エレン「精神を鍛える訓練。それが……」(42)

エレン「それが『肝試し』だって、教官は今……言ったのか?」

アルミン「う、うん。僕らの耳に、訓練中飛んできた泥とかでも詰まってなければだけど」

ミカサ「ア、アルミン、突然ギャグをブフォ、い、言わないで欲しグフィヒヒヒ」

エレン「……そんなにツボる要素がどこにあんだよ」

キース「そこッ! 黙って耳を傾けることもままならないようなら」

キース「よく話が聞けるよう貴様らの耳の穴に、正確にアンカーを刺す立体起動の訓練にでも変えるか!?」

エレアルミカ「し、失礼しましたッ!」

キース「うむ。ではもう一度説明する! 立体起動訓練の一環である精神の鍛錬である!」

キース「立体起動中、パニックを起こすとそれはすなわち死に繋がる!」

キース「ゆえに、重要な訓練である! そしてそれを鍛える方法こそが……肝試しだ!」

キース「概要を説明する! 一度しか言わぬ故、一度で覚えろ! わかったか、スプリンガー訓練兵!」

コニー「はっ!」

概要

・成績に影響する重要な訓練
・森の中の決められたルートを二人一組で徒歩で進む
・途中にある墓地で、それぞれの組に与えられた課題をこなす
・途中棄権は可能。だが罰則という名のバツゲーム付き
・何度でも挑戦可能(ペアの交代も可)

キース「以上が、訓練の概要である! スプリンガー訓練兵、復唱しろ!」

コニー「はっ! 『以上が、訓練の概要である!』!」

キース「……貴様は私を舐めているのか」

コニー「……! せ、『成績に影響する重要な訓練である』! あ、あとは……」

キース「……もういい。貴様は最初の組として出発しろ」

・コニー&サシャ組み

コニー「はあ……。なんだって夜の森を、こんなランタン一つ持って歩かなきゃいけねぇんだ」

サシャ「全くです。狩猟民の私達にこんなことをさせても無意味ですよ」

コニー「だよなぁ。たしかに夜の狩りは気をつけなきゃいけねぇけど、歩くだけなら注意してれば何も危険なんて」ビチャッ

コニー「うわっ! なんかがほっぺたに一瞬付いた!」

サシャ「え、何ですか!? もしかしてベタなこんにゃくとかですか!? 食べたいですコニーどこですか!」キョロキョロ

コニー「森にこんにゃくなんてあるわけねぇだろ! なんかザラッとしてたし、こんにゃくにしちゃ小さいし。言うなれば舌みたいn」ガブッ

サシャ「へっ……!? ガブ?」

コニー(頭がない)

サシャ「いやああああああああああああ神様ああああああああああ!!」ズダダダッ

コニー「モガモガ……ぶはっ! なんだ突然、いきなり視界が暗くなったと思ったら……こりゃ、黒い布か?」バサッ

コニー「ったく、子供騙しも程々にしてほしいよな、サ、シャ……?」

サシャ?(寄生獣のように顔が展開)

コニー「うわああああああああああ母ちゃあああああああああああああん!!」

イヤアアアアア……ウワアアアアア……

キース「……今しがた、大きな悲鳴が聞こえたが。誰か、説明してもらおうか?」

しゅ、狩猟民コンビのあいつらがあんなに叫びだすってなんだよ……。
街で暮らしてた私なんか、ここにいるだけでも怖いのに……。
平然と進んでいくアイツらすげーって思ったのに、あんな悲鳴を……。
み、耳に泥が詰ブフォ、詰まるってクププププ……!
お前いい加減にしろよ……。

キース「(うむ。やはり、森に慣れていると思われているコニーとサシャを先行させたのは正解だったな)」

キース「特別に再度警告するが……この訓練は、成績に影響する。さあ次! 行きたい者は前へ!」

ミカサ……

・エレン&アニ組み

エレン「まさかアニと進むことになるとはなぁ。まあ、前に出たのが俺とお前だけだったからだけどよ」

アニ「……私はただ、このくだらない訓練を早く終わらせたかっただけだよ」

アニ「一応、点数稼ぎにもなるみたいだしね」

アニ「それに、あんたこそ意外だよ。ミカサかアルミンと組むと思ってた」

エレン「あー……ミカサはなんかツボにはまってて反応できなくて、アルミンは『この世に科学で証明できないものはないんだプラズマだ雰囲気だ』とかブツブツ言ってて、二人共ダメだった」

アニ「……まあ、私は点数が稼げればそれでいいから。せいぜい逃げ出さないでおくれよ。私はか弱い乙女なんだから」

エレン「点数を稼ぎたいのか乙女をアピールしたいのか、どっちかにしろよ。でないと」スッ

エレン「ん? 今お前の後ろの方をなんか通ったぞ?」

アニ「それ、怖がらせてるつもり? 笑えもしnヒャッ!」サワッ

エレン「な、なんだよ急に」

アニ「お、お尻を触られたんだけどさ……これってきっと仕掛け人がいて、そいつがやったんだよね……」ゴゴゴゴ

エレン「(すっげぇ怒ってる。このランタンの明かりしかない状況でその顔見ると、あの時の30倍は怖い。今俺が一番怖い)」

エレン「と、とにかく先に進もうぜ。ここで止まってたらまたあああああああぁぁぁぁぁ……!?」ビューン

アニ「は? あいつ、立体起動装置なんて持って……なかったね。連れ去られたのkアッ」サワッ

アニ「ま、また……! それにしても、精神を鍛える訓練なのに、耐える恐怖ってそういう種類の恐怖なわけ?」シリヲテデオオウ

アニ「随分とデリカシーがなってない訓練をやってくれるね。……せっかくエレンに女の子との話し方ってものを教えてやろうと思ったのに」

アニ「……に、しても。どう進もうか。ランタン持ってたエレンは吹っ飛んで行っちゃったし」

アニ「……次の組みをここで待t」サワッ

アニ「……胸もターゲットにしてきたか……フフ、フフフ」

アニ「……怖い。エレン早く戻ってきて」ガクガク

・ジャン&マルコ組み

ジャン「なぁマルコ。俺は誘い方が悪かったのか?」

マルコ「い、いや、あれは誘う前にミカサに何かあったんだろう」

ジャン「だよな……『一緒に行かないか』って誘ったら『み、耳に泥がジャンジャン詰まアッヒ』って返事とか意味わかんねーよ」

マルコ「まあまあ。今は訓練中だしさ。先に行っちゃったエレン達を抜いて、一着でゴールしようよ」

ジャン「ああ、そうだな。死に急ぎ野郎にだけは負けらrエレン「あああああぁぁぁぁぁ……!」

ジャン「……今、空から聞こえたのはあいつの声か? あいつはいつから飛び急ぎ野郎になったんだ?」

マルコ「声が流れていった方向からして、スタート地点に戻るルートだよね。何かな、これリアル人生ゲームなのかな」

ジャン「……ただの肝試しじゃなさそうだってのはわかった。だが装備はランタン一個。本当にただ恐怖に耐え切るしかないのか?」

マルコ「だ、だろうね。そう考えると、なんだか急に怖くなってきたよ……」

ジャン「じょ、冗談やめろよマルコ。とりあえず、この前に進む足を止めなきゃいいんd」

長髪の乱れた女「ア……ヒ、ヒトダ……ヒトガ、キタ……」

ジャマル「うわああああああああああああでたあああああああああああああああ!!」ダダダダッ

アニ「な、何で逃げるんだい、二人共……やっと誰かと合流できたと思ったのn」フフフ……

アニ「くううううう……! 今の笑い声って……」ブルブル

・クリスタ&ユミル組み

クリスタ「…………」

ユミル「なあ、クリスタ」

クリスタ「…………」

ユミル「なあ。クリスタ。おい、クリスタってば!」

クリスタ「ひゃあっ! な、なによユミル。脅かさないで……今、怯えないように頑張って進んでるんだから」

ユミル「……すでに無理だと思うんだが。そんなに怖いんなら、棄権するか?」

クリスタ「こ、怖くならないように頑張ってるの! 棄権なんtエレン「ぁぁぁぁ……!」

ユミル「……エレンか? 今の」

クリスタ「なんで!? なんで上から!? ハッ。もしかして私達、いつのまにか逆さまに歩いてて、今のは地下からなんじゃ!」

ユミル「どんな発送の飛躍の仕方だよそりゃあ。なあおい、もう無理だろ。お前はもう虫の息だ。自分の怖がりも管理できねぇやつが、評価ほしさに来ちゃいけねぇ訓練を受けちまった」

ユミル「お前の実力はここまでだったんだよ」

クリスタ「! ……諦めない!」

期待

ユミル「このままじゃこkジャマル「ウワアアアアアデタアアアアア……」

クリスタ「こ、今度は前から!? 先に進んだジャン達!? いえ、そう思わせることが目的ね!? お、恐ろしい訓練だわ……」

ユミル「……お前、しまいにゃ幽霊じゃなくて宇宙人でも見つけそうだな」

クリスタ「UMAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

ユミル「ああ、芋女のバカが移ってる……一緒に長く過ごさせすぎたか……」




ちょっと便秘気味なんで治してきます。続きは書きます故。

いってらー
期待してます

面白い
期待

アニかわいい

1です。便秘治ってスッキリしてボーっとしすぎてました
書き溜めないのでゆっくり進行ですがよしなに

待ってたぜ

・ライナー&ベルトルト組み

ベルトルト「組み合わせ考えるとこういう感じにならざるをえないんだよね」

ライナー「なんだお前、いきなり……」

ベルトルト「いやなんでも。それより肝試しかぁ。やったことはないから楽しみじゃないか?」

ライナー「そりゃ、楽しみじゃないと言えば嘘になるが……やっぱクリスタと組みたかったな。野郎二人で肝試しって」

ベルトルト「まあまあ、変に気を使わずに済むじゃないか。それに、僕らの一つ前はクリスタ達なわけだし」

ベルトルト「早めに行けば追いつくkライナー「ダッシュで行くぞベルトルト」ダッ

ベルトルト「一緒に行ったユミルはどうするのさ!」ダッ

ライナー「お前に任せる! ……って、あの明かりは」

ベルトルト「お、あれはランタンの明かりっぽいね。人影も見える、かな?」

ライナー「いや待て、今は肝試し中だ。そう思わせておいて仕掛けの可能性gクリスタ「UMAAAAAAAAAAAAAA!!」

ベルトルト「い、今のってクリスタの……」

ライナー「く、クリスタじゃなくてユミルだろ、ユミルだろおおおおお! 俺のクリスタがあんな奇怪な叫びをするはずがないんだああああ!」

ベルトルト「ああ……昔のライナーは戦士だった。今は違う。間違いなく違う僕は間違ってない」

ユミル「なあクリスタ。UMAも幽霊も異世界人もいねぇから進もうぜ」

クリスタ「まさか、あなたもユミルと思わせておいて別の何かなの!? 返してよ! 私のそばかす返して!」

ユミル「お前にとって私はそばかすとイコールの存在なのかよ……。いいから進むぞ」

クリスタ「そおばあかすうたあああああああああああああ!!」

ユミル「もう何なんだよお前。……って、お前ら、追いついちまったのか」

ライナー「あ、ああ……。その、なんだ。そこに立って叫んでるそれは、紛れもないクリスタなのか」

ユミル「私も自信なくなってきたとこなんだがな……まあ概ねクリスタで合ってると思う。なあ、クリスタ?」

クリスタ「う、うわああああああああああホモゴリラアアアアアアアアアア!!」

ライナー「」

ベルトルト「さ、先に進んだほうがいいんじゃないかライナー。これ以上心が砕け散りそうになる前に」

ライナー「」

ユミル「なあベルトルさん。私はユミルを抱えるから、どうにかしてそのホモゴリラを引きずって一緒に行かないか?」

ベルトルさん「ああうん。その方がよさそうだ。きっとこの後はミカサとアルミンだろうから、ここでたむろしてたらそのうち大渋滞だ」

ユミル「決まりだな。ほらいくぞクリスタっぽいの」ヒョイッ クリスタ「知らないそばかすが私を抱えてる! 助けてホモゴリライナー!」

ライナー「」 ベルトルト「……行こうか、ライナー」ズルズル

・ミカサ&アルミン組み

ミカサ「エレンが空を飛んでいる」

アルミン「まだ森に入って10秒くらいなのに、いきなり電波飛ばさないでよミカサ」

ミカサ「違う。ほら、よく耳を澄ませていて。アルミンの耳に泥が詰ブフォっってなければ聞こえるはず。私は木の上から捕まえてこようと思う」ザッザッ

アルミン「まだちょっとクるんだねって、え? 何いきなりアグレッシブな奇行に……」ぁぁぁぁぁぁぁ……

アルミン「うわ、耳澄まさなくてもホントに上の方から聞こえてきた! 何、何で飛んでるのエレン!? 鳥になりたいの!? それとも風!?」

ミカサ「そろそろ…………『ぁぁぁああああああ!!』はいキャッチ」ガシッ エレン「うごぉッ!?」

アルミン「え、エレーン!? いつから君は鳥になりたかったの!? というか大丈夫かい!?」

エレン「先に、身を、案じてくれ……。っていうかミカサ、キャッチしてくれるのはいいんだが、腹パン同然で止めるのはさすがに……グフッ」ガクッ

ミカサ「いい。何も言わなくていい。全部わかってるから。あの女狐にはしかるべき報いを」地面に着地

アルミン「エレンは今すぐ起きて説明するんだ! 君にはその義務がある! 鳥類なんか目指さないで人類目指して!」

ミカサ「エレンは元から人類のはず」 エレン「はずじゃねぇよ人類だよっ! 自信持てよっ!」ガバッ

ミカサ「ソバット」 エレン「ガハッ」ガクン

アルミン「え、エレエエエエエエエエエエエエエエン!! なんで気絶させちゃったのミカサ! たまたま虫でもいたくらいの理由はあるよね!?」

ミカサ「エレンは優しいから、あの女狐をかばうかもしれない。そうなると上手く削げない」スッ

アルミン「なんでブレード持ってるんだミカサ! いくら思春期だからって衝動的に行動しすぎだよほぉ!!」

ミカサ「とにかく進もう。現れるもの皆排除する」ザッザッ

アルミン「触れるもの皆傷つけたみたいなリズムで言わないでよ!」タッタッタッ


~一方その頃~

サシャ「あかんやろ……コニーの頭が食われてしもうたと思って全力で逃げたら……どこなん? ここ」

サシャ「ルートから外れすぎて、ランタンもないし。夜目は効いてきたけど……とりあえず木の上が定石かな。お、あの木でいいや」ガッシガッシ

サシャ「ふう。ここなら下よりはなんぼか安全やろ。にしても、随分でっかい実の生っとる木やね。食べられるんかいな。どれ、ひとt」

コニーの頭がたくさん生った木

サシャ「あかんやろおおおおおおおおおおおおおお!!」ヒュ~


サシャ:脱落


???「一人脱落、と」

怖すぎるだろwww

マルコ「ね、ねぇ、ジャン。さっきはよく逃げずに通り過ぎて行けたよね」

ジャン「あ、ああ。あまりにもビビ、じゃない、武者震いが止まらなかったせいで、逃げるという選択肢の前にとりあえず足を動かしてしまった」

マルコ「でも結果がこれさ。きっと僕らが一番最初に着いたんだよ、この墓地に」

ジャン「ああ。さっさと終わらせて、この訓練も好成績で終わらせて憲兵団入りまで近づくとするか!」

マルコ「じゃあ、早速。えっと、課題は……あった」ゴソゴソ

ジャン「しょ、正直雰囲気だけでも負けそうだから早くしてくれ」

マルコ「」

ジャン「……? おい、マルコ?」

マルコ「墓地にて……後続の組が来るまで待機。後、それぞれの組が持つ心霊話を交わし、その墓場の奥に置いてある、あるモノを取ってこい」

ジャン「なん……だと……」

マルコ「なお、そのモノは目立つので、ランタンさえあれば見つけられるモノである」

ジャン「いや、そのモノとやらはいい。だが、俺達が一番最初にここに着いたんだぞ? たしかに最初の方ではあったが、まだ誰かがたどり着けるかすらわかんねぇってのに、ここで……?」

マルコ「勘弁してほしいね……しかもこんな所で心霊話。きっと教官のことだ、やらなかったらバレるなんらかの仕組みを考えてるに違いないよ」

ジャン「クソッ。なら、先にモノとやらを探そうぜ。悠長に他の組みが来るのを待ってるよりはいいだろ」

マルコ「注釈に、順番は絶対に守ること、って書いてあるけど」

ジャン「守ってられっかそんなもん! じっとしてたら、その……いろいろ、考えちまうだろうが!」

マルコ「そ、それもそうだね。よし、進もう」

ジャン「にしても……夜の、しかも森の奥にある墓地ってのはこんなにコエエもんなのか」

マルコ「そりゃね。いい場所ではないよ。大体眠っているのに、こんな茶化すようなことでこの場に踏み入れてしまうなんて」

ジャン「相変わらずお前はいい子ちゃんだなぁ。これもちゃんとした訓練には違いないだろ?」

マルコ「そ、そうだけど……あ、あれじゃない? 結構目立つモノって」

ジャン「お、たしかに。ランタンの光を反射してるな」

ジャン「なんだこりゃ。ブレードの刃じゃねぇか」

マルコ「ホントだ。これが正解のモノでいいのかな? 訓練で回収しきれなかったモノとかじゃないよね?」

ジャン「さあな。だが場所的にはここが一番奥だし。これでいいんじゃねぇか。あとは……」

マルコ「……ここで待機、だね」

ジャン「勘弁願いたいぜ、ホントによ」


ユミル一行

ユミル「……でよ、その娘の霊は言うんだ。一枚足りなぁい!」

ベルトルト「はは、そりゃ怖いや」

ユミル「なんだよベルトルさん。反応薄いぜ。抱えてるクリスタなんか泡吹いてやがるってのに」

クリスタ「」ブクブク

ベルトルト「ベタすぎて怖がれないよ、その話じゃ。ライナーはどうだった?」

ライナー「クリスタは皿なんて割ってないだろ!」ズルズル

ベルトルト「……もう自分で歩いてくれないかな」

エレンの理由聞いてあげなよミカサ

ユミル「……ってちょっと待った、あそこでうずくまってるのは」

ベルトルト「ん、たしかに誰かいるね。あれは……」

アニ「あ、ああ、ようやく人が……!」

ユミル「おおっと、ありゃアニじゃねぇか」



ここでちょっと夜勤に出かけて参ります。
書きためて一気に書いた方がよろしい?

ユミルとクリスタ可愛いよぉぉ

アニ「こ、今度こそ人が来てくれた……ちょっと、本気で、もう誰でもいいから一緒にいて……」

ベルトルト「!!」ドサッ ライナー「いてっ! いきなり手を離すな、ベルトルト!」

クリスタ「いやああああああああ牡丹灯籠うううううううう!」

ユミル「いや、話したのは皿屋敷だしアレはアニだし」

ベルトルト「ライナー、ユミル、クリスタ! 先に行っててくれ! アニは僕が面倒を見ておく!」

ユミル「な、なんだ? 自称自分の意志がないさんが珍しく主張したぞ」

ライナー「ああ、ベルトルトはアニが絡むと張り切っちゃう系ボーイなんだ」

ユミル「童貞だな」 

クリスタ「チェリイイイイイイイイイイイイイ!」

ユミル「いちいち叫ぶなうるせぇ!」

アニ「べ、ベルトルト? なに、珍しく頼り甲斐があるね……」

ベルトルト「もっと僕を頼ってよ! もっと僕に構ってよ! もっと僕を好きになってよ!」

ユミル「でけーシンちゃんだな。しれっと告ってるし」

ライナー「ベルトルトの昔のアダ名は巨人のドシンだったな。ドシンちゃんだな。なんだ、俺達はとりあえず先に行こう」

ユミル「お? なんだライナー。完全にしょうきにもどったのか?」

ライナー「クリスタは天使だからな」

ユミル「(意味わかんねぇ)」 

クリスタ「翼の折れたエンジェエエエエエエエエエエエエ」 ユミル「もういい」ゴスッ クリスタ「あうっ」ガクン

ライナー「なっ!? ユミルお前、俺の嫁さんになんてことを!」

アルミン可愛いな

ユミル「私の嫁だ筋肉。それにここまで錯乱しちまってると、クリスタのためでもあるだろ?」

ライナー「……いいだろう。今回だけ許す」

ユミル「お前とは一度、徹底的に話し合わなきゃいけねぇみたいだな……」

ライナー「受けて立つぞ……」

アニ「あぁ……人が一気に増えた上に賑やかで調子が戻ってきた。なんだかんだあのセクハラもなくなったし。ん? ベルトルト。あんた突っ立って何してるのさ」

ベルトルト「」


一方その頃

ミカサ「これも幼稚な仕掛け。切り落とそう。アルミン、いい加減前を向いて歩いて」ザシュ

アルミン「きょ、極限の精神状態だと、たとえソレがイタズラだってわかってても恐怖は抑えられないんだよ!」ウツムキ

ミカサ「……困った。私の幼馴染達が頼りなさすぎる。これは私が守らないと」

アルミン「こういうの全く動じなさそうなエレンはミカサが綺麗にアゴにソバット決めちゃったじゃないか!」

ミカサ「食らうほうが悪い」

アルミン「目的のためなら手段は選ばないんだね……」

ミカサ「エレンは私がいないと死ぬ。ので、私が強くなって私が守る」

アルミン「あれ、前は危なかっしいじゃなかったっけ……レベルアップしてない?」

ミカサ「女狐に食い殺されてしまうからレベルアップも仕方ない。……なんて言ってたら、件の女の匂いが近い」

アルミン「え? え? 前向けないからわかんないんだけどアニが近いの?」

ミカサ「走る」ダッ

アルミン「置いてかないでよミカサァ!」ダッ

アニ「……寒気がする」

ベルトルト「!! ぼ、僕が寒気の原因を解決するよ! とりあえずこの森の木を伐採しまくればいいかな!?」

ユミル「張り切る方向が全然違うぜベルトルさん……」

ライナー「ああ。こんなんだからアニに気持ちを気づいてもらえないんだ、ベルトルトは。そんなことより、腕はキツくないか? どれ、俺がその小脇に抱えてる天使を」

ユミル「天使だってわかってるなら重さなんてご褒美だってわかるだろライナーさんよ」

ライナー「クソッ! 羨ましいんだよ! ちょっと分けろ!」

ユミル「悪いが天使の分け前は私の独り占めにさせてもらうぜ。……ん? 後ろが騒がしいな」

ミカサ「みぃぃぃぃぃつぅぅぅぅぅけぇぇぇぇぇぇたぁぁぁぁぁ……!」ダダダダッ

ベユアラ「う、うわああああああああああああ出たああああああああああ!!」ダダッ

ライナー「お、おい! 思わず走ってるがミカサはお前らの寮と同室だろ! なんとかしろよ!」

ユミル「ようし、ならお前が同室だった場合この時どうするか考えてみやがれ!」

ライナー「……逃げるしかない! もしくは、アニを差し出す!」

ベルトルト「ライナー! もう君は戦士なんかじゃない! アニは僕が守る!」ダキッ

アニ「え、ちょ!? ベルトルト!?」

ベルトルト「おおおおおおおおおおおアニが僕の胸にいいいいいいいいいい!!」ダダダダダダッ

ライナー「な、なんて急加速なんだ……ありゃ肉体の限界を超えてるんじゃないか?」

ユミル「ドシンちゃんだし覚醒だろ、覚醒」

ライナー「思いついたんd」

ユミル「却下」

ライナー「クソッ!」

ミカサ「逃がさない……! 行けっ、私のブレード!」ヒュンッ

ライナー「うわ、ミカサのやつ、持ってたブレード投げてきたぞ!」

ベルトルト「あまいッ!」サッ

ユミル「よ、避けた!? ミカサのあの寸分違わぬ投擲を!」

ミカサ「誰も一本とは言ってない」ヒュンッ

ミカサ「あっ」

ライナー「うおおおエレンが飛んできた!?」

ユミル「なんで今日は毎回飛んでんだアイツは!」

アニ「エレン!」ガッシ

エレン「……んあ? あれ、アニ? と、ベルトルト? ってなんだこれ!? ベルトルトに抱えられてるアニに抱きつかれてる!」

ベルトルト「うわあああああ色んな意味で離れてくれエレン!」

ミカサ「……殺!」ヒュンヒュンヒュンッ

ベルトルト「さすがに二人を抱えるのはグハッ! ……無念」ゴンッ

ライナー「綺麗にブレードの背が後頭部にヒットしたな……」

ユミル「ああ……つーか私ら、もう止まっていいだろ」

エレン「おっわアブネ! っと、アニ、大丈夫か? なんかミカサがやばそうだから走るぞ」

アニ「って私を抱きかかえて走らなくてもいいよエレン!」

エレン「ベルトルトはお前を守ったんだろ! ミカサの目的がお前なら迷惑かけられねぇし、ベルトルトの意志も継ぐ!」

アニ「え、エレン……」ポッ

ミカサ「殺殺殺殺殺殺」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ

ライナー「……アニのあの反応がちょっとでもベルトルトに行ってくれればな」

ユミル「つーか何本持ってんだよあの女」

アルミン「ミカサだからね。その気になれば天変地異だって起こせるだろうさ」

ユミル「おう、いたのか男版クリスタ。なんだってお前うつむいてんだ?」

ライナー「(結婚したい)」

ハンジ「あーあ。こりゃーもう肝試しって空気じゃないねー。せっかく色々用意してあげたのにさ」

リヴァイ「……手伝ってる俺達の身にもなってみろ。ガキを引っ張るために立体機動装置まで使わせやがって。ペトラなんて衣装やメイクまで決めてくるほどだぞ」

ハンジ「あっはははは。あの子は自分の代で私らにやられた時に漏らしたからねぇ。そりゃあ気合いも入るだろうさ」

リヴァイ「チッ……。そういえば、途中棄権の坊主頭と田舎女はどうした」

ハンジ「あー、キース教官から課題の内容は聞いてるから、墓場に他の組みが到着して話が終わったら脅かして出るように言ってるんだけど」

リヴァイ「……もうすぐ墓場に着くぞ、あいつら」

ハンジ「んー……面白いからこのまま見ていよう!」

リヴァイ「……奇行種め」

ハンジ「え!? どこどこ!?」

リヴァイ「ハァ……」

ミカサ「くっ! さすがにもうブレードがない。ここまでしつこくエレンに迫るとは。寮に帰ったら死より恐ろしい目に合わせよう」

ミカサ「それに、エレンが走っているせいで追いつけない。私が苦手な悪路ばかり通る……。さすがエレン、私への理解が深い」

ミカサ「そんなことよりブレード……どこかに落ちてないかな」

エレン「ゼェゼェ……。こ、こういうルートならミカサだってなかなか追いつけないはずだ!」

アニ「も、もういいってエレン! 置いていけなんてカッコつけるつもりはないけどさ、せめて自分で走る」

エレン「そうはいかねぇ。お前じゃミカサ特有の踏み込み方とかはわかんねぇだろ! とりあえずもうちょっと俺に任せとけ!」

ミカサ「……エレンと会話するなんて許さない。せめてブレードが1枚でもあれば、それで確実にアニを削ぐ。せめて、せめて……!」

アニ「あ、前に墓地らしき場所が見えるよ。課題で言ってた所じゃないかい?」

エレン「……単純に通っちゃ悪路もクソもないな。迂回して行くぞ! つーかそろそろ諦めてくれよミカサァ!」

ミカサ「わかった! エレンを追いかけるのを諦めるというのを諦めよう!」

エレン「こンの屁理屈女がぁ!」

置いてかれた方々

ユミル「……もう棄権でいいな」

ライナー「ああ。勝負はもう、すでに決まった」

アルミン「それなら、ま、前を向いていい場所まで着いたら教えて」

ユミル「前くらい向け。もう雰囲気もクソもねえだろうが」

ライナー「なんだったら俺がおぶってやるぞ」

アルミン「! いや、手は借りないよ! 僕はこのまま、うつむいて安全地帯まで戻る!」

ユミル「いや、前は向けって……」

ライナー「(掘りたい)」

サシャ「コニー! 足音が近づいてますよ!」

コニー「お、やっとだな。もうちょっとで出番が来そうなのか」

サシャ「フフフ……先ほどの調査兵団の方に貸してもらったこの特殊マスクのチカラを見せてあげましょう」

コニー「そ、それかぶって俺の方向くなよ。さっきのこと思い出すんだよ……」

サシャ「ソレを言うならコニー! あなたのせいで、もう夜は木を見上げることなんて出来ませんよ!」

コニー「はあ? 何言ってんだお前?」

サシャ「言ったじゃないですか! 木の実が全部、失くなったコニーの頭に……ってあれ? おかしくないですか? 足音がこっちに向かってるような」

コニー「言われてみればたしかに……ってこれ、確実に俺達に近づいてるぞ!」ドドドドド

エレン「うおおおおおおおおおおおお!!」

サシャ「え、エレン!? アニを抱えてる!?」

コニー「なんでこっちにまっすぐ来るんだよ!」

エレン「コニーと、うわ、お前サシャ、か!? とりあえずお前らも逃げろ! あいつが来る!」

コニー「あいつって……」

ミカサ「ブレードブレードブレードブレードブレード」ブツブツ ダダダダッ

サシャコニ「うわああああああああああああああああああああ!!」

エレン「くそっ、ダメだ、あそこから先は完全に木の根っこが邪魔してる!」

アニ「エレン、あっちを見てみな! ランタンらしき光が見える!」

エレン「ナイスだアニ! よし、ここの生垣を突っ切るぞ!」

コニー「置いてくなよエレン!」

サシャ「どうにかしてくださいよエレン!」

ミカサ「ブレード……1枚……1枚が……」

一方その頃

ジャン「お、墓地の入り口辺りが騒がしいな。やっと次の組が来たのか?」

マルコ「ふー、意外と長かったね」

ジャン「全くだ。おせェんだっつの。おかげで心を無にして時間を潰す術を身につけちまったじゃねぇか」

マルコ「きっとこれからの人生で必要になるさ」

ジャン「何遠い目してんだお前。っておい、どうも音が逸れていくんだが」

マルコ「あれ? ホントだね。真っ直ぐ向かってきそうにないや。どことなく墓地の外側をグルっと回ってきてるような……」

ジャン「……おいおい、なんの冗談だこりゃあ。何かの仕掛けか?」

マルコ「う、うーん、どうなんだろう。その可能性もなくはないけど……どんどんこっちに来るね……」

ジャン「っ! ううう、う、後ろから来るぞマルコおおおおおお!」

ガサガサッ!

エレン「うおおおお、おお!? ジャンか!? そこをどいてくれ!」

ジャン「てめ、死に急ぎ野郎! 死ぬほどビビったじゃねぇか! と、アニか!?」

アニ「死ぬほどビビリ野郎、早くどきな!」

ジャン「無理やり呼ぶんじゃねぇよ!」

マルコ「なんだ、どうなってるんだ!?」

コニー「おい、どこに逃げればいいんだよ!」ガサッ

ジャン「コニーまで!?」

サシャ「待ってくださいよ三人とも!(顔展開マスク)」ガサッ

マルジャン「うわあああああああああああああ化け物おおおおおおおお!!」

ミカサ「1枚足りなぁい……あっ! あったああああああよこせええええええええええ!」ガサッ

マルコ「うおわああああああああああああああターミネーターあああああ!!」

ジャン「ひぃ、皿屋敷!? ってみ、ミカサ!? 俺はビビってなんかいねぇぞ! 今のはな、嬉しさで震えが止まらなかった」

ミカサ「絶」スッ

ジャン「だヒン!?」ガクッ

マルコ「ジャアアアアアアアアアアアアアアアン!! 馬みたいな断末魔上げたじゃああああああん!」

エレン「やべぇ! ミカサのやつ、なんでかジャンが持ってたブレード奪いやがった!」

アニ「こりゃ、もう一対一でやるしかないね」バッ

エレン「おいアニ!? あぶねぇって!」

ミカサ「やっと生きたまま死にたくなるほどの苦痛を味わう覚悟ができたようで嬉しい」

アニ「あんたはいい加減にエレンへの依存を薄めないと、一生そういう扱いのキャラのまんまだよ」

ミカサ「? 何を言ってるのかわからないけど、エレンは私が守る。ので、危険を回避、防御、抹消、デリート、完全粉砕、塵芥と化させるのは当然」

アニ「いい度胸だね……いいよ、ここらでいい加減、ハッキリさせようじゃないか」

ミカサ「ブレードもなしに私に挑む? 理解ができない。死にたいの?」


???「はいストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオップ!!」

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