悪の帝王「正義の味方」 (12)
私はかつて、平和のために戦った。
否、私は今もなお平和のために戦っている。
手法が違うだけだ。
巷には、悪が溢れていた。
路地裏にはギャング共が、殺人鬼どもが跳梁跋扈だ。
正義のヒーローの出番だった。
だが今やどうだ。
国力の向上、治安機構の強化、社会的倫理の変化に伴い。
彼らは闇に身を潜めた。
いまや、警察力の向上は目を見張る。
世界には数多の強国が、この世界を何度でも滅ぼすことができる強力な武器を携え。
日々、睨みをきかせている。
かつて、戦った彼の言葉を借りよう。
私たちの敵はヴィランではなくなった。
いまや、私たち自身が敵なのだ。
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悪の帝王「よく、たどり着いたな私の計画に」
正当派ヒーロー「ぬけぬけと!貴様の計画。実行には移させないぞ!」
ダークヒーロー「・・・・止めてみせる」
悪の帝王「よく考えろ諸君。確かに私は多くの人々を[ピーーー]。だがそれこそが平和への道なのだ」
正当派ヒーロー「何百万人が死ぬんだぞ!?」
悪の帝王「だが、数十億の人々を救える!」
ダークヒーロー「無駄だ・・・こいつを[ピーーー]しかない」
平和を守るために暴力をふるう。
かつてヒーローたちが行ってきたことだ。
だが、法によって秩序が保たれている今、それはナンセンスだ。
なぜか?
ヒーローたちがふるう正義は、憎むべき暴力に違いないからだ。
公権力以外の暴力は、不要だ。
世界のインテリジェンスは、そう考えた。
「実に、すばらしい考えだ」
ヒーローたちによる自警行為は、法によって禁止された。
ヒーローたちは、社会から姿を消した。
「おかげで、計画がスムーズに進んだ」
だが、彼らは私の前にいる。
正当派ヒーロー「例え貴様の計画で一時の平和が訪れようと、それは偽りの平和だ!」
悪の帝王「だが、平和には違いない!」
ダークヒーロー「笑わせるな・・・俺は正義を為すだけだ。妥協はない」
妥協はない。
彼は、妥協しない。
彼は、正義において一切をだ。
例え、法に縛られようと彼は悪と戦い、殺し続けた。
警察に追われようとも、殺し続けた。
私は、妥協しない。
平和のために。
幾万の人々の命を犠牲にしても。
ヒーロー廃止条例の施行に伴い、世界は法に支配された。
仮面の戦士たちは、姿を消した。
善良な姿勢を見せていれば、世界は私に見向きもしない。
証拠など見つけられるわけがない。
当然だ。
私に、疑いの目がかけられることすらないのだから。
見つけようと思わなければ、見つけることは叶わない。
だが、彼らは違う。
世界が見落とそうと。
彼らは、私を見つけ出す。
世界とは、倫理とは、かけはなれた。
彼らの正義。
異常者と呼ばれながらも、目を光らせ続けたヒーロー。
証拠がなくとも、彼らは踏み込んでくる。
法に縛られようとも、その拳でもって挑んでくる。
世界など恐るるに足らない。
ただそんな私が恐れた、たった一つのもの
それは
おわり
わかると思いますが、とある作品を基にしています。
戦うことしかできない者が平和な世に居座ったら、何もせずに勤勉なものから搾取をするっていう、それこそ魔王とほぼ同じことをやることになるからね
正義の味方は平和を取り戻したらどこかに去るしかないのかもしれない
支援
おっと終わってた
ヒーローが仮面を被る理由が分かった気がした
乙でした
友人に読んでもらったら。
「アベンジャーズ!」と言われました。
違います。シビルウォーじゃないです。
話だけ何処かで聞いたような…
仮面ライダーを元にした、何とかインセクターだったっけ?
エロゲーにありそうな話やな
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