「旗艦提督、参る。」【むろん艦これ】 (41)
ss投稿二回目です。ss投稿の仕方が分かってない部分は質問するかもしれません。
そのときは助けてください。
艦と子と娘(こ)が混同しています。全員提督LOVEです。
ひとのしなないげーむです
追記、いつ信濃が来るのかわからないのでスレ建てだけはしてみます。一日5~レス投稿したいです。
コンコン
静かな提督室にノックの音が響きました。提督は手を止め、入るよう促しました。油をさしても音の変わらない、重い扉が開きます。
提督「大淀か、寝坊したらしいだな」
大淀「提督、緊急電です」
提督「どこから?」
大淀「海g・・・・・・霞が関からです」
提督「・・・・・・」
提督「響、ちょっと部屋から出ててくれないか?」
提督「いや、終ったら呼ぶから部屋で待機していてくれ」
大淀さんは海軍省と言いかけ、わざわざ霞が関と言い直しました。
そのことに突っかかりを覚えた提督は秘書艦の響さんに待機を命じました.
響さんは、出る直前に名残惜しそうに提督を見つめ、扉をしめました。
提督「どうした」
大淀「敵の・・・・・・攻勢のようです」
提督「場所は?」
大淀「・・・・・・・・・台湾です」
提督はそれを聞いたきり言葉が出なくなりました。
もちろん、台湾は日本の制海権内の地域であるとともに敵の深海棲艦からみればはるか遠くの場所です。
敵の軍事的意図、戦略、どう考えても台湾に来襲する理由が浮かばないのです。
提督「昨日の輸送船団の壊滅は予兆だったか……」
提督「ようだ、といったな」
大淀「はい、説明いたします」
大淀「現在、台湾との有線無線ともに途絶」
大淀「偵察機8機と海防艦および多数の民間艦艇の未帰還が通達されました」
大淀「沖縄の無線所で台湾から敵の上陸の電報がありその後通信途絶とのこと」
提督「時間は?」
大淀「沖縄の電報受信は昨夜です」
大淀「わが鎮守府でも解読できない弱さで受信しました」
提督「それは朝一で伝えてもらっててもいいじゃないか」
大淀「何言ってるのかわからない内容なんて伝えようがありません」
大淀ん「そんなことより」
大淀「夜間カツオイカ漁船が」
提督「民間艦艇はシナ海の沖合遠洋漁船か…」
さかのぼること数日前、台湾周辺の海域で行方不明だった民間の輸送船団の残骸が発見されました。
台湾の駆潜艇の子たちの戦果は提督の耳にいままで届いたことはありませんが、それは台湾周辺での通商破壊がいままでなかったからです。
しかしその日の海上に浮かぶ船団の残骸、浮翌遊物の数々は敵潜の襲撃を証明していました。
提督「電報はそれだけか?」
大淀「いえ、ただいま和さんと妖精さんに残りの解読を任せています」
提督「本土で攻略するかな?」
大淀「聯合艦隊の7割がトラックにいるのにそんなことあるわけないじゃないですか」
提督「・・・」
提督「出撃できない子は今うちの艦隊にいるかな?」
大淀「潜水艦隊は夏に本土から着任した伊二六以外ドイツです」
大淀「あとは・・・・・・」
大淀「遠くへ行っている娘も病気の子も今はいません・・・たぶん」
提督「じゃあ出撃する娘と守る娘決めないとね」
提督「本日中に収集をかける。準備しておいてくれ」
鎮守府の戦いが今、始まります。
無線室ではモールスをひたすら変換する妖精さんと、大和さんがいました。大和さんはリレー式計算機で乱数を戻しながら、暗号表とにらめっこしています。
提督「どんな内容だ」
大和「海軍省は本土の艦隊は近海防衛、台湾奪回は私たちをご指名です。」
提督「高みの見物・・・・・・か、」
大和「わざわざトラックから部隊出さなくてもいいですよね」
提督「本土は恥をかきたくないのさ」
提督「ただでさえ目と鼻の先奇襲されてるんだから」
提督「しっかしどっから来たかな」
大和「シンガポールの英国艦隊はオーストラリアに遠征中ですよ」
提督「それだな…」
提督「うちらの偵察情報ないの?」
提督「偵察機8機被撃墜とだけ聞いたんだけど」
大和「来ただけでも潜水艦の偵察情報です」
大和「なんでも陸軍の潜水艦が外洋で、凪と海面変色に出会ったとか」
提督「それだな」
提督「場所は?」
大和「与那国島の西10海里」
提督「敵は台北か」
大和「私もそう思います、ですが」
大和「対本土艦隊の可能性もありますし」
大和「台北を攻撃するなら」
大和「彼らが台湾海峡ではなく、旧国境(日―清の領土境界)を通る意図がわかりません」
提督「飛行場・・・・・・かな、たぶん」
大和「飛行場ですか?」
提督「高翌雄と台南の飛行場が落ちていれば警戒するのは大陸だ」
大和「・・・・・・」
大和「意図が・・・意図がわかりません」
大和「台湾には何の価値もないはずです」
提督「・・・・・・・・・」
日本語に直した電報を改めてまじまじと見つめる提督と大和さんの間にしばし沈黙が訪れます。
電報を写し終えた妖精さんは、大和さんに手渡してからすぅ、と消えていきました。
大和さんは提督から目を外し再び乱数表とにらめっこです。リレー式計算機の腹をくすぐるような音が部屋に響きます。
提督は立ったままでいるのをやめて、大和さんの隣の椅子に座りました。
大和「……すいません、気が利きませんでした」
提督「なぁ…」
大和「はい、なんでしょう」
提督「……」
大和「……」
提督「たぶん、最高の機密だ」
大和「――はい」
提督「……」
提督「……」
提督「台湾の台北には、淡水河って川がある」
提督「台湾の山脈の上流からずっと流れているわけだ」
提督「……」
大和「……」
提督「そこで捕虜の深海棲艦が人体実験されている」
大和「……」
大和さんの手が止まりました、落胆の表情を見せないように目線を落としました。
計算機のキーの上で止まった手と、鉛筆を持つ手を胸に持ってきて言いました。
私は、なんの為に戦ってきたのですか
提督は、何も答えず大和さんの手を引きました。南洋とはいえ乾季で冷える時期に地下の無線室にいたのです。
大和さんの手は冷たくなっていました。大和さんが顔を上げると、提督は優しい目で見ていました。
提督が手を握る力を緩めると、大和さんの手は下に落ちました。立ち上がり外套のような上着を大和さんにかけて、言いました。
提督「君は私のために戦っているんだ。私だけを見ていろ、私だけの命令を聞け、それだけでいいんだ」
提督は去っていきました。大和さんはドアが閉まるまで視線で追いかけて、解読を再開しました。
日本語酷いが外人さんかね?
>>11
ちょっと、引きこもり歴がながくて……ね?
もっぱら作戦室として使われている会議室に艦娘たちが集まっています。
台湾から連絡が絶たれてから14時間程度。午後3時の会議室は重苦しい雰囲気でした。
誰一人声をさずに、椅子に座っていました。
手元の数枚の紙には公開できる範囲で書かれた現状の説明と提督の私的な考え、
敵の本拠地に合わせた大まかな作戦案が書かれています。
そんな中、提督がようやく到着しました。
提督「すまない、遅れた」
「こんにちは」「お疲れ様です」「うっす」「大変なことになりましたね」
提督「早速だが説明に入る」
提督「本日深夜、台湾が襲撃された」
提督「その紙に書いてある通りだ」
提督「海軍の索敵網には一切かからず」
提督「ほぼ完ぺきな無線封鎖状態で」
提督「一切の情報を我々に与えないようにしながら」
提督「台湾を一日で陥落させたものとみられている」
提督「状況的には昨年のフォークランド諸島やマルタ島の陥落と同じだ」
提督は危機的状況をまくしたてて言いました。
もし彼らの攻撃が日本軍への報復であれば、
台湾・・・とくに台北の市民は攻撃目標ないし戦闘に巻き込むように誘導される可能性があります。
かれらが陸戦能力をそろえる前に再上陸して解放する必要があるのです。
提督「本土の艦隊は大規模ではないため防衛に専念するとのこと」
提督「国連様はいつのまにか艦隊をオーストラリアとダッチハーバーに派遣していたらしい」
提督「よって台湾海域の制海圏および制空権は我々が奪還することとなる」
提督「わかったか?」
「はい」「はーい」「かりました」
提督「よし、紙をめくれ」
提督「今回の前線基地は沖縄となる」
提督「国際連盟に貸与中の那覇軍港が指揮を置く、台湾奪還のかなめだ」
提督「そこに、大和を旗艦とした砲撃艦部隊を送り込み沖縄の防御を徹底させるとともに」
提督「その後私率いる機動部隊がサイパン―硫黄島経由で到着する」
提督「偵察の状態次第で我々の作戦が決まる」
提督「敵が大部隊を上陸させていたら九州からもぐらを引っ張る」
提督「少数の陸上部隊だったら台湾の陸軍が対応できるだろう」
提督「それなら我々は海上の掃除と完全封鎖だ」
提督「私個人としては敵は少数のコマンドか完全な海上部隊であるとみている」
提督「でなければ我々の哨戒網に引っ掛かっていたはずだ」
提督「ただ、ぶっちゃけ作戦を練るには情報が足りない」
提督「だからまず情報の収集もかねて、機動艦隊についていけない戦艦を」
提督「前線基地である沖縄に派遣する」
提督「私が行くまで頼んだぞ。大和」
大和「はいっ」
提督「少なくともいまはこれ以上のことはわからない」
提督「以上、いまから呼ばれる艦と質問のあるものを除き解散!」
―大和―長門―第二艦隊―第一六駆逐隊、以上っ
会議室に提督の声が響き終え、一人ひとりと部屋を出ていきます。
質問はなかったようで、大淀さんと呼ばれた人たちが残りました。
提督は呼称甲部隊を無事沖縄にたどり着かせるための航路を説明し始めました。
提督の目は、戦を楽しむ漢の目でした。
この時は――あんなことになるとは夢にも思っていませんでした。
提督は、トラック環礁西方を一望できる提督室にいました。
眼下の海には、9隻の先行部隊がちょうど出てきたところでした。
先に出てきた重巡と駆逐はまだでてこない戦艦のために湾内を一周し始めます。
重巡が信号灯をこっちに向けました。
このようなお茶目なことをするのは摩耶さんでしょうか。
信号灯の光が特徴的なスクール水着の制服を照らします。
提督「こ、う、ぶ、た、い、s―――」
甲部隊出撃ス。提督が敬礼したとき、ちょうど戦艦二人が同時に出てきました。
長門さんはチェーンの外れた艤装を落としそうになりましたがアンカーでひっかけてちゃんと背負いなおします。
一周した重巡たちと戦艦二人はハイタッチし合ってから湾の外に走り始めました。
トラックの海も――暮れ始めます。潜水艦に捕捉されないように之の字を徹底してくれることを祈るのみです。
提督は窓から離れ、机に戻ります。
提督「飛行場の内線なんだっけ」
響「対潜哨戒機かい?」
響「さっきかすかにエンジン音してたからもう飛んでると思うよ」
提督「そうか?気づかなかったな」
響「違う島だからね、普通の人はわからないさ」
提督「ここ最近、環礁から艦隊出してないし、輸送艦も来てないから怖いんだよな」
響「いま気にしても遅いさ」
響「ちなみに内線は0014だよ」
提督「わかった」
提督は春島の海軍飛行場に確認の電話を取り始めます。
響さんは出撃確認書をまとめ、重要艦が不在になるため
提督不在時の防衛要綱書に作戦参加艦を除いた状態でも防衛作戦を成立させるために一部の改訂を行っていました。
提督は対潜哨戒機の東海がすでに発進したことを確認すると、東海への護衛戦闘機を2機出撃させました。
さきほど、出撃風景を眺めてたことからわかるように仕事のほとんどは終り、響さんの防衛要綱書が最後になります。
響「おわった。お待たせ、司令官」
響「ご飯にいかないかい?もう7時だよ」
提督「いま暮れ始めたばっかなんだが…」
響「いつまで内地時計でいるつもりなんだい」
響「マガタンやカムチャツキーでは3時には日が暮れて火が点るよ」
提督「33点」
響「言うがいいさ」
響「今日は金曜だ、カレーだろう?」
提督「じゃあ一度内地に連絡させてくれ」
提督「艦隊の最高指揮を横須賀に預けるのと夜間高高度偵察機の要請だな」
響「偵察機は勝手に出すだろう。GF長官が口出すことじゃないよ。」
提督「じゃあ、指揮権だけかな」
響「そうだね、電話するなら先に食堂いってるよ」
響さんは両手で力を込めてドアを開けます。かわいい。
提督がもう一度窓を見ると水平線が緑のスペクトルとともに収束していきました。
トラックの遅い夜が始まります。
提督は、横須賀の大将に沖縄到着までの指揮委譲の話をしてました。
提督「それでだな、ったく国連様がうるさくってよー」
してました(過去形)
後輩(一期下)「まあ、前線の大規模基地ですしそれくらいは」
提督「お前までそんなこと言うのか!」
提督「今年の国連軍派遣は本土艦隊から出すぞ!」
後輩「勘弁してください――」
後輩「それよりも、ですよ」
後輩「こっちにもアレ、届いてますし」
後輩「そっちにも届いてるでしょう?」
提督「まあ、なー」
提督「使う相手が、・・・・・・優柔不断すぎてな」
提督「使いたい相手が一人だけじゃないわけだ」
後輩「もっとほしいなら買えばいい」
提督「買えって…アレ、機密費から出てるって噂だぞ」
後輩「ちなみに二つ目からは自費ですよ。慈悲ないですよね」
提督「…」
後輩「…」
提督「・・・・・・」
後輩「……」
提督「買えんの?(小声)」
その時です。食堂にいるはずの響さんがドアを蹴破って入ってきました。
響「敵襲っ!」
提督「……聞こえたか?さっきの指揮権委譲はちょっと無理そうだな」
後輩「……ご武運を」
提督「響っ、どうした!」
響「甲部隊が環礁から出た直後に機雷多数らしい」
響「オオカミもいっぱいだ」
響「損害は少ないらしいが現在敗走中」
響「春、竹両島から東海がでた」
提督「あれっ、俺の仕事は?」
響「出迎えだ」
響「いや、まって」
響「電文またきた」
提督は仕事を奪われ目の前で電報に集中する響さんを見つめる以外なくなりました。
あれもこれも国連のやり方が悪い。
と提督は重いながらドックに行くために上着に手をかけました。
大和さんのシャンプーの臭いがします。ああ、股間に悪いなあ
提督「俺も無線使える程度でいいから艤装あればなあ」
響「BC兵器・・・」
提督「え?」
響「BC兵器警報だして提督」
提督「まてまて、BC兵器警報ってなんだ?」
響「警報盤の右三番目ね」
提督「まずBC兵器って――」
響「はやく」
提督「あ、はい」
提督「ぽちっとな」
いつもの警報よりさらに甲高いABC-alarmが鳴り始めます。
Nuclear wepon had been used――
響「警報違うよ」
提督「何があったんだ」
響「知るか」
響「ドックに行きなよ、こっちは鎮守府に放送流すから」
提督「わかった」
提督は立ち上がり、こっそり机の下で脱いでる靴を履きなおしました。
提督「(機雷・・・・・・・・・?)」
提督「(こいつ機雷っていったよな…)」
提督「(ってかBC兵器ってなんだよ)」
響「(化学・生物兵器のことだよ)」
提督「(こいつ・・・直接脳内に・・・!)」
と、言うことで提督はドックに向かうことになります。
放送機をいじる響さんに対応を任せてドアを閉めました。
そこに無線を受信していたのか、目の前に明石さんと廊下の向こうにいろんな娘がいました。
明石「……提督っ」
提督「いまからドックにいく」
明石「それは構いませんが提督はマスクをかけて」
明石「提督は艤装をつけていませんからね」
明石「それとドックに行くなら、安全が確認させるまでドック管理室で待機してください」
明石「いいですね?」
提督「ああ、いこう」
提督は廊下のほうを向きました。
提督「みんなにできることはないと思う」
提督「輸血の予備もあるだろうしみんなは普通にしていてくれ」
提督「なにかあったらこちらから…医療班側から指定が出る」
提督は廊下の先である食堂のほうに呼びかけ、目の前の大階段から明石さんとドックに向かいます。
自分も無線が聞けるように携行無線機を装備しようかと考えながら。
伏線張り忘れました。
提督「明石はどうするんだ?」
明石「成分分析や対人有害物質試験できるのわたしだけですよ?」
提督「じゃあ明石が許可でるまで俺は待機ってことか?」
明石「そうですね、あと第一艦隊の皆さんは艤装脱がずにドック入りですね」
提督「なんでだ?」
明石「艤装脱いだ途端に有毒ガスで死亡とかありえますよ」
提督「なるほど」
提督「んで、何が使われたと思う?」
提督「BC兵器警報なんて知ってただけで初めて押したんだけど」
明石「提督が押したのは核攻撃警報ですよ?」
提督「同じようなもんだろ」
明石「・・・そーですか」
明石「敵の兵器なんてわかんないんですよ」
明石「提督だって警報初めて押したでしょう?」
明石「深海がBC兵器使うのは初めてですよ」
明石「いや、本当はBC兵器じゃないのかもしれない」
提督「なるほど…」
明石「ところで機雷ってなんです?」
提督「お前それでよく艦娘やってこれたな」
提督「まあ、動かない魚雷だ」
提督「一度だけあったな」
提督「夏のマレー沖で戦ってた国連のドイツ艦が不発機雷引っ提げて帰ってきてな」
明石「あー・・・思い出しました」
明石「あの、なんとも言えない形のやつですね」
明石「解体したら中身空だった」
提督「そうだ」
明石「じゃああの時も空じゃなくて何か気体が入っていたのかな…」
提督「工廠で艤装つけててよかったな」
ドックの隣の管理室は普段妖精さんが管理するところであり、固有のカギと提督のマスターキーでしか開きません。
その提督は基本入室禁止ですが。
明石さんが提督から鍵を預かり、まず入ります。
半地下の大浴場含むドックの大部分を見下ろし可能な管理室の窓をすべて閉め、補錠を一つ一つかけていきます。
最後に、ドック内の案内板を管理室入室中に変えてから提督に入るよう促しました。
督「泥棒でも入るのか?」
明石「唯一の男性が管理室に入ることそのものがまずいんですよ」
明石「提督の信用如何ではありません」
明石「モラルの問題なのです」
提督「わかったわかった」
提督「それでドックに入る娘が安心するならやぶさかじゃないよ」
明石「この鎮守府の子でも、勝手にみられるのは嫌がると思いますよ」
明石「まあ、一対一で拒む子はいないと思いますが」
提督「好感度上げるために戦ってきたんだっけか俺」
明石「まあまあ」
提督「んで、ここでまってりゃいいのか?」
明石「はい」
明石「一番不安なのはあの子たちです」
明石「真っ先に提督の顔見れるほうがいいでしょう」
提督「んで、何がどうなって、何をどうするんだ?」
明石「マニュアルがあります」
明石「火災用ホースで高圧洗浄」
明石「流れた水はボイラーで蒸発させ残留する個体は焼却後輸送艦で本土に解析させます」
明石「私はその前にサンプルを取って試験を行います。
明石「あとサンプルを外の池に入れておくので試験が終わるまで鯉が浮いてたら
アウトですね」
提督「…………つまり」
明石「座って待っててください」
明石「まあ、高圧洗浄後はたぶん艤装脱いでもいいので修理待ちになると思います」
提督「いつもと違うのは会えるのは修復後ってことか」
提督「最近暇だなあ…」
明石「第一艦隊がついたようです」
明石「では」
長い夜が始まります。
どれくらいの時間がたったでしょうか。時計は12時を指し、腹はペコペコです。
12時ですから約五時間ですね。気が付いたらBC警報は鳴りやんでおり、水道からでる水もやや冷たくなってきました。
響さんが仕入れてくれた水筒の魚スープなど当の昔に飲み終えてます。
そんな中、明石さんがやって着ます。
明石「終りました」
提督「お疲れ様、明石」
明石「結論から言いますと、面会を許可します」
明石「まずドックよって提督が来ることを伝えたのでドック入っていいですよ」
明石「危険物もありませんでしたし(小声)」
明石「あの子たちが謎の粘性のある液体にまみれたのは事実です」
明石「人体に悪影響を与える一切の物質の検知はありませんでしたが」
明石「それは戦闘時のABC検査キットの延長のことでしかありません」
明石「なんらかの物質が今後あの子たちをむしばむ可能性があります」
明石「では、培養中のやつでほかの検査を行ってきます」
提督「うん…(仕事ないなあ…)」
伝声管(艦橋にある金色のアレ)のふたを開けて、提督はドック内に語り掛けます。
みんな、疲れただろう。楽な服着て待っていてくれ。5分後にドック内に入るよ。
提督は自分の服装を見直し、ネクタイを緩めてからもう残ってない水筒の一滴でも飲もうと水筒を傾けました。
かち、こち、かち、こち、
あの、寝付けない夜の時計に似た不快な長針の音が響きます。
晩秋の硫黄島攻勢では、サイパンに前線基地を敷き、眠れぬ夜に長針と右手で作戦を練ったもんだ。
突然の空襲、第一艦隊の敗走、謎の機雷と謎のBC兵器。
どれもこれも重要なことじゃない。
重要なのはいまさっき明石が言った。
「謎の粘性のある液体にまみれた」
ことと、きれいになった風呂上りの彼女たちにいまから会えることだ。
もう、戦闘はすべてみんなでここに永住しようか…。
ああ、みんな孕ませたら子供は何人になるんだっけか。
みんなのこと俺の謎の液体でべとべとにしてやる・・・。
提督は靴を履きなおして管理室を出ました。
靴・・・匂ってないよな?
提督「ご苦労だった」
提督「みんな、顔を上げたまえ」
提督「君たちは機雷原を掃海する能力などないし、」
提督「機雷で海中騒音が満たされているのに魚雷など避けれるわけがない」
提督「君たちに失礼な言い方だが、私は一部の性能にしぼって艦隊を作った」
提督「つまり責任は私にある」
提督「随伴護衛空母すらつけなかった私を恨んでくれ」
9人の女の娘たちは口を固く閉じて唇を噛んでます。
自分らの最高責任者に、自分の尊敬する司令官に、そんなことを言わせてしまう自分に不甲斐なさを感じている様子です。
提督は、そのことから考えを変えさせるため話を切り出します。
提督「大和、損害は?」
大和「江風さんが私をかばい一発被雷しましたがそのほかは無傷です」
大和「あとは明石さん次第ですね」
提督「江風、痛みはないか?」
江風「もうないよ」
江風「ったく、私だけ情けない」
江風「別に私が周り見えてなかっただけだって」
提督「まあ、敵も無航跡魚雷で、夜間だからな・・・」
提督「しっかし環礁前に待ち伏せとはなあ…」
江風「不自然だね」
江風「確かに環礁の座礁の可能性から逃げれて気が緩んだかもしれない」
提督「ああそうだ」
提督「情報が漏れてる」
江風「暗号がクソだからだね」
提督「前線暗号でも作るか?」
江風「ン」
提督「仕事ないから作るか」
大和「最高司令官がそれでいいんですか」
提督「いンだよいンだよ」
提督「明石からは聞いたな?」
提督「少なくとも、簡易検査では悪影響を及ぼすなにかは検出されなかったようだ」
提督「よく休んでくれ」
提督「風呂途中だったら覚める前に入りなおせ」
提督「大和は大丈夫だよな?」
提督「あとでいいから報告に来るように」
皆さん風呂上りの薄着で、とってもいやらしいものでした。
提督は大きくなった9インチ砲を股ぐらではさんで、ズボンに現れないよう必死でした。もう少し堪能したかったのですが、
皆さんが思ったより落ち込んでいたのでとりあえずゆっくりさせることにしました。
まだかや
まだかやん?
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