幸子「小梅さんの部屋に謎の椅子がありますね」 (13)

【女子寮・小梅の部屋】

コンコン

幸子「小梅さーん。居ますかー?」

コンコン

幸子「あれ?留守ですかね?」

コンコン

幸子「小梅さーん?入っちゃいますよー?」

ガチャ

幸子「おじゃましまーす…今日って小梅さんのお部屋に集合でしたよね?」

幸子「あ、やっぱり居ませんねぇ……ん?」


幸子「なんだか、やけに大きな椅子がありますね」

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幸子「前に来た時には小梅さんの部屋にこんな椅子は無かったと思いますが…」

幸子「あれれ?でもこの椅子、ボクどこかで見憶えがありますよ?」じーーっ

幸子「んー、どこで見たんだったかなぁ~~」うぬぬ

小梅「幸子ちゃん…」ボソッ

幸子「ひゃうっ!?」ビックゥ!

幸子「こっ、小梅さんですか!?ビックリさせないでくださいよっ!」ドキドキドキドキ

小梅「クスクス…いらっしゃい幸子ちゃん」クス

幸子「あ、はい。おじゃましてました…」

幸子「小梅さん。この椅子、以前は無かったと思いますが…買ったんですか?」

小梅「う、うん。買った、と言えば買ったのかな?」

幸子「?」

小梅「か、買い取り、した…」

幸子「買い取り?」

小梅「え、えっとね、この椅子…前にイベントで使った時に、撮影用に作ってもらった、やつで…」

幸子「あーっ!はいはい!思い出しましたよっ!」

幸子「『ツナガルウワサ』の時の椅子ですね!?」

なんだ凹型の椅子ではないのか

小梅「そ、そう、だよ。ツナガルウワサの…撮影で使った椅子…買い取っちゃった」

幸子「なるほどなるほど~。あの時の椅子に拘束されていた小梅さん、結構話題になっていましたよねー」うんうん

幸子「って、えっ…買い取り!?この椅子買い取ったんですか小梅さん!?」

小梅「う、うん…撮影のあとも、しばらく事務所入り口で展示してたんだけど、今日ここに届いたんだよ…」さすさす

幸子「そうでしたか…。あの、それにしても何故この椅子の買い取りを?」

小梅「え、えっと、ね」

小梅「この椅子…はじめから私が買い取る予定で設計してもらったんだ…」

幸子「設計してもらった、と言いますと、この椅子は小梅さんがデザインしたということですか?」

小梅「そ、そう…わ、私の趣味に、合わせて作ってもらったの…」

幸子「それはまたすごいことをなさいましたねー!」

小梅「え、えへへ…」てれっ

飛鳥「なるほど、それで椅子の細部にまでこだわっているんだね」じーっ

蘭子「魔性の造形なり!(カッコイイデザインだね!)」

幸子「うおっ!?いつの間にか飛鳥さん蘭子さんがっ!?」

飛鳥「今日はボクと蘭子が買い出し当番だったからね。コンビニ行っていたんだよ」ガサッ

蘭子「お菓子とジュースいっぱい買ってきたよー」にこにこ

幸子「ああ、そうでしたね。お疲れ様です」

小梅「いらっしゃい、二人とも」

蘭子「我、死霊の館に降臨せり!(来たよ~)」シュバッ

飛鳥「うん。ジュースを冷やすから冷蔵庫を借りるよ?」

小梅「う、うん、ありがと…」

幸子「話戻りますけど、小梅さんがデザインに参加までするとは。気合入ったイベントだったんですねぇ」(拘束具…)

蘭子(小梅ちゃん縛られてたような…?)

小梅「う、うん…デザイナーさんと、何回も、打ち合わせして…私の夢の椅子、作ってもらった…よ」

幸子「へ、へぇ~、そうでしたか~」(拘束具…)

小梅「あと、あの子にも相談した、よっ」にこっ

幸子「ひぇっ」ブルッ


ヴェァッ!


幸子「ひゃあっ!?」ビクッ
蘭子「ぴいっ!?」ビクッ

幸子「い、今の声は…!?」ドキドキ


飛鳥「……ボクだ」ハァハァ


幸子「飛鳥さん!?ど、どうしましたか?」

飛鳥「冷蔵庫を開けたら、『とんでもないモノ』が入っていた…」ずーん

小梅「ああっ、ご、ごめんね?ビックリ、さ、させちゃって…入れっぱなしだったの、忘れてた…」

飛鳥「いや、いいよ。少しばかり驚いただけさ」

幸子「とんでもないモノって、あの、いったい何が…?」

飛鳥「……幸子。キミと蘭子は聞かない方が良いと思うよ」

幸子「よ、余計に怖いですよぉ!?」

蘭子「あわわわわ…」ガクブル

飛鳥「……それと、さっきのボクの悲鳴は忘れて欲しい」ずーん

幸子「えっ、ああ、はい。割りとイメージとかけ離れた声を出していましたね…」

蘭子「えへへ、聞いちゃった」

飛鳥「…忘れてくれ」

小梅「ごめんね飛鳥ちゃん。こ、この前買ってから、冷蔵庫に入れっぱなしだったよ…アレ」

幸子「何を買ったんですか…。と言いますか、この椅子といい部屋中のゾンビフィギュアといい、小梅さんお買い物好きですよね」

小梅「うん…私、服とかアクセサリーとか、ゾンビとかをいっぱい買いたくてお仕事してる部分、あるから…」

蘭子(その列にゾンビが入るんだ…)

幸子「確かに小梅さん私服オシャレですもんね」

蘭子「アクセサリーもいっぱい持ってるし」

飛鳥「ボクらも衣装持ちの部類だけれど、小梅はホラー関連の物も買っているからね」

小梅「え、えへへ、お給料、振り込まれたら、つ、次は何を買おうかって、考えるの、楽しいから…」

小梅「で、でも、今回の椅子は、良い買い物だったよ…設計までしてもらえる機会、もう無いかもしれない、から…」

幸子「確かにそうですね。こんな機会めったにありませんよ」

飛鳥「オーダーメイドの椅子か。やはり高かったのかい?」

小梅「ちょっとだけ、ローンにしてもらうくらい、かな?」

幸子「おお~!」

輝子「何やら盛り上がってるみたいだね」ぐいーっ

乃々「ぁぅ…」てくてく

小梅「あ、いらっしゃい…乃々ちゃん、輝子ちゃん」

飛鳥「フフ。手をつないでの登場なんて、どうしたんだい二人とも?」

蘭子「良いな~」にこにこ

輝子「ヒヒッ、ボノノちゃんが机の下から出たがらないから、引っ張って来たんだよ」ぎゅっ

乃々「あぅ…もりくぼ、来たくなかったわけではないんですけど」キョロキョロ

乃々「でも、なんだか急に机から出たくないモードに入ってしまって…連れて来てもらいました…」

幸子「あはは。いつも通りですね」

乃々「いつものです…」

輝子「あと、美玲ちゃんも美玲ちゃんで、いつもの『ウチは一匹狼だ!オマエらと連んでるわけじゃないぞッ!』のモードに入ってしまって」

蘭子「美玲ちゃんらしい」クスクス

輝子「フヒ、向こうはあまりつつかずに、放っておく感じにしておいた…」

飛鳥「美玲もいつも通りのようだね」

輝子「来るかは五分五分くらい…だと思う」

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