ある休日のこと____、
佐々木咲恋「すずめ、早くいくわよー!」
天野すずめ「は、はい! ただいまーー」
咲恋とすずめは街へ買い物に行くため朝から準備をしていました。
咲恋「もうっ、準備になんでそんなに時間かかるのよ。しかもいつものメイド服じゃないの!?」
すずめ「ファッ!? す、すみません……つい!」
咲恋「まったく、まあいいわ。さ、準備もできたことだしさっさと出かけましょう」
すずめ「は、はい!」
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テクテクテク……
すずめ「あ、あのー、お嬢様?」
咲恋「なに?」
すずめ「お出かけに誘っていただいたのは とても嬉しいのですが、 どちらに向かわれているのでしょう?」
咲恋「それは……着いてからのお楽しみよ」
すずめ「えっ、そんな言いにくい場所なんですか?」
咲恋「言いにくいというか……」モジモジ
すずめ(あれ、お嬢様がなんだか恥ずかしいそうにしてる……?)
咲恋「まあ、とにかく着いたらわかるわ。変な店ではないから安心して、すずめが協力してくれれば早く済むわ」
すずめ「ええっ、わ、わかりました……責任重大です!」
そして目的の店に着いた二人____、
すずめ「お嬢様、ここって……」
咲恋「新しくできたランジェリーショップよ」
すずめ「ランジェリーショップって!? お、お嬢様ーー!?」
咲恋「ちょっと、そんな大きな声出すことないでしょ! ここは下着を売っている店なんだし私たちみたいな女性高生が来たっておかしくないわ」
すずめ「はわわっ、すみません! でも、どうしてこんなお休みの日にランジェリーショップに? それもわざわざ私を誘って」
咲恋「そ、それは……その……」モジモジ
すずめ(お嬢様がまたモジモジし出した……)
咲恋「すずめ、実はあなたに頼みたいことがあるの!」
すずめ「わ、私にですか?」
咲恋「そうよ」
すずめ(お嬢様が私のことを頼ってくださっている……ここはお嬢様のメイドとして力にならないと!)
すずめ「わかりました。私にできることならなんでもお申し付けください!」
咲恋「実はここのショップである下着が売ってるんだけど、実はそれを買うのに協力してもらいたくて」
すずめ「協力ですか? はい! でも、どうして私に頼るんですか? お嬢様お一人では買えない下着なんですか?」
咲恋「そ、それは……とにかく、あなたは私の言われた通りにして!!」
すずめ「わわわっ……申し訳ありませんお嬢様!」
咲恋「わかってくれればいいわ。さて、それじゃすずめ、これに着替えてくれる」っ
すずめ「はい! ……って、お嬢様? これは」
咲恋「男性執事が着ている執事の服よ。店に入る前にこれを着てくれるかしら」
すずめ「は、はい」
すずめ(どうしてお嬢様が執事の服なんか。まあいいか、ここはお嬢様のために尽くそう)
すずめ「お嬢様、着替えました」
咲恋「さてと、それじゃ入りましょうか」
すずめ「は、はい」
カランカラン
春咲ひより「うーん、これも良いけどでもこっちも捨てがたいなぁ~」
すずめ「あれ、この方は確か……」
咲恋「ひより!?」
ひより「あ、咲恋さん!?」
咲恋「どうしてひよりがこんなところに?」
ひより「どうしてって、新しく出来たお店で下着買おうと思って。咲恋さんもでしょ?」
咲恋「そ、そうよ! たまにはこうした店で買うのも良いと思ってね」
ひより「あれ? そっちの人は……」
すずめ「あっ、私は____」
咲恋(すずめ!)
すずめ(はわわっ、お嬢様の声が直接脳内に!?)
咲恋(すずめ、今あなたは男なのよ! 彼女にあなたの正体がバレるとややこしくなるからここはごまかして!)
すずめ(わ、わかりました……)
ひより「咲恋さん? こっちの人は咲恋さんの家で働いてる執事の人? あっ、ひょっとしてデートとか!?」
咲恋「デートなんかじゃないわよ! ほら、自己紹介なさい」
すず男「こほんっ……私はお嬢様のお屋敷で執事をしております、すず男と申します。いつもお嬢様と仲良くして頂きありがとうございます(ちょっと低めの声で)」
ひより「すず男さん……? 私は春咲ひよりです! 咲恋さんとはアストロムの冒険で知り合った仲です」
咲恋(ふう、なんとかごまかせたようね)
ひより(すず男さん、どこかで見たことあるような気が。あと男の人のわりには小柄で声も高いというか……まあいいか)
咲恋「すず男、私は下着を見ているから、あなたは向こうの男性用コーナーを物色してなさい。この店は広いから迷子にならないようにね」
すず男「は、はい! それでは私はこれで……」テクテク
ひより「それにしてもこのお店広いよね! 下着だけなのにこんなに品揃えあってさー」
咲恋「え、ええ……そうね」
咲恋(まさかこんな時にひよりに出くわすとは……はあ、まあいいわ。とりあえずここは普通に下着を見て時間を潰しましょう)
ひより「……あの、咲恋さん?」
咲恋「なにかしら?」
ひより「えっと……参考までに聞きたいんだけど、咲恋さんは普段どんな下着を選んでるの?」
咲恋「えっ、どうしてそんなことを?」
ひより「あははっ……、私が普段着てる下着って子供っぽいというかさ、騎士くんにもバカにされちゃうようなのが多い気がして……」
咲恋「ええっ!? ひより、まさかアイツに変なことされたんじゃ!?」
ひより「わわっ、違うよ! 事故だったの! ただその時履いてたのがちょっと子供っぽいのだったんだよね……」
咲恋「ちなみに、どんなのかしら?」
ひより「……ネコさんパンツ」
咲恋「ネコさんって……高校生にもなってさすがにそれは……」
ひより「ううっ……やっぱりネコさんはないよね」
咲恋「そんな落ち込まなくても……まあ、私で参考になるかは別として、一緒に下着見るくらいなら構わないけれど」
ひより「本当に!? ありがとう咲恋さん」
一方その頃、すず男と化してたすずめはというと____、
すずめ「うわー、ここの店すごく広い。今時のランジェリーショップって品揃えも良くて店も大きいんですね……」テクテク
すずめ「でもここ男性用のコーナーだし、どうせならお嬢様と見てまわりたいなぁ……」
すずめ「……あれ? なんだろう、この変わった下着は」
すず男「えっと、すみませーん!」
店員「はい、いかがしましたか」
すず男「この変わった下着なんですか?」
店員「お客様、お目が高い! こちら当店オリジナルの____」
再び咲恋とひよりサイドにて____、
ひより「うわぁ……この下着、すっごくセクシー///」
咲恋「さすがにこれは高校生には……ねえ」
ひより「うーん……下着っていざ選ぼうとすると難しいね。大人っぽいのに憧れるけど、私ってそんな感じじゃないからな」
咲恋「なら、可愛らしいデザインのものを選べば? 別に小学生が履くようなネコさんじゃなくても探せばいくらでもあるでしょ」
ひより「そうだよね。それじゃあっちの方を____あれ?」
草野優衣「うーん……どうしようかな」キョロキョロ
優衣「こっちのデザイン綺麗だけどちょっと高いかな。でもこっちのはサイズが合わないし……」
優衣「……騎士くんって、どんな下着が好みなのかな///」ボソッ
優衣「騎士くんになら……見られても、脱がされても良いのにな……」ボソ
ひより「やっぱり、優衣ちゃんだ!」
優衣「わあああーーーーー!? ひ、ひよりちゃん!? それに咲恋さんも!?」
ひより「そんなに驚かなくても……それよりも奇遇だね! 優衣ちゃんも下着を買いにきたの?」
優衣「うん、そうだよ。こんなところで会うなんて奇遇だね」
咲恋「…………」
優衣(私のさっきの独り言、聞かれてない……? はあ、よかった)
咲恋(この子、確かアイツと中学の時から同じクラスで……しかもさっきの独り言、まさかこの子もアイツを!?)
ひより「あっ、そうだ! ねえ優衣ちゃん、参考に聞きたいんだけど優衣ちゃんってどんな下着を普段着てるの?」
優衣「えっ……うーん、私はデザインの好みもあるけど、値段とか心地良さとか、そういうのを総合的に考えて選んでるかな」
ひより「そうなんだ____って、優衣ちゃんが今手にしてるのって……」
咲恋「それって……ティ、Tバック!?」
優衣「えっ……は、はわわわーーーー!? 違うの!? これはあのそのえっとあの……」
ひより「優衣ちゃん、Tバック履いてるの!? 大人だねー!」
優衣「違うよ! これはたまたま、たまたま手にしただけで、本当は隣にある普通のデザインのを選ぼうとしただけだよ! それにひよりちゃん、声が大きいよーー!」アセアセ
ひより「わっ、ごめん……」
咲恋(何よこの子!? 大人しそうなふりしてこんな大胆なの!? まさかTバック履いてアイツのことを誘惑しようとしてたんじゃ……侮れないわね)
優衣(うぅぅ……まさかひよりちゃんたちに変なところ見られるなんて……。私だってTバックだなんて普段履かないよぉー。 でも、騎士くんが見たいなら……いいかな///)
ひより(Tバックって……優衣ちゃんって大人しそうなのにこんな大胆なの選んだりするのかな……。Tバックでネコさん柄のないかな?)
士条怜「おや、こんなところでみんな揃って!」
ひより「あ、怜さん! 奇遇だね、咲恋さんや優衣ちゃんだけじゃなくて、まさか怜さんにも会うなんて」
怜「みんなも新しく出来たこのショップで買い物?」
優衣「うん、そうだよ」
ひより「怜さんはどんな下着選ぶの?」
怜「私は____ほら、釣り竿柄の下着だよ」っ
優衣「え、釣り竿?」
咲恋「大人っぽいデザインかと思えばところどころに釣り竿みたいなイラストの柄が……」
怜「釣り竿みたいな、じゃなくて本当に釣り竿さ。着け心地も良いし値段も手頃だったし、私はこれを買おうと思う」
ひより「そういえば怜さんって釣り好きだったね。ならさ、私のネコさんパンツもアリじゃない?」
怜「ネコさんパンツ? ひよりって、そんな子供っぽいのを履いてるのか?」
ひより「ああーー、怜さんまで! うぅ……やっぱりネコさんはダメなのかな」
咲恋「いや、下着の柄がネコさんか釣り竿の違いで大差ない気がするけど」
優衣「うん、私もそう思う……」
ひより「いや、大ありだよーー! みんなしてネコさんのこと子供っぽいって思ってるじゃん! 騎士くんも釣り竿とかなら大人っぽいって思うのかな?」
怜「えっ、どうしてそこで彼の名前が!? まさかひより、下着を見られたのか!?」
優衣「ひよりちゃん、そうなの!?」
ひより「わわっ、違うよ! たまたまだよ、たまたま事故で見られちゃっただけだよ」
咲恋「その説明、二度目ね」
怜「そ、そうか……事故ならいいけど」
優衣「よかった……」ホッ
咲恋「…………」
怜(私の知らないところでそんなことが……何故だろう、どこか穏やかじゃない自分がいる)
優衣(ひよりちゃん、騎士くんとそんなことが……。騎士くん、ネコさんみたいなのも好きなのかな……)
咲恋(間違いない……この三人、アイツのことを…………!)
咲恋「そういえば三人とも、アイツとギルドも同じでプライベートでも仲が良いみたいだけれど」
ひより「うん、そうだよ」
怜「私とひよりはアストロムで知り合ったな けど、優衣は中学からの付き合いなんだよな」
優衣「うん。まさか最初はアストロムで出逢った騎士くんと同一人物だとは思わなかったけど」
咲恋「中学時代からか……なら、幼い頃のアイツを知らないってことかしら」
三人「「「えっ……」」」
咲恋「実は私、アイツと一緒にお風呂に入ったことがあるわよ!」
三人「「「なぬっ!?」」」ビクッ
咲恋「アイツったら、身体の洗いっこをした時にデリケートなところまでゴシゴシ洗うんだから……ま、まあ私もゴシゴシしてやったけどね……///」ドヤァ
咲恋(まあ嘘だけど……でも、アイツと小学生が同じだっのは事実だけれどね)
ひより「き、騎士くんがひよりさんのデリケートなとこ洗ったの!?///」
優衣「き、騎士くんのを……その……ゴシゴシって!?///」
怜「そ、そんなの小さな頃の話だろ。それなら別に自慢するようなことでもないような気がするけど」
>>14
ひよりの台詞を訂正します。
ひより「き、騎士くんが咲恋さんのデリケートなとこ洗ったの!?///」
咲恋「あら? それじゃあなたはアイツと一体なにかあるのかしら?」
怜「私は……そうだ、私はこの間彼と二人で海へ行ったよ」
ひより「海? それなら私も騎士くんと二人で行ったもん!」エッヘン
優衣「私も、騎士くんと二人で行ったよ!」エッヘン
咲恋(なにそれ、普通に羨ましいわね……)
怜「そこで……柄の悪い男に絡まれた時、彼が助けてくれてさ。いざという時には頼りになるからね」
ひより「それなら私だって! 騎士くんが水鉄砲で変なところ濡らしてくるからさ……えへへ、大変だったよ///」
優衣「騎士くんの鉄砲で濡れた!?」
怜「それは一体どういうこと!?」
ひより「水鉄砲で遊んでたんだけど、騎士くんってば激しいのかけてきてさ……もう、びしょびしょになっちゃったよ……///」
ひより(本当は普通に水鉄砲で遊んでただけなんだけどね)
咲恋「な、なんて破廉恥な!?」
怜「彼にびしょびしょにされる……///」
優衣「それなら私だって……私、騎士くんに着替えさせてもらったことあるよ!」
ひより「えぇぇっーーーー!?」
怜「優衣、それは一体……ど、どいうこと!?」
咲恋「その話詳しく!」
優衣「騎士くんとプールに行ったとき、どういうわけかプールの中にタコさんが紛れ込んでで、そのタコさんのせいで私の水着の紐がほどけちゃって……」
怜「そんなことがあったのか」
咲恋「それで、どうしてアイツが着替えさせるのよ!?」
優衣「タコさんは係りの人がなんとかしてくれたんだけど、私はプールのはじの方へ行って水着を着直そうとしたんだけど……騎士くんが、私の手を引いて誰もいない物陰の方へ連れて行ってくれたの///」
ひより「な、なにそれーーーっ///」
怜「そ、それで……そのあとは!?」
優衣「騎士くんはほどけた私の水着に手をかけて、そのあとは優しく…………えへへっ///」
優衣(タコさんのせいで水着がほどけたのは事実だけど、でも騎士くんになら……///)
ひより「優衣ちゃん、恐るべし……」
怜「私の知らないところでそんなことが……」
咲恋「……まだよ、ここで諦めてたまるもんですか!」
すず男「皆さんお揃いで!」
ひより「あ、すず男さんが戻ってきた」
咲恋「すず男、あなたその手の紙袋は……?」
すず男「はい。お嬢様たちがなにやら火花を散らしていたので買い物を済ませて出るタイミングを伺ってました」
咲恋「そ、そう」
すず男「それで、皆さんはお買い物は済んだのですのでしょうか?」
咲恋「そ、それは……」
ひより「あ、こんなところに可愛いネコさん柄の下着が!? 値段も安いしこれにしようかな」
怜「私は、みんなと会話してただけだしさっさとレジへ行こうかしら」
優衣「私は……胸のサイズがまた大きくなっちゃって、この大きなサイズの下着にしようかな」
こうして、各々下着を買って店を出た。
そして店の外で____、
咲恋「それじゃ私はこれで、帰るわよすず男」
すず男「はい」
優衣「私は……どこかでお昼でも食べようかな」
ひより「あっ、なら私オススメの店知ってるよ。一緒にどう?」
怜「なら私も一緒にいいかな? 今度のアップデートで追加されるクエストについて相談もあるし」
優衣「うん、そうしよう」
咲恋「それじゃみんな、また」
すず男「あの……お嬢様?」
咲恋「なにかしら?」
すず男「結局、お嬢様はなにをお求めでこの店に来たんですか?」
一同「「「「ギクッ!?」」」」
すず男「? お嬢様……?」
一同(言えない……本当は男女ペアで履くとその人との仲が深まるおまじないの下着を買おうとしてただなんて言えない……///)
ちなみにすず男が買ったのは先住民族が身につけるコテカのような下着でした。
後日、それを見た咲恋から怒られましたとさ____。
終わり
アストルムだし
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