律子「プロデューサーと初詣」 (100)


大晦日



小鳥「はい! というわけで、これからは大人の時間です!」

あずさ「いえ~い!」

律子「なんで私まで……」

P「ははっ」








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小鳥「今年一年お疲れさまでした! 乾杯!」

あずさ「かんぱ~い!」

P「乾杯!」

律子「か、乾杯」




小鳥「ぷはー! 生き返るー!」

P「今日一日、ずっと我慢してましたからね」

小鳥「さすがに未成年の前では飲めませんから!」

律子「私も未成年ですけど!?」




律子「私もみんなと一緒に帰るはずだったのに……」

小鳥「まぁまぁ」

律子「もちろん私はお酒は飲みませんけど、私がいたら盛り下がるんじゃ?」

小鳥「そんな訳ないですよ!」

あずさ「そうです、律子さんがいないと始まりませんから」

律子「そうなんですか?」

小鳥「そうなんです!」




小鳥「って、それよりプロデューサーさん! 全然飲んでないじゃないですか!」

P「え?」

あずさ「あら~、それはいけません! さぁさぁどうぞ」

P「いやぁ、帰ってから仕事片付けようと思ってまして……」

あずさ「え? 明日からお休みですよね?」

小鳥「そうですよ! 社長が『お正月はみんなゆっくり過ごすべきだよ。はっはっはっ!』と言ってたじゃないですか!」

P「まぁ、そうなんですけど……」




小鳥「社長のご厚意を無駄にする気ですか!」

P「いやぁ……」

小鳥「律子さんも何か言ってください!」

律子「まぁ、確かにお正月特番は全部録画で収録を終えてますしね。それに年内の仕事は全部終わっている筈ですから」

小鳥「そうだそうだ!」




小鳥「というわけで、じゃんじゃん飲みましょう!」

P「あーもう! わかりましたよ!」

あずさ「ふふっ、さすがプロデューサーさん」



小鳥「では、改めまして……乾杯!」

あずさ「かんぱ~い!」

P「乾杯!」

律子「か、乾杯!」




───




小鳥「ところで、律子さん」

律子「はい?」

小鳥「最近プロデューサーの事を目で追ってる事多くないですか~?」

律子「は、はぁ!?」

小鳥「で、どうなんですか~?」

律子「そ、そんな訳ないじゃないですか!」

小鳥「ふふふ……この小鳥ちゃんの目は誤魔化せませんよ~?」

律子「うわっ、めんどくさ」



あずさ「なんの話しですか?」

律子「なんでもありません!」

P「?」








一時間後



小鳥「ささっ、プロデューサーさんどうぞ!」

P「いただきます!」

小鳥「いよっ! 日本一!」

あずさ「ふふっ、いい飲みっぷりですね~」

律子「ち、ちょっと飲み過ぎじゃないですか?」

P「大丈夫大丈夫! 律子は心配性だなぁ!」

あずさ「律子さんは優しいんですね~♪ えいっ!」

律子「きゃっ! ど、どこを触ってるんですか!」

あずさ「うふふ♪」




小鳥「むむっ! 見せつけてくれますね~! なら私も律子さんに……えいっ!」

律子「ひゃっ! ち、ちょっと! 小鳥さんまで!」

あずさ「あらあら~! それじゃあ次はプロデューサーさんの番ですね」

律子「!?」

P「俺ですかぁ~」

あずさ「一思いに突っついちゃってください~」

律子「な、何を言って!」




P「それじゃあいくぞ~律子~!」

律子「ま、待ってください! 落ち着いて!」

P「へっへっへっ」



律子「い、いやー!!」バシーン‼︎

P「ぐはぁ!!」





───




P「と、普通なら気絶する所なんですが、私は無事です!」

律子「つ、次にやったら訴えますからね!」

あずさ「もうセクハラはダメですよ~?」

P「けしかけといて酷い!」

小鳥「まぁまぁ、一杯どうぞ!」



律子「この酔っ払い供は……」




さらに一時間後



小鳥「Zzz……」

あずさ「Zzz……」

P「Zzz……」



律子「結局いつも通りの展開に……」





律子「ちょっと! もう帰りますよ!」

小鳥「う~ん……」



律子「あずささ~ん!」

あずさ「は~い……」



律子「プロデューサー!!」

P「…………」



律子「ダ、ダメだわ……」






律子「こうなったらタクシーで各家に送るしかないわね……」



───




律子「あずささん! お家に着きましたよ!」

あずさ「う~ん……ありがとうございます……」

律子「足元気を付けてくださいね!」

あずさ「は~い……」

律子「それじゃあ良いお年を!」

あずさ「良いお年を……」




律子「さて、次は小鳥さんね……って小鳥さん!?」

運転手「もう一人の女性なら一緒に降りて行きましたよ」

律子「えぇ!? い、いつの間に!!」



律子「…………」



律子「だ、大丈夫かしら……」




運転手「それで次はどちらに?」

律子「え? そ、そういえば私プロデューサーの家知らないわ……」



律子「プロデューサー! 起きてください! 住所どこですか!?」

P「Zzz……」

律子「プロデューサー!!」

P「Zzz……」



律子「う、うそ……起きない……」






運転手「どうしますか?」

律子「え、えーっと……」

運転手「…………」

律子「その、あの……」



律子「わーっ!!」



───





秋月邸



律子「け、結局プロデューサーが起きないから私の家に来てしまったわ……」



律子「お、親は親戚の集まりがあるとかで、もう出かけている筈よね……」



律子「電気も消えてるし大丈夫よね……」



律子「か、介抱するだけだから!」



律子「って、誰に言い訳してんのよ……」



律子「よいしょ。行きますよプロデューサー殿」



いいぞ

りっちゃんかわいいよりっちゃん

ええぞ!ええぞ!


リビング



律子「よいしょ!」ドサッ

P「Zzz……」

律子「ふぅ……」



律子「本当はベッドに寝かせてあげたいけど……二階まで運ぶのは無理だしソファで良いわよね……」



律子「はぁ……なんでこんなことに……」





律子「とりあえずプロデューサーに毛布を掛けてと」ファサッ



律子「うーん、どうしようかしら……」



律子「…………」



律子「そ、そうだわ! テレビでも観てましょう!」




デデーン ハマダ マツモト アウトー



律子「…………」

P「Zzz………」

律子「…………」




律子「落ち着かない!!!!」




律子「もう!! いつもの空間に男の人がいて平静でいられる訳ないじゃない!!」



律子「……しかもプロデューサー殿だし」



律子「じゃなくて!!!!」




律子「…………」ジー



P「Zzz……」



律子「ったく……人の気も知らないで呑気に寝ちゃって……」



律子「あら? よく見ると結構まつ毛長いんだこの人、ふふっ」



律子「…………」



律子「だから!!!!」




律子「も、もう無理だわ! 耐えられない!」



律子「プロデューサー! 起きてくださーい!」ユサユサ



P「うーん……」



律子「プロデューサー! 年が明けちゃいますよー!」ユサユサ




律子「プロデューサー!!」ユサユサ



P「Zzz……」



律子「お、起きない……」



律子「…………」




律子「……起きないと狼に襲われても知りませんよー?」ボソッ



P「Zzz……」



律子「ははっ、なーんてね!」



P「Zzz……」




律子「…………」




律子「……何言ってんのかしら……わたし……」



律子「…………」



律子「で、でも、こんな苦労したんだから少しくらい役得があってもいいわよね」



律子「…………」




律子「プロデューサー……本当に襲っちゃいますよ……?」



律子「キ、キスとかしちゃいますよ?」



律子「い、いいんですね?」



律子「…………」ドキドキ




律子「お、起きないプロデューサーが悪いんですからね!」



律子「い、いきますよ!」




律子「…………」ドキドキ






P「う、うーん……り……つこ?」パチッ



律子「ふぇ!?」



P「え? 近い? 律子!?」



律子「あっ、え? あの、これは! その!」








律子「い、いやー!!」バシーン



P「ぐはぁっ!!」ドンガラガッシャーン



律子「あっ」




───




律子「本当にごめんなさい……」

P「いやいや、介抱してくれてたんだろ? むしろこっちが謝りたいくらいだよ」



律子「…………」

P「…………」




P「えっと、ここは律子の家だよな?」

律子「そうですけど……」

P「あの、親御さんとかは?」

律子「親戚の集まりでいません」

P「そっか」

律子「はい」



P「…………」

律子「…………」




律子「あっ」

P「ん?」

律子「年、明けちゃいましたね」

P「本当だ」



律子「その、あけましておめでとうございます」

P「あけましておめでとうございます」

律子「今年もよろしくお願いします」

P「こちらこそお願いします」



律子「…………」

P「…………」



律子「ふふっ」

P「ははっ」




律子「せっかくの新年なのに、なんですかこの空気は」

P「はははっ、本当だな」



律子「そうだ。喉乾いちゃいましたよね。お水持ってきます」

P「ああ、ありがとう」




P「ふぅ、酔いも覚めてきたよ」

律子「それは良かった」

P「色々ありがとうな、律子」

律子「別にこれくらいいいですよ」




P「さて、それじゃあお暇しようかな」

律子「……え?」

P「正月ならまだ電車もあるだろうし」

律子「そ、そうですよね!」

P「それに、これ以上律子に迷惑はかけられないし」

律子「わ、わたしは迷惑だなんて、そんな……」





P「本当にありがとう、律子」

律子「それじゃあ、今度何かお礼してください」

P「ははっ、敵わないな」



P「さて、よいしょっと……」フラッ



P「あれ?」



P「うわぁ!」

律子「あ、あぶない!」



バターン‼︎






P「あいたたた……ご、ごめん律子。大丈夫……か……?」ムニュ

律子「…………」



P「うわぁ!! ま、待ってくれ誤解だ!! 今のは不可抗力で!!」

律子「…………」



P「り、律子……?」

律子「…………」ドキドキ




律子「その……大丈夫……です」

P「そ、そうか。本当にごめんな」

律子「い、いえ……」



P「…………」

律子「…………」




律子「そ、それより……!」

P「?」

律子「ま、まだ酔いが抜けてないじゃないですか!」

P「うっ……」

律子「こんなんで外を出歩いては危険です! だ、だから、その……!」



律子「も、もう少し家で休んでからにしてください!」

P「あ、ああ。でもそれだと律子が迷惑じゃないか?」

律子「だからその状態で出歩く方が危険だし迷惑なんです!」

P「そ、そうだよな。ごめん」

律子「わ、わかればいいんです!」





律子「…………」

P「…………」



律子「あ、あの! それじゃあシャワー浴びてきます!」

P「へ?」



律子「え?」




律子「い、いや! 違うんです! 今のはそういう意味じゃなくて! あの、お酒の匂いがついちゃったから、その! じゃなくて!」



律子「と、とにかく変な意味じゃ!」



P「お、落ち着け律子! だ、大丈夫だ! ちゃんとわかってるから!」




律子「と、とにかく行ってきます! プロデューサー殿はゆっくりしていてください!」

P「あ、ああ」




シャワー室



律子「はぁ……何やってるのしら私は……」



律子「本当にバカみたい……」



律子「…………」



律子「はぁ……」




───




律子「あ、あの……上がりました」

P「う、うん」

律子「その、プロデューサーもどうぞ。着替えはフリーサイズのジャージがあったので、これを使ってください」

P「り、律子のやつか?」

律子「ま、まだ新品ですよ! バカ!」

P「ご、ごめん」

律子「は、早く行ってきてください!」




───




P「い、いただきました」

律子「は、はい」



P「…………」

律子「…………」




律子「そ、その! テ、テレビでも観ましょうか!」

P「お、おう」

律子「あ、あはは~何やってるかな~」




ワイワイ ガヤガヤ



律子「…………」

P「…………」




P「な、なぁ律子」

律子「はい?」

P「あ、いや、その、なんでこんなに良くしてくれるのかなーって」

律子「え?」

P「いや、俺なんかあのまま居酒屋に放置しても良かったのにさって」

律子「……本気で言ってます?」

P「え?」



律子「良いわけないじゃないですか! プロデューサーは私にとって大切な人なんですから!」

P「り、律子?」

律子「あ、いや! 今のは違くて! 大切というのは事務所のみんなにとって無くてはならない存在だからということで!」



律子「って私はまたこうやって! あーもう!」




P「えっと、その、これって俺の自惚れとかじゃなくて」

律子「…………」

P「もしかして、律子は俺のことを……」



律子「…………」

P「…………」




律子「はぁ……そうですね。この際はっきり言ってしまいます」

P「…………」

律子「私、秋月律子は……プロデューサーのことが……す、すき──」ドキドキ



ガチャ



母「ただいまー」



律子「ぎゃーーーーー!!!!」





律子「お、おおお、お母さん!?」

母「なに慌ててんのよ。って、あら?」

P「あ、あの、こんばんは」ペコリ

母「あらあら、まぁまぁ! 私、お邪魔だったかしら?」

律子「いや、待って!! 違うのよ!!」




───




律子「……というわけなのよ」

母「なるほどなるほど」

P「ご迷惑をおかけしました。本当に律子さんにはお世話になりっぱなしで……」

母「迷惑なんてとんでもないわよ! それに律子も内心は喜んでいるだろうし」

律子「お母さん!!」

母「ふふっ、冗談よ」



律子「だいたい何で帰ってきてるのよ! 親戚の集まりはどうしたの!?」

母「ああ、それがお父さんが涼ちゃんを連れて夜釣りに行くとか言い出しちゃってねぇ。お母さんは暇だから帰ってきちゃった」

律子「ああ……」

母「本当にお父さんには参っちゃうわよね~」




母「まぁ、でもそのおかげで良いものが見れちゃったし」ジー

P「は、ははっ……」

母「うーん、なかなかのイケメンじゃない! お父さんの若い頃にそっくり!」

律子「は、はぁ? 似てないわよ!!」

母「あら、そう? でも確かにお父さんよりかっこいいかも」

律子「そういう事じゃなくて!!」



母「ごめんなさいね、口うるさくて。誰に似たのかしら」

律子「誰のせいだと思ってるのよ!!」

P「あ、あはは……」





母「それよりも、お腹空いちゃったわね。ちょっと早いけどお雑煮食べる?」

P「あっ、じゃあいただきます」

母「それじゃあ用意してくるわね」




律子「…………」

P「面白いお母さんだな」

律子「色々と大変ですよ……」

P「ははっ」




母「プロデューサーさんはお餅何個食べるー?」

P「じゃあ二個でお願いします」

母「はーい! 律子はー?」

律子「私も二個で」

母「あら? いつもは四個食べるのに。プロデューサーさんの前だからってねぇ。ふふっ」

律子「お母さん!!!!」

母「おほほのほー」







───




母「それじゃあ、いただきましょうか」

律子「いただきます」

P「いただきます。……っ! 美味しい!」

母「そう? それなら良かったわ~」

P「いや、本当に美味しいですよ、これ!」



母「ふふっ、今度律子にも作り方教えてあげるわね」ボソボソ

律子「…………」モグモグ






母「そういえば明日は休みなの?」

律子「うん」

母「あら、珍しいわね。稼ぎ時じゃないの?」

律子「社長の方針なのよ。お正月は家族や友達と過ごすべきだって」

母「へぇ。いい社長さんじゃない」

律子「まぁ、それでも仕事しようとしてた人がいるんだけどね」

P「あ、あはは……」




母「だったら初詣にでも行ってきなさいよ! もう少ししたら日の出だし、ちょうどいいじゃない!」

律子「何がちょうどいいのかわからないけど、確かに商売繁盛は願っとかないとね」

母「そうと決まったら、律子! こっちにいらっしゃい!」

律子「え?」

母「あんたまさかジャージでお参りに行く気? お母さんが着物着付けあげるから!」

律子「ち、ちょっと!」

母「ほら、早く!」




───




母「ここをこうして……よしっ!」パンッ!!

律子「ひゃっ!」

母「うん! バッチリ! これでプロデューサーさんもイチコロねっ!」

律子「だ、だからそういうんじゃ!」

母「別に隠さなくったっていいわよ、女同士なんだし」

律子「…………」

母「ビシッと決めてらっしゃい」



律子「……うん」




母「プロデューサーさん! 準備出来ましたよー?」

律子「…………」

P「おおっ……」

母「どうかしら?」



律子「…………」

P「その……綺麗だ律子」

律子「あ、ありがとうございます……」





母「さぁさぁ、そろそろ出かけないと日が昇っちゃうわよ!」

P「そ、そうですね。それじゃあ行こうか」

律子「……はい」




母「いってらっしゃい!」

律子「いってきます」

P「いってきます」



律子「…………」

P「…………」




律子「……そういえば、プロデューサーも着替えたんですね」

P「ああ、俺も初詣にジャージやスーツは無いだろうって、お母さんが用意してくれたんだ。お父さんの若い頃のやつだって」

律子「なるほど」




律子「なんか私服のプロデューサー殿って新鮮ですね」

P「そうか? それを言ったら着物……は仕事で何回か見てるけど……それを差し引いても今の律子は、その、綺麗だと思う」

律子「ふふっ、嬉しいです」




律子「あっ、人が増えてきましたね」

P「本当だ。みんな初詣に行く人かな?」

律子「たぶんそうでしょうね」




神社



律子「わわっ! 本当に凄い人がいっぱい!」

P「大丈夫か?」

律子「な、なんとか!」

P「えっと、律子」

律子「はい?」



P「…………」ギュッ

律子「あっ」

P「こうしてれば、はぐれないからさ」

律子「あ、ありがとうございます」




律子「手、冷たいですね」

P「手が冷たい人は心が暖かいって言うだろ?」

律子「それって迷信じゃないんですか?」

P「そんな浪漫のないこと言うなよ」

律子「あははっ」



律子「でも、なんだか大きくて安心するな」




───




P「よし、俺たちの番だな」

律子「えーっと、お賽銭を入れて、鈴を鳴らして、二拝二拍手一拝っと……」



P「…………」パン パン

律子「…………」パン パン



P「よしっ」

律子「よしっ」





P「何をお願いしたんだ?」

律子「もちろん商売繁盛!」

P「俺もだ」

律子「あとは家内安全、無病息災、交通安全etc.!」

P「ははっ、さすがだな」

律子「それと恋愛成就かな」ボソッ

P「ん?」

律子「なんでもないですよー!」




律子「あっ! おみくじがありますよ!」

P「お? 引いていくか!」

律子「当然!」




律子「えーっと、76番お願いします!」

P「俺は65番だな」



律子「じゃあ、一緒に開きますか?」

P「おし、いいぞー」



律子「むむむ……それっ!」

P「たぁ!」




律子「わー! わー! 見てください! 大吉ですよ!!」

P「おー凄いじゃないか!」

律子「プロデューサーは?」

P「俺は……末吉だな」

律子「あははっ、微妙ー!」

P「う、うるさいな!」



【大吉】恋愛運:待ち人すぐ近く




P「おっ、そろそろ日の出の時間だぞ」

律子「そうだ! 近くに絶好の日の出スポットがあるんですよ!

P「じゃあ、そこに行ってみようか」

律子「はい!」




───




律子「着きましたよ!」

P「ぜぇ……ぜぇ……すぐ近くって言ったじゃないか……」

律子「だらしがないですね! でも間に合ったじゃないですか!」

P「そ、そうだけど……」




律子「あっ、見てください! 出てきましたよ!」

P「おおっ! 確かに壮観だなぁ!」

律子「でしょう?」




律子「…………」

P「…………」




律子「……あの!」

P「……あの!」



律子「え、あ、プロデューサーどうぞ」

P「あ、いや、律子からどうぞ」



律子「…………」

P「…………」




律子「そ、それじゃあ……あの私から……」



律子「えっと、その、さっきはお母さんに邪魔されちゃってグダグダになっちゃいましたが……」



律子「わ、私は、プ、プロデューサー殿のことが!」




P「ごめん律子!!」



律子「ふぇ!?」



P「あっ、いや、いまのは!」



律子「そ、そうですよね……私みたいな寸胴地味眼鏡に告白されても困りますよね……」




P「ち、違くて!」

律子「え?」

P「いや、こういうのは男が言うもんだと思って!」



P「だから、俺から言わせてくれ!!」

律子「ひゃ、ひゃい!」





P「お、俺も、前からずっと律子のことが……す、すき──」






「あれ? 律子姉ちゃん?」





律子「え?」



涼「やっぱり律子姉ちゃんだ」

律子「り、涼!? な、なんでアンタがここに!」

涼「叔父さんに無理矢理釣りに駆り出されて、今帰ってきたんだよ……」

律子「ああ、そういえばお母さんがそんなこと……ってことは?」



父「ん? 律子じゃないか」



律子「やっぱり!!」




父「こんなところで何やってるんだ?」

律子「お父さん!!」

父「着物なんか着ちゃって……ん? そっちのは?」

P「あ、あの……どうも」

父「あー! お前なんで俺の服着てんだよ!!」

P「あっ、いや、その!」




父「どういうことだ律子! ま、まさか……か、か、彼氏じゃないだろうな!!!!」

律子「あーもう!! まだ違うわよ!!!!」

父「まだってなんだ、まだって!!!!」

律子「うるさいわね!! 放っておいてよ!!!!」



涼「あっ、765プロのプロデューサーさん」

P「あ、あはは……」




律子「もう!!!! なんでこうなるのよー!!!!」



終わり



いい

おつおつ


リッチャンハカワイイデスヨ

乙です
ご、後日談は…

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