、むしろハイに…)
輝子「じ、冗談、だよ…?」
輝子「それより、ちひろさんが持ってくるスタドリの方が、中身がヤバいと思うぞ…?」
ちひろ「あ、あれは体に無害なものしか入ってません!!」アセアセ
そこからまたある日 事務所
P「…」カキカキ
P「んー、よし。終わったぁ…」
ちひろ「プロデューサーさん、さっきの書類なんですけど…」
P「あ、今上がりましたよ。どうぞー」スッ
ちひろ「ありがとうございます。これで今日のお仕事も一段落ですね♪」
P「そうですね。んー、疲れたぁ…」ノビー
P「…よし。おーい、輝子ー」コンコン
輝子「P、どうした?」ヒョコ
P「帰るぞ。準備は?」
輝子「バッチリだ…」
P「今日は何作る?」
輝子「そうだな…椎茸の肉詰めとか、どうだ?」
P「おっ、良いな」
輝子「フヒ…腕によりをかけるからな…お楽しみに」
P「よし。それじゃあちひろさん、お先に失礼しますねー」
輝子「ま、またな」
ちひろ「はーい、お疲れ様でしたー」
カチャ パタン
ちひろ「……あれ?」
・・・
輝子「企業は、顧客との親密な関係が、大事だからな…。ときどき、顧客の元へ行く必要もあるのだ…ふふ」
P「ん?何か言ったか?」
輝子「いや、何も言ってないぞ…。早くPの家に行って、夕飯を作ろう…」
P「ああ、そうだな」
おわり
以上です。
口調に変なところなどがあったらごめんなさい。
最高かよ
乙
かわいい乙
輝子との信頼関係もここまで来たのね
乙
>>12
「審査員=真面目」みたいな一般的なイメージがあるから、おふざけの擬人化みたいな二人が審査員とは思われないのか…
関商工
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